「肩こりや頭痛の原因が知りたい」「日頃から肩こりを予防したい」などと考えている方は多いのではないでしょうか。仕事や家事が忙しくて、肩こりを感じたり、頭痛になったりしても、解消するのは難しいですよね。肩こりを放置すると頭痛や吐き気に襲われたり、病気につながったりする可能性があります。
そこで今回は、肩こりと頭痛の原因や予防する方法を解説します。肩こりや頭痛に効果的なツボ押し方法などを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
肩こりや頭痛に効く5つのツボ
長時間同じ姿勢でいることで、筋肉が硬直し血流が悪くなってしまい、肩こりや頭痛などを引き起こします。すぐに症状が治まる場合もありますが、放置し続けると恐ろしい病気を引き起こす可能性もあります。
肩こりを解消したい場合は、ツボを押すのがおすすめです。ご自身で簡単に押せるため、仕事や家事の間でも気軽にケアできます。こちらでは、肩こりや頭痛に効く5つのツボについて解説しますので、肩こりや頭痛に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
天柱(てんちゅう)
天柱は、生えぎわの2本の太い筋肉に挟まれたくぼみにあります。長時間、同じ姿勢で作業をする方は、手のひらや親指を使って、気持ちが良いと感じる程度に刺激を与えてみてください。体が楽になるでしょう。
また、首周りの血の流れが良くなり、頭から肩にかかる痛みを和らげる効果もあります。慢性的に頭が重いと感じる方にも効果的ですので、休憩時間を活用してほぐしてみてください。
肩井(けんせい)
肩井を刺激することで、肩の症状の改善を図ることが可能です。長時間同じ姿勢でいると、意識せず肩に力が入り、猫背になってしまいます。結果、肩こりの原因になってしまうでしょう。
肩井付近には、僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる筋肉があります。肩を上げたり肩甲骨を寄せたりするときに使用する筋肉です。肩に力が入っている状態が続くと、肩周りの神経が圧迫されてしまい、血行が悪くなります。
この肩井を刺激すると、筋肉の緊張がほぐれ、痛みや痺れが改善されるだけでなく、肩の動きが良くなることが期待できます。反対側の親指で、3秒ほどかけて気持ち良いぐらいの強さで押すのがおすすめです。肩こりは仕事や家事の最中に起こりやすいため、隙間時間でケアするようにしましょう。
風池(ふうち)
風池は、頭を支える首の血流改善が期待できるツボです。首の後ろにある大きなくぼみの外側、髪の生えぎわあたりに存在し、指で押すと後頭部にも心地良い刺激が与えられます。おもな改善効果は、以下のとおりです。
- 頭痛
- 風邪の諸症状
- 肩こり
- 眼精疲労など
親指を頭の中心に向かって、気持ち良いくらいの力で5秒ほど時間をかけて押すことがおすすめです。デスクワークなどによる頭痛や眼精疲労で悩んでいる方は、ぜひ定期的にツボ押しをしてみてください。
頷厭(がんえん)
頷厭は、目の周りの血流を促して、疲れ目やかすみ目を解消するツボです。額の髪の生えぎわから耳の先端に向かって親指1本ほど先にあります。口を開け閉めしたときに動きを感じられる場所に位置しています。
目の疾患やめまい、耳鳴りの症状だけでなく、片頭痛などにも効果があります。特に後頭部に痛みがある方におすすめのツボです。
百会(ひゃくえ)
百会は、ストレスや不眠にも効くツボです。頭のてっぺん中央の少しくぼんだ位置にあり、頭痛や肩こり・眼精疲労などに効きます。また、自律神経の働きを整えてくれる効果もあります。
百会を押すときは、両耳と鼻を線でつなぐ脳天の位置をイメージして、垂直にゆっくり押すのがおすすめです。
頭痛や肩こりに効くツボを押す際の5つの注意点
ツボはただ押せば良いというものでもありません。無理やりツボを押してしまうと、消化不良を起こしたり、体調が悪くなってしまったりする可能性があります。
この章では、頭痛や肩こりに効くツボを押す際の注意点を紹介します。こちらの内容を意識することで症状の悪化を防ぐことできますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
妊娠中は控える
妊娠中のマッサージには特に注意が必要です。子宮を刺激するツボも存在するため、特に体調が安定しない妊娠初期は、継続的なツボ押しは控えることをおすすめします。
また安定期の場合でも、担当の医師に足ツボを押しても問題ないかどうか確認することが大切です。
食事後1時間は控える
食事後のツボ押しは、消化不良を起こす危険があるので避けた方が良いでしょう。食後は食べたものを消化するために、消化器に血液が集まっている状態です。食後すぐマッサージをしてしまうと血行が良くなることで、消化器官系の血液量が減り、消化を妨ぐことにつながります。
怪我がある場合は控える
解消したい部位が出血していたり、怪我をしていたりする場合にもツボ押しは避けた方が良いです。強い刺激を加えてしまうと、炎症を起こしてさらに症状が悪化してしまう可能性があります。
