老後に賃貸物件への移住を考えている方は多いのではないでしょうか。生活難から自宅を売却して賃貸に移るケースや、子どもが独立して部屋が広すぎると感じ、コンパクトな間取りの物件に移るケースなど事情はさまざまです。
しかし、老後は賃貸を借りられないといった噂もよく聞くため、不安に感じている方も少なくありません。
この記事では、老後に賃貸が借りられないといわれる理由と賃貸に移るメリット・デメリットを解説します。ポイントを押さえれば老後でも賃貸物件をスムーズに借りられるため、これから賃貸への移転を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
(本記事は2024年8月8日時点の情報です)
老後に賃貸は借りられないと言われる理由と特徴4つ
結論として「老後に賃貸を借りられない」ということは決してありません。では、なぜ老後に賃貸は借りられないといわれてしまうのでしょうか。
主な要因は以下のとおりです。
- 収入に関する課題
- 健康に関する懸念
- 保証人の問題
- その他の特徴
以下で詳しく解説していきます。
1. 収入に関する課題
賃貸物件を借りる際に収入審査が行われることが一般的ですが、高齢者の場合は収入が低い傾向にあり、現役世代よりも審査に通過しにくいことがあります。
まとまった貯蓄があることは審査において重要な要素のひとつです。しかし、賃貸契約では基本的に毎月の収入から家賃が支払われるため、現役時代よりも少ない収入の高齢者は急な出費が重なることで資金繰りが悪化し、家賃を滞納されるのではとオーナーに懸念されがちです。
国土交通省が公表している資料によると、男性の平均給与額は50歳で約48万6,000円、60歳で40万8,000円、70歳で28万8,000円と年齢と共に減少しています。
さらに、公的年金の平均支給額は男性で月額15〜17万円、女性で9〜11万円となっていることから、単身世帯の場合はとくに家賃の支払いが厳しい水準です。
参考 主要都市 1ヶ月あたりの家賃
全国平均 | 55,695円 |
東京都 | 81,001円 |
大阪府 | 55,636円 |
愛知県 | 52,492円 |
鹿児島県 | 37,863円 |
参照元:国土交通省 全年齢平均給与額(平均月額)
参照元:厚生労働省 公的年金受給者に関する分析
参照元:平成 30 年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計|総務省
2. 健康に関する懸念
高齢者が賃貸を借りにくいといわれてしまう理由のもうひとつに健康リスクが挙げられます。高齢になるにつれて病気のリスクが増え、「物件内で何かが起こったら」と心配するオーナーも多いです。
とくに単身高齢者の場合、緊急事態の発見が遅れるリスクが高まります。その結果、孤独死へとつながり、多額の特殊清掃費などが発生するケースも少なくありません。また、孤独死になってしまうと事故物件として扱われ、次の入居者が見つかりにくくなることも高齢者の入居を躊躇してしまう理由のひとつです。
国土交通省のデータによると、2018年の孤独死件数は64歳以下で1,646件、65歳以上では3,867件と高齢者が多いことが明らかになっています。
3. 保証人の問題
賃貸契約をする際、家賃の滞納リスクを避けるために連帯保証人を立てることが一般的です。しかし、高齢者の場合は連帯保証人を立てられないことも多く、その結果、賃貸契約の障害となることも少なくありません。
また、家族や親族も高齢になっていることもあり、連帯保証人として機能しないことも多いです。
ただし、賃貸物件のなかにはUR賃貸住宅といった保証人が不要な物件もあるため、それらを選択するのも有効な手段です。UR賃貸住宅については後述で詳しく解説します。
4.その他の特徴
高齢者のライフスタイルは現役世代に比べて安定しており、生活パターンの大きな変化が少ないため、長期間同じ賃貸物件に住む可能性が高いです。この安定性は一見するとメリットのように思えますが、経済状況によってはデメリットにもなり得ます。
例えば、物価が上昇を続けている場合はそれにともない家賃も上昇していく傾向にあります。しかし、すでに賃貸契約をしている場合、契約中に家賃を上げることは容易ではありません。
長期入居者にとってはメリットとなる場合もありますが、オーナーにとっては市場の変動に対応できないというデメリットにもなるのです。
