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不動産投資ローンは年収が少なくても組める?

年収が少なくても、不動産投資ローンは組める?
セゾンのくらし大研究 編集部

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別の手段を用いて収入を補うことが重要です。不動産投資はレバレッジにより自己資金以上の投資パフォーマンスが期待できるなどの特徴があります。不動産投資を始めるにあたって、どのくらいの年収が必要なのでしょうか。

不動産投資ローン

不動産投資ローンの審査基準

不動産投資を行う際、自己資金だけでは物件の購入が困難な場合、不動産投資ローンを利用して資金調達を行う必要があります。このローンは投資用不動産を購入するための融資であり、上限額が設定されているため、取得する物件を担保として差し入れる必要があります。融資審査では、物件の収益性と個人の資力・信用力を総合的に判断して返済資力が評価されます。

一般的に、価値が高いと評価される物件は、東京・大阪・名古屋などの大都市圏にあり、一定の賃貸需要が見込め、築年数が浅く投資利回りが高いものです。

不動産投資ローンを利用する方の属性としては、会社員など信用力があり年収が高く、勤続年数も長い方が好まれる傾向にあります。ただし、物件の収益力も返済資力として考慮されるため、勤続年数が短かったりフリーランスであっても、返済可能と判断されれば融資を受けられる可能性があります。

しかし、物件をフルローンで購入することは困難になっており、一定の自己資金が必要となります。また、奨学金などの他の借入金がある場合は、融資審査においてデメリットとなる可能性があります。

不動産投資家の年収はどれくらい?

実際に不動産投資を行っている方はどのような属性・投資条件となっているのでしょうか。まず、不動産投資ローンにおける「年収」の定義を明確にしておきましょう。

不動産投資ローンの審査において、年収は重要な要素の一つです。ここでいう年収には主に二つの種類があります。

  1. 給与所得者の場合:源泉徴収票に記載される給与収入が基準となります。これは、ボーナスを含む年間の給与総額を指します。
  2. 事業所得者(個人事業主やフリーランス)の場合:確定申告書の所得金額が基準となります。これは、売上から経費を差し引いた後の利益を指します。

多くの金融機関では、直近2〜3年分の年収を平均して審査に用います。ただし、不動産投資による家賃収入は、既に安定的に得られている場合でも、通常は年収としてカウントされません。これは、購入予定の物件からの将来の収入を年収に含めることで、過大な融資につながる可能性を避けるためです。

金融機関によって年収の定義や審査基準が異なる場合もあるため、具体的な条件については各金融機関に直接確認することをお勧めします。

不動産投資と収益物件の情報WEBサイト「健美家」の第13回不動産投資に関する意識調査によると不動産投資家の家賃収入も含んだ年収分布は500万円未満が10.6%、500万円〜700万円未満が12.3%となっており、投資家は会社員が過半を占めています。

給与収入のみの年収は不明ですが、平均年収の中央値である437万円が一定の目安と推測されます。購入した物件の所在地は東京・神奈川・千葉・埼玉が多く、物件利回りも10%以上が過半数を占めています。

物件を購入する際に不動産投資ローンを利用する場合の融資金利の平均は1%台が最も多く、自己資金の金額は500万円未満が24.9%、500万円〜700万円未満が11.5%となっており、自己資金は物件価格の20%程度を用意することが望ましいと言えます。

自己資金は物件価格の20%程度を用意する根拠と背景

自己資金を物件価格の20%程度用意することが望ましいとされる背景には、以下のような理由があります。

  1. 融資審査の通過率向上:多くの金融機関では、借入額を物件価格の80%以下に抑えることを好みます。20%の自己資金があれば、この条件を満たすことができ、融資審査を通過しやすくなります。
  2. 金利優遇の可能性:自己資金の割合が高いほど、金融機関にとってはリスクが低くなるため、金利の優遇を受けられる可能性が高まります。
  3. 予期せぬ費用への備え:不動産取得時には、物件価格以外にも諸費用(不動産取得税、登録免許税、仲介手数料など)が発生します。これらの費用は物件価格の5〜10%程度になることもあり、20%の自己資金があればこれらの費用もカバーしやすくなります。
  4. 空室リスクへの対応:賃貸経営において、一時的な空室は避けられません。自己資金に余裕があれば、空室期間中のローン返済や維持費の支払いに対応しやすくなります。
  5. 物件価値下落リスクの軽減:不動産価格が下落した場合でも、自己資金の割合が高ければ、いわゆる「担保割れ」のリスクを軽減できます。

ただし、20%という数字は一般的な目安であり、個々の状況や金融機関の方針によって変わる可能性があります。例えば、優良な物件であれば15%程度の自己資金でも融資を受けられる場合もあります。逆に、リスクが高いと判断される物件では、30%以上の自己資金を求められることもあるでしょう。

重要なのは、自己資金が多いほど選択肢が広がり、より有利な条件で不動産投資を始められる可能性が高まるということです。そのため、不動産投資を検討する際は、できるだけ多くの自己資金を準備することをおすすめします。

金融機関別不動産投資ローンの年収条件

不動産投資ローンの融資審査は、各金融機関が独自に定めており、年収要件が定められているところもあります。不動産投資ローンの利用に際して主な金融機関の年収要件を確認しておきましょう。

