マンションのリフォームを検討しているものの「費用がいくらかかるのか不安」「予算内で収まるか心配」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フルリフォームや箇所別の費用相場、費用を左右する専有面積・築年数などの条件、補助金の活用など賢く費用を抑えるコツまで詳しく解説します。適正な予算を把握し、納得のいくリフォームを実現するための参考としてお役立てください。
- マンションのフルリフォームとスケルトンリフォームの費用相場と工期の目安
- キッチン・浴室・トイレなど場所別のリフォーム費用内訳
- 専有面積(平米数)と築年数によるリフォーム費用の変動要因
- 補助金・減税制度や設備グレード調整など費用を抑える具体的な節約術
- 管理規約や専有部分と共用部分の区別などマンション特有の確認ポイント


マンションのフルリフォーム費用相場【全体】

まず、マンションでリフォーム可能なのは専有部分(室内)に限られ、玄関ドア外側や窓サッシ、バルコニーなどの共用部分は工事対象外となる点を押さえておきましょう。
マンションの全体的なリフォームには、大きく分けて「フルリフォーム」と「スケルトンリフォーム」の2種類があります。フルリフォームは内装・設備交換・一部間取り変更などを行う工事で、スケルトンリフォームは構造体だけを残して内装や設備をすべて解体・再構築する工事を指します。
| リフォームの種類※1 | 費用相場 (万円) | 工期の目安 |
|---|---|---|
| フルリフォーム (間取り変更・設備交換・内装全体) | 500~1,500 | 1~2ヶ月 |
| スケルトンリフォーム (骨組み以外を全撤去・改修) | 1,000~2,500 | 2~3ヶ月 |
上記の費用はあくまで目安であり、間取り変更の有無、選択する設備のグレード、工事面積(平米数)によって大きな幅が生じます。また、管理規約で工期制限が設けられている場合もあるため、リフォームをする前に確認が必要です
フルリフォーム(全体改装)の目安
フルリフォームとは、内装全体や水回り設備の全交換、間取り変更などを含む工事で、費用相場は500万~1,500万円程度が目安となります。配管などの根本的な変更は含まないケースが多く、内装や設備を一新したい場合に選ばれることが一般的です。
| 施工面積(専有面積) | 費用目安(万円) |
|---|---|
| 60㎡ | 700~900 |
| 70㎡ | 800~1,000 |
| 80㎡ | 950~1,200 |
なお、上記はあくまで施行面積(専有部分)に応じた費用の目安です。費用には解体撤去費、什器費(キッチン・浴室などの設備)、電気・給排水設備費、造作・内装費、設計費、申請費などが含まれており、選択する設備のグレードや内装材の種類、間取り変更の規模によって総額は変動します。
また、マンションでは管理規約により使用できる壁材・床材(防音等級など)が制限されている場合があるため、事前確認が必要です。
スケルトンリフォーム(全撤去)の目安
スケルトンリフォームは、柱や梁などの構造体だけを残して内装や設備をすべて解体する工事を指し、費用相場は1,000万~2,500万円程度です。
配管や配線、断熱材なども一新できるため、将来のメンテナンス費用を抑えられるメリットがあります。築30年、40年以上の古いマンションでは、配管の劣化対応のためにスケルトンリフォームが検討されるケースが多くなっています。
ただし、共用部の配管やパイプスペースは更新対象外となるため、施工可能な範囲には限界がある点に注意が必要です。
【工事箇所別】マンションリフォームの費用内訳