老後を賃貸で過ごすメリット・デメリット
老後を賃貸住宅で過ごすことを検討している場合、賃貸住宅で過ごすメリット・デメリットを事前に把握しておくことが重要です。以下の表にメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・引っ越しがしやすい ・固定資産税がかからない ・持ち家よりも住居のメンテナンスが楽 | ・賃貸契約時に年齢による制約を受ける可能性がある ・住んでいる限り家賃を払い続ける必要がある |
上記のメリット・デメリットをきちんと理解し、老後を賃貸で過ごすことを検討してみてはいかがでしょうか。
メリット
まずはメリットからみていきます。
引っ越しがしやすい
賃貸で過ごすメリットのひとつに引っ越しがしやすいことが挙げられます。
賃貸であれば結婚や転職、転勤、子どもの独立といったライフスタイルの変化に合わせて、住環境を自由に選べます。
例えば、子どもがいる間は3LDKや4LDKといった広いスペースが必要かもしれません。しかし、子どもが独立した後は夫婦2人の生活に見合ったコンパクトな住まいに移る選択肢も持てます。
さらに、近隣とのトラブルが生じた場合や、現在の家賃が負担に感じられるようになった時も、新しい住まいへと比較的容易に移れます。
固定資産税・都市計画税がかからない
賃貸住宅は固定資産税や都市計画税がかからない点もメリットのひとつです。持ち家の場合は土地や建物の所有者としてこれらの税金が毎年発生します。
地域によって異なりますが、固定資産税が年間10~20万円、都市計画税が2~4万円かかることがあります。
一方、賃貸住宅を利用する場合は土地や建物を所有していないため、固定資産税や都市計画税の支払い義務は負いません。
持ち家 | 賃貸 | |
---|---|---|
固定資産税 | 10~20万円/年 ※居住地により変動 | 0円 |
都市計画税 | 2~4万円/年 ※居住地により変動 | 0円 |
持ち家よりも住居のメンテナンスが楽
メンテナンスが楽な点も賃貸住宅のメリットといえるでしょう。
持ち家の場合、修繕や維持に関わる費用が定期的に発生します。とくに老朽化が進むにつれて大規模なリフォームや外壁の塗り替えなど、臨時の支出が発生しやすくなります。
これらのメンテナンスは、修繕箇所にもよりますが10年ごとに約100~200万円の費用がかかることが一般的です。
金額 | |
---|---|
屋根の補修・交換 | 30~150万円 |
外壁の塗装 | 60~200万円 |
給湯機の交換 | 5~30万円 |
キッチンのリフォーム | 50~250万円 |
雨どいの掃除・交換 | 5,000~50万円 |
白アリ対策 | 5,000~10,000円(1坪あたり) |
※本表のデータは、複数の業界専門サイトの情報を参考に、著者が概算値としてまとめたものです。厳密な統計データではなく、一般的な傾向を示すための参考値としてご覧ください。
一方の賃貸住宅では、日常の小修繕を除いて大きな修理や設備の故障に関する費用は原則オーナー負担です。入居者は設備が故障した際に管理会社やオーナーに連絡するだけで済むため、手間やコスト面の負担を大幅に軽減できるでしょう。
ただし、使用者の過失による損傷があった場合は、その修復費用は退去時に請求される可能性があります。
デメリット
続いては、賃貸住宅で老後生活を送る際のデメリットを紹介します。
賃貸契約時に年齢による制約を受ける可能性</h4>
高齢者が賃貸物件を借りる際、年齢を理由に契約を躊躇されるケースがあります。これは、収入や健康面での不安、保証人の問題などが背景にあります。しかし、この記事で紹介する方法を活用すれば、多くの場合これらの障壁を乗り越えることが可能です。
- 十分な資産や収入の証明を提示する
- 家賃債務保証サービスを利用する
- UR賃貸住宅や高齢者向け住宅を選択する
- 親族の協力を得て保証人を立てる
これらの対策を講じることで、高齢者でも賃貸物件を借りやすくなります。ただし、通常より準備や手続きに時間がかかる可能性があることは念頭に置いておく必要があります。
このように修正することで、記事全体のテーマである「老後でも賃貸を借りられる」という主旨を維持しつつ、現実的な課題と解決策を提示できます。
住んでいる限り家賃を払い続ける必要がある
