家を建て替えるとなると、新しい住居の建築費だけでなく解体費や税金も考えなくてはなりません。合計いくらくらいかかるのか、どのような費用内訳なのかを把握しておかないと、予算も立てにくいでしょう。
本記事では、家を建て替える費用の平均や内訳を詳しくご紹介します。さらに、建て替えコストを抑えるコツもまとめました。家の建て替えを検討している方は参考にしてください。費用負担を軽くしつつも理想の家づくりを実現しませんか。
- 住宅市場動向調査によると、2022年度の家の建て替え平均費用は4,487万円
- 家の建て替えには、解体工事費用・本体工事費用・税金・引っ越し費用などがかかる
- 建て替え費用を抑える方法として、補助金の活用や間取りのシンプル化が有効
- 解体会社・ハウスメーカーに依頼する際は、複数社から見積もりをとって比較検討するのがおすすめ
住宅市場動向調査から見る建て替え費用の平均
「家を建て替える」とは、今までの持ち家を取り壊して同じ敷地に新しく住宅を建てることを指します。つまり、家を建て替える場合、新たに土地を取得する費用はかかりません。持ち家の取り壊しと、住宅新築の費用がメインになります。
国土交通省が実施している「住宅市場動向調査」の2022年度の結果によると、家を建て替えた際にかかる平均費用は4,487万円でした。そのうち、自己資金の平均額が2,093万円、借入金の平均額は2,394万円となっています。
参照元:国土交通省 住宅局|令和4年度 住宅市場動向調査 報告書|P13、P43
家の建て替え費用の内訳や目安の金額
では、具体的に家の建て替えで発生する費用を詳しく見ていきましょう。家の建て替えには、大きく分けて以下の6つの費用がかかります。
【家の建て替えにかかる費用】
- 解体工事費用
- 本体工事費用
- その他の工事費用
- 税金関係
- 司法書士への報酬
- 引っ越しや仮住まい費用
それぞれの費用について解説し、目安の金額をまとめました。
解体工事費用
解体工事費用は、家の取り壊し全般にかかる費用です。詳しい内訳をご紹介します。
【解体工事費用の内訳】
- 建物の解体工事費
- 重機使用料
- 人件費
- 廃棄物処理費
解体工事費用がいくらかかるかは、建物の構造によって相場が異なります。木造・鉄骨・鉄筋コンクリート造において、1坪当たりの目安金額は以下のとおりです。
【建物の構造別解体相場(一軒家)】
建物の構造 | 1坪あたりの相場 |
---|---|
木造 | 31,000~44,000円 |
鉄骨造 | 34,000~47,000円 |
鉄筋コンクリート造 | 35,000~80,000円 |
なお、建物だけでなく外構も取り壊すとなると、別途費用がかかります。さらに、解体作業のしやすさは周辺の環境・土地の状況にも左右されるので、こちらの相場はあくまで目安とお考えください。
参照元:失敗しない解体工事は、クラッソーネ。|家の解体費用はいくら?費用相場と戸建ての解体事例7選
本体工事費用
本体工事費用は、今までの持ち家を解体した後に新しく住宅を建てる際にかかる費用です。本体工事費用には、主に次の料金が含まれています。
【本体工事費用の内訳】
- 設計費
- 材料費
- 基礎工事費
- 住宅建築費 など
本体工事費用の相場は、新築総費用の7~8割とされています。つまり、次にご紹介するその他の工事も含めて住宅の建築に3,000万円かかったとしたら、本体工事費用は2,100~2,400万円になるでしょう。
ただし、どこまで「本体工事費用」に含めるかは、全てのハウスメーカーや建築会社で統一されていません。例えば、内外装を本体工事費用としている会社もあれば、その他の工事費用に計上しているケースもあるのです。
その他の工事費用
新築する際、本体工事以外で次の費用がかかります。
【その他にかかる工事費用の内訳】
- 地盤調査費
- 地盤改良費
- 外構工事費
- ライフライン引き込み工事費用
- 設備工事費 など
これまで問題なく住めていた土地だとしても、地盤調査が欠かせません。調査結果によっては、地盤改良が必要になります。また、水道や電気を引き込む工事がその他の費用に含まれている会社もあります。エクステリアや太陽光発電システムの設置も、別途費用になるでしょう。
税金関係
家を建て替える場合、以下にご紹介する税金も納めなければなりません。
【建て替えにかかる税金】
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 印紙税
なお、建て替え時に住宅を新築した場合、不動産取得税・登録免許税・固定資産税で軽減措置が適用されます。詳しい内容や税額をチェックしていきましょう。
不動産取得税
不動産取得税とは、相続などの場合を除き、新たに不動産(土地や建物)を取得した際に発生する地方税です。税額は、不動産の評価額×4%となっています。不動産の評価額は、固定資産税課税台帳に記されている評価額と同じです。
