家族同然に暮らしてきたペットが亡くなるとショックも大きく、お別れが辛いと感じて次のステップに進めない方も多いのではないでしょうか。安らかにきれいな状態で送ってあげるためにも、やるべきことをしっかり押さえ、ひとつずつ進めていくことが大切です。また、ペットの思い出を残すための形として、メモリアルグッズについても知っておくことをおすすめします。
この記事では、ペットが亡くなったときにやるべきことの流れやペット火葬方法と費用相場、ペットの思い出を形に残すメモリアルグッズと選ぶ際のポイントなどを解説します。ペットが亡くなって間もない方、ペットとのお別れが近いと感じている方はぜひ参考にしてください。
(本記事は2024年2月28日時点の情報です)
- ペットが亡くなった直後は姿勢を整えて身体を清め、保冷材などで冷やし、速やかにペット専門の葬儀会社に連絡することが大切
- ペットの火葬方法は、合同火葬、一任個別火葬、立ち合いでの個別火葬の3種類
- 火葬方法の違いやペットの種類、大きさによって費用相場は変わる
- ペットを身近に感じながら供養したいならペットメモリアルグッズがおすすめ
ペットが亡くなった時の流れ
大切な家族の一員だったペットとのお別れは非常に辛いことですが、安らかに送り出してあげるためにも、ペットが亡くなった時の流れについて把握しておきましょう。
【ペットが亡くなった時の流れ】
- 姿勢を整えて身体を清める
- 身体を保冷材などで冷やす
- ペット専門の葬儀会社に連絡する
それぞれについて解説します。
姿勢を整えて身体を清める
ペットが亡くなって最初にするべきなのは、死後硬直が始まる前に、棺に収まる形に手足を丸めるように内側に折った姿勢にしてあげることです。
ペットの身体の大きさや季節によって差はありますが、一般的には約2時間で死後硬直が始まるといわれています。手足が伸び切った姿勢のまま硬直してしまうとその後に手足を曲げるのは困難です。なるべく早く手足を丸めてあげてください。目や口が開いた状態なら、そっと閉じてあげましょう。
また、最後の瞬間まできれいな姿で過ごせるよう、濡れたガーゼなどで身体を拭き取って清め、毛並みを整えます。その後、タオルなどで身体を包んで寝かせてあげましょう。
身体を保冷剤などで冷やす
遺体の傷みを遅らせるため、身体全体を氷・保冷剤などで冷やします。冬場であっても保冷は必要です。特に、遺体のお腹と背中を氷や保冷剤で冷やしてあげると傷みの進行を少し遅らせることができます。
氷や保冷材はタイミングを見て取り替えしょう。傷みの進行具合は、ペットの個体差や安置状況によって異なりますが、一般的に夏場なら1~2日、冬場で2~3日程度だと考えてください。
ペット専門の葬儀会社に連絡する
ペットがなるべくきれいな姿で最期の時を迎えられるよう、なるべく早くペット専門の葬儀会社(火葬会社)を手配しましょう。ペット葬儀会社は「ペットメモリアル会社」などと呼ばれることもあります。
連絡する際には、住所や亡くなったペットの種類や大きさ、希望の葬儀方法を伝えてください。
ペット専門の葬儀会社には、ホームページに記載している電話番号、あるいは問い合わせフォームから連絡できます。会社によっては24時間対応しており、その場合は深夜や早朝でも葬儀を執り行うことが可能です。
ペット火葬にかかる費用相場
ペットを火葬する際には、訪問ペット火葬サービスを利用する、ペット霊園施設に行く、自治体に依頼する方法があります。それぞれの方法の費用相場は、10㎏程度の犬の場合、以下の通りです。
- 訪問ペット火葬サービス:15,000~30,000円
- ペット霊園施設:30,000~40,000円
- 自治体:地域によって料金は異なり、無料の場合もあります。ただし、返骨はありません。
ペットの火葬方法
ペットの火葬方法には、以下の3種類があります。
【ペットの火葬方法】
- 合同火葬
