引っ越しをしたいけれど、まとまったお金がなくて悩んでいる方や、初期費用にどのくらいかかるかわからず不安で動けなかったりする方も多いでしょう。そこで今回は、引っ越しにかかる費用の目安や詳しい内容について解説します。賃貸の初期費用の内訳や、少しでも安く引っ越すための節約術もご紹介しますので、引っ越しをしたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
- 賃貸初期費用には家主に預けておく敷金や礼金、宅建事業者に支払う仲介手数料などさまざまな費用が含まれる
- 引っ越し費用を抑えるためには、敷金や礼金、仲介手数料がかからない物件を探したり、引っ越しの時期を調整したりすることがポイント
- 新婚世帯や義務教育修了前の子どもを扶養している世帯、ひとり親世帯などは、国や自治体の助成金が活用できるケースもある
引っ越しにかかる費用の目安
引っ越したいと思っても、引っ越し資金にいくらかかるのかわからず動くに動けないことも多いでしょう。一般的に引っ越しにかかる初期費用の目安について解説します。
引っ越しに必要な費用
まず、引っ越しに必要な費用に含まれるのは、賃貸の初期費用、引っ越し会社に依頼する費用の2種類です。賃貸の初期費用にはさまざまな項目があり、物件によって敷金がいらない場合などもあります。詳しく項目ごとにみてみましょう。
敷金 | 退去時まで大家さんに預けておくお金です。家賃を滞納した場合や、退去時に修繕費用が発生した場合は敷金を使用します。退去の際に未払いの家賃などがなく、残金があれば返ってくるお金です。 |
礼金 | 家主に謝礼として支払う費用です。礼金は慣習によるものとされており法律的根拠はなく、地域によって金額の基準が異なる場合もあります。 |
仲介手数料 | 取引の仲介をしてくれた宅建事業者に支払う報酬のことです。 |
前家賃 | 契約時に支払う、契約した月の翌月の家賃と共益費や管理費のことです。仮に入居日が遅れて、実際に入居していなくても、日数分を支払う必要があります。 |
日割り家賃 | 月の途中で契約した際に、月末までの日数を日割りした家賃のことをいいます。契約日から発生するのが一般的ですが、契約内容によっては発生日が異なる場合があるので注意が必要です。 |
保証会社利用料 | 入居者の家賃を保証してくれる保証会社に加入するために必要な費用です。万が一家賃を滞納してしまった場合は、保証会社が立て替えて家賃を支払います。 |
火災保険料 | 賃貸住宅のほとんどは火災保険に加入する必要があります。火災保険は通常2年契約ですが、入居者が選ぶことも可能です。 |
鍵交換費用 | 物件によっては入居時に鍵を新品にするため、鍵の交換費用がかかる場合があります。管理会社や家主が負担するケースもあるので、事前に確認するのが良いでしょう。 |
引っ越し費用の目安
引っ越し費用は移動する距離や世帯の人数、間取りや引っ越しする時期などによっても相場が異なります。
一般的に引っ越し会社が忙しく、価格が高くなるのが学生や社会人としての新生活がはじまる3~4月です。なるべく費用を抑えたい場合は、それ以外の時期で、なおかつ平日の方が安くなる傾向があります。
引っ越し会社の空いている日程を調べて予約するなど、低価格で引っ越しができる日に利用するのがおすすめです。
引っ越し会社を利用するに当たって、単身者が県内や隣県へ引っ越す場合は20,000円~40,000円ほどが目安となっています。これに、前述した敷金、礼金などの賃貸初期費用を含めると引っ越し費用は400,000円弱です。
同様に家族で県内や隣県へ引っ越す場合、引っ越し会社利用料は40,000円~100,000円が目安で、賃貸初期費用を含めると650,000円前後になります。
引っ越し費用の節約方法
とにかく引っ越し費用を少しでも抑えたい場合に注意したいポイントをご紹介します。それぞれのポイントを詳しく解説したので、順番に見てみましょう。
敷金や礼金がかからない物件を探す
敷金・礼金はそれぞれ1~2ヵ月分が一般的です。しかし、最近では敷金・礼金がかからない物件も多くあります。敷金や礼金が0円の物件だと、初期費用を家賃2~4ヵ月分ほど抑えられるので大きな節約になるでしょう。
ただし、敷金は退去時にハウスクリーニングなどに使われる費用なので、支払うメリットもあります。さらに退去時に残っている金額は返ってくるので、引っ越し時にお金に困っているわけではない場合には払っておいても問題ないでしょう。
仲介手数料が少ない不動産会社を選ぶ
不動産会社によって仲介手数料は異なります。仲介手数料が無料または低価格な不動産会社を選ぶと引っ越し費用が安くなるでしょう。また契約時の交渉次第で安くしてもらえるケースもありますが、不動産会社によっては嫌な顔をされてしまうこともありますので注意が必要です。
保証会社利用料のない物件を探す
