「ベランピング」とは、“ベランダ+グランピング”を組み合わせた言葉で、外出せずに手軽にアウトドア気分を味わえる新しいスタイル。そして、冬のベランピングは、寒い季節ならではの澄んだ空気や星空を楽しみながら、自宅のベランダを特別なアウトドア空間に変える楽しみ方です。
毛布やランタン、温かい飲み物など、少しの工夫で寒さを気にせず快適に過ごせます。
この記事では、防寒対策や必須アイテム、食事や演出のアイデアまで、初心者でも安全に楽しめる冬のベランピングのコツを紹介します。
寒いからこそ、心地いい。冬のベランピングの特別な魅力

ベランダを第二のリビングとして楽しむベランピング。四季の移ろいを肌で感じられるのが魅力ですが、冬こそ、その楽しみをより一層味わえる季節です。しっかり防寒対策をすれば、冬の澄んだ空気はむしろ心地よいスパイスに。冬のベランピングにはどのような魅力があるのでしょうか?
澄み渡る夜空は、天然のプラネタリウム
冬は空気が澄み渡り、夜空の星がよりくっきりと輝きます。街の喧騒から離れ、自宅のベランダで温かいブランケットにくるまりながら星を眺める時間は、まるで自然の中にいるよう。寒い夜ほど、温もりのある光や音、香りが際立ちます。
室内キャンプとは違う開放感
ベランピングの醍醐味は、やはり「外の空気」を感じられること。窓一枚を隔てるだけで、空気の温度や音の響き方がまったく違います。室内キャンプでは味わえない、冬の風の心地よさや夜の静けさが、非日常感を演出してくれます。
防寒対策をしっかり行えば、寒さは「敵」ではなく「演出」の一部に。寒さを楽しむ時間へと変わります。
冬でも快適に過ごす準備と必須アイテム

寒さの中で快適に過ごすには、事前の準備がすべて。防寒と安全性を意識すれば、冬でも快適なベランピングが楽しめます。寒さ対策と、非日常感を味わえる、冬のベランピングを楽しむ必須アイテムを見ていきましょう。
身体を芯から温める、徹底した防寒対策
まず基本となるのが、身体の熱を逃さないこと。特に冷えやすい「首・手首・足首」の“三首”を重点的に温めるのが鉄則です。
お気に入りのフリースやダウンポンチョを羽織ったら、足元は厚手のソックスと防寒スリッパで固めましょう。これだけでも体感温度は大きく変わります。
さらに、昔ながらの「湯たんぽ」を膝に乗せれば、じんわりと優しい温もりが体に広がります。もっと手軽さを求めるなら、ポータブル電源で使えるUSB式の「電気ブランケット」が強力な味方に。スイッチひとつで、ぬくもりの世界へ連れて行ってくれます。
風が気になる日は、市販のウィンドスクリーンや透明なビニールシートで風よけを作ると快適な空間が生まれます。
居心地の良さは床から。快適な座席とテーブル
ベランダの床から伝わる冷気は、体感温度を大きく下げる原因です。快適な空間作りの第一歩は、地面からの冷えをシャットアウトすることから始まります。
まずは床に厚手のラグやアウトドア用の断熱マットを敷きましょう。その上にローチェアや大きめのクッションを置き、さらにブランケットを重ねれば、見た目にも暖かく、座り心地も抜群な特等席の完成です。
テーブルは、座った時に使いやすいローテーブルがおすすめ。特に温かみのある木製のものを選ぶと、次に紹介するランタンの灯りとも美しく調和します。使わない時は収納できる折りたたみ式なら、スペースを有効活用できます。
非日常を演出する照明器具
日が落ちてからのベランピングの主役は、なんといっても「灯り」です。暖色系の光は、空間を温かく包み込み、心を落ち着かせる効果があります。
安全で手軽な「LEDキャンドル」は、本物の炎のように揺れるタイプを選ぶと雰囲気満点。手すりや植物に「ガーランドライト」を巻きつければ、空間全体が一気に華やぎ、まるでおとぎ話の世界のよう。
本格的な雰囲気を楽しみたいなら、レトロなデザインの「オイルランタン」も素敵です。複数の照明を組み合わせれば、光に奥行きが生まれます。
冬のベランピングを楽しむアイデア

