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アパート経営が儲からない7つの理由|4つの対策方法を紹介

アパート経営が儲からない7つの理由|4つの対策方法を紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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アパート経営は、駐車場やトランクルームなどと比較して利回りが高く、一般的に「儲かる土地活用の1つ」といわれる投資手法です。その反面、初期費用や投資額が大きく、立地や条件によっては10年以内で黒字にするのは難しい場合もあります。

本記事では、アパート経営が儲かりづらい理由や具体的な対策を解説します。アパート経営で収益が上がらずにお悩みの方は、今後の方針を検討するためにぜひ参考にしてください。

アパート経営が儲からない7つの理由

アパート経営が儲からない7つの理由

アパート経営で儲からない理由には、以下の7つが挙げられます。

  • 立地が良くないと空室率が高くなる
  • 投資資金(初期費用)の回収に時間がかかる
  • 物件の周辺環境が変化する
  • 家賃滞納・金利上昇・自然災害のリスクがある
  • 管理業務の委託に費用がかかる
  • 築年数の経過により収益性が落ちる
  • 不動産や税金の知識が求められる

所有するアパートの収支が厳しいと感じている方は、自身がどの状況に当てはまるのか確認してみましょう。

立地が良くないと空室率が高くなる

アパート経営では、立地は最も重要なポイントの1つです。アパート経営の収益の指標としては「空室率」があり、立地の良し悪しの影響を受けます。空室率が高いと得られる家賃収入が減り、収益性が悪化するため注意が必要です。

例えば、駅から徒歩10分以上で駐輪場や駐車場がない物件は、入居者が集まりづらく空室率が高くなります。一方で、急行の停車駅など利用者が多い駅の近くは人気の立地です。また街のイメージや人口、生活環境も空室率に関わる重要な要素と言えます。小学校やスーパー、病院の近くは人気があり、入居者が集まりやすいでしょう。

アパートの空室率は、以下の計算式で求められます。

空室率=空室の戸数÷全体の戸数×100

当初のシミュレーションで空室率の想定を10%とした場合、実際の空室率が15%であれば予想より儲かっていない状況です。

一般的に空室率の目安は20%前後と言われることがありますが、立地や構造などの条件によって異なります。状況を判断して、目標の空室率を定めましょう。

投資資金(初期費用)の回収に時間がかかる

土地・建物・リフォーム等に投資をした際、資金の回収に時間がかかるため、初期費用の回収が遅れることで収益が上がりにくく感じるオーナーも少なくありません。実際の収支は悪くなくとも、回収できない焦りやローン残債の負担を感じさせやすいのです。

一例として、1億円の物件に投資したケースを想定します。毎月の家賃収入が60万円の場合、累計の収益が1億円となるのは13~14年です。毎月の維持費や修繕費、ローンの利息などを加味すると、投資資金の回収に15年以上かかるケースは珍しくありません。

初期費用が300万円ほどの駐車場経営ならば、投資額を数年で回収できる事例はありますが、アパート経営では長期的な視点を持つことが必要です。

物件の周辺環境が変化する

今まで収益性が高かったアパートでも、周辺環境の変化で突然儲からなくなるケースがあります。アパートの収益性が下がる代表的な要因は、以下のとおりです。

  • 近くに競合となるアパートが増えた
  • 近所のスーパーや病院がなくなった
  • 南側に別の建物ができて、日当たりや景観が悪くなった
  • 学校の統廃合で校区が変わった

儲かる地域には新たなアパートが建つ可能性は高く、築浅の物件が増えると競争が激しくなります。当初は予想していなかった周辺環境の変化は常に起こりうるため、アパート経営は安定的に儲かるとは限りません。

家賃滞納・金利上昇・自然災害のリスクがある

アパート経営には、当初のシミュレーションどおりの収支を見込めない以下のようなリスクがあります。

  • 家賃滞納:入居者が契約どおりに家賃を支払わず、家賃収入が減少
  • 金利上昇:アパートローンの金利が上昇し、支払利息が増加
  • 自然災害:地震、大雨、強風などでアパートの修繕費が必要に