契約時に連帯保証人のみで審査ができる物件を選べば、保証会社利用料が節約できます。保証会社利用料は家賃1ヵ月分ほどなので、節約できればその分引っ越し費用や家具家電の購入などにまわすこともできてお得です。
フリーレントの物件を選ぶ
フリーレントとは入居後、一定期間家賃が無料になる物件のことです。
一般的には1~3ヵ月分の家賃が無料となる場合が多いですが、その物件に一定期間住まないと違約金が発生する可能性もあります。フリーレントの物件を選ぶ際は、あらかじめ契約内容をしっかりチェックしておくことが大切です。
引っ越しのタイミングを考慮する
今住んでいる部屋の解約日や入居日を考慮して、無駄な家賃を払わなくて良いように考慮しましょう。日割り家賃を抑えるために、月末に入居するのがおすすめです。
また、閑散期といわれる5~8月、11月~2月は、家賃や初期費用の値段交渉がしやすく引っ越し会社も比較的安いので、引っ越し費用を抑えたい方はこの時期を狙いましょう。
引っ越し会社を使わない
マイカーを持っている場合は、引っ越し会社を使わずに荷物を運ぶと引っ越し会社に依頼する費用が抑えられます。
時間や手間もかかり、体力を使いますが数万円の出費と天秤にかければ、自分で引っ越す価値はあるでしょう。ただし、マンションによっては自分で大きな荷物の搬出や搬入が禁止されているケースや、エレベーターを占有すると他の入居者に迷惑がかかるため事前に申請しておかなければならないケースがあります。
また、プロと違って梱包や荷運びに不慣れな場合、食器や家電などの破損やご自身がケガをしてしまう可能性もありますので、無理は禁物です。
一括見積もりサービスを利用して安い引っ越し会社を選ぶ
引っ越しの一括見積もりサービスは、どこからどこへ、いつ引っ越すか、どんな間取りであるかなどを入力することで、さまざまな引っ越し会社の見積もりができます。
いろいろな引っ越し会社を調べて、連絡して、見積もってという手間を省くことができるのが魅力です。また、複数の引っ越し会社の見積もりを比較できるので、最も安い引っ越し会社を簡単に見つけることができます。
引越し侍
引越し侍では最大10社の引っ越し会社で見積もりができます。引っ越し会社から折り返しの電話がきますので、直接価格交渉できるのが特徴です。
【主な特徴】
- 最大10社の引っ越し会社で見積もりができる
- 電話で直接価格交渉できる
引っ越し事業者 | アリさんマークの引越社、サカイ引越センター、ハート引越センター、日通、アート引越センター、アーク引越センター、クロネコヤマトなど |
URL | https://hikkoshizamurai.jp/ |
SUUMO引越し見積もり
SUUMO引越し見積もりサービスでは、電話に限らずメールで引っ越し会社とのやりとりが行えます。仕事で忙しい合間でも、着信に煩わされることなく引っ越しの予定が組めるのが魅力です。
【主な特徴】
- メールで見積もりのやり取りができる
- 地域密着型の引っ越し会社も含まれている
引っ越し事業者 | アート引越センター、アリさんマークの引越社、サカイ引越センター、ハート引越センター、アップル引越センター、アーク引越センター、クロネコヤマト、日通など |
URL | https://hikkoshi.suumo.jp/ |
価格.com 引越し
価格.comの一括見積もりサービスでは、見積もりしたい事業者を自分で選ぶことができます。例えばすでに見積もりを行った引っ越し会社や、評判が気になる引っ越し会社を除外できるので、希望した引っ越し会社だけで見積もりが可能です。
【主な特徴】
- 見積もりしたい複数の事業者を自分で選べる
- 個人はもちろんオフィスの引っ越しにも対応している
引っ越し事業者 | アート引越センター、サカイ引越センター、ハトのマークの引越センター、アリさんマークの引越社、ハート引越センター、ケーエー引越センター、アップル引越センター、ISONIXなど |
URL | https://hikkoshi.kakaku.com/hikkoshi/guide/estimate.html?cid=smt_h_g_pc_kt_jt_024&gad=1&gclid=Cj0KCQjwmZejBhC_ARIsAGhCqndEhnihEhJX_X0ei5JLTgrZ6NgGUzEuPDrCxWyUE_cK_dBASUz3thIaAkt8EALw_wcB |
国や自治体の助成金を活用しよう
引っ越しするにあたって、国や自治体の補助金や助成金を利用できるケースもあります。それでは、助成金が利用できるケースについて詳しくみてみましょう。
新婚の夫婦世帯や子育て世帯
結婚を機に新たに転入してきた新婚世帯は、新婚新生活支援事業による支給を受けられる可能性があります。