マンションリフォームで特に関心の高い、工事箇所別の費用相場を解説します。
以下の費用は専有部分の一般的な目安であり、共用部分(玄関ドア外側・窓枠等)は対象外です。工事内容や設備のグレードによって費用は変動するため、あくまで目安としてご参照ください。
なお、マンションでは搬入経路の制限や防音規定への対応が必要となり、戸建てより費用が高くなるケースもあります。
| 大分類 | 工事箇所 | 主な工事内容 | 費用相場(万円) |
|---|---|---|---|
| 水回り | キッチン | システムキッチン交換 (レイアウト変更なし) | 50~150 |
| システムキッチン交換 (レイアウト変更あり) | 100~200 | ||
| 浴室 | ユニットバス交換 | 50~200 | |
| トイレ | 便器交換・内装(床・壁)張り替え | 15~50 | |
| 洗面所 | 洗面化粧台交換・内装(床・壁)張り替え | 10~50 | |
| 水回りセット | キッチン・浴室・トイレ・洗面所など (3~4箇所のセット交換) | 70~200 | |
| 内装・居室 | リビング・ダイニング | 壁紙・床の張り替え、間取り変更など | 15~150 |
| 内装(壁紙) | 壁紙・クロスの張り替え(6畳) | 3~10 | |
| 内装(床) | フローリング張り替え(6畳)(※防音規定対応) | 6~20 | |
| 和室 | 畳交換、内装張り替えなど | 20~100 | |
| 和室 → 洋室 | 畳からフローリングへ変更、押入れをクローゼット化など | 25~100 | |
| 収納 | 押し入れをクローゼットに変更(6畳和室) | 25~35 |
キッチン・浴室・トイレ・洗面所などの水回りをまとめてリフォームする「パック料金」を設定している業者もあり、個別に工事するより総額が安くなる場合があります。
キッチンのリフォーム費用
キッチンリフォームの費用相場は、レイアウト変更なしで50万~150万円程度、レイアウト変更ありで100万~200万円程度となっています。
費用が変動する主な要因は、I型・ペニンシュラ・アイランドキッチンといったレイアウトの変更有無や、システムキッチンのグレードなどです。
特に壁付けから対面式への変更など、レイアウト変更を伴う場合は配管や換気ダクトの移設工事が必要となり、費用が高額になりやすい傾向があります。
浴室のリフォーム費用
浴室リフォームの費用相場は50万~200万円程度が目安です。現在の浴室タイプが「在来工法」か「ユニットバス」かで費用が異なり、在来工法からユニットバスへの交換は解体・防水・断熱改修費が加算されるため高額になる傾向にあります。
高断熱浴槽や浴室暖房乾燥機、節水シャワーといったオプション機能の選択によっても費用は変動します。なお、マンションでは浴室サイズや重量が管理規約で制限される場合があるため、事前確認が必要です。
トイレ・洗面所のリフォーム費用
トイレリフォームの費用相場は15万~50万円程度、洗面所リフォームは10万~50万円程度が目安です。タンクレストイレを選ぶと従来型より高額になりやすく、洗面台もグレードによって費用差が生じます。
内装(床・壁紙)を同時に張り替える場合は追加費用が必要です。また、築年数が経過した物件では給排水管の劣化が想定され、床上配管工事が追加になる場合もあります。
リビング・内装のリフォーム費用
リビング・ダイニングのリフォーム費用相場は15万~150万円程度です。主な工事内容として「壁紙・クロスの張り替え」は6畳で3万~10万円程度、「フローリングの張り替え」は6畳で6万~20万円程度が目安となります。
マンション特有の注意点として、床材には管理規約で定められた防音規定(遮音等級L-45以上など)があり、対応した床材を選ぶ必要があります。特に共用部と連続する床は防音仕様が必須となるため、事前に管理規約を確認しましょう。
和室から洋室への変更費用
和室のリフォーム費用相場は、畳交換など部分的に変更する場合は10万~25万円程度、和室から洋室へ変更する場合は40万~100万円程度が目安です。
工事内容(畳の表替え・新調のみ、畳からフローリングへ変更、押し入れをクローゼットに変更など)によって費用は大きく異なります。畳からフローリングに変更する場合、リビングなど隣接する部屋との床の高さを合わせるための下地調整工事が必要になることがあります。
【条件別】マンションリフォーム費用の変動要因