日本政策金融公庫

年収要件なし。政府系金融機関のため日本全国の物件購入に対応しています。

メガバンク:みずほ銀行

年収要件200万円以上。支店が全国にあり、融資対象エリアが比較的広い特徴があります。 

地方銀行:静岡銀行

年収要件100万円以上(勤続年数3年以上)。融資対象エリアがメガバンクに比べて狭い傾向があります。静岡銀行では、静岡に加え、東京・大阪・愛知・神奈川といった大都市圏の融資に対応しています。

信金・信組:多摩信用金庫

年収要件なし。営業エリアはさらに狭く、購入する物件の住所に加え居住地の住所にも左右される特徴があります。

ノンバンク:セゾンファンデックス

年収要件なし(安定収入のある方)。全国が融資対象エリアとなっていますが、一部対象外のエリアがあります。不動産投資ローンの申し込みにおいて年収要件はなしか低額な場合が比較的多く、定期収入の有無といった返済実態に応じた形となっています。

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不動産投資ローン

年収が少なくても不動産投資ローンは組める?

不動産投資ローンでは年収要件以外の条件も合わせて審査されるため、年収が低くとも不動産投資ローンを申し込むことは可能ですが、ローン審査の通過や有利な融資条件を引き出すためは年収も含めた諸条件を見直すことが重要です。

賃貸需要の見込めるエリアで築年数が浅く利回りの高い物件を選んだり、ほかの借入金を減らすほか、自己資金を多く差し入れることで融資条件の改善が期待できます。不動産価格の上昇により、フルローンで不動産投資を始めることは難しくなってきています。不動産投資による収入を得る前に家計収支を見直し自己資金を作れるように準備していきましょう。

セゾンファンデックスの不動産投資ローン

セゾンファンデックスでは個人向けと法人・事業者向けの不動産投資ローンを利用することができます。申し込み年齢は20歳以上70歳以下と幅広い年齢層に対応しています。年収要件もなく、個人事業主等であっても安定収入があれば申し込み可能となっています。融資期間も最長25~30年となっており返済計画に余裕を持たせることも期待できます。

融資額は100万円〜5億円となっており、築年数が経過していたり狭小物件や借地権の物件など銀行などでは融資困難な物件でも融資を行ってきた実績があるため、ほかの金融機関で断られた案件であっても相談してみると良いでしょう。

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不動産投資ローン

フルローンでの融資は購入する物件を担保とするだけでは難しいですが、自宅や親族の所有するほかの不動産物件を共同担保として差し入れることでフルローンが可能となる場合があります。

フルローンでの融資は購入物件を担保とするだけでは難しい理由

ここで、フルローンについて詳しく説明しましょう。フルローンとは、物件価格の100%を借入れで賄う方法を指します。つまり、自己資金をまったく使わずに不動産を購入することです。

フルローンでの融資が難しい理由は主に以下の点にあります。

  1. リスク管理:金融機関にとって、借入額が物件価格の100%だと、不動産価格がわずかでも下落した場合に「担保割れ」のリスクが生じます。担保割れとは、借入金残高が担保物件の価値を上回る状態を指します。
  2. 返済能力の懸念:自己資金がないということは、借入者の資金力に不安がある可能性を示唆します。これは返済能力に対する懸念につながります。
  3. 法規制:一部の金融機関では、自己資金比率に関する内部規定や、金融庁のガイドラインに基づく制限があります。
  4. 諸経費の問題:不動産取得には物件価格以外に諸経費(不動産取得税、登録免許税、仲介手数料など)が発生します。フルローンではこれらの費用を賄えません。

ただし、前述の通り、自宅や親族の不動産を追加担保として提供できる場合は、実質的なフルローンが可能になることがあります。これは、金融機関にとってのリスクが軽減されるためです。

また、収益性の高い優良物件の場合、または借入者の信用力が非常に高い場合には、例外的にフルローンに近い条件(例:物件価格の95%融資)が認められることもあります。

しかし、一般的には自己資金を用意し、借入額を物件価格の80%程度に抑えることで、融資を受けやすくなり、かつ有利な条件を引き出せる可能性が高まります。そのため、可能な限り自己資金を準備することをおすすめします。

まとめ:不動産投資を活用し、老後生活のための資産形成を

日本の現状は、年収の伸び悩みと将来の年金不安という二重の課題に直面しています。この状況下で、不動産投資は老後の資産形成を加速させる有力な選択肢となっています。

不動産投資の魅力は以下の点にあります。

  1. 安定した賃料収入
  2. レバレッジ効果による高い投資効率
  3. インフレヘッジとしての機能

ただし、成功への道筋は慎重に計画する必要があります。

  • 事前の資金準備と家計の見直し
  • 投資対象物件の厳選(立地、築年数、利回り)
  • 適切な金融機関の選択と融資条件の比較

特に、以下の点に注意を払いましょう。

  • 自己資金は物件価格の20%程度を目安に
  • 年収や信用力に応じた無理のない投資計画
  • リスク管理(空室や価格変動への備え)

不動産投資は、単なる資産形成の手段ではありません。それは、あなたの将来の生活を守り、豊かにする重要な戦略です。慎重に、しかし前向きに取り組むことで、安定した老後の礎を築くことができるでしょう。

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