- 一任個別火葬
- 立ち会いでの個別火葬
それぞれの火葬方法について、特徴と費用相場を解説します。なお、費用はペットの種類や大きさによって変わり、大きく重量があるペットほど高くなる点に注意してください。
合同火葬
合同火葬とは、複数のペットを一緒に火葬することです。3つの火葬のタイプの中では最も費用を抑えられます。ペット霊園や火葬場によって異なりますが、費用相場の目安は9,000~45,000円と幅が広い傾向です。
ただし、合同火葬の場合、複数の動物を一緒に火葬するため、返骨はありません。遺骨はペット霊園などの火葬場で処理され、合同で霊園に埋葬されます。仏壇を置けないので遺骨を持ち帰らない場合、家族の理解が得られず自宅で供養できない場合に向いている火葬方法です。
一任個別火葬
一任個別火葬は、ペットを個別に火葬できますが、火葬の立ち会いやお骨上げ(収骨)はスタッフが行う火葬方法です。収骨はできませんが個別に火葬され、返骨もしてもらえます。
費用相場は、合同火葬よりは高めですが立ち会いでの個別火葬よりも抑えられ、15,000~66,000円程度が目安です。
ただし、訪問火葬車で火葬する場合、一任個別火葬に対応していない場合もあります。ペット霊園などの施設で火葬しない場合は、返骨できるプランがあるのか確認しておきましょう。
立ち会いでの個別火葬
立ち会いでの個別火葬は、人間の葬儀と同じように執り行われる火葬方法です。ペット霊園で火葬に立ち会い、その後収骨も飼い主が行います。出棺から収骨、納骨まで立ち会うことができるため、しっかり見送ることが可能です。もちろん、返骨もされます。
ただし、その分費用相場は高めです。目安は20,000~68,000円程度で、3つの火葬方法の中では最も高くなります。
大切なペットを手厚く供養したい、家族や友人などと一緒にお別れの時を過ごしたい場合は、立ち会い個別火葬が向いているでしょう。
ペット火葬に関する注意ポイント
ペットを火葬する際には、以下の点に注意が必要です。
【ペット火葬に関する注意ポイント】
- 動物の種類によって火葬にかそうにかかる費用相場は異なる
- 信頼できるペット葬儀会社(火葬施設)を選ぶ
- 火葬後の遺骨の供養方法について考えておく
それぞれについて解説します。
動物の種類によって火葬にかかる費用相場は異なる
動物の種類によって、火葬にかかる費用相場は異なります。重量(大きさ)によっても変わってくるので注意が必要です。
動物の種類による費用相場の目安は、以下の通りです。あくまでも目安なので、参考程度にとどめてください。
種類・重量 | 火葬の種類 | 費用相場 |
小鳥・ハムスター・フェレットなどの小動物 | 合同火葬 | 12,000~15,000円 |
一任個別火葬 | 17,000~20,000円 | |
立ち会いでの個別火葬 | 19,000~22,000円 | |
うさぎ(2㎏以上) | 合同火葬 | 16,000~20,000円 |
一任個別火葬 | 21,000~24,000円 | |
立ち会いでの個別火葬 | 23,000~25,000円 | |
猫・超小型犬(2~5㎏) | 合同火葬 | 16,000~20,000円 |
一任個別火葬 | 21,000~24,000円 | |
立ち会いでの個別火葬 | 23,000~25,000円 | |
小型犬(5~10㎏) | 合同火葬 | 20,000~25,000円 |
一任個別火葬 | 25,000~30,000円 | |
立ち会いでの個別火葬 | 27,000~35,000円 | |
中型犬(10から25㎏) | 合同火葬 | 30,000~35,000円 |
一任個別火葬 | 35,000~40,000円 | |
立ち会いでの個別火葬 | 37,000~45,000円 | |
大型犬(40㎏以上) | 合同火葬 | 50,000円~ |
一任個別火葬 | 55,000円~ | |
