「民間の介護保険の加入率が気になる」「加入すべきか迷っている」という方は多いのではないでしょうか。最近では民間の介護保険の加入率は、上昇傾向にあります。
今回は民間の介護保険の加入率や公的介護保険との違い、加入するメリット・デメリット、選び方のポイントなどを詳しく解説します。この記事を読むことで民間の介護保険への理解を深め、自分に合った保険を選べるでしょう。
- 民間の介護保険の加入率は18歳から69歳で約10%となっている
- 民間の介護保険は任意で加入でき、公的介護保険の不足分を補完できる
- 民間の介護保険は商品ごとに加入や給付の条件が異なるため、自分に合った商品を選ぶ必要がある
民間介護保険の加入率はどのくらい?
生命保険文化センターの2022年度「生活保障に関する調査」によると、民間の介護保険(生命保険会社や郵便局、JA、県民共済・生協等で取り扱う商品)の18歳から69歳の加入率は、2019年までは12.3%で上昇傾向にありましたが、その3年後、2022年の加入率は9.5%(集計対象は18歳~79歳)に減少する結果となりました。
また、年代別に見ると、50代の加入率が最も高く、男性13.1%、女性15.4%となっています。加入率の推移や年代別の加入状況から、50代は老後の生活や介護への備えとして民間の介護保険に関心が高まっていると考えられます。
民間介護保険と公的介護保険はどう違う?
介護保険には、公的な介護保険と民間の介護保険があります。ここでは、それぞれの特徴と違いを解説します。
公的介護保険とは?
公的介護保険は、40歳以上の人が加入する社会保険制度です。被保険者(加入者)は介護保険料を納め、介護が必要になったときに、1割から3割までの自己負担で所定の介護サービスを受けられます。65歳以上の人(第1号被保険者)は原因を問わず、40歳から64歳の人(第2号被保険者)は特定の病気が原因で介護が必要になった場合に利用できます。
民間介護保険とは?
民間の介護保険は、介護の経済的負担に備えて任意で加入する保険商品です。生命保険会社や損害保険会社が提供し、要介護状態になった際に一時金や年金形式で保険金が支払われます。公的介護保険と異なり、保険金として支払われるため、使い道が自由です。
給付の条件は、公的介護保険の要介護認定(介護の必要度を判定する公的な評価)に連動するものや、保険会社独自の基準を設けるものなどさまざまです。
また、介護保険単体の商品だけでなく、生命保険の特約として付帯するものもあります。このように、個人のニーズに合わせた、柔軟な備えができるのが民間の介護保険の特徴です。
民間介護保険と公的介護保険の違いは?
以下の表で、民間の介護保険と公的介護保険の主な違いを紹介します。
公的介護保険 | 民間介護保険 | |
---|---|---|
加入 | 40歳以上は強制加入 | 任意加入 |
給付対象 | 65歳以上:原因問わず 40歳~64歳:特定疾病が原因(※) | 年齢制限なし 商品により条件異なる |
給付内容 | 介護サービスの現物給付(1割~3割の自己負担あり) | 現金給付(使途自由) |
保険料 | 年金からの天引きや医療保険料と一体徴収 | 口座振替やクレジットカード払い |
税制優遇 | 社会保険料控除 | 生命保険料控除 |
給付条件 | 要介護認定が必要 | 商品により異なる(独自基準の場合あり) |
民間介護保険の必要性
「公的介護保険があれば民間の介護保険は必要ない」と考える方も少なくないでしょう。ここでは、民間の介護保険の必要性について検証します。
要介護認定された人の割合
厚生労働省の令和6年4月の「介護保険事業状況報告」によると、要介護(要支援)認定者数は710.1万人(男性226.9万人、女性483.3万人)に達しました。第1号被保険者(65歳以上)に対する要介護認定者数の割合は約19.4%で、65歳以上の約5人に1人が何らかの介護認定を受けていることになります。
介護にかかる費用
生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護にかかった費用は、一時的な費用(住宅改修や介護用ベッドの購入など)で平均74万円、月々の費用で平均8.3万円となっています。
これらの費用の中には、公的介護保険でカバーされない部分が多く含まれている点に注意が必要です。たとえば、介護施設の食費や居住費、介護用品の購入費用の一部は自己負担となります。
