家族で自転車を利用する場合、できればまとめて自転車保険に入りたいと考える方は多いでしょう。自転車保険には家族全員をカバーするタイプがあり、個々人で加入するより保険料も抑えられます。
今回は、自転車保険のプランの種類や家族型の自転車保険が適している方や選び方のポイント、おすすめの商品を紹介します。この記事を読むと、自分の家族に最適な保険を見つけやすくなります。家族全員のリスクをカバーできる保険を選び、自転車事故に備えましょう。
- 自転車の重大事故の増加に伴い、自転車保険の加入を義務付ける都道府県が増えている
- 家族の中に自転車に乗る未成年や高齢者がいる場合、家族型の自転車保険への加入が適している
- 自転車保険は加害者になった場合の高額な賠償に備え、個人賠償責任補償が1億円以上のものが安心
多くの地域で自転車保険加入が義務化されている
2023年4月時点で、32の都府県で自転車保険加入が義務化され、10の道県で努力義務となっています。このように、自転車保険への加入が義務化されている地域は少なくありません。
自転車保険加入の義務化は、2015年に兵庫県で始まりました。きっかけとなったのは、2013年7月に神戸地方裁判所で下された判決です。この判決では、自転車に乗っていた小学生の男の子が歩行者と衝突し、歩行者に意識不明の重傷を負わせた事故で、加害者側に9,521万円の支払いが命じられました。
この判決以降、自転車事故による高額な損害賠償請求に備えるため、自転車保険への加入を義務化する動きが全国に広がったのです。
自転車保険に加入していないと罰則がある?
自転車保険の加入義務化が進んでいますが、多くの自治体では罰則を設けていません。しかし、加入しないことのリスクは見過ごせません。実際に、自転車事故で高額な賠償を命じられるケースが増えています。
先述の小学生が加害者となった賠償例以外にも、高校生が起こした事故でも9,300万円を超える賠償命令が出された判例などがあります。このように、年齢にかかわらず高額な賠償責任を負う可能性があるため、保険加入は重要な自己防衛策といえるでしょう。
自転車保険の主なプラン
自転車保険の主な補償内容は、以下のとおりです。
- 個人賠償責任補償:自転車事故で他人にケガをさせたり、他人の財物を壊したりした場合の損害賠償に対応
- 傷害補償:自転車事故で自身がケガをした場合の補償
個人賠償責任補償は、自転車保険加入義務化の対象となる主要な補償です。傷害補償には、主に以下のような補償が含まれます。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 入院保険金
- 手術保険金
- 通院保険金
自転車保険の補償範囲は、主に個人型と家族型の2種類があります。
- 個人型:加入者本人のみが補償対象
- 家族型:加入者本人に加え、配偶者や子どもなどが補償対象
家族型における「家族」の範囲は、一般的に以下のように定義されています。
- 被保険者本人
- 被保険者の配偶者
- 被保険者またはその配偶者と同居の親族
- 被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
上記の他、保険会社によっては本人と配偶者を補償対象とする「カップルプラン」などが提供されている場合があります。
家族型プランが適しているケース
自転車保険には、主に個人型プランと家族型プランの2種類があります。このうち、家族型プランが適しているケースを紹介します。
家族のなかで普段から自転車に乗る人が多い
家族で自転車に乗る人が多い場合は、家族型プランがおすすめです。家族型プランは、自転車に乗る家族全員をまとめて補償してくれるため、一般的に一人ひとりが個別の自転車保険に入るよりも保険料が割安になります。また、家族全員が補償の対象となるため、補償の漏れがないという安心感も得られます。
保険の管理の手間を減らしたい
家族が加入する保険をまとめて管理したい場合、家族型の加入がおすすめです。家族の人数が多いほど保険の管理は煩雑になりがちですが、家族型プランなら保険の契約は一つだけです。保険証券や更新手続き、保険料の支払いなども一つにまとめられるので、管理の手間を減らせます。
家族に未成年者や高齢者がいる
家族に未成年者や高齢者がいる場合、家族型の自転車保険への加入が特に重要です。警察庁交通局の「令和5年における交通事故の発生状況について」によると、令和5年の自転車乗車中の死者の約60%が65歳以上の高齢者であり、歩道での自転車対歩行者の重大事故では、10代の自転車運転者が約40%を占めています。
この結果は、自転車による死亡・重傷などの重大事故においては、高齢者は被害者になりやすい一方で、若年層は加害者になりやすいことを示しています。
子どもや高齢者は、事故を起こしたときの対応に戸惑ってしまう場合も考えられます。また、離れて暮らす子どもが事故に遭った場合、すぐに駆けつけられないケースもあるでしょう。そのような場合、自転車ロードサービスが付帯されていれば、現場で乗れなくなった自転車を運搬してもらえるので安心です。
さらに、示談代行サービスや弁護士特約が付いている保険なら、万が一、家族が加害者になってしまった場合にも専門家に対応を任せられます。
家族型自転車保険を選ぶときのポイント
実際に家族型の自転車保険を選ぶ場合、どのような点を比較するとよいのでしょうか。ここでは、自分に合う保険選びのためのポイントを解説します。
補償範囲は適切か
家族型の自転車保険を選ぶ際は、まず補償される家族の範囲を確認しましょう。
「家族型」といっても、補償の対象となる家族の範囲は保険会社や商品によって異なります。一般的には被保険者本人、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子が対象となります。ただし、保険会社によっては別居の未婚の子の「未婚」を、「婚姻歴がない」と定義する場合がある点に注意が必要です。この場合、申し込み時点では結婚していなくても、婚姻歴がある場合は対象外になるケースがあります。
夫婦と同居していない子どもがいる場合、補償対象になるかどうかを加入前に確かめておきましょう。
