自動車保険を乗り換える方法は、満期と中途解約の2通りです。乗り換えには保険料が安くなるなど、いくつものメリットがあります。このコラムでは自動車保険を乗り換えるときの方法について、満期・中途解約それぞれに分けてご紹介します。
自動車保険を乗り換えるタイミングは2通り
「保険料を安くしたい」「家族構成が変わった」など、さまざまな理由で自動車保険の乗り換えを検討することがあると思います。乗り換えのタイミングは、満期で更新せずに他社の保険に加入する場合と、満期を待たずに中途解約する場合の2通りです。
ここでは、乗り換えるタイミングである満期と中途解約について、概要をご紹介します。
満期を迎えたとき
保険期間は一般的に1年で、満期がきたら更新します。ほかの保険に乗り換えたい場合、手続きは乗り換えたい保険に申し込むだけです。現在の保険は自動更新契約でない限り、更新をしなければ契約が切れます。保険会社に連絡する必要はありません。
ただし、自動更新の契約がある場合は、忘れずに連絡を入れましょう。乗り換えの手順は、乗り換える保険会社を決めて申し込み、自動更新の特約を付けている場合は解約の連絡をするという流れです。
連絡を忘れて自動更新してしまった場合、自動車保険は重複して加入できないため、新たに申し込んだ保険の契約が無効になります。
解約するとき
運転者の範囲が変わったり自動車を買い替えたりした場合、保険料を節約するために早く乗り換えたい場合もあるでしょう。自動車保険は満期を待たずに中途解約することも可能です。
解約をする場合は、保険会社に申し出なければなりません。解約を届ける書類を請求し、必要事項を記入して返送します。注意したいのは、乗り換える保険の開始日と現在の保険の解約日を同じにすることです。
空白の日を作ると、万が一その間に事故を起こした場合は補償がありません。新しい保険会社には等級を引き継ぎますが、一定期間の空白があると引き継ぎもできなくなります。引き継ぎについては、あとの項目で詳しく説明します。
自動車保険を乗り換えるメリット3つ
自動車保険の乗り換えは保険料が安くなる、自分に合う補償内容にできるなどいくつものメリットがあります。保険料の算定にはさまざまな条件が基準になりますが、ライフスタイルや家族構成が変わった場合、乗り換えにより保険料を安くすることが可能です。
また、必要ない補償に加入していて保険料が高いという場合も、乗り換えにより保険料を下げることができるでしょう。保険会社を変えることで、自分に合う補償を付けることもできます。ここでは、自動車保険を乗り換えるメリットについてご紹介しましょう。
保険料を安くできる
保険料は車や運転者の条件により金額が変わるため、条件を変えることで保険料が安くなります。使用目的や運転者の範囲、走行距離など、保険料が安くなる方向で変化がある場合は、乗り換えを検討してみると良いでしょう。
また、保険会社はダイレクト型の方が割安です。同じ条件でも保険会社によって保険料は異なるため、いくつかの保険会社に見積もりをして比較検討してみると良いでしょう。
自分の年齢で保険料はどのくらいが相場なのかを知りたい方は『自動車保険の相場は条件によって異なる。保険料に影響する項目をご紹介』も参考にしてみてください。
自分に合う補償にできる
自動車保険の乗り換えにより、補償内容の見直しができるのもメリットです。自動車保険は7つの基本補償と特約がありますが、特約などは保険会社によって異なります。自分に必要な特約が現在の保険にない場合は、乗り換えによって必要な補償を付けることができるでしょう。
例えば、ドライブレコーダーをレンタルする特約を扱うのは、4つの保険会社のみです。ドライブレコーダー付き特約は事故の際に映像の自動送信など手厚いサポートがあるため、ドライブレコーダーの設置を考えている方は検討してみるのも良いでしょう。
ドライブレコーダー付き特約の保険については『ドライブレコーダー付き自動車保険は入るべき?内容やメリットを解説』で詳しく解説しています。
新規契約の特典がある
保険会社では新規契約にさまざまな割引も設けられています。条件の見直しで保険料が安くなるだけでなく、お手続き方法等により各種割引制度が適用になることがあります。
保険会社では新規契約にさまざまな割引も設けられています。条件の見直しで保険料が安くなるだけでなく、お手続き方法等により各種割引制度が適用になることがあります。
