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学資保険を解約すると損する?|後悔しないためにできること

セゾンのくらし大研究 編集部

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学資保険に加入してからさまざまな事情で解約を考える人もいるでしょう。学資保険を解約すると多くの場合、支払った保険料より戻ってくるお金が少なくなります。あわてて解約せずに他の方法も検討してみましょう。

この記事では学資保険を解約する際に理解しておくべきリスク、解約を避ける方法、加入前の注意点などを解説します。学資保険の解約を検討中の人、これから加入する人、どちらもぜひ参考にしてください。

(本記事は2024年3月21日時点の情報です)

そもそも学資保険とは?

学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備するための貯蓄型の保険です。契約者が保険料を支払い、子どもの進学のタイミングに合わせて祝金や満期保険金を受け取れます。また、契約者が死亡した場合には保険料の払い込みが免除され、予定通りに祝金・満期保険金を全額受け取れるので安心です。

学資保険の主なメリットは以下のとおりです。

  • 教育資金を計画的に準備できる
  • 契約者が死亡しても学資を確保できる※
  • 生命保険料控除を受けられる
  • 預貯金より有利な場合がある

※保険料免除の条件は保険会社によって異なります。また、保険料払込免除の無いプランや「保険料払込免除特約(特則)」として契約時に申込みが必要なプランもあります。

学資保険を途中で解約すると損する?

学資保険の保険料の支払いが難しくなった場合、途中での解約は可能です。しかし、満期前に解約すると以下の3つの理由で損をする可能性があります。

返戻金が保険料の支払額を下回る可能性がある

学資保険を途中で解約すると解約返戻金を受け取れますが、その金額が支払った保険料の総額より少ない可能性があります。保障のある保険商品では、支払った保険料が保障や保険運営費用に充てられるためです。

解約返戻金とは主に貯蓄型の保険を解約した際に払い戻されるお金です。解約返戻金の金額は保険種類・契約時の年齢・保険期間・経過年数などによって決まります。

一般的に契約期間の早い段階で解約すると解約返戻金は大きく減少し、元本割れになるケースが多くなります。

再加入できない場合がある

学資保険を解約して余裕ができたら再加入しようとしても、できない場合があります。

学資保険には子どもの年齢と、契約者である保護者の年齢に上限があるためです。子どもの年齢と保護者の年齢の上限は、保険会社によって異なります。一般的には子どもが6歳まで、契約者の年齢は65歳くらいまでが目安です。

また、再加入できたとしても親の年齢が上がってしまうと、積み立てる期間が短くなるという理由から保険料が高くなる場合がほとんどです。

学資保険を解約したら、再加入は難しいと知っておきましょう。

契約者の死亡保障がなくなる

学資保険を解約すると、契約者が死亡や高度障害となった場合に教育費が準備できなくなるリスクがあります。学資保険では契約者が死亡または高度障害となった際に、以後の保険料の支払いを免除されます。しかし、解約してしまうとその保障がなくなってしまうのです。

学資保険を解約するなら、保護者の万一の場合に備えて定期保険※に加入するといった対策を立てておく必要があります。

※定期保険とは契約時に定めた保険期間中に死亡や高度障害状態になった場合に保険金を受け取れる解約返戻金などが無い掛け捨ての保険です。

学資保険を解約せずに継続する方法

学資保険を解約すると損をしたり保障がなくなったりするリスクがあるため、できることなら継続が望ましいといえます。ここでは、学資保険を解約せずに継続する方法を4つ紹介します。

契約者貸付制度や自動振替貸付制度を利用する

学資保険の保険料の支払いが難しい場合、契約者貸付制度または自動振替貸付制度を利用すると保険契約を継続できます。

契約者貸付制度は解約返戻金の一定範囲内でお金を借りられる制度で、契約者からの申し出によって利用できます。一方、自動振替貸付制度は、解約返戻金の範囲内で保険料を保険会社が自動的に立て替える制度です。

どちらの制度も保険種類によっては利用できませんが、学資保険は利用対象となっています。また、利息が発生し、借りたお金は一部または全額をいつでも返済できる点も共通です。

特約のみ解約して保険料を下げる

学資保険には子どもの死亡保障や医療保障などの特約が付帯されている場合があり、これらを解約すると保険料を下げられます。特約を解約する場合、解約しても問題ないかどうかを事前に確認しましょう。

保険金を減額して保険料を下げる

学資保険を解約したくない場合、満期保険金を支払い可能な保険料額まで減額するのも1つの方法です。満期時に受け取れる保険金は減りますが、現状でできる範囲の教育資金準備は続けられます。減額の手続きをすると、解約返戻金を受け取れる場合があります。

ただし、最低の保険金額を設定している保険会社もあり、それを下回る減額はできません。また、一度減額した保険は元に戻せない点にも注意しましょう。

払い済み保険制度を利用する

払い済み保険制度を利用すると、以後の保険料払込をしないで学資保険の契約が続けられます。払い済み保険とは保険契約を解約せずに保険料の支払いを中止する方法です。

その時点の解約返戻金をもとに、それまでの契約と同じ保険期間で同じ種類の保険に変更します。ただし、保険金額は変更時の解約返戻金に基づき減額される点に注意が必要です。また、特約が付帯されていた場合、変更した時点で消滅します。

