車を所有していると、毎年必ず支払わなければならない自動車税。義務付けられているし、みんな払っているものだからと、なんとなく支払っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、自動車税とは何かということから、納税通知書が届く時期や支払方法など自動車税に関する気になるあれこれを、詳しく解説していきます。知っておくと安心することからお得なことまで紹介しているので、車を所有している方はぜひご一読ください。
- エコカーを新車登録した場合、エコカー減税やグリーン化特例と呼ばれる優遇措置が適応されるケースがある
- 自動車税の支払いは、銀行、郵便局、コンビニなどでの現金払いの他、PayPayなどのスマートフォン決済、クレジットカード払いが可能
自動車税ってそもそも何?
自動車税とは、自動車の総排気量や用途に応じて課税される税金のことです。毎年4月1日時点で、自動車の車検証上の所有者に対して、1年間分の支払義務が自動的に生じます。毎年発生するものなので、納税通知書が届いて焦ってしまうことがないよう、覚えておきましょう。
納税通知書が届く時期や支払期限は?
自動車税は、毎年4月1日時点で自動車の車検証上の所有者に発生すると前述しましたが、実際に手元に自動車税の納税通知書が届く時期やその支払期限はいつなのか気になりますよね。
そこでここでは、それらの時期や期限についてみていきましょう。
自動車納税通知書が届く時期
自動車税の支払義務者と金額は、4月1日以降に確定します。「自動車納税通知書」は、ゴールデンウィークあたりの5月上旬に都道府県の税事務所から支払義務者の手元に届きます。4月1日から翌3月末までの1年間の税金が記載されています。
支払期限
届いた納税通知書には、必ず支払期限が記載されています。一般的には5月末日までに納付しなければなりません。ただし、末日が土日の場合は6月に延長されます。
また、青森県や秋田県などの自治体によっては、条例により6月末が支払期限というケースもあります。このように、地域によって支払期限が異なる場合も珍しくないため、納税通知書に記載されている支払期限の確認を必ずしておきましょう。
自動車税は延滞可能?罰則の有無も確認
次に、自動車税の延滞について解説していきます。自動車税の納税通知書が届いたのに、期限までに支払うことを忘れてしまっていたり、何らかの理由で支払が困難だったりする場合、支払を延滞することは可能なのでしょうか。また、延滞するとどのようなことが起こるのでしょうか。
いつまで延滞できる?
自動車税には、いつまで延滞しても良いという明確な期限はありません。自治体によって異なりますが、延滞すると罰則規定があるので、できるだけ忘れずに期限内に支払いましょう。また、税金を支払わないと車検の更新ができません。車検日の前までに必ず完了しておくことが重要です。もし車検を通していない車で走行すると無車検車運行として罰則に問われることになります。
延滞するとどうなる?
何らかの理由で自動車税を延滞してしまったとき、どうなる可能性があるのか、具体的にみていきましょう。
延滞金が発生する
自動車税を延滞すると、延滞した翌日からその日数に応じ、最大で年率14.6%の延滞金が発生します。なお、自動車を廃車にしても、納税義務は解消されず、支払うまで延滞金は発生するので早めの対処が必要です。
2022年1月1日〜12 月31日までは以下が本税に加算されます。延滞金の利率は、年度毎に変動があります。延滞して無駄な出費が増えてしまうことを防ぐためにも、支払期限までに納税しましょう。
- 支払い期限の翌日から1か月以内の場合:年2.4%
- 支払い期限の翌日から1か月以降の場合:年8.7%
懲役や罰金が発生する場合も
自動車税を延滞していると、支払期限を約20日〜1ヵ月過ぎた頃に催促状や督促状が届きます。通知が届くタイミングや記載されている内容は、自治体によって異なります。催促状は届かず、いきなり督促状が届く場合もあるようです。
そして、催促状や督促状がきても、なお支払わずにいると最終通告である差押通知書が届きます。差押通知書が届くということは、いつ資産が差し押さえられてもおかしくない状況となります。なお、催促状や督促状、差押通知書がきても、延滞金を支払う意思があれば罪に問われることはありません。しかし、故意に支払わないよう抵抗する場合には罰則の対象になる場合もあるようです。
参照元:税金の支払い| 東京都主税局
支払いが難しいときはどうする?
では、どうしても自動車税の支払いが難しいときはどうしたら良いのでしょう。そんなときは、速やかに地方自治体に相談するのがおすすめです。支払う意思があることを伝えると、支払いの猶予や分割払いなどの支払方法の相談に乗ってくれることがほとんどです。支払えないからといって放置しないようにしましょう。
自動車税の具体的な金額は?
