リフォームや建て替えの際、「家の中の荷物をどこに置けばいいの?」と悩む方は少なくありません。家具や家電、季節用品など、大量の荷物を一時的にどこかへ預ける必要があるケースは多く、準備不足のまま着工を迎えると、思わぬトラブルや追加費用が発生することもあります。
本記事では、リフォームや建て替え中の荷物を一時預かりする際の選択肢や、それぞれの特徴、選び方のポイントをわかりやすく解説します。さらに、荷物の仕分けや保管準備の手順、失敗しないための注意点についても紹介しています。スムーズに工事を進め、安心して住まいの再スタートを迎えるための参考にしてください。
- リフォーム・建て替え時に荷物の一時預かりが必要になる具体的な理由がある
- トランクルーム、引越し業者、実家、仮住まい先など複数の保管方法から選択できる
- 保管サービス選択時は費用・契約期間・保管環境・セキュリティなどの確認が重要である
- 家具の仕分けから保管場所選定まで計画的な準備と手順が必要である

リフォーム・建て替え時に荷物の一時預かりが必要になる理由

リフォームや建て替え時に自宅に荷物を保管できなくなるケースは少なくありません。特に、仮住まいに移る場合、元の家よりコンパクトな物件になることが多く、「荷物が入りきらない」「生活スペースが圧迫される」といった問題が発生しがちです。
こうした課題を解決する手段として、有効なのが「荷物の一時預かりサービス」です。仮住まいにすべての荷物を持ち込むのではなく、一時預かりサービスを利用することで以下のようなメリットが得られます。
- 仮住まいの生活スペースを広く確保できる
- 直近で使う予定のない荷物は預けて、必要最低限ですっきり暮らせる
- 大切な荷物を安全な環境で保管できる
リフォームや建て替えは、家の中を見直す絶好のタイミングでもあります。この機会に不用品を整理し、本当に必要な物だけを残すことで、より快適な新生活につながります。
荷物の預け先・保管サービスの選択肢と特徴

リフォームや建て替えを行う際に多くの方が悩むのが、荷物の保管場所です。仮住まいに全ての荷物を持ち込む方法もありますが、広い部屋を借りる必要があり家賃や引っ越し費用がかさむ原因にもなります。
こうした時に便利なのが、荷物の一時預かりサービスです。工事期間中だけ荷物を外部に預けることで、保管場所の確保とコスト削減を同時に実現できます。
荷物の保管方法には以下のような選択肢があります。
リフォーム・建て替え時の荷物保管方法の比較
保管方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
トランクルーム | ・いつでも自由に荷物を出し入れできる ・契約期間を比較的柔軟に設定できる ・屋内型なら空調設備が整っている | ・自分で荷物を運搬・管理する必要がある ・月額利用料がかかる |
引越し業者の一時預かりサービス | ・引越し作業と並行して引き取り・運搬を依頼できる ・荷物が傷まないよう梱包した状態で保管 ・荷物量が少ない場合は料金がかからないこともある | ・自由に出し入れできない ・収納スペースに空きがなければ利用不可 ・繊細な管理を伴う荷物は断られる場合がある |
実家や親戚宅などへの一時保管 | ・費用がかからない ・預ける期間や量を調整しやすい | ・実家が遠い場合は困難 ・荷物を置くスペースが必要 |
仮住まい先での保管 | ・必要な時にいつでも荷物を取り出せる | ・部屋が手狭になりやすい |
保管期間や荷物の量、予算などの条件によって、最適な保管方法は異なります。例えば、工事期間が短く、荷物の量も少ない場合には、引越し業者の一時預かりサービスが便利です。一方で、長期間の保管が必要なケースや、保管中に荷物の出し入れを行いたい場合は、トランクルームのように自由に出入りできる施設が適しているでしょう。
トランクルーム
トランクルームは、自宅の収納スペースの延長として利用できる保管サービスです。リフォームや建て替え期間中、仮住まいに持ち込めない荷物を一時的に保管する場所として適しています。多くのトランクルームでは、営業時間内であれば自由に荷物の出し入れを行えるメリットがあります。特に屋内型であれば空調設備が整っており、衣類や家電などデリケートな荷物の保管にも安心して利用できます。
トランクルームの種類と特徴
種類 | 屋内型 | 屋外型 |
---|---|---|
特徴 | 室内をパーテーションで仕切った収納スペース | 屋外にあるコンテナを収納スペースとして活用 |
空調設備 | 完備している施設が多い | 基本的になし |
セキュリティ | 入退出管理システムや防犯カメラなど充実 | 屋内型より劣る |
アクセスのしやすさ | 建物内のため天候に左右されない | 車での乗り入れが可能 |
適した保管物 | 本、書類、洋服など繊細な管理が必要な物 | 重たい荷物、資材、工具、など |
料金目安(月額) | 1畳未満ロッカー:5,000〜7,000円 1畳未満ルーム:8,000〜17,000円 1〜2畳:20,000〜36,000円 | 2畳:〜10,000円 3畳:〜25,000円 |
広さ別の月額料金は地域や運営会社によって異なりますが、一般的に屋外型の方が屋内型より安価になります。
【トランクルーム利用時の注意点】
- 基本的に自身で荷物を運搬・管理する必要がある
- 初期費用として敷金・礼金・事務手数料などが必要な場合がある
- 運営会社によってセキュリティシステムの内容が異なる
- 屋外型は湿度や温度の影響を受けやすい
引越し業者の荷物預かりサービス
引越し業者の荷物一時預かりサービスは、リフォームや建て替え時のオプションサービスとして提供されています。引越し作業と同時に荷物を業者の倉庫へ運び、工事完了後に新居へ届ける仕組みです。荷物の引き取りから運搬、保管まで全て業者に任せられるため、手間を大幅に削減できるのが大きなメリットです。
荷物量が少なく、保管期間が短い場合は、引越し料金に保管費用が含まれるケースもあります。また、家具や家電は丁寧に梱包された状態で保管されるため、安全に預けることができる点も魅力です。
【サービス利用時の制限事項】
- 原則として、荷物の出し入れは不可(追加料金が必要な場合あり)
- 業者の倉庫に空きがない場合は利用不可
- 美術品や毛皮製品など繊細な管理を伴う荷物は断られる場合がある
- 新築やリフォームの場合に限定している業者もある
- 保管可能期間は数週間~最長半年程度が一般的
実家や親戚宅での保管
リフォームや建て替え時の荷物保管方法として、実家や親戚宅に預けることは最も経済的な選択肢です。特別な費用がかからないうえ、保管期間や荷物の量を柔軟に調整しやすいメリットがあります。建て替え予定地の近くに実家があれば、荷物の移動もスムーズに進めることができるでしょう。
ただし、実家や親戚宅が遠い場合は、荷物の運搬の手間や費用がかかるため注意が必要です。また、保管スペースが十分に確保できない可能性があるため、事前の確認と相談が欠かせません。
家族に荷物を預ける場合は、金銭的なお礼よりも感謝の気持ちを丁寧に伝えることが大切です。良好な関係を維持するためにも、保管期間の見通しや荷物の量についてあらかじめ説明し、相手の負担にならないよう配慮しましょう。
仮住まい先での保管
仮住まい先に全ての荷物を運び込む方法は、必要な時にいつでも荷物を取り出せるメリットがあります。トランクルームなど保管場所を別途契約する必要がないため、手続きが簡単で追加の管理費用もかかりません。
ただし、仮住まいは一般的に元の住まいより狭いため、家具や家電を持ち込むと生活空間が圧迫されるおそれがあります。生活スペースにゆとりがないと、工事期間中の暮らしにストレスを感じる原因になることもあるでしょう。
そのため、荷物の量に応じて仮住まいの広さを選ぶことが重要です。広めの仮住まいを借りることで、トランクルームなどの保管費用が不要になり、結果的にコストを抑えられる場合もあります。
保管サービスを選ぶときの確認ポイント

