誰かの目を気にすることなく気楽に生活できるおひとりさま。高齢化社会の加速や核家族化が進んでいることもあり、老後にひとり暮らしをしている方も増えてきています。そんな老後のおひとりさま生活には、自由に生きられるなどの良い点も多いですが、少なからず不安な点もあるでしょう。そこで今回は、老後のおひとりさま生活における代表的な3つの不安要素をご紹介。不安を軽減するための対策もしっかりご紹介します。
(本記事は2024年2月2日時点の情報です)
この記事を読んでわかること
- おひとりさまの老後生活における、経済的な不安がどのようなものなのか、その原因と対策がわかる。
- おひとりさまの老後では健康面においての不安が大きいことや、なぜ不安につながるのかがわかり、対応が図れる。
- 孤独死した場合、その後どうなるのかがわかると同時に、周囲にできるだけ迷惑をかけずに死後の手続きができるよう、生前にできる対策が把握できる。
- 老後のおひとりさま生活に関する相談やサポートをしてくれる、専門のサービスについて知ることができる。
おひとりさまの老後が抱える3つの不安
おひとりさまで迎える老後が抱える不安は、主に3つあるとされています。どのような点が不安要素となるのか、詳しく解説しましょう。
経済的な不安
ある程度年齢を重ねると、体力的に働き続けることが難しくなります。また企業によっては定年退職制度を導入している場合も多く、高齢になると仕事を辞めるケースも少なくありません。このように、退職して無職になった場合、公的年金による収入が、生活を支えることになるのです。
しかし、2019年の総務省の調査によると、65歳以上の無職単身世帯では、1ヵ月当たり公的年金支給額よりも支出のほうが上回っているというデータがあります。
貯金があればマイナスを回避できますが、銀行に預けているお金にも限度があるため、徐々に貯金が減少して経済的な不安が大きくなることもあるでしょう。
健康面の不安
加齢によって、ひとりで通院することが難しいなどの理由から、老後のおひとりさま生活の場合、病気の発覚が遅れる恐れがあります。
男性の場合は、脳卒中などの脳血管疾患が原因で、女性はリウマチや認知症、転倒や骨折などが原因で要介護になることが多い傾向です。特に、一刻を争うような脳卒中などの疾病は、孤独死のリスクがあることを覚えておきましょう。
また、なんらかの病気を発症し、入院や介護が必要になった場合、身元保証人が必要であることも、事前に対策しておくべき不安のひとつです。
死後の手続きに対する不安
おひとりさまの老後では、亡くなった後の葬儀の手配やお墓の手続きをする人がいないことがほとんどです。
また、財産分与の手続きが難しい場合もあるでしょう。特に、長年おひとりさま生活を続けてきた方は、財産が多く残っていることもあります。不動産があるなど財産が多い場合は、相続した方が税金を払うこととなり、金銭的な負担を与えるケースもあるため、要注意です。
関連記事:老後に一人暮らしは楽しい?それとも寂しい?おすすめの間取りや生活費についても解説
おひとりさまに必要な老後資金
おひとりさまの不安要素のひとつとして、経済面が挙げられます。そこで、具体的に老後にはどのくらいの資金が必要なのかを把握し、将来のビジョンを思い描いておくことが大切です。
統計によると約3,000万円不足
総務省によると、高齢者のおひとりさま生活では、1ヵ月当たり平均165,000円の生活費が必要で、年間で計算するとおよそ198万円という計算になります。
一方で、2022年度4月分の68歳以上に支給された国民年金の老齢基礎年金(満額)を例に挙げると、その金額は64,000円。64,000円を1ヵ月当たりの支給額と想定すると、毎月100,000円もの不足が発生します。老後25年間で換算すると、なんと3,000万円も不足することがわかりました。
おひとりさまの平均消費支出額