また、マッサージする部位にも注意が必要です。特に太い血管や神経がある場所はおすすめできません。以下のように体調が悪くなったり、違和感があったりする場合も控えるようにしましょう。
- 気持ちが悪い
- めまいがする
- フラフラする
飲酒後は控える
足ツボを刺激すると、血行が良くなり体温が上昇します。そのため、飲酒後に足ツボを刺激すると、酔いが回って気分が悪くなってしまう可能性があります。
飲酒翌朝に手足や顔などの皮下組織に水分が溜まることで、むくみの症状が出やすくなるため、ツボ押しは翌日に行うことをおすすめします。
力強く押すのは控える
ツボを強く押しすぎると、痛みを引き起こす可能性があります。また、組織が壊れて炎症を引き起こし、揉み返しのような状態になる点にも注意が必要です。
強く押しすぎると、以下のような危険性があります。
- 筋膜が損傷する
- 筋繊維が断裂する
- 筋小胞体が損傷する
知識がない状態で強く押すと、症状が悪化したり、体調不良を引き起こしたりすることも考えられます。ご自身で押して違和感を感じたら、専門的な施術を受けることがおすすめです。
ツボ押し以外に肩こりを予防する3つの方法
肩こりを解消するにはツボ押しが効果的ですが、ツボ押し以外にも肩こりを予防する方法はいくつかあります。日頃から姿勢を正したり、睡眠グッズに頼ったりすることで徐々に緩和されていくケースもあります。
ここでは、肩こりを予防する方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
姿勢を正す
普段から正しい姿勢を意識することで肩こりを予防できます。姿勢が悪いと筋肉が固まってしまい血行不良につながります。長時間の座り作業が多い方や、あまり身体を動かさない方は、定期的に背筋を伸ばすことが大切です。
睡眠グッズを見直す
普段使用している睡眠グッズを見直してみることも大切です。枕が高かったり、敷布団が柔らかすぎたりすると、背骨や背中の筋肉に負担がかかり、肩や腰のこり、痛みの原因になります。おすすめの睡眠グッズは以下の通りです。
- 高反発マットレス
- 低反発枕
- オーダーメイド枕
マットレスや枕を見直すことで背骨のバランスが保たれ、首や肩への負担を軽減できるでしょう。市販の枕が合わない方は、オーダーメイドの枕にすることで身体への負担を軽減することが可能です。
睡眠の質が悪いと感じる方は、睡眠グッズを見直して肩こり解消につなげましょう。
身体を動かす
定期的に身体を動かすことは肩こりの予防につながります。身体を動かす主なメリットは以下のとおりです。
- 血の巡りが良くなる
- 気分転換になる
- ストレス発散になる
肩こりを予防するためには、無酸素運動よりも有酸素運動の方が適しています。ウォーキングやジョギング、水泳などがおすすめです。
ツボ押し以外に肩こり・頭痛を予防する3つの方法
日頃から生活リズムを整えたり食生活を見直したりすることで肩こりや頭痛は予防できます。この章では、ツボ押し以外に肩こりや頭痛を予防する方法を3つ紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることは、肩こりや頭痛の予防につながります。寝不足になる日が多かったり、朝食を抜くことが多かったりすると、生活リズムが乱れてしまい、肩こりや頭痛を引き起こします。
以下のような取り組みを行い生活リズムを整えましょう。
- 毎朝決まった時間に起きる
- 三食決まった時間に食べる
- 軽い運動を習慣づける
寝る時間が遅くなったとしても、寝過ぎてしまわないようにすることも大切です。
食生活を見直す
肩こりや頭痛を予防するには、食生活を見直し必要な栄養素を摂ることも大切です。肩こりや頭痛の予防には、マグネシウムやビタミンB2といった栄養素が効果的だといわれています。マグネシウムはナッツ類に多く含まれている栄養素です。対して、ビタミンB2は肉や魚、牛乳などに多く含まれている栄養素です。
上記の栄養素が同時に摂取できる食材は、以下のとおりです。
- 玄米
- 納豆
- ほうれん草
肩こりや頭痛がある方は、普段の料理で玄米やほうれん草、納豆などを取り入れると良いでしょう。
ストレスを溜めない
肩こりや頭痛を防ぐには、ストレスを溜めないことが大切です。ストレスが溜まると自律神経が乱れてしまい、結果的に肩こりや頭痛の原因になります。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。ストレスが溜まったときは、交感神経が優位になるのが特徴です。交感神経が優位になると、血管が縮まってしまい血の流れが悪くなります。
ストレスによる肩こりや頭痛を放置すると日常生活や美容にも影響を及ぼす可能性があります。生活環境や仕事環境を見直すことも検討しましょう。
おわりに
肩こりや頭痛はツボを押すことで改善できます。ツボを押す際は、気持ち良いと感じる程度にゆっくり押すことが大切です。むやみやたらに押すのではなく、食後や怪我がある場合には、控えるようにしましょう。
また、ツボ押しだけでなく、日頃から食生活を見直したり運動したりすることでも肩こりや頭痛は緩和できます。肩こりや頭痛に悩んでいる方は、このコラムで紹介した内容を普段から意識して行い、改善してみてください。