箇所別の費用だけでなく、マンションの「広さ(専有面積)」と「築年数」という2つの条件によっても、リフォーム費用総額は変動します。
特に築年数が経過している物件では、見えない部分(配管など)の工事が発生し、費用が変動しやすい傾向にあります。戸建てと異なり、マンション特有の要因(配管構造、管理規約、資材の搬入経路)が見積もり額に影響する点にも注意が必要です。
専有面積(平米数)による価格の違い
専有面積が広いほど、使用する資材量や工事範囲が広がるため、リフォーム費用は高額になります。
フルリフォームの㎡単価は10万~15万円程度が目安です。前述のとおり、60㎡で700万~900万円程度、70㎡で800万~1,000万円程度、80㎡で950万~1,200万円程度と、面積が広がるにつれて費用も上昇します。
築年数(配管など)による価格の違い
築年数が経過するほど、設備や配管の劣化が進んでいるため、リフォーム費用は高額になる傾向があります。以下は築年数別の想定されるリフォーム内容と費用相場の目安です。
| 築年数 | 想定されるリフォーム内容の傾向 | 費用相場(万円) |
|---|---|---|
| 築20年 | ・水まわり設備(キッチン、浴室など)の交換 ・壁紙(クロス)の張り替え | 250~400 |
| 築30年 | ・水まわり設備の交換(キッチンの移動なども含む) ・壁紙(クロス)および床の張り替え ・間取りの変更 | 500~1,000 |
| 築40年以上 | ・配管や配線の劣化が懸念されるため、根本から一新するスケルトンリフォームが検討されるケースが多い | 1,000~2,000 |
上記はあくまで目安です。築年数が古い物件(特に築30年以上)ほど、給排水管や下地などの見えない部分が劣化している可能性が高く、その交換・修繕費用が追加で発生しやすくなります。
給排水や配線の位置・状態でも費用は変動するでしょう。
また、古いマンションでは配管工事が床全体を剥がす大がかりなものになりやすいため、費用が高額になることがあります。なお、管理組合で共用部の配管更新が済んでいるかどうかも事前に確認しておきましょう。
マンションリフォームの費用計画と節約術

リフォーム費用を賢く抑えるための具体的な方法と、資金計画の選択肢について解説します。
「補助金の活用」「設備選定の工夫」「相見積もり」「ローン活用」の4つを軸に計画を立てることが、予算内で満足度の高いリフォームを実現するポイントです。
見積もり取得時から工事内容の決定、資金調達まで、計画的に進めることが重要です。
補助金・減税制度の活用
リフォーム費用を抑えるために、国や自治体が提供する補助金・助成金制度の利用を検討しましょう。対象となりやすい工事には、省エネ・断熱改修、バリアフリー改修、耐震改修などがあります。
| 制度名 | 対象工事 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 子育てグリーン住宅支援事業 | 断熱改修、エコ住宅設備設置、子育て対応改修など | 最大60万円/戸 |
| 先進的窓リノベ2025事業 | 高性能断熱窓・ドアへの交換 | 最大200万円/戸 |
補助上限額はあくまで最大値であり、実際に受け取れる補助額は工事内容や規模によって変動します。
子育てグリーン住宅支援事業では、実施する工事カテゴリ数(必須工事を2種類または3種類)に応じて補助上限が変わり、実際の補助額は10万~50万円程度となるケースが多くなっています。補助額は、内窓設置や断熱材追加などの部位・数量ごとに積み上げて算出されます。
先進的窓リノベ2025事業は、工事費の1/2を補助する仕組みです。窓の交換枚数や選ぶ製品の断熱性能に応じて、数十万~100万円台の補助を受けられることが一般的です。
なお、両制度とも登録事業者による申請が必要で、着工前の申請が条件となります。詳しくは施工業者に早めに相談しましょう。
「子育てグリーン住宅支援事業」は子育て世帯に限らず全世帯が対象で、必須工事を2種類以上実施することが条件となっています。「先進的窓リノベ2025事業」は窓の断熱性能向上に特化した制度で、両制度は併用も可能です。
2026年度は後継制度として「みらいエコ住宅2026事業」「先進的窓リノベ2026事業」が発表されています。なお、先進的窓リノベは補助上限額が最大200万円から最大100万円に減額される予定です。住宅ローン減税(控除)やリフォーム促進税制など、税制上の優遇措置についても確認しておくことをおすすめします。
参考:子育てグリーン住宅支援事業【公式】、先進的窓リノベ2025事業【公式】
※どちらも2026年2月現在、交付申請の受付は終了しています。
設備のグレード調整と優先順位付け
リフォームしたい箇所すべてを実施すると高額になるため、工事内容に優先順位をつけることが重要です。
キッチンや浴室などの設備は、グレード(高級・中級・普及)によって費用が大きく変動するため、本当に必要な機能か見極め、不要なオプションを省くことを検討しましょう。
ただし、高グレード設備は初期費用が増える一方で、耐久性や省エネ性能に優れ、長期的な修繕コストや光熱費の削減につながる場合もあります。
また、既存の間取りを活かし、配管位置を変えない設計にすることがコストダウンの鍵となります。
水回りの移動は配管工事が伴うため費用が高額になりやすく、位置を変えずに設備のみ交換する方法も検討するとよいでしょう。
複数業者への見積もり依頼
適正価格を把握し、比較検討するために、複数のリフォーム会社(3社程度が目安)に相見積もりを依頼することをおすすめします。
見積書を比較する際は、費用総額だけでなく内訳(材料費・施工費・諸経費)も確認し、項目ごとの差異を把握することが重要です。費用の安さだけでなく、プラン内容、過去の実績(特にマンションリフォームの経験)、担当者との相性も含めて総合的に判断しましょう。
管理規約の申請代行経験が豊富な業者であれば、書類準備や手続きもスムーズに進められる傾向があります。
セゾンのリフォームローンを利用した資金調達
リフォームの資金調達方法の一つとして、「セゾンのリフォームローン」の活用があります。主な特徴は以下のとおりです。
- 来店不要(WEBで24時間365日申込み可能)
- 担保・保証人不要
- 最短1日で審査回答
- 融資金額は30万円~500万円
- 自宅だけでなく投資用物件のリフォームにも利用可能
小規模な修繕から大規模なリフォームまで幅広く対応でき、手続きの手軽さが魅力です。マンションリフォームの資金計画にお悩みの方は、セゾンのリフォームローンを検討してみてはいかがでしょうか。
※審査結果は申込内容により異なります。金利・条件は変更となる場合があるため、詳細は公式サイトでご確認ください。