ただし、令和9年3月31日までに取得した新築住宅に関しては、税率が3%になる軽減措置が適用されます。
登録免許税
登録免許税は、不動産登記の際にかかる国税です。家を建て替える場合、所有権の保存や抵当権の設定などの登記が必要になるケースがあります。登記の際に登録免許税がかかるので、税額を把握しておきましょう。
登録免許税も軽減措置が適用されます。適用期間は、令和9年3月31日までとなっています。
【建て替えの際にかかる登録免許税の例】
手続きの名称 | 手続きの内容 | 税額・税率(本則) | 軽減税率 |
---|---|---|---|
抹消登記 | 住宅ローン完済時における抵当権の抹消 | 不動産1個あたり1,000円 | – |
所有権保存登記 | 新築引き渡しの際における抵当権の保存 | 不動産の価額×0.4% | 0.15% |
抵当権設定登記 | 住宅ローン融資時に行う抵当権の設定 | 債権金額×0.4% | 0.1% |
固定資産税
土地や建物など不動産の資産価値に応じて納めるのが、固定資産税です。固定資産は、市町村による不動産の評価を受けます。固定資産評価額が課税標準額となり、税率1.4%をかけて固定資産税額を求めます。
関連して、令和8年3月31日までに購入した新築住宅は、軽減措置の対象です。一般住宅の場合は3年度分の固定資産税の課税標準額が1/2に、長期優良住宅なら、5年度分が半額になります。
ただし、ご自宅が市街化区域などに該当するエリアであると、固定資産税だけでなく都市計画税も納めなければなりません。
都市計画税
都市計画税は、市街化区域などにある不動産に課せられる地方税です。納めた税金は、道路やインフラ、公園といった地域の発展事業に充てられます。
都市計画税の課税対象となるのは、固定資産評価額です。税率は地方によって異なりますが、上限が0.3%までに定められています。なお、土地のみ軽減措置があり、一般住宅用地は課税標準額が2/3、200㎡までの小規模住宅用地なら1/3になります。
印紙税
家の建て替えでは、工事請負契約を交わさなければなりません。また、新たに資金を融資してもらうとなると、住宅ローンに関する契約も必要です。契約書の作成は課税対象のため、印紙税が発生します。
印紙税は、契約金額によって税額が異なります。また、令和9年3月31日までの工事請負契約には軽減措置が適用されます。印紙税の税額をまとめました。
【印紙税額】
契約金額 | 税額(本則) | 軽減措置後の税額 |
---|---|---|
100万円超~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超~1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円超~1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
司法書士への報酬
不動産登記を司法書士に依頼する場合、報酬を支払います。報酬額は、50,000~80,000円を目安に考えておきましょう。
登記の手続きはご自身でも可能です。しかし、手間や時間がかかるうえに、専門的な知識を求められるため簡単ではありません。登記の手続きを確実に済ませるには、司法書士に依頼するのが安心です。
引っ越しや仮住まい費用
家の建て替えには、引っ越しや仮住まいの費用がかかります。今まで住んでいた家を取り壊したら、住むところがないため、新しい住宅が建つまでの間に生活する仮住まいに引っ越す必要があります。
仮住まい先が賃貸なら、敷金礼金や家賃、仲介手数料などの費用がかかるでしょう。また、新築住宅が完成したら仮住まいから新居に移るため、引っ越し費用は2回分となります。
工事期間が5ヵ月、家賃12万円の仮住まいに引っ越すと仮定し、かかる費用をまとめました。
内訳 | 回数・期間 | 想定費用 |
---|---|---|
引っ越し費用 | 2回分 | 300,000円 |
家賃 | 家賃の5ヵ月分 | 600,000円 |
敷金 | 家賃の1~2ヵ月分 | 120,000~240,000円 |
礼金 | 家賃の1~2ヵ月分 | 120,000~240,000円 |
仲介手数料 | 家賃の1.1ヵ月分 | 132,000万円 |
保証金など | 家賃の1ヵ月分 | 120,000円 |
このケースの場合、引っ越しと仮住まいだけでトータルおよそ160万円かかることがわかります。
参照元:
HOME4U 家づくりのとびら|家の建て替えにかかる費用はいくら?必要なお金と坪数別相場は?
お家のいろは|【坪数別】家の建て替えにかかる費用と相場|注意点や節約のコツも解説
ユニバーサルホーム|新築購入で必要な費用相場は?予算の組み方もチェック!
