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三大疾病保険はいらない?加入不要といわれる理由と必要性について徹底解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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三大(特定)疾病保険は、日本人の死因の上位を占めるがん・脳卒中・急性心筋梗塞に備える保険です。三大疾病にかかった場合にまとまったお金を受け取れますが、医療保険に入っていれば不要ではないかと考える人もいます。

この記事では三大疾病保険が不要といわれる理由や必要性、どんな人に向いているかを解説します。医療保険にはない三大疾病保険の保障がわかるようになり、自分に必要かどうかを判断できるでしょう。

(本記事は2024年3月21日時点の情報です)

最初に三大疾病と三大疾病保険についての基本を押さえておきましょう。

三大疾病保険の基本

最初に三大疾病と三大疾病保険についての基本を押さえておきましょう。

そもそも三大疾病とは

三大疾病とは、日本人の死因の上位を占める以下の3つの病気の総称です。

  • がん(悪性新生物)
  • 心疾患
  • 脳血管疾患

これらの病気の治療は長期化・高額化しがちであるため、治療費や収入減少に対する備えとして保険の加入が考えられます。三大疾病保険に加入しておけば、これらの病気で所定の状態になったときに給付を受けられるのです。

以下、それぞれの病気について簡単に解説します。

がん(悪性新生物)

がん(悪性新生物)は、日本人の2人に1人が一生に一度はかかるといわれています。悪性新生物とは自律的に増殖し、浸潤と転移、悪液質の特徴を持つ腫瘍です。がん治療は長期間かかる場合が多く、治療費も高額になりやすい傾向があります。

心疾患

心疾患とは心臓の働きに関連する病気の総称で、急性心筋梗塞、不整脈、心不全などが含まれます。心疾患は突然死の原因にもなります。狭心症や心筋梗塞の場合、カテーテル治療や薬物療法が行われ、一般的にそれらの治療費は高額です。重症化すると外科手術が必要になる場合もあります。

脳血管疾患

脳血管疾患とは脳の血管に関連する病気の総称で、脳卒中(脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞)などが含まれます。脳への血流が滞るために脳細胞が損傷を受け、手足の麻痺や言語障害といった後遺症が残るケースもあります。主な治療法は、投薬、リハビリテーション、外科手術などです。

三大疾病保険とは

三大疾病保険は日本人の死因上位を占めるがん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中に備える保険です。これらの病気で保険会社の定める所定の状態になった場合に、一時金として三大疾病保険金を受け取れます。

対象となる病気の定義は急性心筋梗塞と特定されていたり、心疾患と幅広くなっていたりと保険会社によって異なります。

また、死亡保障がある点も三大疾病保険の大きな特徴です。三大疾病保険金を受け取らずに被保険者が死亡した場合には、受取人は三大疾病保険金と同額の死亡保険金を受け取れます。

ただし、三大疾病保険金を受け取った時点で保険契約は消滅するため、その後に再発した場合の保障はありません(死亡保障もありません)。保険期間は終身タイプと定期タイプがあり、定期タイプの場合は更新可能な場合もあります。

特約としてつけられるものもある

三大疾病の保障は、特約としてつけられるものもあります。

医療保険や死亡保険の主契約に三大疾病特約を付加すると、三大疾病で所定の状態となった場合に保険金や給付金を受け取れます。

また、三大疾病保険料払込免除特約というものもあります。これは主契約の被保険者が三大疾病で一定の状態となった場合に、以後の保険料の払い込みが免除されるという特約です。保険料払込免除特約によって、三大疾病にかかっても保険料の負担なく保障を受けられます。

実際にどれぐらいの方が三大疾病保険に加入している?

三大疾病保険のメリットは理解できても自分に必要かわからない人もいるかもしれません。また、実際のところ三大疾病保険の加入率はどの程度か気になる人もいるでしょう。

生命保険文化センターの「2022年(令和4年)度 生活保障に関する調査《速報版》」によると、民間の生命保険会社やJA(農協)、共済等で取り扱っている特定疾病保障保険・特定疾病保障特約の加入率は30.9%となっています。

