カードローンを利用している人は、実際どのくらいいるのでしょうか。本記事では、統計データをもとにカードローン利用者の年代や職業、借入理由を詳しく解説します。「カードローンを使うのは特別なこと?」と不安に感じている方や、急な出費への備えを検討中の方にとって、計画的な利用のヒントが得られます。
- カードローン利用者は成人人口の約1割で、約1,124万人が現在借入残高を持っている
- 男性の方が女性より利用意向が高く、特に20代男性の利用意向が最も高い
- 最も多い借入理由は「生活費の補填」で、次いで「趣味・娯楽」「冠婚葬祭などの急な出費」となっている
- カードローンは消費者金融系・銀行系・信販系の3種類があり、それぞれ金利や融資スピードが異なる
- 返済計画を立てる際は借入額を年収の3分の1以内、毎月の返済額を収入の3割以下に抑えることが推奨される


カードローン利用者の実態は?データで見る全体像

カードローンの利用者数や利用意向について、具体的な統計データをもとに全体像を把握していきましょう。利用者の属性や職業別の特徴を知ることで、カードローンが決して特別なサービスではなく、幅広い層に活用されている実態が見えてきます。
利用者数と利用経験者の割合
金融庁の調査によると、貸金業からの借入経験者は約10人に1人の割合にのぼります。さらに、株式会社シー・アイ・シー(CIC)が公表している2025年9月度の貸金情報統計概況では、残高有人数は1,124万人となっており、これは成人人口の約1割に相当します。
残高有人数とは、貸金業者から現在借入をしている人の数を指します。つまり、現時点で返済中の借入残高がある人が1,124万人いるということです。
これらの具体的な数値データからわかるように、カードローンは決して珍しいものではなく、意外と身近なサービスであることがわかります。多くの人が生活のさまざまな場面で、計画的にカードローンを活用しているのです。
参考:株式会社シー・アイ・シー|2025年9月度 貸金情報統計概況
男女別・年代別の利用意向
全国銀行協会の調査によると、男性のほうが女性よりもカードローンの利用意向が高い傾向にあることがわかります。
なお、ここで示すのは「利用意向」であり、実際の利用率ではない点に注意が必要です。
年代別に見ると、男女ともに20代の利用意向が最も高く、特に20代男性では29.9%に達しています。以下の表で、年代別の銀行カードローンの借入利用意向を詳しく見ていきましょう。
【年代別】銀行カードローンの借入利用意向
| 年代 | ①必要があれば、積極的に利用したい(%) | ②必要になった場合は、借入先のひとつとして考える(%) | ③借りたくはないが、借入先が他になければ利用する可能性がある(%) | ④必要があっても絶対に利用しない(%) | 意向あり・計 (①+②)(%) | 意向なし・計 (③+④)(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 男性全体 | 6.4 | 17.6 | 26.3 | 49.7 | 24.0 | 76.0 |
| 女性全体 | 3.3 | 14.3 | 25.7 | 56.7 | 17.6 | 82.4 |
| 男性20代 | 8.7 | 21.2 | 21.3 | 48.8 | 29.9 | 70.1 |
| 男性30代 | 6.6 | 18.2 | 24.0 | 51.2 | 24.8 | 75.2 |
| 男性40代 | 5.9 | 15.3 | 26.2 | 52.6 | 21.2 | 78.8 |
| 男性50代 | 6.1 | 18.5 | 27.6 | 47.8 | 24.6 | 75.4 |
| 男性60代 | 5.2 | 16.2 | 31.0 | 47.6 | 21.3 | 78.7 |
| 女性20代 | 4.6 | 17.6 | 26.7 | 51.1 | 22.2 | 77.8 |
| 女性30代 | 3.5 | 16.9 | 24.6 | 55.0 | 20.4 | 79.6 |
| 女性40代 | 3.6 | 14.5 | 25.0 | 56.9 | 18.1 | 81.9 |
| 女性50代 | 3.1 | 15.0 | 27.1 | 54.8 | 18.1 | 81.9 |
| 女性60代 | 2.2 | 9.3 | 25.5 | 63.0 | 11.5 | 88.5 |
20代は収入が比較的低い一方で、自己投資や交友関係に積極的な年代です。そのため、「お金が足りない」と感じる場面が多く、カードローンの利用意向が高くなっていると考えられます。
職業別の利用者層
金融庁の調査結果から、カードローン利用者の職業で最も多いのは会社員であり、次いで個人事業主、無職、パート・アルバイト、派遣・契約社員と続くことがわかります。しかし実際には、公務員、専門職、学生、経営者・役員など、さまざまな職業の人がカードローンを活用しています。
カードローンは特定の職業に限定されたサービスではなく、幅広い職業の人々が必要に応じて利用している実態があります。
銀行系カードローンの主な利用者層
銀行系カードローンで最も利用が多いのは会社員です。会社員に次いで、パート・アルバイト、自営業者や公務員と続きます。
銀行系カードローンは、比較的安定した収入がある層が中心となっている点が特徴です。
消費者金融系カードローンの主な利用者層
消費者金融系カードローンでも会社員の利用が最も多いものの、銀行系と比較してパート・アルバイトの利用者が多いことが特徴です。
収入形態が多様な層にも対応できる柔軟性が、消費者金融系カードローンの特徴といえるでしょう。
カードローンを借りる主な理由