持ち家の場合は住宅ローンを完済すると、その後は固定資産税やメンテナンス費用のみが主な負担となります。その一方で賃貸住宅の場合は、生涯にわたって家賃の支払い義務が生じます。
とくに高齢者の場合は定年退職後に収入が大幅に減少する傾向にあり、家賃が家計の負担となりやすいです。
しかし、持ち家の場合はローン完済後の毎月の住居費は軽減されるものの、税金やメンテナンス費用が継続的に発生します。加えて、大規模な修繕が必要な場合は多額の費用を負担しなければなりません。
そのため、持ち家の総住居費が賃貸より必ずしも安いとは一概にはいいきれません。
老後に賃貸物件を借りるにあたって押さえるべき法律・制度
次に紹介する法律や制度を理解しておくことで、物件選びの選択肢が増え、高齢者でもスムーズに賃貸契約を進めやすくなるでしょう。
- 高齢者住まい法
- 家賃債務保証サービス
以下で順にみていきます。
高齢者住まい法
高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)は、高齢者が福祉サービスを受けつつ快適に生活できるように、良好な居住環境を提供するための制度です。
本制度に基づいて登録された高齢者向け住宅を「サービス付き高齢者向け住宅」といい、高齢者に適した住まい設計が施されています。
具体的には、バリアフリー設計によって移動がしやすく、安否確認サービスや生活相談サービスが提供されるため、安全かつ快適に生活することが可能です。
2024年6月時点で、全国に約28万戸のサービス付き高齢者向け住宅があり、これらの住宅では高齢者を理由に入居を拒否されることはありません。
ただし、要介護の認定を受けている方が対象の物件もあるため、事前に入居要件などを確認しておくとよいでしょう。
家賃債務保証サービス
家賃債務保証サービスは、入居者が家賃保証会社に保証料を支払い、何らかの事情で家賃を支払えなくなった場合に保証会社が家賃を立て替えてくれるサービスです。これにより、連帯保証人をなかなか立てられない入居者でも安心して住宅を借りられます。
とくに高齢者の場合は、連帯保証人を見つけるのが難しいため、家賃債務保証サービスを利用することで賃貸契約の審査が通りやすくなります。
ただし、このサービスを利用する際は入居者の支払い能力に関する審査が行われ、収入状況などによってはサービスを利用できない可能性がある点に注意が必要です。
老後に賃貸を借りやすくする方法4つ
現役世代と比較すると、たしかに高齢者は賃貸住宅を借りにくい傾向にあります。しかし、以下で解説する方法を実施することで、高齢者でも賃貸住宅を借りやすくなるでしょう。
1. 親族に保証人になってもらう
親族が連帯保証人になってもらえれば、オーナーは家賃の滞納時に債権回収を容易にでき、安心して貸し出せるようになります。
高齢者の場合、配偶者がすでに亡くなっていたり、周りの知人も高齢で連帯保証人としての役割を果たせなかったりします。その際に現役世代の親族がいれば、連帯保証人になってもらうことで、金銭面のリスクを解消でき、賃貸契約の審査に通りやすくなるでしょう。
2. UR賃貸住宅や公営住宅を選ぶ
UR賃貸住宅や公営住宅は、高齢者にとって比較的借りやすい選択肢です。それぞれの特徴と申し込み方法を詳しく見ていきましょう。
UR賃貸住宅
UR賃貸住宅は、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が運営する賃貸住宅です。高齢者向けのサービスや設備が充実しており、以下のような特徴があります。
- 保証人が不要
- 礼金・更新料が不要
- バリアフリー設計の物件が多い
- 安否確認サービスなどの生活支援サービスを利用可能
申し込み方法は、以下のとおりです。
- UR都市機構のウェブサイトや窓口で物件を探す
- 希望する物件の下見・内覧を行う
- 申込書に必要事項を記入し、必要書類(住民票の写し、収入を証明する書類など)と共に提出
- 審査を経て、契約となる
なお、入居条件が以下のように決められているので、押さえておきましょう。
- 単身の場合、原則として50歳以上であること
- 世帯の月収が家賃の4倍以上あること
- 日本国籍を有する方、または適法に3か月を超えて在留する外国人であること
公営住宅
公営住宅は、地方公共団体が整備・運営する低所得者向けの賃貸住宅です。家賃が比較的安価に設定されているのが特徴です。
