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寒暖差疲労とは?寒い冬を快適に乗り切る対策 

寒暖差疲労とは?寒い冬を快適に乗り切る対策
佐藤 啓

監修者

株式会社link代表取締役

佐藤 啓

隠れ家整体院~felice.~【フェリーチェ】院長。整骨院での院長歴5年、施術実績約6万人。犬の歪みも不調も解決するドッグ整体も実施。人と犬を健康にするための活動に従事している。

冬になって朝晩の冷え込みが厳しくなり、日中との気温差に悩まされていませんか?

肩こりや頭痛、不眠、なんとなくイライラするなど、「最近なんだか調子が悪い」と感じることが多い方、それはもしかすると『寒暖差疲労』が原因かもしれません。特にこの時期は、室内外の温度差が大きく、身体がその変化に対応できないことから、不調を招くことがあります。

この記事では、整体師の佐藤啓さん監修のもと、寒暖差疲労のメカニズムから簡単にできる対策方法まで、忙しい毎日でもすぐに実践できる内容をわかりやすく解説します。

寒暖差疲労とは?冬に起こる不調の正体とメカニズム

寒暖差疲労とは?冬に起こる不調の正体とメカニズム

冬は暖房の効いた室内と外の寒暖差が激しく、私たちの体は大きなストレスを受けています。このストレスが原因で起こる体調不良が「寒暖差疲労」です。

私たちの体には、体温を一定に保つために「自律神経」という仕組みを持っています。自律神経は、まるで体のエアコンのようなもので、気温の変化に応じて血管を収縮させたり、汗をかいたりすることで、体温を調節しています。

しかし、寒暖差が大きいと、この自律神経がオーバーワーク状態になってしまいます。たとえば、暖かい部屋から寒い外に出ると、体は急激に冷やされ、自律神経が「体温を上げろ」と指令を出します。逆に、寒い外から暖かい部屋に入ると、今度は「体を冷やせ」と指令が出ます。

このような体の急激な変化に、自律神経が対応しきれなくなり、さまざまな不調が現れてしまうのです。寒暖差疲労は、気温差が7度以上ある環境で起きやすく、室内と外の温度差が大きい夏・冬に多く見られます。

寒暖差疲労を感じやすい人の特徴

寒暖差疲労を感じやすい人の特徴

寒暖差疲労は、誰にでも起こりうるものです。特に以下のような特徴を持つ方は、よりかかりやすい傾向があります。

自律神経が乱れやすい人

ストレスは、私たちの体のバランスを司る自律神経を乱します。それにより、寒暖差への適応力が低下し、体調を崩しやすくなります。また、仕事や人間関係などで常に緊張している方は、自律神経が常に緊張状態になりがちです。季節の変わり目に体調を崩しやすい方は、自律神経が乱れ、寒暖差の影響を受けやすくなります。

冷え性・ほてりがある人

手足が冷えやすい方は、血行が悪く、体温が下がりやすい状態で、寒暖差による体の変化に敏感に反応してしまいます。 意外かもしれませんが、顔や体がほてる方も冷え性である場合があります。これは、体が冷えすぎているために、逆に熱を発散しようとする反応なのです。

運動不足・睡眠不足など不規則な生活を送っている人

筋肉は、体を温める働きがあります。運動不足で筋肉量が減ると、体温が下がりやすく、寒暖差の影響を受けやすくなります。また、睡眠は、体の修復と回復に重要な役割を果たします。睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、体の機能を低下させ、寒暖差の影響を受けやすくなります。

女性や高齢者

女性はホルモンバランスの変動が大きく、自律神経の働きに影響を受けやすい傾向があります。また、加齢に伴い体温調節機能が低下する高齢者も寒暖差疲労を感じやすくなります。

もしかして寒暖差疲労?セルフチェックで確認しよう

もしかして寒暖差疲労?セルフチェックで確認しよう

最近寒くなってきて、「なんだか調子が悪いけれど、もしかしてこれって寒暖差疲労?」と思ったあなた。

寒暖差疲労はセルフチェックできます。下記のリストで該当する項目にチェックを入れてみましょう。

セルフチェックリスト(佐藤さん監修)

身体的症状□ 肩こりや腰痛がある
□ 手足が冷えている
□ めまいがおきることがある
□ だるさを感じる
□ 関節痛がある
精神的症状□ イライラする、または気分の変化が激しい
□ 気分が落ち込む
□ 集中力が低下している
自律神経関連□ 不眠である(寝付きが悪い、眠りが浅いなど)
□ 便秘や下痢気味である
□ 食欲不振がある
□ 顔や全身がほてりやすい
□ 熱中症になったことがある、または近い状態になったことがある
□ 代謝が悪い、体がむくみやすい
環境要因□ 暑さ、寒さが苦手である
□ エアコン(冷房、暖房)が苦手である
□ 周りの人が暑いのに、自分だけ寒く感じる
□ 温度が一定の環境にいる時間が長い(オフィス、自宅で一日中エアコンをつけているなど)
生活習慣□ 起床就寝時間が不規則である
□ 食事時間が不規則である
□ 3ヶ月前に比べて体重が増加した
□ 季節の変わり目に体調不良になりやすい

上記で5項目以上チェックがついた場合、寒暖差疲労の可能性が高いといえます。生活習慣の見直しや対策を考えましょう。また、10項目以上チェックがついた場合は、寒暖差疲労の症状が顕著に表れています。専門医への相談を検討しましょう。

