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形見になるものとは?遺品整理や形見分けのポイントを解説します

形見になるものとは?遺品整理や形見分けのポイントを解説します
セゾンのくらし大研究 編集部

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この記事では、形見とは何か、形見分けと遺品整理や遺産分割の違い、形見分けのタイミングや贈る相手について詳しく解説します。さらに、形見に適した品物や不向きなもの、形見分けの際に注意すべきマナー、そして形見分けや遺品の処分に困った時の対処法についても取り上げます。

形見や遺品整理、形見分けに関する知識を深めたい方や、故人の思い出を大切にしながら、円滑に形見分けを進めるためのポイントを学びたい方はぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること
  • 形見分けは故人の遺志と受け取る相手の意思を尊重し、適切なタイミングで行うことが重要。
  • 形見に適した品物を選び、マナーを守って形見分けを行うことで、故人の思い出を大切に伝えることができる。
  • 遺品整理や形見分けに困った場合は、リサイクルショップや専門会社を活用することでスムーズに進む。
遺品整理・生前整理

形見とはなにか

形見とはなにか

故人の思い出が詰まった品物、それが「形見」です。遺品整理や相続の際に話題になることが多い形見ですが、その定義や扱い方には注意が必要です。

ここでは、形見の基本的な意味や考え方から、遺品整理や形見分けの際のポイントまでを詳しく解説します。

形見とは

形見とは、故人が生前に愛用していた品物や、特に思い入れの深かった物のことを指します。例えば、普段から身につけていた時計やアクセサリー、愛読していた本、趣味で集めていたコレクションなどが形見になることがあります。

一方、単に遺品と呼ぶ場合は、故人が所有していたものすべてを指し、必ずしも思い入れの深いものだけを指すわけではありません。形見は遺品の中でも、特に故人との思い出が強く結びついたものと言えるでしょう。

また、宝石や不動産、美術品などの高価なものは、一般的に「遺産」として扱われます。これらは金銭的価値が高いため、相続の対象となり、形見分けとは別に遺産分割の対象となることが多いです。

形見分けと遺品整理や遺産分割の違いとは

形見分けは、故人の思い出の品を親族や親しい人々で分け合う行為で、故人を偲び、その存在を身近に感じるためのものです。一方、遺品整理は故人の所有物すべてを整理する作業を指します。不要なものを処分し、必要なものを仕分けするなど、より実務的な側面があります。

遺産分割は、故人の遺産を法定相続人で分配する法的手続きです。不動産や預貯金、有価証券などが対象となり、形見分けとは異なる性質を持ちます。形見分けは故人を偲ぶ心の問題、遺品整理は実務的な整理、遺産分割は法的な財産分配と、それぞれ異なる目的と性質を持っています。

形見分けを行うタイミングとは

形見分けのタイミングは、故人の信仰していた宗教によって異なるのが一般的です。仏教の場合、通常は四十九日法要が終わった後に形見分けを行います。四十九日は忌明けにあたるため、遺族が喪に服す期間が終わり、日常生活に戻るタイミングで形見分けをすることが多いです。

神道では、三十日祭または五十日祭のタイミングで形見分けを行うのが一般的です。特に五十日祭は忌明けに相当します。キリスト教(特にカトリック)の場合、形見分けの習慣そのものがないため、明確な決まりはありません。しかし、追悼ミサの後に行われることが多く、特に30日目の追悼ミサの際に形見分けが行われることがあります。

ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、家族の事情や故人の遺志によって異なる場合もあります。大切なのは、遺族の心の準備ができ、故人を偲ぶ気持ちを共有できるタイミングで行うことです。

形見を贈る相手とは?