マンションリフォーム実行前の重要な確認ポイント

マンションリフォームは戸建てと異なり、共同住宅特有の制約(管理規約など)が多く、できる範囲を正確に把握することがトラブル防止の第一歩です。
契約後や工事中のトラブル(工事の中止、近隣クレームなど)を防ぐために、確認すべき法規・規約上の注意点を解説します。管理組合や近隣住民との円滑なコミュニケーションが、リフォームをスムーズに進める鍵となります。
管理規約で定められた工事範囲の確認
リフォーム前には必ず「管理規約」を精読し、管理組合への事前申請(通常、工事の1ヶ月前までなど)が必要であることを確認しましょう。
一般的な流れは「工事申請書の提出→管理組合の承認→工事開始」となります。
規約で禁止されている工事(床材の防音規定違反、共用部の変更、作業時間の制限など)がないか、リフォーム業者と必ず確認することが重要です。資材の搬入経路や作業時間(休日・夜間はNGなど)といった工事の進め方に関するルールも確認が必要となります。
専有部分と共用部分の区別
リフォームが許可されている「専有部分」(室内の壁紙、水回り設備など)と、リフォームできない「共用部分」の違いを明確に把握しておきましょう。
共用部分の例としては「玄関ドア(外側)」「窓サッシ」「窓ガラス」「バルコニー」「建物の構造躯体(コンクリート壁など)」などが挙げられます。玄関ドアの室内側(塗装など)や、既存窓の内側に設置する「内窓」は、専有部分としてリフォームが許可されるケースが多いことも覚えておくとよいでしょう。
構造上撤去できない壁や柱の把握
間取り変更を希望する際、マンションの構造によって制限があることを理解しておく必要があります。
主な構造として「ラーメン構造」(柱と梁で支える)と「壁式構造」(壁で支える)があり、特に「壁式構造」では室内の壁が耐力壁となっているため撤去できません。
給排水管が通る「パイプスペース(PS)」は原則として移動できないため、キッチンや浴室などの水回りの大幅な位置変更は難しい場合が多くなっています。
近隣住民への事前挨拶の重要性
工事中の騒音や振動、作業員の出入りによる近隣トラブルを防ぐため、工事開始前に近隣住民(両隣と上下階、および管理人)への事前挨拶が必須です。
挨拶時に工事の日程や作業時間帯を伝えておくことが重要となります。施工業者が挨拶文書を配布してくれるケースもあるため、事前に相談しておくとよいでしょう。
スケルトンリフォームなど工期が長期にわたる場合や、水回りが使えなくなる場合は、仮住まいの検討も必要になることがあります。
おわりに
マンションのリフォーム費用は、工事内容や設備のグレード、専有面積、築年数など様々な要因によって変動します。まずは相場を把握し、フルリフォームで500万~1,500万円程度、スケルトンリフォームで1,000万~2,500万円程度が目安となることを押さえておきましょう。箇所別のリフォームであれば数十万円から実施可能です。
次に、マンション特有の管理規約や構造上の制約を事前に確認し、近隣への配慮も忘れないことが重要です。そのうえで、補助金・減税制度の活用、設備グレードの見直し、複数業者への相見積もりを検討しましょう。
相場を把握し、補助金やローンを上手に活用しながら、無理のない計画で理想の住まいを実現してください。
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