壁が汚れてしまった時やお部屋の雰囲気を変えたい時に検討されるのが、壁紙の張り替えです。しかし、DIYで壁紙の張り替えをする場合、手順や注意点を押さえずに始めてしまうと失敗してしまうことがあります。
今回は、そのような失敗をできるだけ少なくするよう、手順や注意点などを徹底解説していきます。DIYを検討している方、プロに依頼するか迷っている方は、ぜひご一読ください。
もしご自身のDIYに自信がない場合には、最初からプロに任せるのが失敗もなくおすすめです。「セゾンの住まい小修繕」では、年中無休で受け付けており、全国広域の対応可エリアをサービススタッフが巡回しているため、最短即日でご依頼先へ出張可能です。壁紙の張り替えをする時の選択肢の一つとして、ぜひご検討ください。
DIYで壁紙の張り替えをするメリット・デメリットは?
まずは、DIYする場合のメリットとデメリットをご紹介します。
DIYで壁紙の張り替えをするメリット
壁紙の張り替えをするメリットのひとつは、お部屋の雰囲気をガラッと変えられることです。これはDIYに限ったことではありませんが、お部屋の雰囲気が変わると気分転換になります。さまざまな柄の壁紙があり、その中からご自身の好きなものを選ぶ楽しみがあることもポイントです。
壁紙の張り替えをすると、汚れたり剥がれたりしてしまった壁材を交換する、隠すといったことが可能になります。さらに、壁紙の張り替えをDIYで行った時にかかる費用は、材料代や道具代のみ。施工会社に依頼する場合と比較すると、施工費がかからないため費用が安く済みます。
また、好きなタイミングで壁紙の張り替えができることもメリットといえるでしょう。施工会社の都合に合わせる必要がないため、ご自身の都合に合わせていつでも始められます。
DIYで壁紙の張り替えをするデメリット
DIYで壁紙の張り替えをするデメリットは、失敗する可能性があることです。具体的には、壁紙が波打ってしまったり歪んでしまったりといった失敗が考えられます。また、大きな柄のものを選んだ場合は、つなぎ目がちぐはぐになってしまうこともあります。
プロに依頼する場合と比べて、作業時間がかかることもデメリットです。特に初めてのDIYでは、やり方を確認しながらの作業となるため、さらに時間がかかるでしょう。
壁紙張り替え会社に依頼する場合とDIYする場合の費用の違いは?
施工会社に依頼する場合とDIYする場合では、どのくらい費用に違いがあるのでしょうか。それぞれにかかる費用についてご説明します。
施工会社に依頼する場合
施工会社に壁紙の張り替えを依頼する場合、1平方メートル当たりの費用の目安は、一般的に1,000~1,500円程度です。壁紙のグレードによるため、安価な量産品であれば800~1,000円ほどで張り替えられることもあります。1平方メートル当たりの費用では、イメージしにくいかもしれません。費用相場を場所別にみてみましょう。
- 廊下:20,000~60,000円
- キッチン:40,000~70,000円
- 洗面所:40,000~60,000円
- トイレ:30,000~60,000円
廊下は施工しやすいため、他の場所と比べて費用が安い傾向です。どの場所も100,000円程度で収まることが多いでしょう。しかし実際には、壁の面積の他、壁紙のグレードやもともとの壁材の状態によって相場より高くなる場合もあります。そのため、施工会社に依頼する場合は、見積もりをしてもらって費用を確認しましょう。
DIYする場合
DIYで壁紙の張り替えをする際にかかる費用は、壁紙代と道具代のみです。施工費がかからないため、壁紙張り替え会社に依頼する場合の1/3程度の費用で壁紙の張り替えができます。ただし、失敗してやり直した場合には、結果的に費用が高くなってしまう可能性もあります。
費用を大幅に抑えるためにやったDIYで、時間だけでなく費用もかかってしまうという事態は避けたいです。そうならないためには手順をしっかりと確認してイメージしておくこと、イメージしてみて自信がない場合には施工会社に依頼することが大切です。
DIYをする時の壁紙の選び方は?