高額な損害賠償請求にも対応できる金額か
自転車事故による損害賠償額が高額化する傾向にあり、適切な保険金額の選択が重要です。先述のとおり、自転車事故で高額な賠償命令が出されたケースもあります。
それ以外にも東京地方裁判所で2003年に6,779万円の賠償を命じる判決や2007年に5,438万円の賠償を命じる判決が出ています。
これらの事例は、自転車事故でも極めて高額な賠償責任が生じる可能性を示しています。そのため、家族型の自転車保険を選ぶ際は、少なくとも1億円以上の賠償責任保険金額の設定が望ましいでしょう。万が一の高額賠償請求に備え、十分な補償の確保が大切です。
付帯サービスに過不足はないか
家族型の自転車保険を選ぶ際は賠償責任補償や傷害補償だけでなく、付帯サービスの内容も確認しましょう。自転車保険には商品によっては示談交渉サービスや弁護士費用の補償、自転車のロードサービスのような、さまざまなサービスが付帯されています。自分に合った希望するサービスのある保険を選びましょう。
また、自動車保険や火災保険などに加入している人は、自転車保険の補償の重複加入に注意しましょう。自動車保険や火災保険には個人賠償責任特約や傷害(ケガ)を補償する特約など、自転車保険の補償と同じものが「特約」として付けられる場合があります。自動車保険や火災保険にこれらの特約を付帯している場合、自転車保険に加入しなくても必要な補償を受けられる可能性があるのです。自転車保険の加入を検討する場合、すでに加入している保険の特約や補償の範囲をよく確認しましょう。
各社の保険料を比較検討する
家族型の自転車保険は、保険会社によって補償内容や保険料が異なります。そのため、複数の保険会社の商品を比較検討し、ご自身の家族構成やライフスタイルに合った保険を選ぶことが大切です。
補償内容が充実していても、保険料が高額であれば家計に負担がかかります。逆に、保険料が安くても必要な補償が不足していては意味がありません。
保険料だけでなく、補償内容や付帯サービスなども比較し、バランスの取れた保険を選ぶようにしましょう。
おすすめの家族型自転車保険
自転車事故に備えられて、家族で加入できるおすすめの保険を2種類紹介します。
セゾンの「自転車トラブル安心保険」
クレディセゾンが取り扱う「自転車トラブル安心保険」は、自転車事故のさまざまなリスクに対応できるカード会員様限定の保険です。自転車に乗る家族が多い方には、家族コースがおすすめです。
家族コースでは、別居している未婚の子どもも補償対象に含まれます。万が一、離れて暮らす子どもが自転車事故に遭った場合でも安心です。
また、自転車事故で相手にケガをさせてしまった場合の個人賠償責任も、最高2億円まで補償されます。高額な賠償責任にも対応できるため、万が一の事態に備えられます。
「自転車トラブル安心保険」には本人コースと家族コースがあり、補償内容と保険料は以下のとおりです。
【主な特徴】
コース | 本人コース | 家族コース |
---|---|---|
月払保険料 | 400円 | 800円 |
補償対象者 | 本人のみ(個人賠償責任補償は家族も補償対象) | 本人、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子 |
個人賠償責任補償 | 最高2億円※1 | 最高2億円※1 |
交通傷害補償※2 | 死亡:200万円 入院日額:3,000円 通院日額:1,000円 手術:3万円または1.5万円 | 死亡:200万円※3 入院日額:2,250円※3 通院日額:1,000円※3 手術:2.25万円または1.125万円※3 |
※2.交通事故でのケガのみが対象
※3. 本人、本人の配偶者、本人または配偶者の子(生後15日以上満25歳未満)が対象
事故の相手への賠償は、本人コースでも家族も補償の対象になります。そのため、相手への賠償のみが必要であれば、本人コースへの加入で家族の補償もカバーが可能です。交通事故でのケガの補償が必要な場合、家族コースなら毎月800円の保険料で本人、配偶者、子どもまでをカバーできます。
手ごろな保険料で家族の自転車事故へ備えたい方は、自転車トラブル安心保険の加入を検討してはいかがでしょうか。
自転車事故でのご自身のケガに備えるなら「Super Value Plus」もおすすめ
クレディセゾンが取り扱うSuper Value Plus「いつでも安心プラン」は自転車事故だけでなく、日常生活でのケガによる入院・通院費用を補償するセゾンカード会員様限定の保険です。特にお子様がいる家庭におすすめなのが、「いつでも安心プラン お子様コース[V]」です。このコースでは、ご本人とお子様のケガによる入院や通院に対して保険金が支払われます。保険料はお子様の人数に関係なく月額600円と、とてもリーズナブルです。
自転車に乗らなくても、自転車の交通量が多い地域に住んでいる場合は、自転車との接触事故に遭う可能性もゼロではありません。また、自転車事故の加害者が自転車保険に加入していないケースも考えられます。
そのような場合でも、「いつでも安心プラン お子様コース[V]」に加入していれば、ご自身やお子様がケガをして通院した場合も補償されます 。自転車事故のリスクだけでなく、子どもの日常生活全般のリスクをカバーしたい方にとって、Super Value Plus「いつでも安心プラン お子様コース[V]」は非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
Super Value Plus「いつでも安心プラン お子様コース[V]」の詳細はこちら
おわりに
自転車事故のリスクは年齢を問わず存在し、高額な賠償責任を負う可能性もあります。家族型の自転車保険はコストパフォーマンスに優れ、家族全員の自転車事故のリスクを効率的にカバーできます。保険選びの際は補償範囲や保険金額などを十分に比較検討しましょう。
家族が安心して自転車での通勤や通学ができるように、今すぐ自転車保険の加入を検討してはいかがでしょうか。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。