冬の暖房費、毎月どのくらいかかっているかご存じですか?総務省の家計調査によると、冬場の電気代の平均は1万円を超過します。エアコン以外の暖房も含めると暖房費はより大きくなり、、年間を通じて最も高い水準です。
実は、暖房で温めた熱の約50%が「窓」から逃げています。つまり、窓の断熱対策をするだけで光熱費をぐっと抑えられるのです。「断熱工事は高そう」と思われるかもしれませんが、100均アイテムを使えば初期費用500〜1,000円程度で手軽に対策可能です。
この記事では、100均グッズを使った窓の断熱DIY術と、0円でできるカーテン活用テクニックをご紹介します。冬の暖房費を抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。
一番熱が逃げるのは「窓」だった!100均グッズで簡単断熱対策

暖房で温めた熱の約50%が窓から逃げています。逆に考えると、窓の断熱対策を行い、エアコンの設定温度を1℃下げるだけでも暖房費の節約効果が見込めますね。
資源エネルギー庁のデータによると、外気温6℃時にエアコン(2.2kW)の設定温度を21℃から20℃へ下げるだけで、年間約53kWh・約1,650円の節約になります。100円ショップで購入できる断熱シート、隙間テープ、プチプチシートの3つのアイテムを活用すれば、低コストで効果的な窓の断熱対策をはじめられます。
各アイテムの具体的な活用方法を詳しく見ていきましょう。
100均断熱シートの選び方と正しい貼り方

100円ショップの窓用断熱シートには、粘着タイプと水貼りタイプがあります。賃貸住宅なら、剥がすときに跡が残りにくい水貼りタイプがおすすめです。貼る前に窓ガラスの汚れを水拭きで落とし、中央から外側へ空気を押し出すように貼ると気泡が入りにくく、仕上がりもきれいです。
一般的な窓1枚(90cm×160cm)なら、110円の断熱シート2枚(合計220円)でカバーできるため、低コストで手軽に断熱対策をはじめられるでしょう。断熱シートを貼れば室内の熱が外に逃げにくくなり、暖房効率も上がります。
隙間テープで窓枠の冷気をシャットアウト

窓ガラスだけでなく、窓枠やサッシの隙間からも冷気が侵入します。隙間テープは100円で購入でき、窓枠の四辺に貼るだけで隙間風を防げます。一般的な窓1か所に必要な隙間テープは2〜3巻(約220〜330円)・作業時間は約10分程度。隙間風を防ぐだけで室内の体感温度が上がり、設定温度を1〜2℃下げても快適に過ごせます。
特に築年数が経過した住宅は気密性が低下していることが多く、隙間テープによる対策効果が高くなります。
二重窓効果を作るプチプチシートの活用法

梱包材として使われるプチプチシート(気泡緩衝材)は、内部の空気層により優れた断熱性能を持ち、窓の断熱材としても活用できます。
100円ショップでは窓用に加工されたプチプチシートが販売されており、窓に貼るだけで空気層が形成され、手軽に断熱効果が得られるでしょう。1枚110円のプチプチシートで一般的な窓1枚分をカバーできて、水スプレーや両面テープで簡単に施工可能です。透明タイプを選べば採光性を保ちながら断熱効果も確保でき、部屋の明るさを損なわずに快適です。プチプチシートを窓全面に貼ることで、窓からの熱損失を一定程度削減して、暖房費の節約効果が期待できます。
ただし、効果は窓の大きさや住宅の断熱性能により異なるため、まずは一部の窓で試してから全体に貼るのがおすすめです。
カーテンの閉め方を工夫するだけ!今すぐできる0円断熱テクニック

費用をかけずに今日から実践できる断熱対策として、カーテンの使い方を工夫する方法があります。
道具や材料を新たに用意する必要はありません。カーテンの閉め方とタイミングを見直すだけで、暖房効率ぐっとアップします。
誰でもすぐに実践できる具体的な工夫を紹介します。
カーテンと窓の間に空気層を作る閉め方

カーテンを窓に密着させず、5〜10cmの空間をあけて閉めるだけで空気の層が生まれ、断熱効果がアップします。
カーテンレールの位置を調整したり、カーテンフックの向きを変えたりすることで、5〜10cm程度の空気層を確保できるでしょう。この空気層が断熱材の役割を果たし、窓からの冷気が室内に伝わるのを防ぎます。特に厚手のカーテンや遮光カーテンを使用すると、断熱や暖房効率の向上に効果的です。「窓際が寒い」と感じる方は、まずこの方法から試してみましょう。
日中と夜間で変えるカーテンの開閉タイミング
日中は太陽の熱を最大限に取り込み、夜間は室内の熱を逃さないようカーテンを閉めるというメリハリのある使い方が重要です。晴れた昼間は太陽の熱で室温が自然に上がるため、暖房の稼働時間を短縮できます。日没後は早めにカーテンを閉めることで、日中に蓄えた熱を室内に閉じ込め、窓からの熱損失を防ぎやすくなります。
このように、カーテンの開閉タイミングを工夫すれば、夜間の室温低下を抑えられ、暖房の立ち上がり時間や運転時間が短縮されます。日々の習慣を少し変えるだけで、驚くほど効果を実感できるはずです。
カーテンボックスや裾の処理で暖気を逃さない工夫
カーテンレール上部に隙間があると、暖かい空気が窓側に流れ込み冷却されてしまい、室内の暖房効率が大きく低下します。カーテンボックスを取り付けるか、カーテンレール上部にタオルや布を置くだけでも上部からの熱の流出を防げるでしょう。
カーテンの裾が床から浮いていると下部から冷気が侵入するため、裾は床につくか床上1cm程度の長さに調整するのが効果的です。カーテンの裾が短い場合は、100均ショップで購入できるクリップ式の裾止めや重りを使って裾を引き下げても良いでしょう。
上下の隙間をしっかり塞ぐことで、カーテンの断熱効果を最大限に引き出し、暖房効率の向上につなげられます。
おわりに
100均アイテムでも窓の断熱対策が可能です。
上手に使えば費用を安く抑えて、冬の暖房費の節約につながるでしょう。また、カーテンの使い方を工夫すれば、費用をかけずに効果を実感することもできます。窓からの冷気を防ぐだけで、室温が2〜3度上がることも珍しくありません。
まずはできるところから、少しずつ始めてみましょう。続けるうちに、毎月の光熱費の変化を実感できるはずです。無理なく続けられる方法で、快適で経済的な冬を過ごしましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。