介護期間は平均で5年1ヵ月ですが、10年以上続くケースも17.6%あります。これらの費用を長期間負担し続けることは、多くの家庭にとって大きな経済的ダメージとなる可能性があります。
もし、このような費用を継続して支払う余裕がないと感じるのであれば、民間の介護保険での備えを検討してみるのもひとつの方法といえるでしょう。
民間の介護保険で備える意義とは
将来の介護費用に不安がある方は、民間の介護保険での備えをおすすめします。特に、貯蓄や年金額が少ない方、介護を頼める親族がいない方、手厚い介護サービスを受けたい方などは、公的介護保険だけでは十分とはいえません。
たとえば、自宅で介護を受けたい場合、バリアフリー化のための住宅改修費用や、介護ベッドなどの福祉用具購入費用がかかります。このような費用は公的介護保険では全額カバーできないため、民間の介護保険で備えておくことで、経済的な負担を軽減できます。
民間介護保険加入のメリット・デメリット
続いて、民間介護保険に加入するメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット1:公的介護保険の給付対象外の方も備えられる
民間介護保険は、公的介護保険の対象外となる場合でも備えられます。公的介護保険は要介護や要支援と認定された場合に給付を受けられますが、40歳未満の人や、40歳から64歳(第2号被保険者)で特定疾病以外が原因で要介護状態になった場合は給付対象外となります。
たとえば、30代の人が交通事故の後遺症で要介護状態になった場合、公的介護保険からの給付は受けられません。しかし、民間の介護保険に加入していれば保障を受けられる可能性があります。
このように、幅広い年齢層や状況に対応できる点が民間介護保険の大きな利点といえます。
メリット2:保険金を現金で受け取れる
民間介護保険の大きなメリットは、保険金を現金で受け取れる点です。公的介護保険では要介護認定を受けた利用者が所得に応じて1~3割の利用料を支払い、介護サービスそのものを受ける「現物給付」です。一方、民間介護保険の現金給付はリハビリ費用やおむつ代、介護施設の食費といった、公的介護保険でカバーされない費用に自由に充当できます。また、要介護状態で働けなくなった場合の生活費としても活用できるため、より柔軟な経済的サポートが可能となります。
このように、民間の介護保険は公的介護保険を補完する役割を果たすのです。
デメリット1:商品ごとに加入条件・給付条件が異なる
民間の介護保険は商品によって加入条件や給付条件が異なるため、注意が必要です。
たとえば、加入できる年齢の上限が60歳までだったり、持病がある場合は加入できなかったりする場合があります。また、保険金が支払われる条件も、公的介護保険の要介護認定に連動するものや、保険会社独自の基準を設けるものなどさまざまです。
そのため、民間の介護保険を選ぶ際は複数の商品を比較検討し、自身の状況や希望に合ったものを選ぶ必要があります。
デメリット2:保険料の負担がある
民間の介護保険に加入すると、保険料の負担が発生します。民間の介護保険は任意加入のため、加入する場合は公的介護保険料とは別に保険料を支払う必要があるのです。
保険料は被保険者の年齢や保障内容によって異なるため、事前に確認する必要があります。保障内容と保険料のバランスを十分に検討し、自身の経済状況に見合った選択をしましょう。
民間介護保険の選び方とポイント
民間の介護保険は多くの保険会社が扱っており、選び方がわからずに悩む方も多いでしょう。ここでは、民間の介護保険の選び方を解説します。
給付条件で選ぶ
民間の介護保険の給付条件には、主に公的介護保険の要介護認定に連動するタイプと、保険会社が独自に基準を設けているタイプがあります。
公的介護保険に連動するタイプは、公的介護保険で要介護認定を受けた場合などに給付金が支払われます。一方、独自の基準のあるタイプは、保険会社が定める特定の病気や状態になった場合に給付金が支払われます。
前者は公的制度との整合性が高くてわかりやすいですが、40歳未満の方や特定疾病以外が原因の場合は給付対象外となる可能性があります。一方、後者は独自の基準で柔軟な保障が可能ですが、条件が複雑になるおそれもあります。
ご自身の年齢や健康状態、希望する保障内容を考慮し、給付条件を慎重に確認するようにしましょう。
受け取り方で選ぶ