立ち会いでの個別火葬 | 57,000円~ |
信頼できるペット葬儀会社(火葬施設)を選ぶ
ペットを安心して送り出してあげるためには、信頼できるペット葬儀会社(火葬施設)を選ぶことが大切です。
残念ながら中には悪質業者による被害もあり、引き取ったペットの遺体を供養せずに不法投棄した、別のペットの遺骨を渡された、火葬を始めた段階で高額請求されたなどといったケースもあります。
信頼できるペット葬儀会社(火葬施設)を選ぶためには、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 所在地や連絡先が明記されているか
- 火葬炉の設備が整っているか、火葬の体制がきちんとできているか
- 自社運営しているか
また、トラブルを回避するためには、以下の点にも注意してください。
- 複数の会社から相見積もりを取る
- 実際に電話で問い合わせる
- 施設見学をする
- 火葬のプランを確認しておく
- 口コミなどで過去の実績や対応を事前に確認しておく
火葬後の遺骨の供養方法について考えておく
火葬後は、ペットの思い出を形に残す方が多いです。お墓を作る他、仏壇や骨壺、キーホルダーやアクセサリーなど、メモリアルグッズで遺骨を供養するケースが増えています。
ペットを飼う方が増加し、時代や環境の変化によって供養方法にも変化が見られるようになりました。火葬後も大切な家族として過ごしてきたペットが側にいると感じられるよう、供養方法についても考えておくことが大切です。
ペットの思い出を形に残す「ペットメモリアルグッズ」とは?
ペットの思い出を形に残す方法として注目を集めているのが「ペットメモリアルグッズ」です。「メモリアル」には「追悼」「記念の」という意味があり、大きく分けて以下の種類があります。
- お墓
- 仏壇(位牌)
- 骨壺
- その他の仏具
- キーホルダーやアクセサリー
それぞれについて概要をご紹介します。
お墓
お墓と聞いてまず思い浮かぶのは、個別墓ではないでしょうか。個別墓は、霊園内にある一区画を借りて、ペット専用の墓石を建てて埋葬するお墓です。ペット専用の霊園や、人間とペットを一緒に埋葬できる霊園もあります。
個別墓にはさまざまな形やデザインがあり、好きなものを選ぶことができる他、プレートに大切なペットの名前を彫ることも可能です。
また、自宅墓という選択肢もあります。自宅墓は、専門会社に依頼してお墓を作ってもらうのではなく、自分で作るお墓のことです。
近年、ペットの供養方法の選択肢が増え、自宅の庭に埋葬して供養するケースは減少傾向にあります。一方、自宅に庭がない方や大切なペットを手元で供養したいという方に向けたペット専用の室内墓石も増えてきました。狭いスペースでも置ける墓石やインテリアになじむナチュラルな素材を使用した墓石など、さまざまな種類があります。
仏壇(位牌)
ペットの仏壇として、昔からある人間用の仏壇が使われることはまずありません。近年では、人間用の仏壇の中にも、ミニ仏壇やモダン仏壇と呼ばれる、サイズが小さくデザインがおしゃれな仏壇もあります。ペットの仏壇はそうした仏壇に近く、さらに一回り小さく、かわいいデザインのものが人気です。
また、位牌についても人間用の遺灰を使うのではなく、サイズが小さくおしゃれな素材・デザインのものが増えてきました。人気がある位牌として、クリスタル素材の位牌を選ぶことも可能です。透明度が高く美しいクリスタルグラスにペットの写真を印刷できるので、人気を集めています。
骨壺
骨壺については、人間と同じものが使われるケースもありますが、小さ目で可愛いものが多い傾向です。骨壺にはペットの写真や名前を入れることもできます。遺影に選びきれなかった思い出の写真を使っても良いでしょう。
また、遺骨の一部を手元供養するために、ころんとした形のミニ骨壺を選ぶ方も増えてきました。素材も陶器製や木製などバリエーション豊富です。
