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羽毛布団を長持ちさせるには?寝具のプロが教える正しいお手入れ方法

羽毛布団を長持ちさせるには?寝具のプロが教える正しいお手入れ方法
森 優奈

監修者

森 優奈

2017年、西川株式会社入社。広報として業務に従事する傍ら、社内資格のスリープマスターを取得。睡眠科学や快眠環境などの専門講習を受けた“眠りのプロフェッショナル”として、お客様に快適な眠りのための環境の整え方や寝具選びを提案している。

大切な羽毛布団を少しでも長く快適に使い続けたいと思いませんか?

羽毛布団は正しいお手入れ次第で、10年ほどその品質を保てるアイテムです。しかし、間違った使い方や手入れが原因で寿命を縮めてしまうことも。

本記事では、西川株式会社スリープマスターの森さん監修のもと、羽毛布団の寿命を縮める原因から、干し方や洗濯法、正しい収納方法まで、具体的なお手入れ方法を分かりやすくご紹介します。これを読めば、あなたの羽毛布団をより長く愛用するための知識がしっかり身につくはずです。

羽毛布団の寿命を縮める要因とは?

羽毛布団の寿命を縮める要因とは?

朝晩の冷え込みが厳しくなり、暖かい寝具が恋しい季節になりました。

そんな時、羽毛布団の温かさは格別ですよね。ぽかぽかと保温性が高く、快適な睡眠に欠かせない羽毛布団ですが、適切なケアをしないと、その寿命を縮めてしまう可能性があります。

今回は、羽毛布団の寿命を縮める主な原因と、長持ちさせるための対策について解説します。あなたの大切な羽毛布団を長く快適に使うために、ぜひ参考にしてみてくださいね。

汚れの蓄積

人は、夏でも冬でも一晩にコップ1杯程度の寝汗をかくと言われています。

さらに、汗だけでなく、皮脂や汚れなどが羽毛布団に付着することで、汚れが蓄積されていきます。汚れが蓄積されると、羽毛の保温性が低下したり、においの原因になったりします。

湿気

湿度の高い部屋や、布団を干す際に十分に乾燥させないなど、湿気がこもる環境は羽毛にとって大敵です。空気中の湿気だけでなく、人の体内から出る湿気も、羽毛の劣化を早めます。湿気が多いと、カビやダニが繁殖しやすくなり、アレルギーの原因となることもあるため、湿気には注意が必要です。

直射日光や高温での保管

羽毛布団を干す際に気を付けたいのが直射日光です。羽毛布団を直射日光にあてたり、高温の場所に保管したりすると、生地が劣化したり、羽毛の劣化につながる可能性があります。特に、夏場の高温多湿な環境は、羽毛布団にとって非常に厳しい条件です。

誤った方法による洗濯・乾燥

今では洗える羽毛布団も登場していますが、一般的に従来の羽毛布団は、家庭用の洗濯機で洗うことができません。無理に洗濯機で洗ってしまうと、羽毛が偏ったり、生地が傷んだりし、結果的に保温性が低下する原因になります。洗濯表示を確認し、正しい方法で洗濯・乾燥を行いましょう。

布団カバーを使わない

布団カバーを使用せずに羽毛布団を直接使用すると、汚れや汗が羽毛布団に付着しやすくなり、寿命を縮めてしまう原因になります。布団カバーは、羽毛布団を保護するだけでなく、寝具全体の衛生面を保つためにも重要な役割を担っています。羽毛布団を使用する際には、必ずカバーを使いましょう。

羽毛布団の寿命を伸ばすお手入れ

羽毛布団の寿命を伸ばすお手入れ

羽毛布団を大切に長く使うためには、適切なお手入れが欠かせません。

ここからは、羽毛布団を長持ちさせるための簡単なお手入れ方法をご紹介します。

洗濯表示を確認する

羽毛布団は、ダウンという鳥の羽毛をふんだんに使用した、とても繊細な寝具です。そのため、洗濯機で洗うと、羽毛が縮んでしまったり、破損してしまう可能性も。羽毛布団の洗濯表示には、洗濯機で洗えるか、手洗いが必要か、またはドライクリーニングのみが可能かなどが記されています。洗濯表示に従って、適切なケアを行いましょう。