後悔なく学資保険を活用するには

学資保険に加入したら満期まで続けるのが望ましいといえますが、解約に至るケースもあります。後悔なく学資保険を活用するために、以下の4つのポイントを押さえましょう。

無理のない保険料を設定する

学資保険に加入する際は、無理のない保険料を設定すべきです。学資保険は長期にわたる契約であり、途中で保険料の支払いが困難になると契約を解約せざるをえなくなってしまいます。

たとえば、月々の保険料を3万円に設定したものの数年後に収入が減少し、支払いが難しくなったとします。結果として解約することになれば受け取る解約返戻金は払い込んだ保険料を下回る場合が多く、元本割れのリスクがあります。さらに、再加入しようとしても子どもの年齢が上がっているため、加入できない可能性もあるのです。

学資保険を無理なく継続し、確実に子どもの教育資金を準備するためには、長期的に支払える無理のない保険料の設定が重要です。

返戻率などの保障内容はしっかり確認しておく

学資保険に加入する場合、返戻率をはじめとする保障内容をしっかりと確認する必要があります。返戻率とは払い込んだ保険料の総額に対して、受け取る満期保険金や祝金の総額の割合を示す数値です。この返戻率は、以下の計算式で求められます。

返戻率(%)=(満期保険金 + 祝金の総額)÷ 払込保険料総額 × 100

たとえば、払込保険料総額が300万円で受け取った満期保険金と祝金の合計が330万円の場合、返戻率は110%となります。

返戻率を高くするポイントは以下のとおりです。

  • 保障内容をシンプルにし、保険料を抑える
  • 保険料の払込期間を短くする(一時払いや短期払いを選択する)
  • 満期までの期間を長くする(18歳や22歳満期を選ぶ)
  • 祝金の受取時期を遅くする(大学入学時のみの受け取りにする)

これらのポイントを押さえつつ家庭の状況に合わせて、無理のない保険料で加入することが大切です。

学資保険は返戻率が高いほど有利な商品ですが、返戻率だけでなく保障内容や払込期間、満期時期などを総合的に判断する必要があります。家庭の教育方針や経済状況に合わせて、無理のない範囲で返戻率が高くなるプランの選択が、学資保険を有効に活用するためのポイントといえるでしょう。

解約は返戻金が大きくなるのを待ってからにする

学資保険を解約する際は、できるだけ返戻金が多くなるまで待つようにしましょう。学資保険の解約返戻金は、契約からの経過年数によって変動します。一般的に契約初期の解約返戻金は払込保険料総額を下回りますが、時間の経過とともに増加していきます。

契約後の期間が長い場合、途中解約でも支払った保険料を上回る解約返戻金を受け取れる可能性もあるのです。学資保険を有効に活用し損失を最小限に抑えるためには、やむを得ず解約する場合でも返戻金が大きくなるまで待つのが望ましいといえます。

学資保険の契約・解約前には一度プロに相談を!

学資保険を契約・解約する前には、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)への相談をおすすめします。FPに相談するメリットは以下のとおりです。

  • 学資保険の種類や特徴、メリット・デメリットを詳しく説明してもらえる
  • 家庭の状況に合わせた最適な学資保険の選択肢を提案してもらえる
  • 学資保険の返戻率や解約返戻金についての詳しい情報を得られる
  • 契約前に必要保障額や保険料の適切な設定ができる
  • 解約する際のタイミングや注意点についてアドバイスしてもらえる

FPへの相談によって自分に合った学資保険を選択し、無理のない保険料で加入できます。また、解約する際も最適なタイミングを判断でき、損失を最小限に抑えられます。

お金のプロに相談するなら、クレディセゾンが運営する「セゾンのマネナビ」がおすすめです。セゾンのマネナビは、クレディセゾンと提携するブロードマインド株式会社所属の経験豊富なFPが約100名在籍しております。

セゾンのマネナビの特徴は以下のとおりです。

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セゾンのマネナビを利用すれば学資保険について気軽にオンラインで相談でき、プロの的確なアドバイスを受けられます。ライフプランに合わせた最適な保険選びをサポートしてくれるので、学資保険の契約・解約を検討している方は、ぜひ利用してみることをおすすめします。

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どうしても学資保険を解約したい場合の手順

学資保険の解約にデメリットはあるものの、どうしても解約しなければならない場合もあるでしょう。ここでは、解約手続きの手順を解説します。学資保険を解約する手順は、以下のとおりです。

1.保険会社に解約の意思を伝える

電話、インターネットなどで保険会社に解約を申し出ます。

2.手続き書類をそろえる

一般的な手続きに必要な書類は、以下のとおりです。

  • 解約請求書(保険会社から送付またはダウンロード)
  • 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証の写し)
  • 印鑑
  • 保険証券

3. 保険会社に解約書類を提出する

解約請求書に必要事項を記入し、必要書類を保険会社に送付します。

4. 解約返戻金の受け取り

保険会社が解約請求書を受理すると、解約返戻金が支払われます。

おわりに

学資保険を解約すると元本割れするケースが多く、再度の加入ができない可能性もあるため、できるだけ避けたい手段です。

保険料の支払いが難しい場合、減額や払い済みのような方法も検討してみましょう。また、加入の時点で続けられるかどうかをよく考え、無理のない内容での契約が大切です。

株式会社クレディセゾン提供(運営会社セゾンファンデックス)

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