結婚したことで発生した住居費や引っ越し費用、家賃などの一部を助成してくれる自治体があるので、結婚を機に引っ越す方は調べてみましょう。また、義務教育修了前の扶養している子どもが同居している世帯も、助成金の対象になるケースが多いので確認することをおすすめします。
ひとり親世帯
民間の賃貸物件を借りるひとり親世帯の場合、収入額に応じて助成金が支給されるケースがあります。
それでも引っ越しの初期費用で困っている場合は「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」を利用すれば、引っ越し費用を借りることが可能です。260,000円を上限として借りられ、連帯保証人を立てられる場合は無利子で利用できます。
参照元:母子父子寡婦福祉資金貸付金制度 | 内閣府男女共同参画局
障がい者の方や高齢者の方
金銭的、身体的に余裕のない障がい者や高齢者の方へ、引っ越し費用を助成する自治体の制度があります。急な立ち退きでお困りの場合は、一度役所などに相談してみましょう。
また、賃貸借契約には保証人が必要となりますが、保証人のあてがない場合、自治体によっては提携している保証会社を相談してくれる場合があります。
引っ越し先を探している高齢者の方は、高齢者が暮らしやすいように改良された、高齢者向け優良賃貸住宅がおすすめです。こちらの物件では、所得に応じて家賃の一部を国や自治体が負担してくれる制度があります。
離職や廃業で収入が減ってしまった世帯
世帯の収入が2年以内の離職や廃業によってなくなってしまい、引っ越さなければならなくなった方は、住宅確保給付金を受給できるケースがあります。
これは市区町村ごとに上限金額が定められており、家賃が原則3ヵ月間支給される制度です。世帯収入合計額や預貯金合計額が市区町村で定められた額を超えていないことや、ハローワークで熱心に求職活動を行っていることが条件となります。
参照元:厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要
UIJターンで引っ越しを考えている世帯
UIJターンとはUターン、Iターン、Jターンの総称で、一般的には大都市圏から地方へ移住することをいいます。UIJターンによる移住者支援を行っている自治体も多くありますので、補助金や支援金などを活用することで引っ越し費用を抑えられるでしょう。補助金や支援金は地域や家族構成によっても異なります。
参照元:自治体別地方就活助成・支援制度|LO活-Local+就活
入居後短期間の引っ越しの場合は違約金に注意!
入居後に短期間で引っ越す場合、違約金が発生することがあります。ひとつは賃貸借契約から2年以内に引っ越すケース、もうひとつは退去予定を期日前に告知していないケースです。
賃貸借契約から2年以内に引っ越しをすると、違約金が発生してしまう可能性もあります。これは多くの賃貸物件が2年契約になっているからです。
ただ、早期の引っ越しに対して、違約金を設けているケースは多くありません。退去予定を早めに告知しない場合、違約金が発生することがあります。退去予定日の1ヵ月前に告知をしなければ違約となってしまうのが一般的ですが、契約によって異なるため、契約書を確認して覚えておくのが良いでしょう。
また、違約金は家賃の1ヵ月分が相場とされています。違約金と聞くとドキッとしますが、決して払えない額ではありません。この場合賃貸借契約上での違約のため、一般的なブラックリストに載ったりする心配もありませんのでご安心ください。
お金がない場合はローンを検討しよう
親族からもお金を借りられない場合は、金融機関にお金を借りると言う方法もあります。フリーローンなら、具体的なお金の使い道を知らせる必要がありません。親族に頼み込むより、精神的にも楽な手段といえるでしょう。ただし、使用目的が明確ではない分、マイカーローンや住宅ローンよりは高い金利になります。金利が高い分、余分な費用がかかってしまいますが、引っ越しができないままでいることの精神的、肉体的なリスクと比較して検討してみてください。決して高い費用ではないことに気づくことができるでしょう。
セゾンファンデックスの「かんたん安心ローン」なら、最短で即日にお金を借りることができます。利用できる年齢は80歳までと高齢者に対応しているところも嬉しいポイントです。急な出費に備えるカードローンタイプと、このような一時的な費用に利用できるフリーローンタイプがありますので、ぜひ検討してみてください。
おわりに
敷金や礼金などの賃貸初期費用や引っ越し会社を利用する費用など、引っ越しは決して安く済むものではありません。さらに家具や家電などの日用生活に必要なものを購入する費用すれば、かなりの金額がかかります。なるべく安く引っ越しができるよう、引っ越し時期を調整し、一括見積もりサービスを利用して引っ越し会社を厳選するなどの対策が必要です。新しい環境での生活は無意識のうちに疲れが溜まりがちです。なるべく余裕をもって引っ越しができるよう、早めに動くことをおすすめします。