次に、自動車税の具体的な金額を紹介します。自分が所有している自動車はいくら自動車税がかかるのか、あらかじめ金額を把握しておくと支払いもスムーズにできるでしょう。
【普通車の場合】自動車税の金額
自動車税の金額は、排気量に合わせて金額が決まります。普通車の場合の金額ですが、普通車には排気量が異なる車種がたくさんあるので、その排気量に合わせた金額を支払わなければなりません。排気量は車検証で確認することができます。また、自動車メーカーのカタログや車の仕様書である「諸元表」にも記載されています。
新車登録が、2019年10月1日以降の普通車の場合は、総排気量1リットル以下だと25,000円、1リットル超からは、0.5リットル刻みで税額が上がります。最大6リットル超の金額まで設定されています。
自動車税の金額(自家用乗用車の場合)
総排気量 | 2019年9月30日以前 | 2019年10月1日以降 |
1リットル以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1リットル超~1.5リットル以下 | 34,500円 | 30,500円 |
1.5リットル超~2.0リットル以下 | 39,500円 | 36,000円 |
2.0リットル超~2.5リットル以下 | 45,000円 | 43,500円 |
2.5リットル超~3.0リットル以下 | 51,000円 | 50,000円 |
3.0リットル超~3.5リットル以下 | 58,000円 | 57,000円 |
3.5リットル超~4.0リットル以下 | 66,500円 | 65,500円 |
4.0リットル超~4.5リットル以下 | 76,500円 | 75,500円 |
4.5リットル超~6.0リットル以下 | 88,000円 | 87,000円 |
6.0リットル超 | 111,000円 | 110,000円 |
【軽自動車の場合】自動車税の金額
自家用乗用軽自動車の税額は、一律10,800円です。
エコカーを新車登録した場合は減税されるケースも
電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車などの燃費性能に優れ環境にやさしいエコカーを適用期間中(2023年4月1日~2026年3月31日)に新車登録した場合は、エコカー減税やグリーン化特例と呼ばれる優遇措置があります。新車登録を行った翌年分の自動車税が概ね75%軽減されます。
ただし、毎年基準や適用範囲が変更される可能性があるので、どのくらい優遇されるのか詳しく知りたい方は最新の情報を確認しましょう。
参照元:国土交通省|自動車税のグリーン化特例の概要 ○ 重 課 ○ 軽 課
年数が経過した車は税負担が増えることも
エコカーとは反対に、年数が経過し環境に負担となりやすい自動車に乗っている場合は、税金が増えることもあります。
普通車のディーゼル車は新車登録から11年超、ガソリン車は13年超が経過している場合は、本来の金額に概ね15%、軽自動車の場合は13年超が経過している場合は、概ね20%税額が高くなります。
もともと税額が安い軽自動車などはそれほど負担にならないかもしれませんが、普通車の場合は排気量が多いとそれだけ増税する金額も高くなるので注意が必要です。
想像以上に自動車税が高くて困ってしまうことがないよう、長年同じ自動車に乗ってきた方には、どの程度税金が高くなっているのか確認することをおすすめします。なお、電気自動車や天然ガス自動車などのエコカーに関しては、増税の対象外です。
自動車税の支払方法は?