リフォーム・建て替え時に伴う荷物の保管方法を選ぶ際は、費用だけでなく、契約期間の柔軟性、保管環境、セキュリティ体制など、さまざまな要素を総合的に検討することが重要です。
特に、工期の延長リスクを見越して、各サービスの特徴を比較検討することで、最適な保管方法を選択できるでしょう。
費用・契約期間の比較
保管サービスにかかる費用には、初期費用(敷金・礼金・事務手数料)と月額料金があり、提供会社やサービス内容によって大きく異なります。
契約期間については、トランクルームは比較的柔軟に契約・延長できるケースが多く、工期が不確定な場合でも対応しやすいのが特徴です。一方で、引越し業者の預かりサービスは契約期間に制限があることが多く、延長には追加費用や再手配が必要になる場合があります。
保管環境(空調・セキュリティ)の確認
保管する荷物の種類によって、適した環境条件も変わります。衣類や家電、書類など温湿度管理が必要な荷物は、空調設備が整った屋内型トランクルームが安心です。
セキュリティ面では、入退出管理システムや防犯カメラなどの設備が充実しているかを確認することが大切です。運営会社によって設備や対応レベルが異なるため、実際に見学したり、詳細を事前に確認しておくことがトラブル防止につながります。
荷物の出し入れ・工期延長時の対応
荷物の出し入れの自由度は、サービスを選ぶ際の重要なポイントです。トランクルームは、営業時間内であれば自由に出し入れ可能な施設が多い一方で、引越し業者の預かりサービスでは原則として出し入れ不可、もしくは都度手数料が発生することがあります。
また、工期が予定より延びた場合の対応として、契約更新手続きと追加費用について事前に確認しておくと安心です。工期が伸びる可能性を考慮し、柔軟に対応できるサービスを選ぶことで、ストレスや追加コストを最小限に抑えることができます。
荷物を預ける前にやるべき家財整理のステップ