壁紙には種類があるのをご存じですか。ここでは、DIYをする時に知っておきたい壁紙の種類をご紹介します。
のりなし壁紙
のりなし壁紙はのりがついていないため、事前にのりを用意して塗ってから使用する必要があります。のりなし壁紙を使ってきれいに仕上げたい場合には下地処理が必要です。下地処理とは、既存の壁紙を剥がして、壁紙の下にある壁の下地を整えることです。
剥がした時の壁の状態によっては、穴を埋める処理が追加で必要になることもあります。DIYする範囲にもよるため一概にはいえませんが、のりなし壁紙を使った時にかかる時間の目安は1日~1日半程度です。
のりなし壁紙は、のりつき壁紙と比べてのりが乾いてしまうということがなく、使用する期間が限定されません。そのため、ご自身のペースで壁紙を張り替えられるでしょう。費用はのりつきと比べると比較的安いとされていますが、輸入品である場合やグレードが高い場合には、その限りではありません。
張り替えで余ってしまったのりなし壁紙には、壁紙以外の活用法もあります。裏にのりがついていないため、おしゃれな紙として自由に使えるのです。ブックカバーにしたり、子ども部屋をかわいく飾るガーランドにしたりと、さまざまな場面で使えます。他には、パネルに貼って撮影の際の背景にする使い方もあります。壁紙以外にも使えるのはうれしい点です。
のりつき壁紙
のりつき壁紙の裏面には、水性の生のりがついています。裏についている紙を剥がせばそのまま使えるため、のりを塗る必要があるのりなし壁紙と比べて、作業がスムーズに進むでしょう。張り替えにかかる時間の目安は1日程度です。のりなし壁紙と同様、きれいに張り替えするには下地処理が必要となります。
のりつき壁紙は乾くと使用できなくなってしまうというデメリットがあります。最初は位置の調節などがしやすいですが、時間の経過とともにのりが少しずつ固くなってしまうのです。そのため、長期間かけて地道にDIYしたい場合にはおすすめできません。必要な量だけ購入して、1ヵ月以内に使い切るようにしましょう。
シール壁紙
最近増えてきているのが、裏についている紙を剥がしてすぐに使えるシール壁紙です。もともとの壁材がツルツルしていてもくっつきやすく、壁紙を剥がさずに上から貼るため、下地処理をする必要もありません。
また、水に強い素材なので、キッチンや浴室などの濡れる可能性がある場所の壁紙としても安心して使えます。そのため、初めて壁紙を張り替える方でも、気軽にトライすることが可能です。壁以外にも、家具や雑貨に使用できるため、DIYの幅を広げてくれます。
さらに、貼りやすいだけでなく、剥がしやすいことも特徴です。跡が残ることなくきれいに剥がせるため、賃貸に住んでいる方や、頻繁に壁紙を変えたい方にもおすすめです。
シール壁紙の張り替えにかかる時間の目安は、1日程度です。これだけ見るとのりつき壁紙とそれほど変わりませんが、下地処理が不要な点で、のりつき壁紙よりは短い時間で作業できるでしょう。
壁の張り替えをする時に使う道具
壁の張り替えをする時に必要な道具を、下地処理と壁の張り替えに分けてご説明します。
下地処理に必要な道具
下地処理に必要な道具を以下にまとめました。のりなし壁紙・のりつき壁紙を使って張り替えをする時は、あらかじめ準備しておきましょう。これらをそろえれば、下地処理ができます。
- カッター:既存の壁紙を剥がす
- 金属ヘラ:下地のめくれやささくれを落とす
- パテ:下地の穴や凹みを埋める
- パテベラ:パテを平坦にならす
- パテ板:パテをのせるための板
- サンドペーパー:乾いたパテを削る
壁紙の張り替えに必要な道具
壁を張り替える際に使う道具もみてみましょう。のりなし壁紙の場合には、のりを塗るための道具も必要になるので参考にしてください。
- カッター:壁紙をカットする
- ハケ:壁紙を貼りつける時に空気を抜く
- 竹ヘラ:壁紙に折り目をつけてカットする時の目安にする
- 地ベラ:壁紙をカットするためのガイド
- ローラー:壁紙の上からこすりつける
- スポンジ:周囲についてしまったのりを拭き取る
【のりを塗るために必要な道具】
- のり
- ローラー:壁や壁紙にのりを塗布する
- ローラーバケット:のりを入れる
- ハケ:端や角などの狭い部分にのりを塗布する
- 養生シート:壁紙にのりを塗布する時に床が汚れるのを防ぐ
- 養生テープ:壁にのりを塗布する時に壁が汚れるのを防ぐ
のりを塗る時は、専用のローラーやハケなどを準備しましょう。紙製壁紙の場合は養生シート、不織布製壁紙の場合は養生テープを用意します。ローラーバケットは、ローラーが入るサイズのバケツなどでも代用できます。
壁紙の張り替え手順
壁紙の張り替え手順について、下地処理と実際に壁紙を貼る作業に分けてご説明します。
のりなし壁紙・のりつき壁紙で必要となる下地処理の方法
のりなし壁紙・のりつき壁紙では、下地処理が必要です。下地処理の方法をみていきましょう。この作業をすることで、仕上がりがきれいになります。
