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節約×安全×時短!手作り掃除用品のコスパを検証してみた

節約×安全×時短!手作り掃除用品のコスパを検証してみた
北原 円香 (CROCO_コラム企画ライター)

執筆者

北原 円香

主婦・元保育士。現在は育児とライター業、SNSでの発信に奮闘中。暮らしにまつわる情報をInstagramで発信しながら幅広い分野の記事を執筆しています。「シンプルで心地よい暮らしに整える」が日々のモットー。忙しい毎日でもちょっとした工夫や気づきを大切に暮らしています。

家計にやさしく子どもにも安心と話題の手作り掃除グッズですが、「本当に節約になるの?」「効果や衛生面は?」と気になる方も多いでしょう。

この記事では、手作り掃除用品の材料費や効果、安全性について市販品と徹底比較し、本当のコスパを検証します。手作り掃除用品の実力が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

本当に安くて安全?重曹・クエン酸・過炭酸ナトリウムのコスパを徹底検証

ここでは、手作り掃除用品でよく使われる「重曹・クエン酸・過炭酸ナトリウム」の費用や使い勝手、安全性などについて解説します。

材料費は市販品より安い?1回あたりのコストを比較

材料費は市販品より安い?1回あたりのコストを比較
100円ショップやドラッグストアで手軽に入手可。少量ずつ使えるから、1回あたりのコストを抑えやすい。

重曹・クエン酸・過炭酸ナトリウムは、ドラッグストアや100円ショップ、ネット通販などで手軽に購入できるため、コスト面で非常に優れた掃除用品です。

例えば、重曹は100円ショップで250g入りが110円程度で販売されており、1gあたり約0.44円です。5gを掃除1回分とした場合、1回あたり約2.2円です。クエン酸や過炭酸ナトリウムも同様に100円ショップで手に入り、使用量を5gとした場合でも1回あたりのコストはそれぞれ約3〜5円程度に抑えられます。

一方、市販の多目的クリーナーは1本あたり300~500円程度で販売されており、20~30回分使用できると仮定しても、1回あたり約10~25円のコストがかかります。

そのため、重曹・クエン酸・過炭酸ナトリウムを汚れの種類に応じて使い分けながら掃除を行えば、市販品よりもコストを抑えることが可能です。

混ぜるだけじゃない!手作りの手間と保存性をチェック

手作りの掃除用品は「混ぜるだけで簡単」と思われがちですが、実際には意外と手間がかかる一面もあります。例えば、スプレーボトルを用意して粉末を溶かしたり、水で希釈・保存する作業は、慣れていない方にとっては負担に感じることもあるでしょう。

また、保存にも注意が必要で、それぞれ使用期限があります。

  • 重曹水:最大で約2ヶ月
  • クエン酸水:1〜2週間以内
  • 過炭酸ナトリウム:できるだけ早く(1週間以内を目安)

上記使用期限はあくまで目安です。清潔な容器に作成日を明記し、冷暗所保管することが基本です。臭い・濁り・沈殿が気になれば使用せず破棄してください。

手作り掃除用品は防腐剤などが含まれていないため、必要に応じて作り直す必要があります。時短を重視する方にとってはデメリットになることもあるでしょう。

使い方を間違えると逆効果?効果・安全性・衛生リスクの注意点

「自然素材=安全」というイメージがありますが、使い方を誤るとリスクを伴うこともあります。

例えば、重曹とクエン酸を混ぜると発泡はしますが、除菌効果はありません。そのため、汚れが十分に落ちていないのに掃除したつもりになってしまい、菌や油汚れが残ってしまうケースもあります。