例えば、セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」ではネット割引や、早めに契約した場合の割引があります。新規見積りをした場合はプレゼントキャンペーンを行っている場合もあるため、チェックしてみると良いでしょう。
自動車保険を中途解約するときの注意点
自動車保険を解約するときは、等級の引き継ぎに気を付けましょう。等級とは契約者の事故歴に応じて保険料を割引・割増する制度で、1等級〜20等級に分類されています。自動車保険に初めて加入する場合は6等級から始まるのが通常です。
中途解約でも等級は引き継がれますが、満期の場合とは扱いが異なります。ここでは、自動車保険を中途解約するときの問題点についてご紹介します。
等級の引き継ぎで不利になる
自動車保険に加入して1年間無事故の場合、翌年に1等級上がります。等級が変わるタイミングは契約の更新時です。満期で乗り換える場合は、更新した場合と同じく新しい保険も1等級上がった状態でスタートできます。
中途解約の場合も等級の引き継ぎはできますが、すぐには等級が上がらず、1等級上がるのは契約開始から1年後です。中途解約の場合は満期での乗り換えと比較して等級が上がるタイミングが遅くなるため、保険料の支払いで不利になることになります。
一方、事故を起こして等級が下がる場合、中途解約の時点で等級が下がります。満期まで待てばその時点で等級が下がりますが、中途解約により早く等級が下がり、保険料も割増になってしまうというわけです。
自動車保険の等級については、次の記事が参考になります。
関連記事:自動車保険は等級で保険料が変わる!等級のしくみと引き継ぎのパターンを解説
また、等級の引き継ぎは次の記事をチェックしてみてください。
関連記事:自動車保険の等級の引き継ぎを行うと保険料を抑えられる。ポイントを解説
解約返戻金が少なくなる場合も
中途解約により戻ってくる解約返戻金は、一括で支払った保険料を月割り計算した場合よりも少なくなる可能性があります。自動車保険を解約すると保険料は解約返戻金として戻りますが、返戻金は月割りではなく、保険会社ごとに決まっている「短期率」という料率で計算されることが一般的です。経過期間ごとの短期率の一例を上げておきましょう。
- 1ヵ月まで:25%
- 2ヵ月まで:35%
- 3ヵ月まで:45%
- 4ヵ月まで:55%
- 5ヵ月まで:65%
- 6ヵ月まで:70%
例えば契約から6ヵ月後に解約した場合、1年を12カ月とした月割計算では半分の50%が戻りますが、短期率の計算の場合、戻ってくるのは30%です。解約の時期によっては、戻ってくる保険料が少ないことも把握しておかなければなりません。
また、解約する日にも注意は必要です。保険始期の日が1月5日の場合は毎月5日までに解約の手続きをしなければなりません。1日でも過ぎると1か月後の短期率で計算されます。
自動車保険を満期で乗り換えるときの手続き
自動車保険を満期で乗り換える場合、特に自動更新の特約がなければ、現在の保険会社への手続きは不要です。乗り換え先の保険会社を早めに決めておき、空白期間ができないように契約します。
乗り換えでは、1年間に事故がない場合と事故がある場合とでは等級の引き継ぎが異なるため、注意が必要です。それぞれの場合について見ていきましょう。
事故がない場合
満期で乗り換える場合、できるだけ早めに新しい保険会社を探し、申し込みを済ませておきましょう。見積もりや申し込みの際に必要な書類は、契約している自動車保険の「保険証券」と加入する車両の「車検証」、主に運転する方の「運転免許証」です。保険会社によっては保険料の算定に必要な走行距離を確認するため、「積算走行距離計(オドメーター)の数値」や「過去1年間の走行距離」などが必要となる場合があります。
・等級がひとつ上がる
自動車保険は前年度に無事故の場合は翌年に等級が上がりますが、乗り換えた場合も同様で、上がった等級から加入できます。契約条件は、現在の保険会社で更新する場合と同じです。等級の引き継ぎは解約の翌日から7日以内に契約できない場合、等級の引き継ぎができなくなるため注意しましょう。7級以上であった場合、6等級に戻ってしまうことになるため、早めに手続きするようにしてください。
事故がある場合