民間の介護保険の保険金の受け取り方には、主に以下の3つのタイプがあります。
・一時金タイプ
一時金タイプは「介護状態と診断された」のような所定の給付条件を満たした場合に、まとまった金額の保険金を受け取れるタイプです。多額の資金が必要な場合、たとえば、介護施設の入居一時金や、自宅のバリアフリー改修費用などを捻出したい場合に適しています。
・年金タイプ
年金タイプは保険会社所定の給付条件に該当してから、毎月または毎年のように定期的に決まった金額を受け取れるタイプです。
公的介護保険の自己負担分や介護サービスの利用料といった、継続的に発生する費用に充てたい場合に適しています。
・併用タイプ
併用タイプは、一時金と年金の両方を組み合わせたタイプです。初期費用と継続的な支出の両方に備えたい方におすすめです。柔軟な資金管理が可能ですが、保険料は比較的高くなる傾向があります。
「貯蓄型」「掛け捨て型」で選ぶ
民間の介護保険には、貯蓄性の有無により「貯蓄型」と「掛け捨て型」の主に2つのタイプに分かれます。
・貯蓄型
介護保険の貯蓄型の商品は保険料の一部が積み立てられ、満期時や解約時に返戻金を受け取れるタイプです。
保険料は掛け捨て型よりも高くなりますが、貯蓄性があるため、経済的に余裕がある方におすすめです。ただし、介護保険を解約すると介護保障がなくなるため、介護が必要になった場合に備えられなくなってしまう点に注意しましょう。
・掛け捨て型
掛け捨て型は、保険期間満了時や解約時には保険料が戻ってこないタイプです。保険料は貯蓄型よりも安いため、保険料を抑えて保障を確保したい方に適しています。
保険期間で選ぶ
民間の介護保険は、保険期間によって「終身型」と「定期型」の2つのタイプに分かれます。
・終身型
終身型は、期間の定めがなく一生涯保障が続くタイプで、給付要件を満たせばいつでも保険金を受け取れます。保険料は定期型よりも高くなりますが、長期間の保障を希望する方におすすめです。
・定期型
定期型は、一定の期間(例:10年、60歳までなど)のみ保障されるタイプです。保険料は終身型よりも安いため、毎月の負担を抑えたい方や、特定の期間だけ保障があればよい方に適しています。ただし、保険期間が満了した後は保障を受けられない点に注意が必要です。
特約で選ぶ
民間の介護保険では、保険会社や商品ごとに以下のような特約を付帯できる場合があります。必要に応じて、検討するとよいでしょう。
・保険料払込免除特約
保険料払込免除特約は保険会社所定の要介護状態などになった場合に、以後の保険料の支払いが免除される特約です。免除される条件は、保険会社によって異なります。介護が必要になってから保険料を負担したくない方は、付帯するとよいでしょう。
・認知症特約
認知症特約は認知症と診断された場合などに、保険金が支払われる特約です。認知症は介護が必要となる可能性が高い病気の1つであり、民間の介護保険に認知症特約を付加すると認知症になった場合の経済的な備えを強化できます。
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AHM62-046
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また、介護一時金は公的介護保険の要介護認定だけでなく、約款所定の寝たきりや認知症による要介護状態にも対応しています。
持病があっても加入できる場合がある
セゾンの「親介護保険」は申し込み時の告知項目が3つだけと少なく、持病があっても加入できる可能性があります。告知項目は、過去2年以内の手術や入院歴、がんの診断歴、現在の介護状態や要介護認定申請の有無のみです。
持病があるために民間の介護保険の加入を諦めていた方も、告知項目に該当しなければ加入できる可能性が高いといえます。この機会に加入を検討してみてはいかがでしょうか。
おわりに
介護リスクは誰にでも起こりうる問題であり、公的介護保険だけでは不十分な場合があります。その対策として、民間の介護保険の加入は有力な選択肢の1つです。将来の介護に備え、適切な保障を選ぶと、経済的・精神的な安心につながります。民間の介護保険にはさまざまな商品があるため、この記事を参考に自分に合った商品を選びましょう。セゾンカード会員様なら、セゾンの「親介護保険」がおすすめです。
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