形見を贈る相手は、主に以下のような方々が考えられます。

  • 家族
    配偶者、子供、兄弟姉妹など、故人と血縁関係にある近親者です。
  • 親戚
    従兄弟や叔父叔母など、直接の家族ではないものの、血縁関係にある方々も形見を受け取ることがあります。
  • 故人の友人
    長年の親友や、特に親しかった同僚などが対象となることもあります。
  • 故人のケアをしていた人
    介護施設のスタッフや、在宅介護をしていたヘルパーさんなど、生前に故人のケアに携わっていた方々に感謝の気持ちを込めて贈ることもあります。

形見を贈る際は、故人との関係性や思い出を考慮することが大切です。また、受け取る側の気持ちも尊重し、押し付けにならないよう配慮することが重要です。形見分けは、故人を偲ぶ機会であると同時に、遺された人々が故人との思い出を分かち合う場でもあります。

形見になるものと不向きなものとはどんなもの?

形見になるものと不向きなものとはどんなもの?

形見分けは故人を偲ぶ大切な機会ですが、すべての遺品が形見として適しているわけではありません。

ここでは、形見に向いているものと向いていないものについて詳しく解説します。故人との思い出を大切にしながら、適切な形見分けを行うための参考にしてください。

形見に向いているもの

形見として適しているものについて、詳しく見ていきましょう。

故人が愛用していた品

故人が日常的に使用し、愛着を持っていた品は形見として最適です。例えば、愛用の時計や万年筆、お気に入りの書籍などが挙げられます。

これらの品は、故人の個性や趣味を反映しており、手に取るたびに故人を思い出すことができます。特に、長年使用されていたものや、故人の思い出が詰まったものは、形見として大切にされることが多いです。

洋服・着物や服飾雑貨

日常的に着用していた洋服は一般的に形見には向きませんが、特別な意味を持つ衣類は例外です。例えば、結婚式で着用したドレスや、母親が手作りした洋服、大切に保管されていた着物や礼服などは形見に適しています。また、帽子、眼鏡、ネクタイ、髪飾りなどの服飾雑貨も、故人の個性を感じられる形見となります。

これらのアイテムは、故人の好みや生活スタイルを反映しているため、形見として受け取る人の心に深く刻まれます。

アクセサリー

アクセサリーは形見として非常に人気があります。指輪、ネックレス、ブレスレットなどは、コンパクトで保管しやすく、日常的に身につけることができるため、常に故人を身近に感じられます。

特に、結婚指輪や家族の記念日に贈られたアクセサリーなどは、深い思い出が込められているため、形見として大切にされることが多いです。ただし、高価なアクセサリーの場合は、相続税や贈与税の対象になる可能性があるので注意が必要です。

美術品などのコレクション

故人が趣味で収集していた美術品、骨董品、レコード、楽器、お皿などのコレクションは、形見に適しています。これらは故人の情熱や興味を反映しており、受け取る人にとっても故人を偲ぶ貴重な品となります。

ただし、コレクションを形見として受け取る際は、そのジャンルに興味がある人や、コレクションの価値を理解できる人に渡すのが望ましいです。受け取る側に興味がない場合、貴重なコレクションが適切に扱われない可能性があります。

写真

写真は形見分けに最適なアイテムの一つです。特に、故人と一緒に写っている思い出の写真は、故人を偲ぶのにとても適しています。

デジタル写真の場合は、プリントアウトして配布したり、データをコピーして共有したりすることができます。また、形見としてアルバムごと渡すこともあります。写真は場所を取らず、多くの人に分けることができるため、形見分けの際によく選ばれます。

家具・家電

まだ使用可能な状態の家具や家電は、形見として引き継ぐことができます。特に、故人が大切にしていたソファや食器棚、愛用のテレビなどは、日常生活の中で故人を思い出すきっかけとなります。

ただし、家具や家電を形見として受け取る際は、事前に動作確認し、必要であれば修理やメンテナンスを行うことが大切です。また、受け取る側の住環境や必要性も考慮する必要があります。