入居者の審査や保険などで一定の滞納リスクは回避できるものの、必ず家賃を回収できるとは限りません。また金利上昇局面においては、支払利息が増える懸念もあるでしょう。

現在は儲かっているアパートであっても、1つの要因で経営状況が悪化することもありえるため楽観視はできません。

管理業務の委託に費用がかかる

アパート経営では、一般的に管理業務を委託するための手数料が必要です。管理業務における手数料の相場は、以下のとおりです。

  • サブリース:家賃の10〜20%程度
  • 管理会社:家賃の5%程度

サブリースでは空室がある場合でも家賃収入を保証してくれますが、賃料の80~90%しか手元に残りません。また管理会社にアパート経営業務の一部または全部を委託する場合は、家賃の5%前後が手数料として差し引かれます。

近年では管理委託費用が値上がりする傾向にあり、より一層「アパート経営は儲からない」と感じるオーナーは増えるでしょう。

築年数の経過により収益性が落ちる

アパート経営を始めた当初は順調であっても、築年数が長くなると物件の収益性は下がります。内装や設備の劣化により、資産価値や競争力の低下を招くからです。

築年数の長いアパートは空室率が上がりやすく、入居者を集めるために家賃を引き下げざるをえない悪循環に陥ります。競争力を維持するためには適切な修繕やリフォームが効果的ですが、費用をかけすぎると収支が悪化するリスクがあります。

不動産や税金の知識が求められる

アパート経営には、不動産や税金に関する専門的な知識が必要です。一般的に儲かる立地であっても、知識不足であれば適切な投資や節税ができず、収支が悪化してしまうでしょう。

特に相続税対策や節税のためのアパート経営を検討している場合、専門家に相談することで思わぬ節税効果が得られることがあります。アパート経営は誰でも儲かるとは限らず「書籍やセミナーで知識の吸収」「競合のアパートの分析」などの努力をする必要があります。

アパート経営について学ぶ時間や余裕がない場合は、売却も選択肢の一つです。知見があるオーナーや業者がアパート経営を引き継ぐことで利益を最大化できるため、売却金額は想定より高くなるケースがあります。

セゾンファンデックスでは、投資用不動産の買取を行っております。売却をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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アパート経営が儲からないときの4つの対策

アパート経営が儲からないときの4つの対策

アパート経営をしているものの、想定よりも儲からないと悩んでいる方は多いでしょう。思うように利益が出ていない場合に収支を改善する方法には、以下のようなものがあります。

  • 管理方法や費用を見直す
  • アパートローンを繰り上げ返済する
  • リフォーム・修繕を行う
  • 売却する

それぞれを順番に解説していきますので、アパート経営で儲けを出したい方はぜひ参考にしてください。

管理方法や費用を見直す

アパート経営にかかる経費が多いときは、管理方法や費用を見直して出費を抑えましょう。サブリース契約を行っていて手数料が経営を圧迫している場合は、管理委託などへの変更を検討します。

しかし契約内容によっては、アパートのオーナーから一方的に解約するのは難しい場合があります。管理の委託に関する契約書を見直して、解約に関する特記事項がないか確認しましょう。

また管理会社を見直す場合は、手数料の安い会社が良いとは限らないため慎重な検討が必要です。

アパートの清掃を業者に依頼している場合は、自身で行えるか検討してみましょう。清掃にかかる経費を削減できるのはもちろん、オーナーが自ら物件に足を運ぶことで物件の現状や問題点を把握できます。

アパートローンを繰り上げ返済する

黒字ではあるものの期待するほどアパート経営が儲かってない場合には、繰り上げ返済を検討しましょう。繰り上げ返済を行ったことで、資金繰りが苦しくなる場合はおすすめできませんが、借入残高が減ると支払う利息が少なくなります。

アパートローンの繰り上げ返済の方法は「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つです。

  • 期間短縮型:毎月の返済額はそのままで、期間が短くなる
  • 返済額軽減型:返済期間は同じで、毎月の返済額が減る

支払総額をより減らせるのは「期間短縮型」です。月々の収支を改善したいなら「返済額軽減型」を選ぶと毎月の返済額を減らせます。現在の収支状況を考慮し、資金繰りに影響が出ない範囲や方法での繰り上げ返済を検討しましょう。

