天涯孤独な方にとって、保証人問題は大きな悩みの種となります。特に老後の生活では、賃貸契約や入院手続き、各種契約において保証人が必要になる場面が多くあります。しかし、身寄りがない方にとっては、保証人を見つけることが難しく、時には生活そのものに影響を及ぼすこともあります。
この記事では、保証人がいない場合の対処法や相談窓口、さらに身元保証サービスの選び方について詳しく解説します。天涯孤独な方でも安心して生活を送るための方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 天涯孤独な方は保証人がいないことで、入院や介護施設への入所、賃貸契約などに困難を伴う可能性がある
- 保証人には連帯保証人と身元保証人の2種類があり、天涯孤独な方にとっては身元保証人の確保が特に重要となる
- 身元保証サービスや成年後見制度、賃貸契約の保証会社、社会福祉協議会への相談などが、保証人問題の対処法として挙げられる
- 身元保証サービスを選ぶ際は、サービス内容、契約変更の可否、料金設定、利用者の口コミなどをチェックすることが大切
天涯孤独で困ること「保証人問題」
国立社会保障・人口問題研究所が発表している人口統計資料によると、65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、単独世帯の割合が年々増加しています。2022年の統計では、65歳以上の単独世帯は全体の31.8%にまで達しており、今後もこの傾向は続くと予測されています。
このような状況の中で、身寄りのない高齢者が直面する大きな問題の一つが「保証人の不在」です。日本社会では、様々な契約や手続きにおいて保証人が求められることが多く、天涯孤独な方にとっては「頼める人がいない」という深刻な問題に直面することになります。
アパートの賃貸契約や介護施設への入居、さらには入院の際にも保証人が必要とされるケースが多く、身寄りのない方々にとっては、日常生活を送る上で大きな障壁となっています。
「保証人」とは
保証人とは、契約の当事者に代わって責任を負う人のことを指します。通常、保証人は親族に依頼することが一般的です。しかし、親族がいない、または疎遠な関係にある場合、保証人を立てることが困難になります。
保証人には主に次の2種類があります。
- 身元保証人
- 連帯保証人
以下でそれぞれの違いや概要を説明します。
連帯保証人
連帯保証人は、主たる債務者(契約の当事者)と同等の責任を負う人です。債権者は、主たる債務者に請求することなく、直接連帯保証人に全額の支払いを求めることができます。つまり、連帯保証人は主たる債務者と同じ立場に置かれ、重い責任を負うことになります。
身元保証人
身元保証人は、主に対象者の身元を保証する役割を担います。賃貸契約や入院・施設入居の際によく求められ、対象者の素性や行動について責任を持つことになります。連帯保証人ほど金銭的な責任は重くありませんが、対象者の行動に対して一定の責任を負うことになります。
【老後】保証人が必要な契約・手続き一覧
老後に考えられる保証人が必要となる契約や手続きは以下の通りです。
- 賃貸住宅の契約
- 介護施設への入居
- 病院への入院
- 住宅ローンの契約
- 福祉サービスの利用
- 携帯電話の契約
- クレジットカードの作成
天涯孤独な方は「身元保証人」が重要
身元保証人の役割は多岐にわたります。主な役割としては以下のようなものがあります。
- 緊急時の連絡先となる
- 入院や入所の際の手続きを行う
- 医療や介護に関する方針の確認を行う
- 家賃や施設利用料の支払いを保証する
- 対象者が亡くなった際の手続きや身柄の引き取りを行う
天涯孤独な方にとって、このような役割を担ってくれる身元保証人の存在は非常に重要です。身元保証人がいないことで、必要な医療や介護サービスを受けられないといった事態を避けるためにも、何らかの対策を講じる必要があります。
天涯孤独で保証人がいない場合の対処法
保証人がいないことでさまざまな困難に直面する天涯孤独な方々にも、次のような対処法があります。
- 身元保証サービスで代行してもらう
- 成年後見制度を活用する
- 賃貸契約は保証会社を利用する
- 社会福祉協議会に相談する
以下では、それぞれについて解説します。
身元保証サービスで代行してもらう
身元保証サービスは、天涯孤独な方々の強い味方となります。このサービスでは、専門の会社が保証人の役割を代行してくれます。主なサービス内容には、入院や施設入所時の手続き代行、緊急時の対応、家賃や医療費の支払い保証などが含まれます。
さらに、日常生活のサポートや、亡くなった後の手続きまでカバーする包括的なサービスを提供する会社もあります。専門会社以外にも、行政書士や司法書士などの専門家が提供するサービスもあり、選択肢は広がっています。
成年後見制度を活用する
成年後見制度は、認知症や知的障害などにより判断能力が不十分な方を法律的に保護し、支援する制度です。この制度を利用すると、家庭裁判所が選任した成年後見人が、本人に代わって入院手続きや金銭管理を行ってくれます。
ただし、注意すべき点として、成年後見人は法律上、身元保証人にはなれません。そのため、入院や施設への入所を考える際は、成年後見人の利用を認めている医療機関や施設を選ぶ必要があります。幸いにも、最近では成年後見人の利用を受け入れる施設が増えてきています。
賃貸契約は保証会社を利用する
賃貸契約において保証人が見つからない場合、保証会社を利用する方法があります。保証会社は、入居者に代わって家賃の支払いを保証し、滞納や退去時の原状回復費用などのリスクを家主に代わって負担します。