寒暖差疲労の対策!快適に冬を乗り切るケア方法

寒暖差疲労の対策!快適に冬を乗り切るケア方法

冬は、寒暖差が大きくなり、体調を崩しやすい季節です。そんな寒暖差疲労から身を守るための具体的なケア方法をご紹介しましょう。

寒暖リズムを整える生活習慣のポイント

寒暖差が激しい季節は、体調を崩しやすいもの。そんな時に役立つのが「寒暖リズム」を整える生活習慣です。

まずは、規則正しい生活が基本です。毎日同じ時間に起き、寝ることで、私たちの体内時計である「自律神経」が整いやすくなります。朝は太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットする効果も期待できます。

またウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことは、寒さ対策にとても効果的です。運動することで血行が良くなり、体が温まります。また、規則的な運動は、心身をリフレッシュさせ、質の高い睡眠にもつながります。

冷たい飲み物や体を冷やす食材は控え、三食バランスの取れた食事を心がけながら、根菜類や生姜、発酵食品など、体を温める食材を積極的に摂り入れましょう。

寒暖差に負けない、健やかな毎日を送るための生活習慣を身につけ、寒い冬も快適に乗り切りましょう。

自宅で手軽に対策!効果的な運動

自宅でできる簡単な運動で、体の深部から温まり、寒さへの抵抗力を高めることができます。運動をすることで、筋肉が活性化され、基礎代謝がアップします。基礎代謝が上がると、体が熱を生み出す量が増え、体温が上昇し、寒さを感じにくくなります。

特に意識したいのは、普段あまり使わない大きな筋肉を動かすことです。具体的には、以下の3つの部位に注目しましょう。

✓内転筋

ももの内側の筋肉で、足を閉じる時に使われます。

✓下臀部の筋肉

お尻の下部にあり、お尻を支える重要な筋肉で、姿勢を良くする効果も期待できます。

✓下腹部の筋肉

体の軸を支え、姿勢を安定させる役割を果たします。

これら3つの筋肉は、年齢を重ねるにつれて衰えやすく、意識的に動かさない限り、なかなか鍛えることができません。しかし、簡単なトレーニングでこれらの筋肉を鍛えることで、体のバランスが整い、基礎代謝をアップさせることができます。

内転筋のトレーニング

  1. 背もたれに寄りかからず椅子に腰かけて、背筋を伸ばします。
  2. 両膝をくっつけ、太ももの内側をぎゅっと合わせます。この時、力を入れるのがポイントです。
  3. この姿勢を30秒キープします。最初は10秒から始めてもOKです。
  4. 上記を3セット行いましょう。

足を地面につけて行っても、膝を90度に曲げて行っても大丈夫です。ご自身の体勢で楽に行える方法を選びましょう。力んでいる間も呼吸を止めないようにしましょう。毎日続けることで、効果を実感しやすくなります。

下臀部の筋肉のトレーニング

  1. 背もたれに寄りかからず椅子に腰かけて背筋を伸ばします。
  2. お腹を引っ込めながら、お尻の穴をギュッと締めます。この時、力を入れるのがポイントです。
  3. この姿勢を10秒キープします。呼吸は止めずに、普段通りに行いましょう。
  4. 上記を3セット行いましょう。

お尻の下の部分を鍛える簡単なトレーニングとして、「お尻の穴を締める」という方法があります。お尻の穴を締めることで、お尻の下の部分にある筋肉を意識的に使うことができます。姿勢を支える筋肉を鍛えることで、姿勢がよくなり、腰の負担を軽減し、腰痛予防にもつながります。

下腹部の筋肉のトレーニング

  1. 背もたれに寄りかからず椅子に腰かけて、背筋を伸ばします。
  2. へその下に手を当て、その部分をグッと奥に引っ込めます。お腹を凹ませるイメージです。
  3. この状態を10秒キープします。呼吸は止めずに、普段通りに行いましょう。
  4. 上記を3セット行いましょう。

慣れてきたら、内転筋、お尻の穴、お腹を引っ込める運動はセットで行うと効果的です。座りながらこれらを同時に意識して行うことで、筋肉が協調して働き、姿勢も良くなります。簡単ですが、この運動を続けることで、歩行が改善され、正しい姿勢が自然に身につきます。運動は毎日続けることが理想ですが、はじめのうちは3日に1回でも継続することで十分に効果があります。体を動かすことで基礎代謝を上げて、自律神経を整えましょう。

着脱できる服装で体温調節を

冬は、外と中の温度差が大きく、体温調節が難しい季節です。そこでおすすめなのが、重ね着です。重ね着をすることで、気温の変化に合わせて服を脱ぎ着でき、寒暖差による体調不良を防いで、快適に過ごすことができます。

また、マフラー、手袋、帽子などを活用し、冷えやすい体の末端を温めることで、より暖かく感じられます。冬は、重ね着を活用して、体温調節をしやすい服装を心がけましょう。

まとめ:寒暖差リズムを整え、冬も快適に過ごそう

まとめ:寒暖差リズムを整え、冬も快適に過ごそう

冬の寒暖差は、私たちの体にさまざまな影響を与えます。しかし、日々の生活の中で対策を講じることで、寒暖差による不調を予防し、快適に過ごすことができます。適度な運動を取り入れながら、睡眠時間をしっかりと確保し、食事をバランス良く摂り、体のリズムを整えましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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