洗える羽毛布団の洗い方

洗濯表示に「洗える」または「ウォッシャブル」と明記されているものは、家庭用の洗濯機で洗うことができます。側生地はポリエステルなどの耐水性の高い素材が使用されており、羽毛自体も水洗いに耐えられるように加工されています。ただし、洗える羽毛布団と表示されていても、家庭用の洗濯機では羽毛が偏ったり、キルティングが破れたりする可能性があるため、羽毛布団専用の大きな洗濯機の使用がおすすめです

<洗濯機での洗い方>

  1. 洗濯前に、布団叩きなどで軽くホコリを落とします。
  2. 汚れが目立つ箇所は、水で薄めた中性洗剤をスポンジで優しく叩いて落とします。
  3. 羽毛布団を折りたたみ、寝具用の大きな洗濯ネットに入れてから洗います、ネットに入れずに直接洗濯機に入れると、羽毛が傷む恐れがあります。大物洗いコースや毛布コースなど、適切なコースを選択して洗濯します。洗濯後は、完全に乾燥させることが大切です。直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干ししましょう。カバーをかけたまま干すと、側生地の劣化を防げます。

羽毛布団はデリケートなため、無理に洗濯しようとせず、取扱説明書をよく読んでから洗濯しましょう。

自宅で洗えない場合は、羽毛布団専門のクリーニング店を利用する

家庭で羽毛布団を洗えるサイズの洗濯機がない場合や、自分で洗うのが難しい場合は、表示タグに洗える表記がついていない羽毛布団は、羽毛布団専門のクリーニング店を利用することをおすすめします。シーズンの終わりなど、年に1回のクリーニングを目安に依頼しましょう。プロの技術で、羽毛のふくらみを復元し、清潔な状態に戻してくれます

※商品により、クリーニングができない場合もあります。

羽毛布団のリフォームサービスとは?

長年愛用していると、時間が経つにつれてへたりや汚れが気になってくるものです。そんな時は、リフォーム(打ち直し)を検討してみましょう。

羽毛布団のリフォームは、古くなった羽毛布団を新品同様に再生させるサービスです。プロが羽毛布団の状態を診断し、状況に応じて古くなった羽毛を徹底的に洗浄したり、羽毛の補充を行います。さらに、汚れや破損した側生地を、新しい清潔な側生地へ張り替えを行い、まるで新しい羽毛布団のように、ふっくらとした状態へと復元していきます。

<羽毛布団のリフォームが必要なサイン>

✓10年以上同じ羽毛布団を使っている
✓羽毛布団をかけているのに寒さを感じる
✓へたりを感じる
✓汚れが気になる
✓ニオイが気になる
✓破損がある

羽毛布団のリフォームは、熟練のスタッフが一つ一つ丁寧に手作業で行います。羽毛の状態に合わせて、最適な方法でクリーニングし、ふっくらとした状態に復元してくれます。上記のサインが出てきたら、羽毛布団のリフォームを検討してみましょう。

布団カバーを洗濯する

寝ている間にかいている汗や皮脂、フケなどは、布団カバーに付着し、ダニやカビのエサとなってしまいます。汗や皮脂は、ダニやカビが繁殖しやすい環境を作り出します。ダニの死骸やフンは、アレルギーの原因となることがあります。清潔な布団カバーを使うことで、アレルギー症状を軽減できます。

こまめな洗濯で、ダニやカビの発生を抑えることが大切です。週に1回程度の洗濯が理想です。特に夏場は、汗をかく量が増えるので、こまめな洗濯を心がけましょう。

羽毛布団を干す際のポイント

日干しは、羽毛布団の湿気を飛ばし、ふっくら感を復元するのにとても効果的な方法です。湿気が残っていると、カビが生えたり、ダニが繁殖したりする原因になります。月に1~2回、天気の良い乾燥した日を選び、午前10時から午後3時頃までに干しましょう。この時間帯は、紫外線が強く、乾燥効果も高いので、布団の中までしっかり乾かすことができます。片面1時間ずつ、裏表を干すと、布団全体が均一に乾きます。

