日本に永住する外国人や、特殊な技能を持って日本で働く外国人の数は増加傾向にあります。その中には、住宅ローンを利用して、住宅を購入したいと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、外国人の場合、状況によっては住宅ローンを申し込めないケースもあります。外国人が日本で住宅ローンを組む方法にはどのようなものがあるのでしょうか。また、永住権についても合わせて解説します。
永住権がない外国人は住宅ローンが組めない?
永住権がない外国人でも日本で住宅を購入することについては全く問題ありません。ただ、その際に住宅ローンを利用しようと考えた際には、難しいと言えるでしょう。なぜなら、住宅ローンを提供している金融機関の多くが、利用できる方の条件として、「日本国籍を持っている方、外国人ならば永住許可を持っているか特別永住者」であることを求めているからです。
ちなみに、一般の永住権者とは、特別永住者以外で、日本に永住許可を申請し、永住権を得た方です。特別永住者とは太平洋戦争中に日本人として日本国内で暮らしていた韓国や朝鮮、台湾人に与えられえた永住権を持つ方のことで、一般の永住権者とは異なります。
永住権がない方が住宅ローンを利用する際には、配偶者が日本人であり、その配偶者に連帯保証人になってもらうなどといった要件を満たすことが必要となります。さらに、収入などの属性についても、日本国籍を持っている方よりも厳しく審査される傾向にあるようです。
永住権とは何か?
では、永住権とはどのようなものなのでしょうか。永住権とは、滞在の期間の定めがなくその国に永住できる権利のことです。日本で永住許可を受けるためには、以下の要件のもと申請が必要です。
- 日本に10年以上在留していること(ただし、日本人の配偶者がいる場合は3年以上、日本への貢献が認められれば5年以上に短縮される)
- その方がご自身で独立して生計を維持できていること(資産や資格、技能を持っていること)
- その方の永住を認めることにより、日本の利益になると認められること
永住許可を得るためには、出入国在留管理庁に対して「永住許可申請」を行う必要があります。その際には、身元保証書の提出が必要となるほか、上に記載した要件に合致しているかどうか、さらには「素行が善行かどうか」についても審査が行われます。
申請に回数制限はありませんが、審査通過率は約50%と半分程度になっており、申請したからといって必ず認められるわけではないようです。標準審査処理期間は4ヵ月となっていますが、最終的な結果が出るまでの期間は半年~1年間と言われており、なかなか簡単に永住権を得ることは難しい現状が見てとれます。
永住権なしで住宅ローンを組むには?
では、永住権がない場合に住宅ローンを利用して住宅を購入する方法として、どのようなものが考えられるでしょうか。永住権を申請し、許可を受けるまで半年から1年程度待つことも1つの方法ですが、日本人と結婚することで、永住権がなくても住宅ローンを申し込むことができます。
ただし、その際には配偶者となる日本人が連帯保証人となる必要があります。また、一部の銀行で取り扱いのある永住権のない人向けの住宅ローンを利用する方法もあります。ただし、通常で借り入れるよりも高めの金利が適用される可能性がある点は覚えておきましょう。
永住権がない状態で住宅ローンを利用するにあたって、一番に求められるのはコミュニケーション能力です。日本語で記載された契約書の内容についてきちんと解読できるか、また会話に支障がないかについてもチェックされます。
永住権がない場合の住宅ローンの審査基準は?
永住権がない場合、住宅ローンの審査基準は厳しくなる傾向にあります。なぜなら、永住権がないことから、母国に帰国する可能性があるとみなされるからです。もし、住宅ローンの返済中に母国に帰国されるとローン残債の回収に手間がかかり、最悪貸し倒れリスクを背負うことになります。
金融機関はこの点を非常に危惧しているのです。また、永住権がないことで、収入が不安定なのではないかと懸念される傾向にあります。そのためには、きちんとした収入があることを示すことで不安を解消できるでしょう。審査に通りやすくするコツとしては、以下のことが挙げられます。
- 自己資金をできるだけ多く準備する
- 在留年数が一定期間経過している状態で申し込む
- 勤続年数が一定以上あり、安定した収入があることを証明する
ちなみに、セゾンファンデックスでは永住権をお持ちでない外国人に向けた住宅ローンを提供しています。セゾンファンデックスの住宅ローンは、その方の属性よりも担保評価を重視し、融資を行う点が特徴です。
そのため、ほかの金融機関での住宅ローン審査に通らなかった方も申し込むことができ、また、担保として設定できる物件が購入する物件だけでなく、親族が保有している不動産や賃貸アパートなどの投資物件や駐車場、別荘などにも担保を設定することができます。このような理由から、セゾンファンデックスの住宅ローンは永住権を持たない外国人の方にも広く利用されています。
WEBサイトで申し込むことができ、仮審査結果については最短即日で回答がもらえる点も特徴です。仮審査を通過したら本審査に移行しますが、その際には必要書類を提出します。そして書類提出後最短3日で審査が行われ、その後契約・融資実行となることから、早い方であれば1週間~10日程度で申し込みから融資実行まで完了するのではないでしょうか。
本審査の際に必要となる書類については、以下のとおりです。
- 本人証明書類:運転免許証、パスポートなど
- 住民票
- 収入証明書類:源泉徴収票、確定申告書の控えなど
- 確実に納税していることを証明できるもの:納税証明書
おわりに
永住権を持っていない外国人は住宅ローンを利用しにくいと言われていますが、セゾンファンデックスの住宅ローンのように永住権を持っていない方でも利用できる住宅ローンは存在します。また、ほかのローンと異なり、担保として提供できる不動産の範囲が広い点も特徴です。
ほかにも転職して間もない方や、自営業者の方、さらには、過去に信用事故(延滞など)を起こしており、他行の住宅ローンの審査に通らなかった方に対しても、提供する不動産の担保力を重視して融資を行うことから、非常に利用しやすいという一面があります。
もちろん、セゾンファンデックスの住宅ローン以外にも永住権を持っていない方に向けた住宅ローンはありますので、それらを比較して最終的にご自身に合った住宅ローンを選び、利用するようにしましょう。そして、その際にはきちんとした返済計画を立て、無理なく返済できるような額を借り入れ、確実に返済を行っていくことが大切です。