この調査では2001年以降、2019年まで加入率は右肩上がりに増加していましたが、直近の2022年度調査ではコロナ禍の影響もあり、加入率が下落しています。

「三大疾病保険はいらない」といわれる理由

「三大疾病保険はいらない」という人もいます。その理由は主に以下の3つです。

三大疾病のリスクが少ないと感じる人が多いから

「三大疾病保険はいらない」といわれる理由の1つに、三大疾病のリスクが少ないと感じる人の多い点が考えられます。

三大疾病は死因の上位を占める病気ですが、近年は医療技術の進歩により死亡率は低下傾向にあります。特に若い世代には三大疾病になるリスクが低いと感じる人が多いでしょう。また、掛け捨ての場合は、三大疾病にかからなければ保障が無駄になると感じている可能性があります。

医療保険で充分だと考えられるから

三大疾病にかかったとしても医療保険に加入していれば保障を受けられるため、三大疾病保険までは必要ないと考える人もいるでしょう。

三大疾病保険は三大疾病に罹患した場合に、一時金や給付金を受け取れます。しかし、医療費に関しては医療保険の入院や手術給付金でカバーできます。治療費をまかなえれば充分と考えれば、三大疾病保険までは不要となるでしょう。

公的医療保険や高額療養費制度で備えられる面もあるから

日本では公的な医療保険や高額療養費制度※があるため、三大疾病保険に加入しなくても心配ないと考える人も多いでしょう。

※高額療養費制度とは、1ヶ月(同じ月の1日~月末)の病院などの窓口負担額が自己負担限度額を超えたときに、その超えた金額が公的医療保険から支給される制度です。なお、差額ベッド代や入院時の食事代の一部負担、先進医療の技術料などは、高額療養費制度の対象になりません。

日本の公的医療保険では、医療費の自己負担は1割から3割ですみます。重い病気で多額の治療費がかかっても高額療養費制度を利用することで、自己負担額の軽減が可能です。

万が一三大疾病にかかっても公的医療保険制度があれば、三大疾病保険は不要とも考えられるでしょう。

本当にいらない?三大疾病保険の必要性

三大疾病保険はいらないという意見もありますが、三大疾病にかかると高額な治療費がかかります。三大疾病保険の必要性も考えてみましょう。

三大疾病に罹患する人は多い

  三大疾病保険の必要性を考えるうえで、三大疾病による死亡率の高さは重要なポイントです。厚生労働省の令和4年(2022年)人口動態統計によると総死亡者数の47%、つまりほぼ半数が三大疾病によって亡くなっています。

三大疾病で亡くなる人は多く、罹患する可能性が高い疾患だからこそ三大疾病保険の必要性は低くありません。万が一の際の経済的負担に備えるためにも、三大疾病保険への加入を検討する意義は大きいと考えられます。

三大疾病は治療が長期化しやすい

三大疾病の治療は長期化しやすいという特徴は、意識しておくべき点です。厚生労働省の「令和2年(2020年)患者調査の概況によると、がんや心疾患の入院期間は2週間以上になるケースも多く、脳血管疾患に至っては2ヵ月以上の長期入院となるケースもあります。

治療が長引けば、それだけ多くの治療費がかかります。また、三大疾病の治療では、退院後も通院や投薬、リハビリテーションなどが必要になりやすい点にも注意が必要です。治療にかかる期間や費用は想像以上に大きなものとなる可能性があります。

こうした長期化する治療に備えるために、三大疾病保険は大きな助けとなります。万が一三大疾病に罹患した際、治療費や入院費、その他の関連費用といった、長期化する治療に伴う経済的な負担を軽減できるでしょう。

先進医療は保険適用外となりやすい

三大疾病の治療に用いられる場合の多い先進医療は、公的医療保険の適用外になる場合がほとんどです。先進医療とは公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術などです。

たとえば、がんの先進医療※である重粒子線治療は、1件あたりの平均の技術料が300万円以上となっています。この技術料が公的医療保険の対象外であるため、全額自己負担になってしまうのです。

三大疾病保険に加入していれば、保険金を保険適用外の高額な治療費にも充てられます

※先進医療の保険は、三大疾病保険とは別に主契約に特約として付加するケースもあります。(任意加入)

治療や入院で収入が減る可能性が高い

三大疾病にかかった場合、治療や入院による収入減少のリスクは見逃せません。三大疾病の治療は長期化しやすく、その間働けなくなる可能性が高いからです。

会社員の場合、病気やケガで働けなくなったときに健康保険から傷病手当金が支給されます。しかし、支給額は標準報酬日額の3分の2であり、支給期間は最長1年6ヶ月と定められています。長期の治療が必要な場合、傷病手当金を受け取れなくなるケースもあるでしょう。

一方、自営業の場合は、病気で働けなくなった途端に収入が途絶えてしまうリスクがあります。社会保障からの給付が受けられないため、対策を講じておく必要があります。

三大疾病保険が必要なのはどんな人?