ただし、直射日光は、羽毛布団の生地を傷める原因になります。特に、色あせや劣化を早めてしまう可能性があります。また、羽毛自体もダメージを受けることがあるので、注意が必要です。直射日光が気になる場合は、布団カバーをかけてから干しましょう。カバーをすることで、布団生地へのダメージを防ぎつつ、日光の殺菌効果も得られます。日常的に干す場合は、日陰干しでも十分です。風通しの良い場所で干すと、より効果的です。

羽毛布団の天敵!湿気対策で快適な寝具環境を

羽毛布団の天敵!湿気対策で快適な寝具環境を

羽毛布団は、ふわっとした軽さがありながら、保温性が高い寝具です。しかし、その一方で、湿気を吸いやすいという性質も持っており、湿気が羽毛に染み込むとカビやダニの繁殖、羽毛の劣化などさまざまな問題を引き起こします。

ここからは、今日からできる「羽毛布団の湿気対策」についてご紹介します。

布団乾燥機を活用する

布団乾燥機は、羽毛布団の湿気対策に最も効果的なアイテムです。布団乾燥機は、温風で布団を乾燥させることで、内部にこもった湿気を効率的に除去します。特に梅雨時期や湿度の高い季節には、定期的な使用がおすすめです。

また、高温の温風でダニを退治する効果があります。ダニは湿気が多く、温度が高い環境で繁殖しやすいので、布団乾燥機を使用することで、ダニの発生を抑制できます。

このほかにも、高温の温風で布団を乾燥させることで、汗や皮脂などのニオイや、カビの発生を抑える消臭効果も期待でき、羽毛布団のふわふわした状態を長く保つことができます。雨の日や花粉が気になる時期など、外に布団を干せない時でも、布団乾燥機を使用すれば、いつでも清潔な布団で眠ることができます。

保管時は除湿シートを利用する

羽毛布団を長持ちさせるためには、湿気対策が欠かせません。特に、シーズンオフに収納する際は、湿気によるカビやダニの発生を防ぐことが大切です。

そこでおすすめなのが、除湿シートです。除湿シートは、布団から出る汗や湿気をグングン吸収してくれる優れもの。除湿シートは、布団の下に敷くだけでOK。布団を収納する前に、一度布団を干してから除湿シートを敷くとより効果的です。

しっかり乾燥させ、汚れを取り除いてから収納する

収納前に、羽毛布団を十分に乾燥させましょう。湿気が残っていると、カビやダニが発生しやすくなります。天気が良い日に、布団干しにかけて陰干しをさせると、紫外線による殺菌効果も期待できます。

また、汚れが付着したまま収納すると、黄ばみや臭いの原因になります。汚れがひどい場合は、専門のクリーニング業者に依頼しましょう。

収納ケースは、湿気を吸湿しにくい素材で作られたものがおすすめです。たとえば、通気性が高く、湿気を吸湿しやすい綿や麻素材、軽量で扱いやすく、通気性も良い不織布が適しています。

なおかさばる布団をコンパクトにできて便利な圧縮袋ですが、羽毛布団にはおすすめできません。なぜなら圧縮袋を使ってしまうと羽毛が潰れてしまい、保温性が低下する原因になるからです。

収納する際には潰れないように、クローゼットの上段や、押し入れの中心部など、湿気がこもりにくい場所を選び、収納しましょう。

まとめ:大切な羽毛布団をきちんとお手入れして長く快適に使おう 

まとめ:大切な羽毛布団をきちんとお手入れして長く快適に使おう 

寒い季節に欠かせない羽毛布団。快適な暖かさを保つためには、日々のお手入れがとても大切です。特に、汚れや湿気は羽毛布団の大敵であることを覚えておきましょう。お手入れと適切なメンテナンスを行うことで、大切な羽毛布団の寿命を延ばし、快適な睡眠環境を長く楽しむことができます。

この冬も、しっかりお手入れをして、暖かく心地よい睡眠を楽しみましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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