- カッターで切れ込みを入れて既存の壁紙を剥がします。
- 下地にめくれやささくれがある場合は、金属ヘラで落としてきれいにしておきます。その際、新たなキズをつけてしまわないように気をつけてください。
- 下地の穴や凹みをパテで埋めていきます。やや盛り上がる程度にパテをのせるのがコツです。
- のせたパテをヘラでなぞり、盛り上がったパテをパテベラの先で一気にそぐように落とします。
- パテが乾いてから、壁が平らになるようにサンドペーパーでパテを削りましょう。
壁紙の張り替え方法
次に、壁紙の張り替え方法についてご説明します。のりなし壁紙の場合は、のりを塗ってからのスタートになります。のりつき壁紙やシール壁紙の場合には、2番の手順は不要です。
- 壁紙をどのように貼るのか採寸し、下地に軽くガイド(線)を引いておきます。
- のりを塗布しましょう。紙製壁紙の場合は壁紙の裏面に、不織布壁紙の場合は壁にのりを塗布します。塗り残しがないように、端は特に念入りにのりづけしてください。壁紙の裏面にのりを塗布した場合には、塗布し終わってから数分程度おいて、全体を湿らせるようにします。
- ガイドに合わせて壁紙1枚を貼り、ハケで中央から外側に向かって空気を抜きます。この際、丁寧に空気を抜くのがポイントです。
- 2枚目、3枚目というように、隣り合わせになる壁紙から貼っていきます。紙製壁紙の場合は2~3mm重ねるようにして貼り、不織布壁紙の場合は重ねずにぴったり貼ります。
- ローラーを使って、端やつなぎ目の部分をしっかりと貼りつけましょう。
- 余分な壁紙をカットする前には、竹ヘラで同じところを数回なぞり筋目をつけておきます。そして、筋目を参考にしながら、地ベラをガイドにして余分な壁紙をカッターで切り取ります。
- はみ出したのりをスポンジで拭き取れば、壁紙の張り替えは完了です。シール壁紙の場合は、のりの拭き取りが不要です。
DIYの強い味方!便利なシール壁紙はどこで手に入る?
壁紙の張り替え手順を見ていただくとわかるように、シール壁紙は下地処理やのりの拭き取りなどの作業工程を省くことができて便利です。DIYで壁紙の張り替えをする際の強い味方です。そんな便利なシール壁紙ですが、一体どこで手に入れられるのでしょうか。
シール壁紙は100均の他、ニトリなどの身近なところで手に入れられます。100均のシール壁紙は80×30cmなど小さいサイズで購入できるため、キッチンや洗面所などの狭いスペースのDIYにぴったりです。柄は、レンガや木目、タイル、ストーン、レザーなどさまざまなものがあります。
ニトリのシール壁紙は45×250cmと比較的大きいサイズなので、広いスペースのDIYにおすすめです。ニトリでも、シンプルでモダンなものなど多くの種類のシール壁紙を取り扱っています。
DIYで壁紙の張り替えをする時の注意点
DIYで壁紙の張り替えをする時は、DIYできない箇所や壁紙の廃棄ルールなど、注意しなければならない点があります。失敗やトラブルを防ぐために、ここで確認しておきましょう。
DIYに向かない場合もある
コンクリートや漆喰、土壁のような凹凸のある壁材は、DIYで壁紙を貼っても剝がれてしまうことがあります。また、古い壁紙の場合はうまく剥がせないことも。そのような場合には、壁紙張り替え会社に依頼した方がきれいに仕上がります。
シール壁紙は、撥水コート処理された壁紙や、はがれかかっている古い壁紙には使用できないものが多いです。壁紙の張り替えをする時は、元の壁材の材質や状態なども考慮する必要があります。
賃貸の場合はオーナーや管理会社に確認を
賃貸の場合は、原状回復義務があるため注意が必要です。原状回復とは、入居時と同じ状態に戻すこと。そのため、のりなし壁紙やのりつき壁紙などを用いて賃貸でDIYしたい場合には、オーナーや管理会社に確認しなければなりません。
その点、シール壁紙であれば既存の壁紙の上から貼り、退去時に剥がすだけで済むので、すぐに原状回復ができます。賃貸にお住まいの方は、どうしても本格的にDIYしたいというわけでなければ、シール壁紙による張り替えをおすすめします。
剥がした壁紙は自治体のルールに従って廃棄する
壁紙の廃棄時にも注意が必要です。「一般ごみとして捨てられるのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、紙製の壁紙であっても、量が多い場合にはそのまま廃棄できません。自治体のルールを事前に確認し、必ずそれに従って廃棄しましょう。
おわりに
DIYで壁紙を張り替える手順や注意点をご紹介しました。手間をかけて壁紙を張り替えると、愛着のあるすてきな空間となるでしょう。しかし、選択する壁紙の種類によっては、下地処理やのりの塗布なども必要となるため、難しそうと感じる方もいるでしょう。
DIYでやることに自信がない場合には、プロに任せるのが失敗もなくおすすめです。「セゾンの住まい小修繕」では、壁の修繕や壁紙の補修などを行っています。壁紙の張り替えをする時の選択肢のひとつとして、ぜひご検討ください。