多くの不動産会社が保証会社と提携しており、保証会社を利用することで、身寄りのない方でも賃貸契約を結ぶことが可能になります。ただし、保証会社を利用する場合は保証料が必要となりますので、事前に費用の確認をしておくことが大切です。
社会福祉協議会に相談する
各自治体の社会福祉協議会が実施している「日常生活自立支援事業」は、高齢者や障害者の方々の生活をサポートする重要な取り組みです。この事業では、成年後見制度利用の支援や福祉サービスの案内など、幅広いサポートを提供しています。
さらに、自治体によっては、保証人に準じた役割を果たしてくれる場合もあります。例えば、病院や福祉施設への入院・入所の手続き支援、利用料の支払い保証、さらには亡くなった後の葬儀や埋葬の手続き支援など、きめ細かなサポートを受けられる可能性があります。
天涯孤独を乗り切る!身元保証サービスの選び方
天涯孤独の方が安心した老後を送るには、身元保証サービスの利用がおすすめです。このサービスを活用することで、入院や施設入居といった人生の重要な局面で直面する保証人の問題を解決できます。
しかし、すべての身元保証サービスが同じ品質というわけではありません。適切なサービスを選ぶために、以下の点を慎重に確認することが大切です。
サービス内容をチェック
身元保証サービスを選ぶ際には、まず提供されるサービス内容が身元保証人として必要な役割を網羅できているかを確認することが重要です。
具体的には、緊急時の対応、医療や介護に関する意思決定の支援、入退院や施設入退所の手続き代行、さらには日常生活のサポートなどが含まれているかをチェックしましょう。
また、サービス内容が明確に説明されているか、疑問点があればきちんと回答してくれるかも重要な選択基準となります。
契約解除や内容の変更ができるかをチェック
身元保証サービスの利用は長期にわたることが多いため、状況の変化に応じて柔軟に対応できるかどうかを確認することが重要です。契約内容の変更や解除が可能かどうか、その際の手続きや追加費用の有無などを事前に確認しておきましょう。
また、サービス内容の追加や削減ができるかどうかも重要なポイントです。柔軟性のある契約であれば、将来的な不安も軽減されるでしょう。
料金設定をチェック
身元保証サービスの費用相場は、一般的に30~50万円程度とされています。しかし、サービス内容や会社によって料金設定は大きく異なります。提供されるサービスに見合った料金であるか、また自身の経済状況で無理なく利用できる料金かを慎重に検討する必要があります。
年会費や入会金の有無、支払い方法(一括払いか月額・年額払いか)なども確認しましょう。将来的な経済状況の変化も考慮に入れ、長期的に利用可能な料金設定であるかを判断することが大切です。
利用者の口コミをチェック
最後に、実際の利用者の声を参考にすることも重要です。口コミや評判を確認することで、サービスの質や対応の実態をより具体的に知ることができます。
ただし、インターネット上の情報だけでなく、可能であれば知人や地域の相談窓口などを通じて直接的な評判も聞いてみるとよいでしょう。
複数の情報源から得た評判を総合的に判断し、信頼できる身元保証サービスを選択することが、安心した老後生活への第一歩となります。
天涯孤独な方の保証人問題は「ひとりのミカタ」で解決
セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する「ひとりのミカタ」は、天涯孤独な方々の日常生活から終活まで、幅広くワンストップでサポートする総合支援サービスです。このサービスは、入院や高齢者施設入居時の身元保証をはじめ、緊急連絡先代行、24時間電話健康相談、そしてエンディングサポート(死後事務手続き)まで、おひとりさまの「いつも」と「もしも」に寄り添います。
「ひとりのミカタ」の特徴は、クレディセゾングループという信頼性の高い企業が提供する安心のサービスであることです。専門士業事務所や専門サービス会社と連携し、万全のサポート体制を整えています。
サービス内容は要望に応じて選べる2つのプランがあります。「エルダープラン」では、身元保証や緊急連絡先代行、24時間電話健康相談などの基本的なサービスを提供。「プラチナプラン」では、「エルダープラン」のサービスに加えて24時間見守り・駆けつけサービスやエンディングサポート(死後事務手続き)も含まれ、より包括的な支援を受けられます。
さらに、会員限定の特典として、生前整理・遺品整理の相談、相続・葬儀・お墓に関する相談、おひとりさまの悩み事WEBセミナーなどの無料相談サービスも用意されています。また、ハウスクリーニングや家財整理、お墓参り代行といった日常生活のサポートサービスも優待価格で利用可能です。
天涯孤独の方で保証人に関する課題をお持ちの方は、ぜひ「ひとりのミカタ」に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
おわりに
天涯孤独な方にとって、保証人問題は避けて通れない課題です。入院や施設入居、賃貸契約など、様々な場面で保証人が必要となります。しかし、身元保証サービスや成年後見制度の活用、保証会社の利用など、複数の対処法が存在します。これらの選択肢を適切に活用することで、保証人がいなくても安心して生活を送ることができます。特に、「ひとりのミカタ」のような総合的な支援サービスを利用することで、日常生活から終活まで幅広くサポートを受けられます。天涯孤独な方も、これらの対策を講じることで、より安心して自分らしい生活を送ることができるでしょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。