マミーハウス|意外と知らない注文住宅!費用相場の内訳教えます。
【ケース別】家を建て替える際にかかる費用シミュレーション
続いて、住宅の広さや形状別に大まかな建て替え費用相場を見ていきましょう。なお、建て替え前の住宅は、30坪の木造住宅と仮定します。
30坪・一戸建て(2階)住宅
30坪の一戸建て住宅に建て替える場合、費用相場は1,500~2,500万円と想定されるでしょう。ただし、費用の大半は新築工事にかかるため、住宅の坪単価によって建て替えにかかるトータル額が左右されます。
40坪・平屋住宅
平屋は、一般的な2階建て住宅より建築費用がふくらむ傾向にあります。延べ床面積40坪の平屋に建て替えるケースでは、2,000~2,800万円が相場となります。
50坪・二世帯住宅
二世帯住宅への建て替えとなると、一戸建てより費用がかさむことは想像に難くありません。実際に、50坪の二世帯住宅への建て替え相場は、4,500~5,000万円となっています。
参照元:
HOME4U 家づくりのとびら|家の建て替えにかかる費用はいくら?必要なお金と坪数別相場は?
お家のいろは|【坪数別】家の建て替えにかかる費用と相場|注意点や節約のコツも解説
家の建て替え費用を抑えるコツ
最後に、家の建て替え費用を節約するポイントをご紹介します。家の建て替えにはかなりの金額がかかることがわかりました。そこで、次の4つを意識して、できる限り出費を抑えましょう。
補助金や給付金を申請する
補助金や給付金を活用すると、費用負担が軽くなります。家を建て替える際に使える補助金・給付金には、以下のようなものがあります。
【建て替えの際に申請できる補助金・給付金例】
補助金・給付金名(例) | 内容 |
---|---|
解体費用補助金 | 建物解体費用の一部補助 |
ブロック塀解体補助金 | ブロック塀解体費用の一部補助 |
太陽光発電導入補助金 | 発電量に応じて太陽光発電システム導入費用を一部補助 |
ZEH支援事業 | 新築住宅がZEH基準に適合する場合、一戸当たり55万円(ZEH+は100万円)の補助 |
補助金や給付金の名称、具体的な支援内容は地域によって異なります。お住まいの自治体にどのような支援制度があるのか、リサーチしてみましょう。なお、ZEH支援事業は国が実施しています。
家賃の安いところに仮住まいする
仮住まい先に賃貸を考えているなら、できるだけ家賃が安いところを選択しましょう。家賃が抑えられれば毎月の負担が軽くなるだけでなく、敷金礼金の節約にもつながります。
また、全ての荷物を仮住まい先に運び込むのではなく、トランクルームなどを借りて一時的に保管するのもおすすめです。荷物が減ればあまり広い部屋を借りずに済み、引っ越し費用も抑えられます。
新居を複雑な間取りにしない
新居の間取りを極力シンプルにすると、建て替え費用の削減が見込めます。というのも、複雑な間取りにしてしまうと、どうしても建築費用がかさんでしまうのです。四角形の間取りで部屋数を少なくするプランなら、よりコストダウンが図れるでしょう。
複数社から見積もりをとる
解体工事や建て替え工事を依頼する際は、複数社から見積もりをとって費用を比較してみてください。工事費用は会社によって差があるため、1社だけで判断するのではなく、複数社で比べて費用相場を把握しましょう。
見積もりをチェックする時は、金額だけでなく工事内容の確認も重要です。きちんと確認しておかないと「安いから依頼したのに追加費用が発生して結局高くついてしまった」という事態になりかねません。どこまでの工事内容でいくらなのか、しっかり検討しましょう。
家の解体なら「クラッソーネ」へ
解体会社を比較するなら、「クラッソーネ」での一括見積もりがおすすめです。「クラッソーネ」は、解体会社とお客様をマッチングするサービスを展開しています。一括見積もりにより、登録された全国1,900社以上の解体会社の中から、近隣で最安値を提案しているところが見つかるでしょう。
さらに、クラッソーネからお客様に直接解体会社をご紹介するので、下請け構造が多重にならず、コストダウンが図れます。ご自宅の建て替えを考えたら、クラッソーネにご相談ください。
【主な特徴】
- 近隣の解体会社の見積もりを一括でとれる
- 直接ご紹介が可能なため多重な下請け構造がなく、コストダウンにつながる
- 見積もりの手続きはWeb上で完結するので、手間や時間がかからない
見積もり料金 | 無料 |
付帯サービス | 安心保証パック(保証料・保険料・手数料が無料) |
サポートダイヤル | 0120-479-033(平日9:00~18:00受付) |
公式URL | https://www.crassone.co.jp/service/ |
参照元:
環境共創イニシアチブ|2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について|P2
おわりに
家を建て替えるとなると、工事だけでなく税金や引っ越しなどの費用もかかります。住宅市場動向調査では、建て替えの平均費用がおよそ4,500万円と示されました。費用を抑えるには、補助金を活用したり間取りをシンプルにしたりといった工夫が必要です。複数の解体会社やハウスメーカーで検討するのもコストダウンにつながるでしょう。
今回ご紹介した建て替え費用の全貌や節約方法を参考に、コストを抑えつつも希望が実現できる家づくりを目指しませんか。