また、過炭酸ナトリウムは高濃度で使用すると手肌を傷める可能性があるため、使用時には手袋の着用が推奨されます。

このように、自然素材であっても誤った使い方をすれば安全面や衛生面でリスクが生じる可能性があるため、用途や濃度を正しく理解したうえで安全に使うことが大切です。

作業時は手袋を着用し、必ず換気をするこることも大切です。皮膚トラブルを感じたら直ちに使用を中止してください。

コスパで選ぶ!場所別おすすめレシピと節約効果のリアル

ここでは、キッチン、バス・トイレ、リビングの3つに分けてそれぞれに適切な洗剤レシピを紹介します。

安全でコスパ良く、きれいに仕上げられるよう心がけましょう。

キッチン:油汚れに強いレシピとコストの目安

キッチンの油汚れには、重曹水スプレーが効果的でおすすめです。

作り方はシンプルで、水200mlに重曹小さじ2(約10g)をよく溶かし、スプレーボトルに入れるだけ。しっかり溶けたことを確認すれば、すぐに使えます。

キッチン:油汚れに強いレシピとコストの目安_1
重曹スプレーはよく溶かしてから。油汚れに吹き付け、拭き取りで日々の掃除が時短に。

コンロや換気扇、調理台などの油汚れに直接スプレーし、布やスポンジで拭き取ればしつこい油汚れもすっきり落とせます。

キッチン:油汚れに強いレシピとコストの目安_2

また、頑固な汚れには重曹を少量の水でペースト状にしてこすり洗いすることで、クレンザーのような働きをし、汚れをより落としやすくなるでしょう。

重曹やスプレーボトルは100円ショップで手に入るため、コスパ良く掃除ができるでしょう。

ただし、重曹はアルミや銅を黒変させることがあります。また、クエン酸は水道の蛇口の水垢には有効ですが、大理石など石材に使用できません。初めて使う場合には、目立たない所で試してからにしましょう。

バス・トイレ:カビ・水垢対策と市販品との使い分け

バス・トイレのカビや水垢対策には、手作り洗剤と市販品を使い分けることが大切です。

日常的な皮脂汚れや軽いカビには、水200mlに重曹小さじ2を溶かした重曹スプレーが手軽で安全に使えます。また、蛇口や鏡に付着する水垢や尿石などのアルカリ性の汚れには、水200mlにクエン酸小さじ1を溶かしたクエン酸スプレーが効果的です。

バス・トイレ:カビ・水垢対策と市販品との使い分け
水垢にはクエン酸。頑固な黒カビは市販の塩素系で短時間処理—“混ぜない・続けて使わない”が鉄則。

さらに、浴槽の黒ずみやカビ予防には40℃程度のお湯に過炭酸ナトリウム1Lあたり5〜10g程度を溶かして1〜2時間程度つけ置き洗いをするのが有効です。

ただし、これらの洗剤で落ちにくい黒カビや水垢には、市販の塩素系カビ取り剤や強力なクリーナーを使う方が、短時間で効率的に汚れを落とせます。

目的に応じて手作り洗剤と市販品を賢く使い分けることで、バス・トイレを清潔に保ちつつ手間やコストも最小限に抑えられるでしょう。

掃除の際の注意点としては、クエン酸など酸性の洗剤と、塩素系カビ取り剤は絶対に混ぜない/同時使用しないということです。有害ガス発生のおそれがあり危険です。

リビング・床掃除:頻度が多い場所こそ節約メリット大

リビングや各部屋の床は使用頻度が高く掃除の回数も多いため、洗剤代が意外とかさみます。

そこでおすすめなのが、水200mlに重曹小さじ2を溶かした重曹スプレー。

リビング・床掃除:頻度が多い場所こそ節約メリット大
床やテーブルは二度拭きで仕上げ。頻度の高い場所ほど手作り洗剤の節約メリットが活きる。

床やテーブル、子どものおもちゃ周りにも使いやすい一方、使用後は水拭きで仕上げましょう。1回あたり約2〜3円と経済的です。

市販のクリーナーを毎日使うよりも月単位・年単位で見れば大きな節約になるため、掃除頻度の高い場所こそ、コスパ重視で手作り掃除用品を活用するのがおすすめです。

おわりに

手作り掃除用品は、材料費が安く高コスパです。特に軽い汚れや頻繁に使う場所では節約効果が大きく、健康や安全を重視する家庭に向いています。

ただし、すべての掃除を手作り洗剤でまかなうのは現実的ではありません。市販品の強みを理解しつつ、自分の生活スタイルに合わせて上手に併用することが一番の節約術となるでしょう。

エコや安全だけでなく、コスパと手間・リスクまで加味したうえで、自分に合った掃除スタイルを見つけてください。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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