申込み方法を以下に記載しています。
- 各自治体の住宅課やウェブサイトで募集情報を確認
- 申込書を入手し、必要事項を記入
- 必要書類(住民票、所得証明書など)と共に申込書を提出
- 抽選または審査を経て、入居が決定
公営住宅でも入居条件が明確に決められており、一般的なものは以下のとおりです。
- 収入基準を満たしていること(通常、月収15.8万円以下)
- 現在住宅に困窮していること
- 暴力団員でないこと
- 市町村民税を滞納していないこと
なお、自治体によって条件が異なる場合があるので、申込する際は事前に確認しておきましょう。
また、公営住宅は需要が高く、入居までに時間がかかる場合があります。定期的に収入審査があり、基準を超えると退去を求められる可能性があります。
UR賃貸住宅と公営住宅は、それぞれ特徴が異なりますので、自身の状況に合わせて選択することが大切です。高齢者にとっては、これらの住宅を検討することで、賃貸物件を借りる際の選択肢が広がります。
3. 金銭的な余裕を証明する
高齢者が賃貸契約の審査に通らない理由の多くが収入面の問題です。高齢者の多くは年金収入が中心のため、オーナー側からすると滞納リスクを懸念しやすいです。
このような懸念を払拭するために金銭的な余裕があることをきちんと証明しましょう。具体的には通帳のコピーなどを提出することや、パートなどの収入がある場合は直近の収入証明書を提出することです。
オーナーが収入や現在の資産残高を確認し、支払い能力があると判断されれば、賃貸契約の審査に通りやすくなります。
4.高齢者向けシェアハウスも選択肢のひとつ
家賃を抑えたいのであれば、高齢者向けシェアハウスも選択肢に入れるとよいでしょう。
高齢者向けシェアハウスは、キッチンなどの共有スペースを他の入居者と共有する形式をとっています。また、バリアフリー設計が施されていることが多く、安全性に配慮された住環境が整っている点も高齢者向けシェアハウスの特徴です。
一般の賃貸物件に比べて家賃を節約できる場合が多く、加えて複数人が入居しているシェアハウスのため、入居者同士による交流が生まれやすいメリットがあります。しかし、その一方で物件の数が少ないことや、プライバシーを確保しにくいといったデメリットがあります。
老後に借りる賃貸物件の選び方3つ
選んだ物件が高齢者の生活ニーズに合っていなければ日々の生活が困難になります。そのため、賃貸物件を選ぶ際は以下の4つのポイントを押さえて選びましょう。
- 無理なく支払える家賃設定か
- 交通の便が良いか
- 住宅設備が整っているか
- 親族が近くに住んでいるか
1. 無理なく支払える家賃設定か
老後に安心して住むためには、家賃を無理なく支払える範囲内であるかが重要なポイントです。多くの高齢者は定年退職後は収入が減少するため、手頃な家賃設定の物件でなければ家計が圧迫されてしまいます。
年金で月々の支払いがまかなえない場合は、資産を切り崩す結果となり、将来的な不安が消えません。そのため、長期間安定して居住できる物件を選ぶことは、老後のライフスタイルを考慮した上で非常に重要です。
理想は収入に対して家賃が25%以内、多くても30%までに抑えたいところです。例えば、夫婦で年金収入が手取りで25万円の場合は6万2,500~7万5,000円の範囲内の物件を選ぶことをおすすめします。
2. 交通の便が良いか
高齢になると、車の運転は難しくなります。そうなれば公共交通機関に頼ることが必然的に増えてしまいます。いまは自家用車に乗っている方でも、いずれ免許を返納することを想定すると、いまのうちに電車やバスなどの公共交通機関が整っている場所に移ることが重要です。
公共交通機関が整っている地域では、免許返納後も病院へのアクセスや買い物、友達との交流がスムーズに行き、生活が楽になります。
住宅設備が整っているか
日常生活の不安や負担を少しでも軽減できるようバリアフリーや防犯設備が整っている物件を選びましょう。いまは元気だとしても、少しずつ身体は衰えていきます。衰えてからバリアフリーの充実した物件に移るのは一苦労です。
そのため、いまの間にバリアフリー性能が整った物件を選択し、身体機能が低下しても安心して過ごせるよう準備しておくことをおすすめします。
バリアフリー性能が高いとは、具体的に以下のような物件です。
