夏場の電気代、思っていたよりも高くて驚いた…そんな経験ありませんか?「熱中症も心配だし、快適にエアコンを使いたいけれど電気代が不安」という方も多いはずです。
でも、少しの工夫で「我慢せず」に電気代を抑えることは十分可能です。本記事では、すぐできるエアコン節電テクニックをわかりやすく解説します。暑い夏を快適に、そしておトクに乗り切りましょう。
夏場のエアコンによる電気代の負担はどれくらい?

まずは、なぜエアコンが電気代に大きく影響するのかを確認しましょう。
エアコンが家電の電力消費に占める割合
夏場の電気代が高くなる大きな理由の一つが、エアコンの使用です。資源エネルギー庁によると、夏場の家庭の電力消費のうちエアコンが占める割合は約25〜30%。
在宅時間が長かったり、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、一日中つけっぱなしになることも多く、電気代はさらに上がります。例えば1日10時間エアコンを使うと、月に3,000円〜5,000円も上乗せされることがあり、想像以上に家計の負担になっているケースも少なくありません。
電気代が高くなる主な原因
エアコンの電気代が高くなる主な原因は、以下のとおりです。
- 設定温度を下げすぎている
- 風量を常に「強」にしている
- フィルターがほこりで目詰まりしている
- 定期的なメンテナンスをしていない
特に、気を付けたいのは設定温度です。設定温度を1℃下げるだけで消費電力が13%増加するといわれています。また、フィルターが目詰まりしていると送風効率が下がり、余計な電力を消費してしまうので、こまめに掃除しましょう。
夏場のエアコン使用を最適化する7つの方法
ここからは、誰でもすぐ実行できるエアコンの節電術を紹介します。
夏場の最適な設定温度は?
環境省が推奨する冷房時の目安は「28℃」です。これは、熱中症リスクを抑えつつ省エネ効果も高められる、バランスの良い温度とされています。湿度が低い場合は、28℃でも体感的に十分涼しく感じられます。
扇風機や除湿機などを併用すれば、28℃設定でも快適に過ごせるでしょう。
風量・風向きの効果的な使い方は?

エアコンの風量は「自動運転」、風向きは「水平」または「やや上向き」に設定するのがおすすめです。冷気は下に沈む性質があるため、天井側から室内全体に冷気を送ることで効率よく冷やせます。風量を「自動運転」にすると短時間で設定温度に到達し、弱風でダラダラ運転するよりも省エネになります。
さらに、冷房効果を高めるにはカーテンや家具の配置にも注意しましょう。エアコンの吹き出し口をふさがないようにするだけでも、室内の冷え方が変わります。
タイマーと除湿モードの活用法

就寝時はタイマー機能を活用し、寝入りまで冷房を使って深夜は自動で停止する設定にすると、ムダな電力消費を防げます。ただし、タイマーが切れて寝苦しく夜中に目が覚めるようであれば、睡眠不足になる可能性もあるので、タイマーは適切に使用しましょう。
また、湿度が高い梅雨や蒸し暑い時期には「除湿(ドライ)」を利用するのもおすすめ。冷房より消費電力を抑えられる場合があり、快適さと省エネを両立できます。
フィルター掃除が節電に与える影響
フィルターにほこりが詰まると送風効率が下がり、設定温度へ達するまでに余計な電力と時間がかかってしまいます。資源エネルギー庁によると、エアコンのフィルターを月1〜2回掃除するだけで、年間約32kWh(約990円)もの電気代を節約できるとされています。
掃除の際は、フィルターを完全に乾かしてから装着しないとカビや臭いの原因にもなりますので、しっかり乾かしてから装着しましょう。
扇風機・サーキュレーターと併用するコツ
扇風機やサーキュレーターを使う際は、風を天井や壁に向けましょう。部屋にこもった熱が拡散し、冷気が全体に行き渡るため、エアコンの設定温度を高めにしても快適さを保ちやすくなります。
気流が生まれることで体感温度も下がるため、節電効果もアップ。風が直接身体に当たりすぎないように調整すると、快適に過ごせるでしょう。
遮光・断熱グッズで室温上昇を防ぐ

強い日差しが室内に入ると、壁や床が熱をため込んでしまい、室温が上昇しやすくなります。遮光カーテンや窓用の断熱フィルムを活用すれば、こうした蓄熱を効果的に抑えられ、エアコンの効率もアップします。どちらも取り付けが簡単なので、賃貸住宅でも気軽に導入できるのが魅力です。
在宅時間や家族の生活リズムに合わせた運転管理
家族それぞれの在宅時間に合わせて、冷やす部屋を時間帯ごとに使い分けるのも節電のコツです。午前はリビング、午後は子供部屋など、必要な場所だけ冷やせばムダな電力を抑えることができます。
また、スマートリモコンがあれば外出先からエアコンのオン・オフや温度変更ができます。切り忘れ防止にもなり、さらに効率的に節電できます。
おわりに
エアコンの温度設定、風量・風向き、タイマーや除湿、フィルター掃除、空気循環、遮光・断熱対策、運転管理――これら7つのポイントを意識するだけで、電気代は大きく下げられます。
まずは今夜から設定温度を28℃に近づけ、扇風機の併用を試してみましょう。週末にはフィルターの掃除もぜひ実践を。小さな工夫を積み重ねで、涼しさを保ちながら夏の光熱費をしっかりと節約できます。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。