マンション経営は、投資に関心のある方々が興味を持つ投資方法のひとつです。しかし、マンション経営を始める際に、メリットとリスクをしっかりと理解できているでしょうか。知識や準備が不十分な状態でマンション経営を始めると、思わぬトラブルや損失を招く可能性があります。
この記事では、マンション経営の基本やメリットとリスク、アパート経営との違いについて詳しく解説します。リスクを回避するためのポイントもご紹介しますので、マンション経営の全体像を掴み、より賢明な投資判断を行うための参考にしてください。
- マンション経営には、1部屋の区分マンション投資も含む
- 不動産投資には空室・家賃滞納、自然災害、老朽化などのリスクがあり、正しい対処が必要
- 表面利回りだけでなく、実質利回りも考慮した投資判断が必要
マンション経営とは?アパート経営との違いも解説
不動産投資における「マンション経営」と「アパート経営」は一見似ているように思えますが、実際には異なるポイントが多数存在します。両者にはどのような違いがあるのか、またマンション経営における収入について解説します。
マンション経営とは
「マンション経営」とは、マンションの1部屋または1棟を購入し、第三者に貸し出して収益を得る賃貸経営手法です。
1部屋から賃貸経営を行う場合、「区分マンション投資」とも呼ばれます。区分マンション投資は1部屋からの投資が可能であるため、初期投資額を抑えて始められるのが特徴です。1棟マンションの場合、鉄筋コンクリート造や鉄骨造などの3階以上の共同住宅が対象となります。
また、マンション経営によく似た用語に「アパート経営」があります。一般的に、アパート経営は1棟全体の運営を指し、マンションと比べると小規模物件である点が特徴です。アパートは木造や軽量鉄骨の2〜3階建ての建物であり、この点でもマンション経営とは区別されます。
マンション経営における収入とは
マンション経営における収入とは、賃貸に出したマンションから得られる家賃や更新料、礼金などの定期的な収入を指します。家賃は毎月の定期収入であり、更新料や礼金は契約更新や新入居時の一時的な収入です。
一方、マンション経営における支出の例は、以下のとおりです。
- 管理会社への委託料
- 保険料
- 修繕費
- ローン返済額
- 固定資産税、都市計画税
- 管理費や修繕積立金
マンション経営の利益は「収入-支出」で算出します。マンション経営を成功させるためには、収入と支出を正確に把握し、収支の予測を行うことが大切です。
マンション経営のメリット
マンション経営の主なメリットは、以下の4つです。
- 長期的に収入が得られる
- 景気変動やインフレに強い
- 土地の固定資産税や相続税を節税できる
- 実物資産になる
それぞれについて見ていきましょう。
長期的に収入が得られる
マンション経営は、長期的な安定収入を目指す投資方法です。主な収入は家賃であり、短期的に高額の利益が期待できるわけではありません。しかし、入居者がいれば、居住期間中は安定した家賃収入が見込めるので、老後の資金確保にも向いています。
株やFXは、大きな利益を短期間で得られる可能性がありますが、リスクも高い投資方法です。これに対して、マンション経営は、適切に物件を選び管理することで、長期間にわたり安定した収入を得られます。
景気変動やインフレに強い
マンション経営は、経済の変動やインフレに強い投資方法です。生活する上で住居は不可欠なので、賃貸ニーズは景気に左右されません。そのため、安定した収益が期待できます。
インフレ時には物価が上昇し、預貯金の実質的価値が減少します。しかし、マンションの家賃収入は物価の上昇と連動するため、収入の実質的価値の減少を防ぐことが可能です。つまり、マンション経営は景気変動やインフレに強いのが大きなメリットと言えるでしょう。
実際に、コロナ禍の中でもマンション経営による家賃収入は比較的安定しており、経済的な変動に強い投資方法であることが実証されました。経済的な変動が激しい時期でも、住居の確保という基本的なニーズが背景にあるため、マンション経営は安定した投資方法として注目されています。
土地の固定資産税や相続税を節税できる
マンション経営は、土地の固定資産税や相続税を節税できるメリットが得られます。土地や建物について、税制上の特例があるためです。
固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて毎年課される税金です。マンションやアパートを建てると評価額が軽減され、税額が低減されます。評価額の計算式は、以下のとおりです。