- トイレやお風呂、廊下などに手すりが付いている
- マンションならエレベーターがある
- 段差や階段がない
内見する際はこのような設備が整っているか確認することをおすすめします。
4. 親族が近くに住んでいるか
老後に賃貸物件を選ぶ際は、希望するエリアや愛着のある場所も重要ですが、頼れる親族が近くに住んでいるかどうかも重要なポイントです。
とくにひとり暮らしの高齢者にとっては、親族が近所に住んでいる場合、いざという時に迅速な処置を受けられます。日常的な交流も増えるため、安心した老後生活を送りやすくなるでしょう。
さらに、万が一の事態が発生した際にも早期発見が可能なため、孤独死リスクを軽減でき、オーナーの不安材料を少なくできます。
経済的な理由で賃貸に移る場合はリースバックを利用するのも有効な手段
経済的な理由で自宅を売却し、賃貸に移らなければならない場合はリースバックの利用がおすすめです。
リースバックとは、所有している不動産を売却し、そのまま賃借人として住み続ける仕組みです。セゾンのリースバックなどのサービスを利用することで、住み慣れた自宅に住み続けながら、経済的な課題を解決できる可能性があります。
リースバックのメリット
リースバックのメリットは、以下の5つです。
- 現金化と居住の両立
⇒自宅を売却することで大きな現金を得られると同時に、そのまま住み続けられる - 固定資産税や修繕費の負担軽減
⇒所有者ではなくなるため、固定資産税や大規模修繕費用などの負担がなくなる - 住環境の維持
⇒住み慣れた地域や家で生活を続けられるため、環境の変化によるストレスを避けられる - 相続対策
⇒不動産を現金化することで、相続時の手続きが簡素化され、相続税の支払いも容易になる可能性がある - ローン返済の解消
⇒住宅ローンが残っている場合、売却代金でローンを完済できる
リースバックのデメリット
リースバックのデメリットは、以下の5つです。
- 家賃支払いの発生
⇒所有者から賃借人になるため、毎月の家賃支払いが必要になる - 資産価値の放棄
⇒将来的な不動産価値の上昇分を得られなくなる - 契約期間の制限
⇒通常、リースバック契約には期限があり、その後の居住継続が保証されない場合がある - 家の改装や改修の制限
⇒賃借人となるため、大規模な改装や改修が制限される可能性がある - 心理的な影響
⇒自宅を所有していた時と比べ、住居に対する愛着や安心感が変化する可能性がある
デメリットを考慮したうえで、リースバックを利用すべきか決めることが大切です。
リースバック利用の注意点
リースバックを検討する際は、以下の点に注意が必要です。
- 適正価格での売却
⇒不動産の適正価格で売却されているか、第三者の評価を得ることが重要 - 契約内容の確認
⇒賃貸契約の期間、家賃の設定、将来の家賃上昇の可能性などを詳細に確認すること - 将来の住居計画
⇒契約期間終了後の住居計画も考慮に入れる必要がある - 専門家への相談
⇒不動産や法律の専門家に相談し、自身の状況に適しているか判断するのがおすすめ
リースバックは、経済的な理由で自宅を手放さなければならない高齢者にとって、有効な選択肢の一つとなり得ます。ただし、メリットとデメリットを十分に理解し、慎重に検討することが重要です。自身の経済状況や将来の生活設計に基づいて、最適な選択をすることが大切です。
リースバックをご検討の方は「セゾンのリースバック」にご相談ください。自宅を売却してもそのまま住み続けることができます。
売却後は家賃が発生しますが、固定資産税や修繕費は発生せず、経済的な負担を軽減できます。売却後はスムーズに現金化ができるため、安定した生活を継続しながら、資金繰りの問題も解消できるでしょう。
宅地宅建士が見た「老後は賃貸が借りられないのは嘘」の結論!
老後に賃貸は借りられないといわれるのは収入減少や健康リスク、保証人問題が主な要因です。そのため、金銭的に余裕があることを証明したり、事前に保証人を確保したりしておくことで、高齢者でも賃貸を借りやすくなるでしょう。高齢者でも比較的借りやすいといわれている「UR賃貸住宅」や「公営住宅」に絞ることも有効な選択肢です。
もし、経済的な理由で賃貸に移る場合はリースバックを検討することをおすすめします。なるべく住み慣れた自宅で過ごすほうが精神的にも安心感を保てられますし、スムーズに現金化ができるため、生活資金の確保もしやすいでしょう。