近年、買い物などにはさまざまな支払い方法がありますが、自動車税はどのような支払方法があるのでしょうか。ここではその方法と、支払うまでの具体的な流れを紹介します。
クレジットカード支払い
まず始めに紹介する方法は、クレジットカード支払いです。クレジットカード支払いには、自治体による独自の専用サイトから支払う方法と、Yahoo!公金支払いサイトなどにカードを登録して支払う方法の2パターンあります。
どちらの方法でも、支払手順に大きな違いはありません。所定のサイトにアクセスし、必要な情報を入力していきましょう。クレジットカード支払いをするメリットには次が挙げられます。
- インターネットを通じて24時間いつでもどこでも支払うことができる
- 一括払いや分割払い、リボ払いなど支払方法が選べる
- クレジットカードのポイントを貯めることができる
- 「ご利用明細」で税目や金額を確認できるから、家計管理が簡単
ただし、以下のデメリットがあることも頭に入れておきましょう。
- 手数料が発生する
- 納税証明書の発行に約10日間の時間がかかる
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口座振替
自動車税は、口座振替でも支払いが可能です。口座を登録しておけば、毎年登録した金融機関の預貯金から自動で引き落としされます。自動車税を口座振替で支払うには、銀行や役所での事前手続きで口座登録などの手続きが必要です。本年度分の自動車税を口座振替で支払いたい場合は、所定の期限までに手続きを行わなければなりません。
口座振替の支払いは、始めこそ登録が必要ですが、それ以降は窓口などに出向いたり手続きをしたりする必要がなく、納税した記録も通帳に残ります。また、廃車にしたときなどに還付金が発生した場合には、登録した口座で還付金を受け取ることが可能です。ただし、自治体によって口座振替に対応していない場合があるので、自分が住んでいる地域はどうなのか事前に確認しておくと良いでしょう。
納付書での現金払い
手続きなどの必要がなく最もシンプルな支払方法といえるのが、納付書での現金払いです。現金と納付書を持参して、コンビニエンスストア・金融機関・郵便局・県税事務所(普通自動車)・市税事務所(軽自動車)で支払いましょう。
機械操作や手続きが苦手な方でも、出かけるついでなどに簡単に支払いを済ますことができます。しかし、忙しい方はなかなか支払いに行けなかったり払い忘れたりする可能性もあるので注意しましょう。
ネットバンキング
ネットバンキングで支払う方法もあります。ネットバンキングの契約があれば、いつでもどこでもスマホやパソコンから支払い可能で、銀行口座からの引き落としが自動的に完了します。届いた自動車納税通知書にペイジーのマークがあれば支払いができるので、ネットバンキングで納付書の番号を入力して支払いをしましょう。ペイジーはクレジットカードを持っていない方でも利用することができますよ。
自動車税を支払う際の疑問を解決!
ここまでは、自動車税の基本的な内容を解説してきましたが、他にも気になることはあると思います。そこで、自動車税を支払う際に発生しがちなあらゆる疑問について解説していきましょう。
年度の途中で車を買い替えたらどうなる?
4月1日時点で自動車を所有していると、1年間分の支払義務が生じる自動車税。では、年度途中で車を買い替えるとどうなるの?と疑問を抱く方も少なくないでしょう。年度の途中で車を買い替えた場合は、車両登録をした月の翌月から翌年の3月までの支払いが、月割計算で発生します。そして発生した自動車税は、車両登録時に支払うことになります。
年度の途中で廃車にしたらどうなる?
年度の途中で車を廃車にした場合、抹消登録を行った翌月から翌年3月までの残月分の納付額を月割で計算し、還付されます。廃車手続きをした1〜2ヵ月後に還付通知書が届くので、手続きをして還付金を受け取りましょう。ただし、軽自動車税は還付対象外です。
節税する方法はある?
自動車税は、購入時期に注意することで節税が可能です。
普通車の場合は、年度の途中で車を購入すると、新規登録をした月の翌月から3月までの月割計算で発生すると前述しました。つまり、購入のタイミングを月末から翌月初めにすることで、約1ヵ月分の節税になります。軽自動車税には月割計算がないので、4月1日時点で車を所有していなければ、その年の支払いは不要です。つまり、軽自動車は4月2日以降のなるべく早い日に購入するのがお得だといえます。
自動車税の分割納付はできるの?
自動車税を一括で支払うことが難しいときには、分割納付するという選択もあります。クレジットカード支払いをすれば、分割払いやリボ払いを選択することができます。また、資金使途の制限がないローンを利用するのも1つの手段です。ただし、支払総額がクレジットカードの分割払いよりも高額になることがあるため注意してください。
また、支払いが困難なことを都道府県の税事務所に相談して正当な理由と判断された場合は、延滞金は発生しますが分割が可能になることもあります。
さらに、何らかの原因で入院したり、財産が失われたりして「徴収猶予の要件」に当てはまる場合は、支払えない金額分については分割納付できます。猶予期間は原則1年以内で、延滞金も発生することは覚えておきましょう。ただし、分割できるのは普通車の場合のみで、軽自動車税は分割納付できません。
おわりに
自動車税は、すべての車の所有者に支払義務のある税金です。自動車の種類や購入時期によって税率が異なり、延滞すると延滞金や罰則などが発生する場合があります。納税通知書が届き、焦ることがないよう、あらかじめ所有している自動車にかかる金額を確認しておきましょう。自動車税にはさまざまな支払方法があるので、支払い忘れのないよう自身に合った方法で期限内に納めましょう。