シルクのブラウスやカシミヤのセーターなどのおしゃれ着は、クリーニングに出すたびに費用がかさみます。素材の特徴を知り、洗剤を正しく選んで洗えば、自宅でもきれいに仕上げられ、年間で数万円の節約になることも。
この記事では、クリーニング代を抑えながらお気に入りの服を長持ちさせる、自宅でできるおしゃれ着洗いのコツを紹介します。自宅洗いに挑戦してみたい方や、家計を見直したい方に役立つ内容ですので、ぜひチェックしてみてください。
おしゃれ着を自宅で洗って節約する方法
ここでは、クリーニングに出す前に確認しておきたい、自宅で洗う場合の費用対効果のシミュレーションや、主要なおしゃれ着洗剤の選び方、さらにシワを防ぐ干し方のコツを紹介します。
クリーニング代の節約シミュレーション
まずは、クリーニングに出す場合を試算してみましょう。
「ニット」「ブラウス」「スカート」各1点を近隣のクリーニング店に出した場合の基本料金は、ニット600円、ブラウス450円、スカート600円と程度です。
この場合、1回あたりの合計は約1,650円です。
一方、自宅のドラム式洗濯機で「おしゃれ着洗いコース」を使えば、コストは驚くほど低く抑えられます。
中性おしゃれ着洗剤10mlが約8円(500ml=400円換算)、水道代が約20円、電気代が約5円とすると、1回あたりの合計はわずか約33円です。3点まとめて洗えば、1点あたり約11円に過ぎません。
※契約電力単価などによって電気代は前後します。
クリーニングを利用した場合と、自宅洗いに切り替えた場合の費用差は、1,617円(1,650円-33円)となります。特に、季節の変わり目にはクリーニングに出す衣類も多くなるので、費用差はより大きくなりますね。
もちろん、素材や装飾によっては自宅洗いが難しい場合もありますが、一般的なおしゃれ着であれば「自宅洗い」へ切り替えるだけで、想像以上の節約効果が期待できるでしょう。
エマール・アクロンなど主要洗剤の特徴と選び方
おしゃれ着を自宅で洗う際、通常の洗剤を使うと繊維が傷みやすく型くずれや色落ちの原因になることがあるため、繊維への負担を抑える中性タイプの「おしゃれ着用洗剤」を使用するのが効果的です。代表的な商品には「エマール」と「アクロン」があります。

2つの洗浄力に大きな差はありませんが、エマールはニットやウールなどの冬物をふんわりと仕上げやすく、縮みにくいのが特徴です。一方、アクロンは柔軟成分を多く含み、レーヨンなどのデリケートな素材もやさしく洗えるのが特徴。シワ防止効果も高く、アイロン回数を減らせます。シワを抑える効果もあり、アイロンがけを減らしたい方にも向いています。
このように、洗剤によって仕上がりや向いている素材が異なるため、選ぶ際は素材や仕上がりの好みを考慮して選ぶといいでしょう。さらに、香りの強さや洗濯機のドライコース対応可否を確認しておくと安心です。衣類の種類や目的に合わせて洗剤を使い分けることで、仕上がりの満足度と節約効果の両方を高められます。
シワを防ぐ干し方のコツ
シワを防ぐ干し方のコツは、まず洗濯後できるだけ早く洗濯機から取り出すことです。放置するとシワが定着しやすくなるため、取り出したら軽く振って大まかなシワを伸ばしておきましょう。あらかじめ洗濯機から取り出す際に衣類を種類別に分けておくと、干すまでの流れがスムーズになり、シワの定着を防ぎやすくなります。
干すときは、手で形を整えて“叩いてシワを伸ばす”のがコツ。強く引っ張らず、軽いタッチを意識しましょう。

また、直射日光は繊維の変色や収縮の原因になるため避けましょう。風通しのよい日陰で乾かすとシワや色あせを防ぎながらきれいに仕上がります。
自宅洗いの判断基準と上手な活用法
ここでは、自宅で洗える衣類の見極め方と、失敗を防ぎながら節約効果を高めるコツを紹介します。
洗濯表示を正しく理解することで大切な服を傷めずに清潔に保ち、長く愛用できるようになるため、事前にチェックしておきましょう。
洗濯表示の読み方と洗える衣類の見分け方
衣類を自宅で洗えるかどうかを判断する際は、まず洗濯表示を確認することが基本です。

洗濯機や手洗いのマークがあれば自宅洗いが可能ですが、家庭洗濯マークに×印の表示がある場合はクリーニング店に任せるのが安全です。間違って水洗いすると、型くずれや色落ちの原因になることがあるため、必ず確認しましょう。
また、洗濯マークが〇でも乾燥機や漂白剤がNGの場合があります。表示を一度確認してから洗うのが鉄則です。素材ごとの特性を踏まえて正しく判断すれば、大切な服を傷めずに長持ちさせられるでしょう。

シーズンオフのまとめ洗いで効率よく節約
シーズンオフに“まとめ洗い”を取り入れると、電気代・水道代の両方を効率よく節約できます。
洗濯物は洗濯槽の7~8割程度たまってから洗うと回数を減らせるため、電気代や水道代の節約につながります。ただし、まとめ洗いをする際は色移りを防ぐために衣類を色別に分け、デリケートな素材は洗濯ネットに入れて傷みを防ぐことが大切です。洗濯後はしっかり乾燥させ、防虫剤や乾燥剤を入れて保管すると、次のシーズンでも清潔な状態を保ちやすくなります。
このように、まとめ洗いを取り入れることで家計への負担を軽くしながら衣類を長持ちさせられ、節約と手間の両面で高い効果が期待できるでしょう。
おわりに
おしゃれ着の自宅洗いは、「洗濯表示の確認」「中性洗剤」「優しい干し方」の3ステップが基本です。これだけで仕上がりが大きく変わります。シーズン終わりのまとめ洗いなども取り入れ、家計と衣類の良好な状態を両立させましょう。
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