評価額=更地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
例えば、路線価「180B」の土地で、借地権割合80%、借家権割合30%、賃貸マンション満室時の賃貸割合100%を用いると、評価額は「更地の評価額×(1-80%×30%×100%)」となり、評価額が76%に減少します。
相続税にも特例があり、アパートやマンションの土地は「小規模宅地等の特例」の対象です。具体的には、200㎡までの部分は評価額の50%が減額されます。
これらによって、税金の負担を軽減できるのもマンション経営の魅力です。
実物資産になる
マンションは、株式や債券など他の金融資産とは異なり、その価値が突然失われるリスクが低く、長期的な安定性を持つ実物資産です。
新耐震基準を満たすマンションは高い耐震性を誇り、50年以上の耐用年数が期待できます。また、マンションのローンを完済すれば、物件は純粋な資産として所有者のものとなるため、安定した収入源としての機能を果たします。
マンション経営のリスク
マンション経営には安定した家賃収入や税金の軽減などのメリットがありますが、同時にリスクも考慮しなければなりません。
ここでは、マンション経営の主なリスクを3つ解説します。
空室や家賃滞納リスクがある
マンション経営の大きな課題は、空室や家賃滞納です。空室が生じると家賃収入が途絶えるだけでなく、部屋の維持管理コストだけがかかってしまいます。長期間の空室は収益を圧迫し、赤字経営の原因となりかねません。そのため、常に新しい入居者を確保する必要があります。
また、家賃滞納も大きなリスクの一つです。入居者が確保できても、家賃が支払われなければ収入が得られません。こうした事態を避けるためには、入居前の審査を徹底し、きちんと家賃を支払ってくれる入居者を選ぶことが不可欠です。また、家賃保証会社と契約することにより、家賃滞納リスクを抑えられます。
マンション経営の収入源である家賃が入ってこなければ投資の効果が見込めないだけでなく、支出ばかり膨れ上がることになります。あらゆる側面から空室や家賃滞納リスクの低減に努めることが、マンション経営の成功のカギです。
自然災害リスクがある
地震や火災、台風などの自然災害が発生した場合、マンションに大きな被害が出る可能性があります。自然災害はいつどこで発生するか予測できません。仮に保険をかけていない物件が地震で倒壊してしまえば、ローンだけが残ります。
火災や地震などの自然災害対策の基本は、必ず保険に加入することです。損失を最小限に抑えるためにも、適切な保険に加入しておきましょう。損害保険でカバーできる範囲や保険金が下りる条件は商品によってさまざまなので、契約内容をよく確認してリスクに備えてください。
老朽化による修繕費用が必要
マンション経営を行う際には、老朽化により修繕費用がかかるリスクも考慮しなければなりません。築年数を経るにつれて、こうした老朽化対策の費用は避けられなくなります。管理会社と連携しつつ適切な修繕計画を立て、必要な資金を確保しておくことが重要です。
物件の魅力を保つためには、リフォームやリノベーションも検討する必要が出てくるかもしれません。将来的なコストを含めて長期的な経営計画を立てることで、リスクを抑えることが可能です。
マンション経営のリスク回避のためのポイントは
マンション経営は、長期的な収益を得られるメリットがある一方、さまざまなリスクを伴います。リスクを最小限に抑え、安定した経営を継続するためには、事前の計画と適切な対策が欠かせません。
ここでは、マンション経営における主要なリスクを回避するためのポイントをご紹介します。
入居者を確保できる立地かどうか
マンション経営の原資は家賃収入ですので、継続的な入居者の確保が不可欠です。室内はリフォームなどで改善できますが、立地は変更できません。入居者を確保し続け、安定したマンション経営を行うためには、賃貸の需要が高いエリアを選ぶ必要があります。
賃貸の需要が高いかどうか見極めるためには、実際に現地を訪れて物件周辺の環境や施設などをチェックし、エリアをカバーしている不動産会社に確認することで、賃貸需要を把握しましょう。
また、立地が良くても提供する物件が入居者のニーズに合っていなければ、入居者を確保できません。そのため、入居者のニーズに応える物件にする必要もあるでしょう。
例えば、若い単身者をターゲットにする場合、最新の設備やモダンなデザインが求められる可能性が高まります。一方、ファミリー層をターゲットにする場合は、広いリビングや子供部屋の確保が欠かせません。