事故を起こして自動車保険を使っていた場合、乗り換えでも更新した場合と同じく等級が下がります。ただし、下がる等級は事故の内容によって異なり、人身傷害保険を使った場合などは等級が下がりません。等級が下がることで保険料の割引率も下がり、保険料は高くなります。前の保険で事故を起こしている場合、乗り換えを受け付けない場合もあるため、早めに問い合わせておくと良いでしょう。
・等級は事故の内容によって異なる
等級がどれくらい下がるかは、使用した自動車保険の種類で異なります。事故は3種類に分類され、3級下がる場合、1級下がる場合、ノーカウントのいずれかです。
- 3等級ダウン事故:1等級ダウン、ノーカウントに当てはまらない事故すべて
- 1等級ダウン事故:災害や盗難などで車両保険などを使った場合
- ノーカウント:人身傷害保険や搭乗者傷害保険などを使用した場合
自動車保険を中途解約で乗り換えるときの手続き
中途解約で乗り換えるときは、新しい保険会社を探して申し込むとともに、保険会社への解約手続きが必要です。解約に必要な書類をWEBサイトなどから請求し、必要事項を記入して提出しましょう。
中途解約の場合では、事故がある場合、事故がない場合ともに、満期の場合とは等級の引き継ぎが異なります。場合を分けて見ていきましょう。
事故がない場合
無事故で途中解約し、新しい保険を契約する場合、すぐに等級が上がることはありません。新しい保険会社で1年間無事故であった場合、更新後に1等級上がります。中途解約の場合は満期で解約した場合に比べ、等級のアップが遅れるということです。
例えば、4月1日で満期を迎える保険を9月1日に解約した場合、新しい保険で等級が上がるのは翌年の9月1日からになります。満期を待てば4月1日から等級が上がり、保険料も下がっていたことを考えれば、5ヵ月分の保険料が割高になる計算です。保険料の面で不利益となりますが、これには下記のような特則もあります。
・保険期間通算特則が使える場合がある
保険会社によっては「保険期間通算特則」という制度を採用しており、中途解約での不利益を回避することが可能です。乗り換える前の契約満期日に等級を上げるもので、満期で乗り換えた場合と同じ扱いになります。
先述と同じ例で見ると、無事故で4月1日に満期を迎える自動車保険を9月1日に乗り換えた場合、翌年の9月1日を待つことなく、翌4月1日には1等級上がることになります。特則の名称やルールは保険会社によって異なるため、事前に問い合わせてみてください。
なお、中途解約の場合も等級の引き継ぎには日数の制限があります。解約日の翌日から7日以内の保険始期に契約できなかった場合、新規の6等級にリセットされるため注意しましょう。
事故がある場合
前の保険会社で事故を起こし、自動車保険を使っていた場合、新しい保険の契約をした時点で等級が下がります。満期を待って乗り換える場合よりも早く保険料が高くなるため、途中解約をするメリットは少ないでしょう。「保険期間通算特則」を使うこともできません。事故がある場合は、満期を迎えてから乗り換えることをおすすめします。
自動車保険の乗り換えは等級に注意しよう
自動車保険の乗り換えは、保険料が安くなる、自分に合う補償内容にできるなどがメリットです。満期の乗り換えであれば等級も引き継がれ、無事故であれば1等級上がった状態でスタートできます。ただし、中途解約する場合には注意しましょう。等級の引き継ぎにより不利益になる可能性もあるため、事前によく確認することが大切です。
保険料を抑えるために切替えを考えている方は、ぜひセゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」もチェックしてみてください。おとなの自動車保険は事故率に応じた1歳刻みの保険料体系で、事故率が低い40代~50代が他の世代と比較して最も割安になります。過去1年間の走行距離で保険料を算出しており、走った分だけの保険料という合理的な仕組みです。
また、インターネットでご契約手続きを行った場合、新規加入時には13,000円(※)のネット割引が適用され、2年目以降の継続時も10,000円(※)の割引が適用されます。まずは、無料の見積もりをしてみてはいかがでしょう。※分割払の場合は新規加入時は12,960円、継続時は9,960円となります。
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SA2021-2153(2021.12)