野菜が高いと感じたら、市民農園という選択肢も。上手に栽培できれば、月1万円で採れたての有機野菜を年間10kg以上収穫できるかもしれません。「本当にお得?」「初心者でも続く?」そんな疑問にお答えします。
この記事では横浜市の市民農園を例にして、実際の費用対効果や週1回で育つ野菜、失敗しない年間スケジュールを紹介します。野菜代を節約したい方はもちろん、家族に安全な野菜を食べさせたい方も、ぜひ参考にしてください。
市民農園の費用と収穫できる野菜の量

市民農園を始める際に気になるのが、「実際にどのくらいの費用がかかるのか」「どのくらいの野菜が収穫できるのか」という点です。
ここでは、初心者でも始めやすい「シェア畑」を例に、費用と収穫量のリアルを紹介します。
年間利用料と初期投資の総額目安

市民農園の費用は、運営団体や地域によって大きく異なります。以下は横浜市にあるサポート付き貸し農園「シェア畑」の概要です。
シェア畑 美しが丘(横浜市)の料金と特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入会金 | 11,000円(初回のみ) |
| 月額利用料 | 6,700円(3㎡)/9,900円(6㎡) |
| 初年度費用 | 約129,800円(6㎡利用の場合) |
| 2年目以降 | 約118,800円/年 |
| 料金に含まれるもの | 農具、種・苗、肥料、アドバイザーサポート |
メリット
- 手ぶらで通える
- 初心者向けサポートが充実
デメリット
- 利用料はやや高め
料金体系やサービス内容は農園ごとに異なるため、お住まいの地域の市民農園情報を比較検討し、ご自身の予算やライフスタイルに合った農園を選びましょう。
6㎡で収穫できる野菜の種類と量

1年間に以下のような種類の野菜が収穫できます。
| 野菜の種類 | 備考 |
|---|---|
| ミニトマト | 1株で40〜50個収穫可能 |
| キュウリ | 週1回の収穫で十分 |
| ナス | 比較的育てやすい |
| ピーマン | 長期間収穫できる |
| 枝豆 | 高温に強い |
| ニンジン | 種まきから約3ヶ月 |
| ダイコン | 寒さに強い |
| ホウレンソウ | 約1ヶ月で収穫可能 |
| ネギ | 長期間収穫できる |
| コマツナ | 短期間で収穫可能 |
上手に育てれば、6㎡の区画ならミニトマト160個、キュウリ100本、ナス100個ほどの収穫も可能です。週末の作業だけで冷蔵庫が野菜でいっぱいになるかもしれません。ただし、収穫量は天候や栽培技術によって変動するため、初年度は少なめに見積もっておくと安心です。
夏野菜のピーク時には一度に大量の野菜が採れることもあるため、冷凍保存や近所へのおすそ分けなど、事前に消費計画を立てておきましょう。また、より小さな3㎡の区画でも限られたスペースで計画的に栽培すれば、年間を通じて新鮮な野菜を楽しめます。
スーパーで買う場合との金額比較

シェア畑などの市民農園で育てた野菜とスーパーで購入する場合を比較してみましょう。
月額9,900円のシェア畑で年間10kg収穫した場合のコスト
- 初年度:約13,000円/kg(年間費用129,800円)
- 2年目以降:約1,188円/kg(年間費用11,800円)
総務省の調査では、2025年8月時点のトマト1kg全国平均価格は787円のため、一見割高に感じられます。ただし、市民農園の野菜は無農薬・有機栽培が中心です。
農研機構の調査によると、有機野菜は慣行栽培より50%程度値段が高く、一般的に2〜3倍の価格です。
有機野菜として考えた場合の価格
- 通常のトマト:787円/kg
- 有機野菜(1.5〜2倍):約1,180円〜1,574円/kg
有機栽培で採れたての野菜がこの価格なら、コスパとしては十分納得できる水準です。さらに、採れたての新鮮さ、家族での食育体験、適度な運動によるストレス解消、栽培知識の習得といった付加価値もあります。単純な節約ではなく、健康的な趣味として楽しみながら野菜代を抑える方法といえるでしょう。
手間を抑えて続けられる野菜作りのコツ

「忙しくて畑なんてムリ」と思う方も大丈夫。週1回の作業でしっかり野菜は育ちます。
ここでは、手間を抑えて無理なく続けられる野菜作りのコツをご紹介します。
週1回の作業で育てられる野菜選び