マンション経営を行う際は、エリアの入居者ニーズを把握し、入居者を確保できる立地かどうか慎重に検討することが大切です。
利回りはどうか
マンション経営において、収益性を評価する際の重要な指標が「利回り」です。利回りは、物件への投資に対する収益予測を示すため、経営が成功するかどうか予測するために不可欠な指標です。
利回りには以下の2種類があります。
- 表面利回り
- 実質利回り
表面利回りは年間家賃収入と物件価格を用いて算出され、計算式は以下のとおりです。
表面利回り=年間家賃収入÷購入価格×100
例えば、2億円のマンションで年間家賃収入が2,000万円の場合、表面利回りは「2,000万円÷2億円×100=10%」です。
一方、実質利回りは、経営に伴うランニングコストやその他の経費を考慮に入れた、より実態に即した利回りです。以下の計算式で求められます。
実質利回り=(年間家賃収入-年間経費)÷(購入価格+物件購入時の諸経費)×100
例えば、マンションの価格が2億円、年間家賃収入が2,000万円、年間経費が500万円、物件購入時の諸経費1,400万円の場合、実質利回りは「(2,000万円-500万円)÷(2億円+1,400万円)×100=7%」です。
物件選定や経営戦略を検討する際に、利回りの評価は欠かせません。例えば、都市部と地方では、人口動態や賃貸需要の違いから適切な利回りの目安も変わってくるため注意が必要です。
最低ラインの利回りを決定し、投資判断を行うことがマンション経営の成功への第一歩となります。
管理がしっかりしているか
マンション経営を成功させるためには、利回りなど投資前の収支シミュレーションに加えて物件を適切に管理していかなければなりません。
マンション経営においては、「賃貸管理」と「物件管理」の2種類の管理を行う必要があります。
賃貸管理で行うことは、例えば以下の通りです。
- 入居者の募集
- 家賃の集金
- クレーム対応
- 修理の手配
- 敷金の清算
- 退去後のリフォーム など
賃貸管理を円滑に行うことで、空室率を下げ、投資するマンションの収益性を高く保つことが可能です。
一方、建物管理で行うことの例は以下の通りです。
- 給水設備、排水・衛生設備、消防用設備などの機能点検
- 電気設備、空調設備の保守点検
- 定期清掃
- 空気環境測定
- エレベーターの保守点検 など
建物管理では、共用部分の清掃や建物・設備の保守点検などの管理業務を行います。適切に建物管理を行うことで、住民に快適な住環境を提供することで長く入居してもらえ、クレーム軽減に繋がる他、入居者希望者が内見する際の印象の向上も可能です。
安心して頼れる業者を探す
マンション経営を成功させるためには、信頼性の高い事業者の存在が欠かせません。安心して頼れる業者に依頼できるかどうかによって、マンション経営の安定性や将来的な収益性は大きく左右されるからです。
安心して頼れる事業者であれば、適切な物件の提案や家賃設定、トラブル発生時の対応など、マンション経営上の全面的なサポートを行ってくれます。
また、賃貸管理と建物管理の両方にしっかり対応してくれるかどうかが重要です。どこまでの管理に対応しているかしっかり確認しておきましょう。
慎重に事業者を選び、リスクを回避する基盤を築くことが大切です。
おすすめの事業者と特徴をご紹介します。
【特徴】
- ガーラマンションシリーズを提供
- 創業40年以上の実績
- 東証プライム市場に上場
- 供給実績は315棟21,907戸(2021年6月末日現在)
- 入居率は99.0%(2021年3月末日現在)
- 無料の個別相談会を実施中
【特徴】
- 1977年創業、40年以上の実績
- 投資用マンション「ルーブルシリーズ」を提供
- 供給戸数は19,000戸以上、入居率は98%以上(2021年4月末時点)
- 独自の用地仕入れ基準を持つ
- 長期的なお付き合いを重視
これらの会社は、マンション経営の強力なサポートをしてくれるでしょう。無料相談も実施中なので、興味があればぜひ活用してみてください。
おわりに
マンション経営は、安定した収入源としてメリットが多い一方、空室や自然災害、老朽化による修繕費用など、リスクも伴います。ただし、適切な立地選定と利回りの確認、信頼できる業者への依頼によってリスクを抑えることは十分可能です。マンション経営を成功させるためにも、各リスクのポイントを押さえ、入念に計画を立てて取り組むことが大切です。