総務省統計局の家計調査報告によると、無職である高齢者単身世帯の平均的な1ヵ月の支出額は、2020年のデータでおよそ165,000円です。
実収入は、そのほとんどが年金などの社会保障給付で、およそ月135,000円となっており、毎月30,000円ほどマイナスになります。また、夫婦で暮らす世帯よりも単身世帯の方がひとり当たりの支出額が多いこともわかりました。
つまり、高齢者のおひとりさま暮らしの場合、夫婦で暮らす高齢者世帯よりも生活が厳しい状況がうかがえます。
おひとりさまの生活費内訳
日々の生活には、食費や光熱費など、さまざまな費用が発生します。ここでは、高齢者のおひとりさま暮らしでは、何にどのくらいの費用がかかっているのか、2020年の総務省統計局の家計調査報告を参考にご紹介しましょう。
- 食費 41,000円
- 住居 21,000円
- 光熱・水道 12,000円
- 家事・被服 10,000円
- 保険医療 7,000円
- 交通・通信 18,000円
- 教育・娯楽・雑費 41,000円
全ての項目を合計するとおよそ150,000円です。高齢者の実収入の平均はおよそ135,000円のため、毎月マイナスの計算になります。
おひとりさまの健康リスク
高齢者のおひとりさま暮らしの心配事は、経済面だけではありません。年齢を重ねるにつれ、健康面での不安も増えてきます。そこでここでは、高齢者のおひとりさまならではの健康リスクについて詳しくチェックしていきましょう。
病気の発覚が遅れる
ひとり暮らしでは、ご自身に何らかの異変があっても、気づいてくれる他の誰かがいません。そのため、病気の発覚が遅れる場合があります。
ときには、高齢になったことによって病院に行くのが億劫になる、体調が悪いことによってひとりで病院に行けないなどの理由で、病気を見逃してしまう危険性があるのです。
通院が困難
もしも病気にご自身で気がついたとしても、老化によって体力や気力が低下し、通院することが困難な場合もあります。通院を手伝ってくれる方がいないため、なかなか病院に行けず、症状が良くならない、もしくは悪化する可能性もあるのです。また、身元保証人がいなければ入院したくでもできません。
気づかないうちに認知症が進行する
高齢者のおひとりさま暮らしの場合、会話をする相手がいない、人間関係の変化がないなどのことから、脳への刺激が少ない傾向です。
そのため、気づかないうちに脳の働きが衰え、認知症につながるケースもあります。また、周りに気づく方がおらず、いつのまにか認知症が重症化している場合も少なくありません。
すると、介護保険の利用や必要な医療が受けられない、クレジットカードや通帳を紛失してお金の管理がおろそかになるなどのトラブルも考えられます。
おひとりさまの孤独死
おひとりさま暮らしの高齢者にとって、孤独死は無視できない問題です。なぜおひとりさまの高齢者が孤独死するのか、その原因や、死後に起こることを解説します。
孤独死は年々増加傾向にある
高齢者の孤独死は年々増加しているとされています。おひとりさまで暮らしていることで、亡くなったことに気がついてくれる方がいないことが原因といえるでしょう。ニュースでもこういった高齢者の孤独死が取り上げられることもあり、社会的に注目を集めている問題でもあります。
おひとりさまが孤独死する原因
脳卒中のような疾病に急に見舞われた場合、ご自身だけではどうにもできず、発覚が遅れてしまうことで孤独死のリスクが高まります。
また、経済的な理由から生活に余裕がなくなると、体調の悪化を見過ごすこともよくあるケースです。体調の悪化を放置することで、病気の早期発見ができず、そのまま孤独死してしまう可能性もあります。
他にも、他者とコミュニケーションをとる機会が減ることから、孤独を感じて体調を崩すこともあり、その結果心の健康バランスが崩れ、身体にも影響を及ぼす心配があります。
孤独死するとどうなる?