リフォーム・修繕を行う

アパートの築年数が経過して同じ家賃では入居者が集まらなくなっている場合は、リフォームや修繕を検討しましょう。一般的にアパート経営では、大規模な修繕工事を行う目安は10~15年です。収益性の改善につながるリフォームや修繕のポイントは、以下のとおりです。

  • 内装のリフォームや設備の入れ替え
  • 共有部分の修繕
  • 間取りの変更

リフォームや修繕には費用がかかりますが、アパートの見栄えや機能が良くなることで物件の競争力が高まります。劣化している部分の修繕や入居者のニーズに合わせたリフォームをすれば、空室率の改善が見込めます。家賃を引き上げても入居者が集まりやすく、収益の改善につながるでしょう。

売却する

アパート経営で儲からない状況が続く場合は、売却も選択肢の1つです。儲からないまま経営を続けるより、売却という選択肢を検討することで、新たな投資機会を見出せる可能性が出てきます。

アパートの売却後には、以下の選択肢が挙げられます。

  • 経験を活かして新たなアパートに投資する
  • アパート経営以外の投資をする
  • 投資自体をやめる

引き続き土地活用やアパート経営を行う意向があれば、今回の経験を活かした新たな投資で収益性を高めていくチャンスです。アパート経営は向いていないと感じる方は、物件を手放すことで悩みから解放されるでしょう。

アパートの売却を視野に入れているのであれば、早めに相談することをおすすめします。アパートの価値は、年数の経過とともに下がっていくためです。

投資用不動産の売却を検討するなら、セゾンファンデックスにご相談ください。お客様のご事情・ご希望に合わせた最適な提案を得意とし、幅広いニーズにお応えします。

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アパート経営の収益性に関するよくある質問

アパート経営の収益性に関するよくある質問

ここでは、アパート経営の収益性に関するよくある質問に回答します。

アパート経営は何年で黒字になる?

アパート経営がいつ黒字になるかは、初期投資を回収できるまでの期間で判断できます。土地を購入して建物を建てるのであれば15年、元々土地を所有しているなら10年は見込んでおくのが適切です。

例えば、以下のような8,000万円の物件を自己資金で購入したと想定しましょう。

  • 初期費用:8,000万円
  • 年間家賃収入:800万円

こちらのケースの表面利回りは、以下のとおりです。

800万円(年間家賃収入)÷8,000万円(物件価格)×100=10%

利回りが10%であれば、計算上は10年で初期投資を回収できます。ただし実際は維持費や管理費などの経費がかかるため実質利回りは表面利回りより低く、黒字への転換までの年数は長くなります。

立地や経費、借入の有無によって差はあるものの、10〜15年で黒字になればアパート経営は順調と考えられます。ただし15年を過ぎると大規模な修繕が必要となり、再び赤字になるケースがあるでしょう。

アパートオーナーの平均年収はいくらですか?

国税庁の調査結果によると、令和3年における不動産所得者の平均所得金額は542.7万円でした。一方で、同年の給与所得者の平均所得は443万円(うち男性545万円、女性302万円)です。

それぞれの所得の平均を見ると「アパート経営でもサラリーマン並みには儲かるのでは?」と考える方は多いでしょう。ただし調査の対象は不動産所得者の全体であるため、複数のアパートを所有しているオーナーも含まれます。

実際には、利益が出ていないオーナーも一定数いるのが現状です。

参考:国税庁「申告所得税標本調査結果
   国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査

おわりに

「アパート経営で不労所得」を夢見る投資家がいる反面、実際の収益は立地などの条件に左右され、想定より利益が残らないケースも多いです。またアパート経営は、周辺環境の変化や家賃下落などさまざまなリスクを含んでおり、経験が少ない場合は安定的な儲けを出しづらい投資です。利益を出すためには、知識の吸収や競合の物件の分析などの努力が欠かせません。

想定よりも儲からないと感じたときには、まずは費用を見直して可能な範囲で削減することをおすすめします。「適切なリフォームや修繕で収支の改善を図る」「出口戦略として売却を選ぶ」など、今後の経営方針を検討しましょう。

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※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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