形見分けに向いていないもの

ここからは、形見分けに向いていないものについて解説します。これらの品を避けることで、より意味のある形見分けを行うことができます。

使用感のある衣類や下着類

日常的に使用していた衣類、特に部屋着や下着類は、一般的に形見には適していません。これらの品は個人的な使用感が強く、衛生面でも問題がある可能性があります。また、傷みが激しい衣類も形見としては避けるべきです。

ただし、どうしても形見として残したい衣類がある場合は、一部を切り取ってリメイクするなどの工夫をすることで、思い出を形に残すことができます。

生き物

故人が飼っていたペットなどの生き物は、形見として適していません。生き物の世話には大きな責任が伴い、受け取る側の生活環境や意向を無視して押し付けることはできません。

例えば、アレルギーがある人や、ペット禁止のマンションに住んでいる人には、ペットを形見として渡すことは不可能です。生き物の新しい飼い主を探す場合は、事前に十分な相談と準備が必要です。

現金・金券や価値の高いもの

現金や金券を形見として贈ることは、財産分与にあたるため適切ではありません。これらは遺産分割の対象となるべきものです。また、先に触れたアクセサリーや美術品のコレクションでも、特に高価なものは相続税や贈与税の対象となる可能性があります。

一般的に、5万円を超える品は相続税の課税対象になる可能性があるため、形見分けの際は注意が必要です。高価な品を形見として渡す場合は、事前に専門家に相談し、税金面の影響を確認することをおすすめします。

形見分けで注意したいマナーとは

形見分けで注意したいマナーとは

形見分けは、故人を偲ぶ大切な機会であると同時に、デリケートな側面も持ちあわせています。適切なマナーを心がけることで、故人の思いを尊重し、遺された人々の心に寄り添う形見分けが可能です。

ここでは、形見分けを行う際に注意すべきマナーについて詳しく解説します。これらのポイントを押さえることで、心のこもった形見分けを実現し、故人との絆を大切に保つことができるでしょう。

形見分けは故人の遺志や受け取る相手の意思を尊重する

形見分けを行う際には、故人の遺志と受け取る側の意思を最大限に尊重することが重要です。故人が遺言書やエンディングノートに形見の行き先を指定している場合は、できる限りその遺志に沿うようにしましょう。ただし、指定された相手が受け取りを望まない場合は、無理強いせず、柔軟に対応することが大切です。

特に、故人の友人や知人に形見を渡す場合は、事前に「形見をお渡ししてもよろしいでしょうか」と確認するのがマナーです。相手の意思を尊重することで、不要なトラブルを避け、故人の思い出を大切にする気持ちを共有することができます。

また、形見を押し付けるような行為は避けましょう。受け取る側の生活環境や好みも考慮し、相手が喜んで受け取れるものを選ぶことが大切です。形見分けの本来の目的は、故人を偲び、その存在を身近に感じることです。この目的を念頭に置きながら、相手の気持ちに寄り添った形見分けを心がけましょう。

形見の品は手入れをして、ラッピングはせずに渡す

形見として渡す品は、事前に丁寧な手入れをすることが大切です。故人が大切にしていた品を、きれいな状態で受け取ることで、相手の心に深く残る形見になるでしょう。

具体的には、以下のような手入れを心がけましょう。

  • 衣類の場合は、クリーニングに出す
  • アクセサリーや眼鏡は、汚れを丁寧に拭き取る
  • 時計や万年筆などは、正常に動作するか確認し、必要であれば修理する
  • 家具や家電は、動作確認をし、必要に応じてメンテナンスを行う

手入れが完了したら、形見を渡す際はラッピングをせずに、そのまま手渡しするのがマナーです。包装することで、かえって形式的な印象を与えてしまう可能性があります。もし直接手渡すのが難しい場合は、白い半紙で軽く包む程度にとどめましょう。