荷物の量を減らさずに一時預かりサービスを利用すると、より広い保管スペースが必要になり、結果的に高額な保管費用がかかってしまいます。また、リフォーム後の新しい住まいに不要なものまで戻ってきてしまい、「せっかくリフォームしたのに、結局ごちゃごちゃしている…」ということにもなりかねません。
リフォームや建て替えは、長年たまった家財を見直し、「今の暮らし」に本当に必要なものだけを選ぶ絶好の機会です。一時保管と不用品の整理・処分をセットで考えることで、コストを抑え、すっきりと快適な新生活をスムーズに始められます。
ここでは、家財整理を成功させるための具体的なステップをご紹介します。
使う/保管/処分の仕分けで荷物を減らす
まずは、家にあるすべての荷物を以下の3つに分類することから始めましょう。
- 仮住まいで使うもの
- 一時保管するもの
- 処分するもの
この仕分けで荷物の総量が減れば、ワンサイズ小さなトランクルームで済む可能性があります。さらに、引越しにかかる作業時間や必要な人員も少なくなるため、引っ越し料金を抑えることにもつながります。リフォーム後のすっきりした空間をイメージしながら、思い切って整理を進めるのがコツです。
不用品の処分方法
「処分するもの」に分類した不用品は、適切な方法で手放しましょう。主な方法は以下の通りです。
- リサイクル・買取サービス
まだ使える家具や家電、本などは、リサイクルショップの店舗持込や出張買取を利用すれば、処分費用をかけずに手放せる可能性があります。 - フリマアプリなど
時間に余裕があれば、フリマアプリで販売するのもよいでしょう。商品の撮影や発送の準備などに手間はかかるものの、リサイクル・買取サービスよりも高値で売れる傾向にあります。 - 自治体の粗大ごみ収集
買取などが難しいものや壊れているものは、自治体のルールに従って処分します。事前に申し込みや手数料が必要な場合が多いため、早めに計画を立てておきましょう。
家財整理のプロに任せるメリット
とはいえ、長年暮らしてきた家の荷物は膨大です。「何から手をつけていいか分からない」「仕事やリフォームの準備で忙しく、とても整理する時間がない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、一人で抱え込まずに家財整理のプロに頼る、という選択肢があります。
くらしのセゾンの「遺品整理・生前整理」サービスは、リフォーム時や建て替え時の「家財整理」の手助けとしても利用できます。専門スタッフがお客様の大切な家財を心をこめて整理・仕分けし、貴重品の捜索や不用品・廃棄物・リサイクル品・資源ごみの仕分けを行います。また、書類などの個人情報を含むものは適切に処理し、家財についても無断で売却・転売せず、必ずご依頼主の意向を確認したうえで丁寧に対応。情報の取り扱いやプライバシーへの配慮も徹底しており、グレーな業者との違いが明確です。
加えて、現地での無料調査・無料見積りにより、状況に応じた最適なプランをご提案。作業当日に立ち会えない場合でも、事前に仕分けのご希望を伺うことで、立ち会い不要の整理代行が可能。仕事や育児で忙しい方でも、安心してご利用いただけます。
生前整理・空家整理・リフォームにも対応しており、総合的な荷物整理のメリットを提供します。
【事例紹介】
「思い出は心に残して、今の暮らしを整える」家財整理事例
実際の利用事例では、離れて暮らすひとり娘さんからのご依頼で、認知症が進んだ母親の施設入居に伴う家財整理を実施しました。また、突然死での遺品整理では、事前の打ち合わせ通り、作業スタッフが一緒に捜索と仕分けをしてくれたことで、ご遺族の負担を大幅に軽減できました。

リフォーム・建て替え時の荷物預かりで失敗しないためのポイント

リフォーム・建て替え時に荷物の一時預かりサービスを利用する際、「想定外のトラブル」に直面するケースが少なくありません。例えば次のような失敗がよくあります。
- 何を預けたか把握しておらず、必要な物を探すのに時間がかかった
- 工事の進行が予定より遅れ、預けた荷物を予定通りに引き取れなかった
- トランクルームに預ける荷物の量が思った以上に多く、月額利用料が予定より高額になってしまった
こうしたトラブルを避けるには事前の準備が鍵です。以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 荷物の量を正確に把握しておく
あらかじめ預ける物の写真を撮ったり、リストを作成しておくと、「何をどこに預けたか」が明確になり、探し物をする手間が省けます。 - 工事スケジュールに余裕をもたせて契約期間を設定する
工期が延びる可能性も考慮して、契約延長が可能な預かりサービスを選ぶ、または1~2週間余裕を持って契約すると安心です。 - 家の中の物を整理しておく
荷物を預ける前に、不要な物を処分したり、使わない季節物を選別しておくと、保管する物量が減り、費用や手間の軽減にもつながります。
おわりに
リフォーム・建て替え時の荷物保管は、「どこに預けるか」だけでなく「どのように準備するか」を押さえておくことが成功の鍵となります。トランクルームや引越し業者、実家での保管など、さまざまな選択肢がありますが、大切なのは「自分に合った方法」を見極めること。さらに、荷物の仕分けや保管計画を早めに立てておくことで、余計な出費やトラブルを回避できます。事前の準備と計画的な荷物整理により、快適でスムーズなリフォーム期間を過ごせるでしょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。