初心者の場合、週1回程度の作業で育つ野菜選びが重要です。管理頻度や特徴を考慮して、段階的に品目を増やしていきましょう。
管理負担 × 栽培期間で選ぶ初心者向け野菜
| カテゴリ | 代表的な野菜(負担イメージ) |
|---|---|
| 週1回で育てやすい野菜(初心者向け) | ミニトマト/ナス/ピーマン/キュウリ/オクラ→ 週1回の水やりと管理で収穫量が多く、成功体験を得やすい |
| 週1回以下でも管理しやすい野菜(手間少なめ) | ダイコン/ハクサイ/ホウレンソウ/コマツナ/ネギ→ 水やり頻度が少なく失敗しにくい |
| 長期間収穫しやすい野菜(比較的手入れが少ない) | ネギ/ニラ/シソ/ジャガイモ/サツマイモ→ 栽培期間が長く、繰り返し収穫・まとまった収穫が見込める(※通年栽培ではありません) |
夏野菜は週1回の水やりと収穫で十分に育ちます。特にミニトマトはコストパフォーマンスに優れています。秋冬野菜の葉物野菜は管理しやすく、短期間で収穫できる品目もあります。
薬味野菜やイモ類は月1〜2回程度の手入れでも育つため、忙しい方にもおすすめです。育てやすい野菜から作り始め、徐々に品目を増やしていきましょう。
初心者向けの年間作付けスケジュール

市民農園を1年間楽しむには、季節ごとに適した野菜を計画的に植える必要があります。以下の年間スケジュールを参考に、切れ目なく野菜を栽培しましょう。
初心者向けの年間作付けスケジュール
| 季節・時期 | 主な作業 | 栽培・収穫の流れ |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | ・畑の準備 ・苗の植え付け(4〜5月) | ミニトマト/ナス/ピーマン/キュウリ/枝豆を植え付け。夏に収穫に向けて育成開始 |
| 夏(6〜8月) | ・収穫の最盛期 ・秋冬野菜の準備(8月〜) | 春に植えた夏野菜を収穫。並行してダイコン/ハクサイ/ニンジンを植え付け |
| 秋(9〜11月) | ・種まき(9月) ・苗の植え付け(10月) ・夏野菜から切替 | ホウレンソウ/コマツナ/ネギなど秋冬野菜を中心に切り替え。11月以降徐々に収穫 |
| 冬(12〜2月) | ・収穫中心 ・土作り・堆肥補充 ・春の準備 | ホウレンソウ/コマツナ/ネギ/ダイコン/ハクサイ/ニンジンなどを収穫。次シーズンの準備 |
- 春(3〜5月):野菜作りのスタート
4月中旬〜5月上旬にミニトマト、ナス、ピーマン、キュウリ、枝豆の苗を植え付けます。この時期に植えた野菜は7〜9月にかけて収穫のピークを迎えます。
- 夏(6〜8月):収穫の最盛期
週1回程度の水やりと収穫を行います。8月下旬からは秋冬野菜の準備を始め、ダイコンやハクサイの種をまきましょう。 - 秋(9〜11月):秋冬野菜の植え付けシーズン
9月にホウレンソウやコマツナの種をまき、10月にはネギの苗を植え付けます。夏野菜の収穫が終わった区画から順次、秋冬野菜へ切り替えます。 - 冬(12〜2月):収穫と次期準備
野菜の成長がゆっくりになりますが、ホウレンソウやコマツナ、ネギなどは収穫できます。この時期に土作りや堆肥の補充を行い、春の野菜作りに備えましょう。
計画的に育てれば、季節ごとに収穫が楽しめます。市民農園を上手に活用して、食費も心も豊かにしていきましょう。
ただし、植え付けの最適時期は地域や気候によって異なります。地元の農協や自治体が公開する「栽培カレンダー」や、農園アドバイザーの助言を参考にしながら、自分に合った年間プランを立てるのがポイントです。
おわりに
市民農園は、月額数千円〜1万円ほどの費用で、週1回の作業から気軽に始められる野菜づくりのサービスです。自分の手で育てた新鮮な野菜を味わえるうえ、安全性も高く、有機野菜として考えれば十分にお得といえるでしょう。
まずは小さな畑から始めてみましょう。週1回の作業でも無理なく続けられれば、節約と健康のどちらも叶います。
本記事では横浜市の「シェア畑」を紹介しましたが、費用やサービス内容は農園によって異なります。お住まいの地域の市民農園情報を調べ、ご自身の予算やライフスタイルに合った場所を選ぶことが、長く楽しむコツです。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。