骨壺がシンプルな場合は、骨壺カバーにこだわってみるのもおすすめです。骨壺カバーにペットの写真や名前、日付やメッセージを入れられるオーダーメイドの骨壺カバーも人気があります。
その他の仏具
その他の仏具として、ペットがいつも食べていたご飯や水をお供えする容器、線香立てや線香入れ、ろうそく台、お花を飾れる瓶などがあります。一式セットで揃うものも多いので、気軽に手元供養ができるとして人気を集めています。
例えば、陶器の線香入れにペットの名前や写真、可愛い模様などを入れるなど、オーダーメイドも可能です。色や素材を選べるものも多いので、好みのものを探してみてはいかがでしょうか。
キーホルダーやアクセサリー
いつも身につけていられるキーホルダーやアクセサリーのメモリアルグッズも人気があります。中に粉骨した遺骨やペットの毛を納めることができるタイプのものが人気です。
アクセサリーの例としては、ペンダント、リング、ブレスレットなどがあり、金属製から革製、パワーストーンタイプまでバリエーションも豊富にあります。デザインも一見遺骨が納められているとは分からないほど可愛らしいものも少なくありません。
その他、ペットの写真からオーダーメイドで作るクッションやぬいぐるみ、ペットの写真を転写できるブランケットや壁掛け時計、マグカップなどのメモリアルグッズもあります。
ペットメモリアルグッズを選ぶ時のポイント
ペットメモリアルグッズにはさまざまな種類があります。いつも大切なペットのことを思い出せるよう、以下のポイントに注意して選ぶと良いでしょう。
【ペットメモリアルグッズを選ぶ時のポイント】
- 部屋になじみやすいおしゃれなデザイン
- 専門技術で質の高いグッズ
それぞれについて解説します。
部屋になじみやすいおしゃれなデザイン
仏壇(位牌)や骨壺、線香立てや線香入れなどの仏具を部屋に置く場合は、部屋になじみやすいおしゃれなデザインのものを選ぶと良いでしょう。
材質も石、クリスタル、木、陶器などさまざまなので質感や形もしっかり検討してみてください。凝ったデザインのメモリアルグッズも多いですが、インテリアに溶け込むようにペットに思いを馳せられるデザインを選ぶことをおすすめします。
専門技術で質の高いグッズ
キーホルダーやアクセサリーなどのメモリアルグッズは、手作りすることも可能です。しかし、専門会社に依頼したほうが品質の高いグッズに仕上がります。
手作りのメモリアルグッズは愛情をこめて作れる一方、プロに依頼すると専門技術と美的センスの力でより洗練されたグッズになります。作りたいメモリアルグッズの種類を決めたら、信頼性が高く品質やサービスも高評価の専門会社を選びましょう。
会社のホームページや口コミサイトなどで評判を確認し、対応範囲も見極める必要があります。具体的な要望をくみ取ってメモリアルグッズを作ってもらうためです。使用したい材料や希望するデザイン、ペットの特徴をどう取り入れるかなどのやり取りを通して、大切なペットへの想いをメモリアルグッズに込めてみてはいかがでしょうか。
ペットメモリアルグッズに悩んだら「くらしのセゾン」にご相談ください
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おわりに
家族同然に生活してきたペットが亡くなるとショックも大きく、お別れが辛いと感じるのではないでしょうか。しかし、安らかに見送ってあげるためにも、やるべきことや葬儀の方法を確認し、着実に進めていくことが大切です。また、近年では供養の形も変化し、メモリアルグッズという形で手元供養する方も増えてきました。
メモリアルグッズにはさまざまな種類があるため、どれを選べば良いのか悩むかもしれません。大切なペットとの思い出を形にし、いつも側に感じていたいとお考えでしたら、「くらしのセゾン ペットメモリアル」の活用も検討してみてください。