これまでの内容を踏まえ、三大疾病が必要な人を確認しておきましょう。三大疾病保険が必要な人は、以下のような人です。

  • がん以外の疾患にも備えたい人
  • 治療費に充てる貯蓄が足りない人
  • 貯蓄を取り崩したくない人
  • 自営業者や個人事業主など公的な保障が薄い人
  • 先進医療など保険適用外の治療も視野に入れたい人

がんだけでなく、心疾患や脳血管疾患にも備えたい人は三大疾病保険が適しています。特に、家族に三大疾病になった人がいるというような、遺伝的なリスクを感じる人にはおすすめです。

また、治療費や生活費に充てる貯蓄が不足する人、老後資金のような他の目的のために計画的に貯蓄をしている人も三大疾病保険で備えておくことで貯蓄を取り崩す心配が減少します。

自営業者や個人事業主は公的な保障が薄いため、病気で長期間働けなくなった場合のリスクが高めです。収入減少に備えるためにも、三大疾病保険は重要な選択肢となるでしょう。

さらに、先進医療※のような保険適用外の治療を受けたい人にとっても、三大疾病保険は役立ちます

※先進医療の保険は、三大疾病保険とは別に主契約に特約として付加するケースもあります。(任意加入)

三大疾病保険に加入するときの注意点

三大疾病保険に加入する場合、保険金や給付金の支払い条件となる「所定の状態」に注意が必要です。「所定の状態」は保険会社によって異なるため、内容を確認してから加入しましょう。

がんの場合

三大疾病保険でがんの一時金を受け取る場合の条件は、がんの保障開始後に初めてがんにかかったとの医師による診断確定です。ほとんどの商品では悪性新生物のみを対象としていますが、上皮内がんを含むものもあるため、確認しておきましょう。

一般的に契約してから90日以内のがんについては保障の対象外となるため、その期間中に診断が確定すると保障を受けられません。

主契約が三大疾病保険の場合、一度保険金が支払われると契約が消滅します。しかし、特約の場合、複数回受け取れるものもあり、その内容は保険会社によってさまざまです。がんの再発や転移のリスクにも備えたい場合、給付金を受け取れる回数についても確認が必要です。

心疾患の場合

三大疾病保険の心疾患の支払い条件は保険会社によって異なりますが、一般的には以下のようなパターンがあります。

  • 急性心筋梗塞と診断され、手術を受けたとき
  • 急性心筋梗塞と診断され、医師の診断により60日以上の労働制限が必要とされたとき

「労働が制限されている状態」とは軽作業や事務作業はできるものの、それ以上の活動には制限が必要な状態を指します。

しかし、実際には60日以内に社会復帰できるケースも少なくありません。その場合、保険金が支払われない可能性があります。

また、心疾患と診断されても、すぐに保険金が支払われるわけではありません。そのため、診断後しばらくの期間の治療費を自己資金でまかなえる程度の貯蓄は必要です。

脳血管疾患の場合

三大疾病保険の脳血管疾患の場合も、支払い条件は保険会社によって異なりますが、一般的には以下のようなパターンがあります。

  • 脳卒中(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)と診断され、手術を受けたとき
  • 脳卒中と診断され、医師の診断により60日以上の言語障害、運動失調、麻痺などの後遺症が継続すると判断されたとき

脳血管疾患の場合は心疾患と同様に、脳卒中と診断されてもすぐに保険金が支払われるわけではありません。診断後しばらくの期間の治療費を見据えて、ある程度の貯蓄を確保しておきましょう。

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おわりに

三大疾病保険は対象が三大疾病に限られるため、それほど必要でないと考える人もいるでしょう。しかし、三大疾病にかかると高額の治療費の負担だけでなく、収入減少のリスクを考える必要もあります。人によっては加入しておくといざというときの心強い助けになるといえます。

特に今まで医療保険しか入っていなかった人は、三大疾病の場合の経済的リスクへの備えが充分か見直してみると良いでしょう。

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