カードローンを利用する理由はさまざまですが、全国銀行協会の調査によると、いくつかの主要な借入目的が明らかになっています。以下の表は、銀行カードローン利用者の利用動機のうち上位5つを取り上げたものです。
銀行カードローン利用者の借入の利用動機
| 借入の利用動機 | 銀行カードローン利用者の割合 |
|---|---|
| 日常的な生活費の支出増加を補うため | 25.5% |
| レジャー・趣味・娯楽を楽しむため | 23.7% |
| 給与・ボーナス前の一時的な資金不足を補うため | 20.8% |
| 所得(収入)が減少したため | 18.8% |
| 冠婚葬祭・医療費等、急に多額の資金が必要になったため | 17.4% |
最も多い借入目的は「生活費の補填」
前述の全国銀行協会の調査によると、カードローンの借入理由で最も多いのは「日常的な生活費の補填」や「生活費の資金不足」です。収入の減少や急な支出により、一時的に収支バランスが崩れた際に利用されるケースが多いことがわかります。
ただし、生活費補填のための継続的な利用は、自転車操業に陥るリスクがあるため注意が必要です。自転車操業が常態化し、返済が遅延すると信用情報に影響を及ぼします。信用情報が悪化すると、新たにクレジットカードの発行をしたり、ローンを利用したりすることが難しくなるケースもあります。
利用する際は、無理のない返済計画を立てることを心がけましょう。
趣味や娯楽のための資金調達
前述の全国銀行協会の調査によると、借入理由の2番目に多いのが「レジャー・趣味・娯楽」や「欲しいもののための資金不足」です。
その時しか参加できないイベントや旅行など、タイミングを逃したくない出費のためにカードローンが活用されています。たとえば、友人の結婚式への参加や限定イベントのチケット購入など、短期的に資金が必要な場面で利用されるケースがあります。
こうした短期利用は、給与日後に一括返済できる見込みがある場合には利便性が高い反面、計画なく利用すると返済負担が大きくなるリスクもあります。
娯楽費のための利用であっても、返済計画を立てた上での計画的な利用が大切です。
冠婚葬祭などの急な出費への対応
前述の全国銀行協会の調査によると、冠婚葬祭や引越し、医療費など、予測が難しくまとまった現金が必要になる「急な出費」も、カードローンの主な利用理由です。
給料日前など、手元に現金がないタイミングでの突発的な出費に備えるために利用されるケースが多くなっています。すぐに借入の必要がなくても、「万が一の時のため」にあらかじめ契約だけしておくという利用方法もあります。
ただし、カードローンによっては利用枠の維持に条件がある場合もあるため、事前に確認が必要です。また、「事前契約で安心」という側面がある一方で、利用枠があると安易に使ってしまうリスクもあることを理解しておきましょう。
計画的な利用のための基礎知識

カードローンの特徴を正しく理解した上で、どのように計画的に借りるかを考えることが重要です。借入先の違いや返済計画の立て方について、具体的に見ていきましょう。
借入先による特徴の違い
カードローンは大きく分けて「消費者金融系」「銀行系」「信販(クレジットカード)系」の3種類があります。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。
| 種類 | 金利・費用+融資スピード | 特徴・その他 |
|---|---|---|
| 消費者金融系 | 金利は比較的高め。最短即日融資が可能でスピードが速い | WEB完結で申し込みやすい |
| 銀行系 | 金利は比較的低め。融資まで時間がかかる傾向あり | 口座保有者への優遇がある場合も |
| 信販(カード会社)系 | 金利は中程度(商品による)。融資まで時間がかかる場合が多い | 独自のポイントサービスや会員優待がある場合も |
急いでいるなら消費者金融系、金利を重視するなら銀行系など、自分の目的に合った借入先を選ぶことが重要です。
利用前に立てるべき返済計画のポイント
カードローンは便利な反面、使いすぎを防ぐために計画的な利用を心がけましょう。
毎月の家賃や光熱費などの固定費を補填し続けると、借入が常態化しやすいため注意が必要です。借入は突発的な出費にとどめ、返済可能な金額を把握した上で、できるだけ短期間で返済する計画を立てましょう。
返済計画を立てる際の目安として、借入額は年収の3分の1以内に抑え、毎月の返済額は収入の3割以下にすることが推奨されています。これらの目安を守ることで、無理のない返済が可能になるでしょう。
また、以下のような返済方法を活用することで、より効率的に返済を進められます。
- ボーナス返済:ボーナス(賞与)時期にまとめて返済することで、利息負担を軽減できます
- 繰上げ返済:余裕がある月に追加返済することで、返済期間を短縮し、総返済額を減らせます
- 自動引落:返済日を忘れる心配がなく、延滞による信用情報の悪化を防げます
たとえば、10万円を借りて毎月1万円ずつ返済する場合と、余裕がある月に2万円返済する場合では、後者のほうが利息総額を抑えられます。計画的な返済により、カードローンを上手に活用しましょう。
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おわりに
カードローンは、成人の約1割が利用している身近なサービスです。会社員からパート・アルバイト、自営業者まで幅広い職業の人が、生活費の補填や趣味・娯楽、急な出費への対応など、さまざまな理由で利用しています。
しかし、カードローンは便利である反面、計画的な返済が前提となります。カードローンの特徴や一般的な利用場面を理解した上で、必要なときだけ最小限の借入を心がけ、無理のない返済計画を立てることが重要です。
借入先の特徴を比較し、自分に合ったカードローンを選び、返済比率の目安を守りながら、ボーナス返済や繰上げ返済を活用することで、カードローンを上手に活用しましょう。
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