「実家の固定電話、もう使ってないのに料金だけ払っている…」と感じたことはありませんか?
固定電話を見直すだけで、年間約2万円の節約になることもあります。この記事では、固定電話の費用の仕組みから解約後の影響、代替手段までをわかりやすく解説。通信費を見直して、家計のムダをスマートに減らしましょう。
固定電話の基本料金年2万円は高い?安い?

固定電話を使う機会が減っている今、年間で約2万円の基本料金を支払うのに疑問を感じることも。料金の内訳や固定電話の役割をふまえ、あらためて検討してみましょう。
NTT基本料金1,870円×12ヶ月の内訳と通話料の実態
NTTの固定電話(アナログ回線)は月額1,870円。利用の有無にかかわらず費用が発生し、年間では約22,000円になります。通話料金は全国一律で3分9.35円(税込)に設定され、シンプルな料金体系となっています。また、2026年4月から料金改定となります。あまり使わない家庭では、固定費がかさむためこの機会に見直しを検討してもよいでしょう。
なおインターネットの光回線を利用しているならオプションでひかり電話(月550円程度)を契約し、そのまま固定電話番号を使うことも可能です。
解約してもネット回線はそのまま使える仕組み
固定電話とインターネット回線は別契約のため、固定電話を解約してもネットはそのまま利用できます。ただし、セット割などの特典がある場合は事前に契約内容を確認しましょう。
例えばNTTの「ひかり電話」を解約しても、光回線そのものの契約が続いていればインターネット接続には影響がありません。
ただし固定電話とインターネット回線をセットで契約しているケースでは、割引などの特典が適用されていることがあります。解約前に契約内容を確認しておくと安心です。
迷惑電話は減るが緊急時の連絡先をどうするか
固定電話を解約すると、勧誘や迷惑電話が減る傾向にあり、特に高齢者にとっては安心感につながります。
ただし、緊急通報の面では注意が必要です。固定電話からの通報は発信元の住所が自動的に通知されるため、警察や救急の対応がスムーズに進みます。一方で、携帯電話からでも通報は可能ですが、電波状況やバッテリー切れなど、いざというときの不安要素もあります。
そのため、解約を検討する際は、家族全員が携帯電話を持つか、IP電話を併用するなど、緊急時に備えた環境を整えておくことが重要です。
固定電話なしでも困らない3つの代替方法

今では固定電話がなくても、多くの家庭で支障はありません。コストを抑えながら利便性を保てる代替手段を紹介します。
今の電話番号を携帯に移す「番号ポータビリティ」とは
03や06などの固定電話番号をスマホでそのまま使いたい場合は、「番号ポータビリティ(番号移行)」サービスを利用できます。利用には専用サービスへの契約が必要で、初期費用と月額料金が別途かかります。
ただし、移行できるのは一部の大都市の市外局番に限られ、地域によっては対応していない点に注意が必要です。個人でも利用できますが、実際は店舗や事業者の利用が中心です。
月300円で固定電話番号が持てるIP電話アプリ
固定電話番号は引き継げませんが、月300円前後で「050」番号を取得できるIP電話アプリがあります。スマートフォンからの発着信が可能で、インターネット回線を使うため通話料が安く、工事不要で手軽に始められます。
ただし、通話の品質はインターネット回線の状況に左右されやすく、緊急通報やフリーダイヤルには対応していないことが多いため、用途に応じて注意が必要です。
高齢者も使いやすいシニア向けスマホへの移行手順
固定電話の代わりにスマホを導入するなら、「シニア向けスマホ」がおすすめです。大きな文字や簡単操作で扱いやすく、スマホに不慣れな人でも扱いやすいのが特徴です。
よく使う連絡先をあらかじめ登録しておき、緊急連絡先用の発信ボタンを設定しておけば万一のときにも安心です。また、かんたんモードの設定や文字サイズの調整、迷惑電話対策機能の活用なども合わせて行うと良いでしょう。
近年は月額1,000円以内で使える格安SIMも登場しており、端末さえ用意すれば初期費用を抑えてスマホ生活を始めることが可能です。
高齢者に固定電話を残すのも選択肢の一つ
高齢者にとっては、固定電話を残すことが安心につながるケースもあります。例えば災害や停電時でも使える安定性や予測しやすい通話料金、受話器を取るだけというシンプルな操作性などは、特に高齢者にとって重要なポイントです。
見守りサービスや家族との定期的な連絡手段としても、固定電話はまだまだ有効です。高齢の家族が新しい機器に不安を感じる場合は、固定電話を残すのも現実的です。災害時や停電時でも使える安定性は、今も大きな安心材料になります。
ただし、すべての固定電話が停電時に使えるわけではないので注意が必要です。電話線から給電できるタイプの固定電話に限ります。また光回線の場合には停電時は利用できません。災害時や停電時の利用を想定しているのであれば、現在使用している固定電話が使用できるかどうか確認しておきましょう。
おわりに
固定電話の維持費は年間で約2万円。番号ポータビリティやIP電話、シニア向けスマホを活用すれば、大幅な節約も可能です。
一方で、高齢者の安心感を優先して残す選択も現実的。家族の状況に合わせて、最適な通信スタイルを選びましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。