自宅で亡くなっているのが発見された場合、まずは警察が現場検証を行い、検死をして死因を調べます。
その後、事件性がないと判断されると、公的な書類を使って近親者を探し、連絡する流れが基本です。身寄りがない場合は、引き取り先がない遺体として、自治体が火葬を行い、無縁納骨堂などで管理されます。
もしも親族が見つかった場合であっても、遺体の引き取りを拒否した場合には、身寄りがない場合と同様の流れで火葬、無縁納骨堂などで遺骨管理するのが一般的です。
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おひとりさま老後のためにしておく6つの対策
おひとりさま老後にはいくつもの不安があります。その不安を少しでも軽減したい場合は、以下の6つの対策を参考にしてみてください。
必要な老後資金や年金額の把握
まずは、老後にどのくらいの金額が必要なのかを把握しておくことが大切です。また、生活費以外にかかるであろう病院代や冠婚葬祭費用なども含め、老後資金のシミュレーションをすることも忘れてはいけません。
もちろんご自身が将来受けとることができる年金額も、把握しておきましょう。将来受け取れる年金額は、ねんきん定期便などで確認することができます。
老後資金のための貯蓄や投資
今回の記事でご紹介したように、老後の主な収入源は年金などの社会保障給付がメインです。年金があれば毎月一定の収入は確保できますが、苦しい生活になる可能性があります。
ゆとりのある老後にするべく、まずはおひとりさまの老後に備えて、貯金などで生活に必要なお金を蓄えておきましょう。
地道な貯金だけでは心配な場合は、投資に挑戦するのもひとつの方法です。退職する前からうまく資産運用をして、ひとり暮らしの老後に備えてみてください。
コミュニティへの参加や見守りサービスの利用
地域のコミュニティに参加し、近所の方々と交流することで、認知症の予防になります。誰かと会話することは脳への刺激となり、心身の健康バランスを整えるサポートをしてくれるでしょう。
1つだけのコミュニティに所属した場合、人間関係などでトラブルが起こると逃げ場がないため、複数のコミュニティに参加するのがおすすめです。おひとりさまの老後の楽しみ方のひとつとして考え、気軽に参加してみてください。
また、自治体や郵便局スタッフなどが安否確認してくれる見守りサービス「24時間見守り・駆けつけサービス」を提供する専門会社を利用するのも、老後の対策になります。決まった日に電話がかかってくるタイプやガスの利用状況で安否確認するタイプなど、さまざまな種類の見守りサービスがあるため、ご自身にマッチしたサービスを選んでみてください。
介護施設や老人ホームの検討
高齢になると、ある日突然脳卒中や転倒したことなどにより、体の自由が利かなくなるケースもあります。
すると、ひとりで生活することが難しくなるため、介護施設や老人ホームなどについても早めに調べておきましょう。介護レベルに応じて入所できる施設が限られる場合もあるため注意が必要です。
介護施設への入所だけでなく、入院時にも備えて、身元保証人サービスなどの利用も検討してみてください。実際に困ってしまう前に、早めに対策しておきましょう。
身元保証サービスも検討しよう
介護施設への入所や入院する場合には、身元引受人が必要です。おひとりさまの場合は、一緒に暮らしている方がいないため、親せきや別に暮らしている家族などに身元引受人になってもらえるよう、早めに話をしておきましょう。
身元引受人は、親族だけでなく友人にお願いすることもできます。万が一に備えられるよう、親せきや友人と友好的な関係を築いておくことも、おひとりさまの老後対策のひとつです。どうしても身元引受人が見つからない場合は、おひとりさま専門のサービス会社などに相談してみてください。
生前整理とエンディングノートの記入
万が一孤独死した場合に備えて、親族や友人などに伝えておきたいことをエンディングノートに記入しておきましょう。
エンディングノートでは、文字でご自身の思いを記すため、口では伝えにくいことも書いておくことができるメリットがあります。
また、荷物や財産などの生前整理をすることも覚えておきましょう。葬儀や相続などのお金にまつわる内容はもめごとに発展しやすいため、エンディングノートや遺言書などに、きっちりまとめておくのがおすすめです。
死後事務委任契約の締結
亡くなったあとには、葬儀や健康保険・年金の返納、遺品整理など、さまざまな手続きや作業が必要です。すでに亡くなっている場合はご自身で行動できないため、死後の手続きを任せられる「死後事務委任契約」を生前に交わしておきましょう。
死後事務委任契約では、財産管理はできませんが、その他の亡くなってからの手続きは対応可能です。手続きにかかる費用とお礼金を試算し、預託金として死後事務委任契約を結んだ相手に渡します。
死後事務委託契約は、友人や親族にお願いするのが一般的です。もしも身近に託すことができる方がいない場合は、数百万円の報酬を支払って法人にお願いすることもできます。
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おわりに
おひとりさまの老後には、ご自身の思うがままに生きられるという大きなメリットがあります。その反面、経済面や孤独など、おひとりさまならではの不安もあるでしょう。そんな不安の解消には、セゾンカードでおなじみのクレディセゾングループ会社「くらしのセゾン」が提供する「ひとりのミカタ」を利用するのがおすすめです。
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