非課税で投資できるNISAは、今や世代を問わず多くの方に利用されています。投資期間に制限はないため、何歳からでも始められます。「口座開設に手間がかかるのではないか」「なかなか面倒で時間が取れない」という方もいると思いますが、ネットで簡単に手続きが可能です。
そこで本記事では、ネットでの口座開設の流れを紹介します。金融機関によって異なる部分もありますが、大きな流れは変わりませんので、参考にしてみてください。
NISAは何歳からでも始められる

NISA(少額投資非課税制度)は、利益が非課税になる制度です。
積立投資に適した「つみたて投資枠」と、上場株式の売買もできる「成長投資枠」に分かれており、投資額は年間で合計360万円、生涯で1,800万円となっています。
(※本記事公開時点の制度内容です。制度改正により変更される可能性があるため、最新の情報については金融庁の公式サイト等でご確認ください)
18歳以上が利用できる制度で、年齢の上限はありません。50歳以降で始めたとしても、長期にわたって運用を続けられます。
金融庁の「NISA口座の利用状況」(令和6年12月末時点確報値)によると、NISA利用者のうち約52%が50歳以上だとわかります。
「NISAをやってみたいけど難しそう」と感じている方は、まずは口座開設だけでもやってみてください。開設だけならお金もかかりませんし、手続き自体は最短10分ほどで完了します(ただし、各金融機関の審査状況やeKYC要件により所要時間は変動し、「最短」はあくまで目安となります)。
ネット証券ならいつでもどこでも開設可能

NISA口座を開設できる金融機関は、主に銀行・店舗型証券・ネット証券の3つです。どこで開設しても非課税で投資できることに変わりはありませんが、取扱商品数や最低積立投資額、サポートには差があります。
最近では、場所や時間を問わずに手続きできるネット証券が主流になってきました。スマホやパソコンで手軽に口座開設の申し込みや売買取引ができるのは大きなメリットでしょう。対面での相談窓口がないと不安に思う方もいるかもしれませんが、チャットや電話でのサポートが充実しています。
銀行や店舗型証券で開設する場合には、店頭窓口に行って手続きをします。基本的には、マイナンバーがわかる書類と本人確認ができる書類があれば、その場で申込書の記入と署名、捺印で申し込み完了となります。店舗での対応可否や営業時間は、あらかじめ確認しておきましょう。
![[図表]ネット証券、店舗型証券、銀行でNISA口座を開設する場合の比較](https://life.saisoncard.co.jp/wp-content/uploads/2025/11/b758ecd8cc4eaab896cae4cbc2154601.jpg)
50代以降でも、スマホを持っている方はネット証券で開設される方が増えています。
ネットでの手続きに不安がある方は、預金口座を持つ銀行で開設する方が多い印象です。とくに、これまで投資をしたことがない方にとっては、証券会社よりも銀行のほうが身近で、ハードルが低いのではないでしょうか。
ただし、一般論として銀行のNISAは取扱商品数に限りがあること、上場株式やETF(上場投資信託)が購入できないこと、最低投資額がネット証券よりも高めであることには留意しておきたいですね。
※取扱商品は各金融機関により異なり(提携証券経由での取り扱いがある場合もあります)、詳細は各社の最新の取扱商品をご確認ください。
用意するのはスマホとマイナンバーカードだけ