仏教の場合は「遺品」、神道の場合は「偲び草」と表書きをすると、より丁寧な印象を与えることができます。

形見分けは遺産分割協議の後に行う

形見分けを行う際は、タイミングにも注意が必要です。一般的に、形見分けは遺産分割協議が終了した後に行うのが適切です。これには以下のような理由があります。

  • 遺産分割協議で、形見となる可能性のある品の扱いが決まる
  • 相続人全員の同意を得た上で形見分けを行うことができる
  • 高価な品が形見として扱われることで生じる可能性のある相続税や贈与税の問題を事前に解決できる

遺産分割協議前に形見分けを行ってしまうと、本来遺産として扱うべき品物を渡してしまい、後にトラブルに発展する可能性があります。特に、宝石や美術品など高額な品は、形見ではなく遺産として扱われる可能性が高いため、注意が必要です。

また、相続放棄をする予定の人は、形見を受け取ることで相続放棄が無効になる可能性があるため、形見分けには参加しないほうが良いでしょう。

形見分けや遺品の処分に困った時の対処法

形見分けや遺品の処分に困った時の対処法

形見分けや遺品の処分は、故人との思い出が詰まった品々を扱う繊細な作業です。時に、感情的になったり、家族間で意見が対立したりすることもあるでしょう。ここでは、形見分けや遺品処分に悩んだ際の対処法について解説します。適切な方法を選ぶことで、故人の思いを尊重しつつ、遺された人々の負担を軽減することができます。

リサイクルショップを利用する

形見として引き取り手がない家具や家電、衣類などは、リサイクルショップでの売却を検討するのも一つの方法です。

これには以下のようなメリットがあります。

  • 不要な品を処分できる
  • 売却金額を得ることができる
  • まだ使える品を必要とする人の手に渡すことができる

特に、故人のコレクションや趣味の品などは、同じ趣味を持つ人に引き取ってもらえる可能性があります。また、売却で得たお金を故人のアルバム作成や他の形見のクリーニング費用に充てることで、遺品を無駄にすることなく有効活用できます。

ただし、故人の思い入れが強かった品や家族にとって特別な思い出がある品は、安易に売却せず、家族で十分に話し合うことが大切です。

遺品整理に困る場合は専門会社に依頼するのもおすすめ

遺品整理は、物理的にも精神的にも大きな負担を伴う作業です。特に以下のような場合は、専門会社に依頼することをおすすめします。

  • 遺品の量が多く、家族だけでは整理しきれない
  • 遠方に住んでいて、頻繁に実家に通うことが難しい
  • 仕事や育児で時間が取れない
  • 心理的な負担が大きく、一人で作業するのが辛い

専門会社に依頼することで、プロの目線で適切に遺品を整理し、形見分けをスムーズに進めることができるため、このような悩みを抱える方はセゾンカードでおなじみのクレディセゾングループの会社くらしのセゾン「遺品整理・生前整理」のサービスが特におすすめです。

このサービスには以下のようなメリットがあります。

  • 遺品整理士をはじめとする仕分けのプロが、思い出の品、貴重品、供養品を独自の分別基準で細かく整理することにより、大切な形見を見逃すことなく、適切に保管することができる。
  • 無料で現地を訪問し、調査や見積もりを行い、事前に詳しく打ち合わせができるため、予算や希望に沿った整理計画を立てることができる。
  • 遺品整理のプロが対応するため、大きな荷物も一気にスッキリ整理できる。重たい家具や大量の書類なども、効率的に整理・処分することが可能。

専門家のサポートを受けることで、故人の思いを大切にしながら、遺された方々の負担を軽減することができます。形見分けや遺品整理に悩んだ際は、くらしのセゾン「遺品整理・生前整理」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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おわりに

形見分けは、故人を偲ぶ大切な機会であり、遺された人々の心の整理にもつながります。適切な形見分けを行うことで、故人との思い出を大切に保ちながら、トラブルを避けることができます。

形見の選び方やマナーを理解し、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、円滑な遺品整理が可能になります。

故人の思いを尊重しつつ、遺された方々の負担を軽減する形見分けを心がけることで、故人との絆を感じながら、新たな一歩を踏み出すことができるでしょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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