冬のベランピングを魅力的な時間にするには、ただベランダで過ごすだけでなく、「五感で季節を感じる工夫」を少し取り入れることがポイントです。ここからは、そんな「冬の夜をもっと楽しむための工夫」をテーマに、心も身体も満たされるベランピングの3つのアイデアをご紹介します。
“温かさ”をごちそうに。心も体も満たすフード&ドリンク
食べ物と飲み物の温かさが、寒い夜の最大のごちそうです。簡単にできるおすすめメニューをいくつか紹介します。
- ホットチョコレート+マシュマロ:甘い香りと温もりが幸せな時間を演出。
- スープジャー鍋:事前に具材を入れておけば、ベランダで温かいスープをすぐ楽しめます。
- カップフォンデュ:チーズやチョコを小鍋で溶かして、パンや果物をディップ。
- ホットワインやゆず茶:香りが立ち上るドリンクは、身体だけでなく心も温めてくれます。
ポータブルコンロがあれば楽しみはさらに広がりますが、火の取り扱いと換気には十分注意して、安全に楽しみましょう。
おしゃれな演出でリラックス
空間づくりにこだわると、いつものベランダが一気に「非日常」へ。冬らしい素材やカラーを取り入れるのがポイントです。
例えば、椅子にふわふわのファー素材のラグを掛け、温かみのあるチェック柄のウールブランケットを用意するだけで、見た目にもぬくもりが生まれます。火を使わないLEDのアロマキャンドルを灯し、お気に入りのハーブミストをひと吹きすれば、心地よい香りが空間を満たします。
BGMには、静かなジャズや焚き火の音を小さく流してみれば、柔らかい光と音、そして香りに包まれれば、そこはもうあなただけのプライベートリゾートです。
家族や友人と楽しむアクティビティ
大切な人と一緒なら、ちょっとしたアクティビティで忘れられない思い出を作りませんか?アナログなボードゲームやカードゲームは、会話が弾むきっかけに。夜空が綺麗なら、スマートフォンアプリを片手に星空観察を。冬の星座の物語に、きっと誰もが引き込まれるはずです。
照明や小物にこだわってフォトジェニックな空間を作れば、素敵な写真が撮れること間違いなし。クリスマスや年末年始には、ベランダにイルミネーションを飾るのも素敵です。
冬のベランピングを安全に楽しむためのポイント

冬のベランピングは、寒さや火の取り扱いなど、季節特有のリスクに気をつける必要があります。快適さだけでなく「安全」も意識することで、安心してベランダ時間を楽しむことができます。
ここでは、事前に確認しておきたい安全のポイントを整理して紹介します。
事前のチェックと小さな工夫で、冬のベランピングはぐっと安全に、そして安心して楽しめるようになります。寒い季節こそ、安全を意識しながら自分らしいベランダ時間を満喫しましょう。
防寒対策と体調管理
長時間外にいると、気づかないうちに体が冷えてしまうことも。こまめな水分補給や温かい飲み物で身体を内側から温めましょう。
また、冷えすぎたと感じたら、無理せず一度室内に戻るのも大切です。ベランダと室内を行き来できるのは、ベランピングの強みでもあります。
火器や灯りの取り扱い
ランタンやキャンドル、ポータブルストーブを使うときは、風で倒れないよう安定した場所に設置します。特に火を使うキャンドルは、風防付きのホルダーや耐熱トレーを使うと安心です。
電気ブランケットやヒーターなどの電気製品を使用する場合は、コードの位置や延長ケーブルの扱いにも注意し、転倒やショートを防ぎましょう。また、ベランダは密閉空間ではないものの、火器の使用時は換気を十分に行い、一酸化炭素中毒の危険を避けてください。
ベランダ環境のチェック
ベランダは建物の構造によって耐荷重や防火基準が異なります。火器や電源機器の使用が許可されているか、管理規約を必ず確認しましょう。
また、冬は床が結露や霜で滑りやすくなるため、マットや断熱シートを敷いて安全を確保します。手すりの近くには物を置かず、転落や落下事故を防ぐ配置を心がけましょう。
照明や延長コードの使用
照明器具を設置する場合は、防水・屋外対応のものを選ぶのが基本です。電飾やライトを使うときも、コンセント周りが濡れないように注意し、使用後は必ず電源を切ります。
また、ケーブルが足元に散らからないよう、まとめて固定しておくと安心です。
緊急時の備え
突然の強風や雨、気温の急変にも対応できるよう、すぐに片付けられる準備をしておきましょう。防寒具やブランケットは室内にすぐ持ち込めるようにし、使用後の火器は完全に消火を確認してから片付けます。
「短時間でも、しっかり準備して安全を守る」ことが、冬のベランピングを快適に続けるコツです。
まとめ:冬のベランピングで特別な時間を

冬のベランピングは、少しの準備と工夫で自宅にいながらアウトドア気分を味わえる過ごし方です。防寒対策をしっかり行い、照明やインテリアを工夫すれば、寒さの中でも快適で居心地の良い空間が作れます。
ホットドリンクやあたたかい料理を取り入れたり、ランタンやブランケットで雰囲気を整えたりするだけで、ベランダがリラックスできる特別な場所になります。
また、火の取り扱いや防寒などの安全対策を意識することで、安心して楽しむことができます。寒い季節だからこそ、自宅のベランダで過ごす時間を少し工夫してみましょう。
手軽にできて、日常の気分転換にもぴったりな冬のベランピング。自分のペースで、無理なく快適に、冬のアウトドア時間を楽しんでみてください。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。