申し込みをする金融機関を決めたら、さっそく口座開設の手続きをしてみましょう。ネット証券の場合はWebでの手続きしかできませんが、店舗型証券でもWebで申し込みできるケースがほとんどです。
いつでもどこでも申し込みができるため、ここではWebでの手順を紹介します。金融機関によって違いはありますが、大きな流れは同じと思っていただいて問題ありません。
なお、パソコンからもアクセス可能ですが、本人確認の際にスマホのカメラを使用するため、最初からスマホで進めたほうが簡単です。手順は3ステップで、最短10分程度で申し込み手続きは完了するので、ぜひ実際に手続きしてみましょう。
STEP①スマホとマイナンバーカードを用意する
マイナンバーカードがない場合は、運転免許証などの本人確認書類とマイナンバー通知カードをお手元に用意します。マイナンバーカードがなくても口座開設はできますが、マイナンバーの入力は必須となります。
STEP②本人確認
スマホのカメラでマイナンバーカードまたは本人確認書類を撮影します。
自動でカメラが起動するので、画面上に出てくる目印の枠に収めて、見切れたり、光の反射で文字が消えたりしないように注意して撮影してください。
次に、本人確認のため、自分の顔を撮影します。こちらも画面上の目印の枠に顔を収めるように撮影しましょう。
顔写真を撮影したくない場合やできない場合には、別途本人確認書類を郵送するなどして対応できる金融機関もありますが、手間がかかりますので、その場で撮影してしまったほうが効率的です。
STEP③必要情報を記入する
氏名・住所・職業・投資経験などを入力する欄が出てきますので、指示に従って入力していきましょう。
なお、NISA口座とともに「一般口座」か「特定口座(源泉徴収あり)」か「特定口座(源泉徴収なし)」のいずれかの開設が必要です。これらは運用益に税金がかかる口座のため、開設は必須ですが、利用しなくても問題ありません。
それぞれ、投資を行ったときの年に一度の手続きが異なりますが、一般的な利便性の観点から「特定口座(源泉徴収あり)」が選ばれることが多いです。
※最適な口座区分は個々の税務状況により異なりますので、最終的な判断は各自で行い、必要に応じて税理士等の専門家にご相談ください。
![[図表]NISA口座開設の流れ](https://life.saisoncard.co.jp/wp-content/uploads/2025/11/d5f37ab303c04e1e358e3e2285dc68d4.jpg)
以上で申し込みは終了です。
審査(税務署の確認など)では、撮影した写真が鮮明に写っているか、書類と顔写真に齟齬がないか、他の金融機関でNISAを利用していないか、といったことが確認されます。
問題がなければ、最短翌営業日から投資が可能になります(審査状況により所要時間は変動し、「最短翌営業日」はあくまで目安となります)。
必要事項の記入の際に、連携することができる銀行口座の開設や信用取引口座の開設、クレジットカードの申し込みを同時に行うかどうか尋ねられる項目があります。
銀行口座は投資額の入出金において便利なため、あってよいと思いますが、NISA口座を開設した金融機関の預金口座でなくても入出金は可能です。無料で開設できるうえ、手数料無料で資金移動がスムーズに行えるなどの利点もあるため、このタイミングで作成してもいいかもしれません。
クレジットカードも新たに作る必要はありませんが、金融機関が指定するカードで積み立てるとポイントがつくというメリットがあるので、作成してもいいでしょう。信用取引口座やFX取引口座などはリスクの高い投資をする口座のため、基本的には不要です。
いずれにしても、NISA以外の申し込みをする際には別途手続きや審査が必要な場合もあるため、迷ったら「NISAだけ」開設すればOKです。
商品購入の設定まで済ませておこう

審査が完了すると、ログインIDとパスワードがメールで送られてきます。メールに記載のURLからログインして初期設定を行いましょう。引き落とし先の銀行口座の登録や、勤務先の情報を記入します。
また、投資信託の積立投資なら、一度設定してしまえば自動的に定期定額で実行されます。初期設定のタイミングで済ませておきましょう。
最初の設定も簡単です。まずは購入したい商品を検索し、商品ページへ移ります。次に「NISAで購入する」を選んで、投資タイミング(毎月か毎週か、など)と金額を入力するだけで完了です。
金融機関の変更について質問を受けることも多いのですが、変更自体は可能です。ただし、NISAはひとり1口座までと決められています。変更したい年の前年10月1日から当年9月末までに手続きを完了する必要があります。
ただし、その年に一度でも投資をしていると、年の途中では変更できません。
その場合、翌年分は当年10月から12月の間に変更手続きをするのが目安となります。運用実務・期日運用は各社の手続きで差異がありますので、詳細は各社でご確認ください。また、変更前の金融機関で運用を続けることはできますが、移管はできない点に注意しましょう。
過去に「つみたてNISA」を利用していた場合には、一般的に同じ金融機関に新しいNISA口座が自動で開設されています。「つみたてNISA=現在のNISAのつみたて投資枠」ですので、そのまま運用を続けても問題ありません。
おわりに
NISAに年齢上限はなく、50代以降でも使いやすい制度といえます。口座開設を手間に思う方もいるかもしれませんが、ネット証券なら場所や時間を問わず、スマホから簡単に手続きできます。マイナンバーカードさえあれば、最短10分程度で手続きは完了します。
口座開設だけなら無料でできるので、投資の第一歩として、まずは申し込みだけでもしてみてはいかがでしょうか。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。