新築マンション購入の流れを、購入を開始する前の準備も含めて詳しく解説します。また、満足度の高い取引を実現するためのポイントもご紹介するため、ぜひ参考にして資金不足などのトラブル回避に役立ててください。
新築マンション購入までに準備しておくこと
東日本不動産流通機構の市場調査によれば、中古マンションとして新規に売りに出された物件の平均築年数は約27年です。短期的にマンションの売買を繰り返す方もいますが、20年、30年後も住めるマンションを選ぶ方も多いと考えられるでしょう。
新築マンションを購入するときも、長く住める物件かどうか吟味する必要があります。より満足度の高い新築マンションの購入を実現するためにも、以下の事前準備をしておきましょう。
・物件の条件を決める
・資金計画を立てる
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
参考:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」
物件の条件を決める
どのような物件を購入したいのか、家族で話し合っておきましょう。都市部や再開発地区、人気の駅周辺では物件数が多いため、方針が決まらないとある程度絞り込んで検討することができません。効率良く新築マンションを探していくためにも、間取りや立地、譲れない条件などを書き出してみましょう。
ム、最寄り駅からの距離、スーパーマーケットや医療機関などの生活に必要な施設が近くにあること、周辺や駅からの道に必要充分な外灯がついていることなども、長く安心して生活するために吟味しておきたいポイントです。
資金計画を立てる
予算をどの程度にするのか、きちんとした資金計画を立てておきます。条件が良ければ、その分、物件価格は高額になるでしょう。特に地価は新築マンションの価格を左右するため、人気のエリアや利便性が高い駅周辺などの物件は高額になりがちです。
どの程度の金額までであれば購入できるのか、資金の目処を付けておきましょう。住宅ローンを利用して購入する場合は、自己資金を確認のうえ、借り入れの額についても決めておく必要があります。同時に、何年間で完済するのか、月々の返済金額なども決めておきましょう。
新築マンション購入の流れと期間
物件の条件と予算を絞り込むと、新築マンションの候補も絞られます。候補を数件に絞った後で、次の流れに沿って新築マンション購入の手続きを進めていきましょう。
- 物件情報を収集~物件見学
- 購入申し込み~契約
- 住宅ローン申し込み~物件引き渡し
それぞれの段階で見込まれる期間についても紹介します。新築マンション購入のプランを立てる際の参考にしてください。
物件情報を収集~物件見学
まずは、物件に関する情報を収集しましょう。インターネットやチラシなどで情報を集めていきます。気になった物件があれば見学しましょう。インターネットやチラシで見ているだけでは、実際の雰囲気や日当たり、設備のグレードなどを把握することができません。
収集した情報の中に気になるポイントがあるときは、見学前にメールや電話で問い合わせておくことがおすすめです。希望の条件を満たさない可能性があることが早めに分かれば、見学に行く手間を省ける可能性もあるでしょう。
購入申し込み~契約
気に入った物件が予算内であれば購入を申し込みましょう。物件によっては、2万円~10万円程度の申込証拠金の支払いが必要なこともあります。
次は住宅ローンの事前審査(仮審査)です。金融機関にもよりますが、事前審査の結果は通常1日~3日で分かるでしょう。申し込みから7日~10日後には販売会社から重要事項説明を受け、住宅購入契約を締結します。
なお、契約の際には5%~10%程度の手付金を支払うことが一般的です。手付金は購入するマンションの代金の一部に充当されます。手付金を支払った後に、より良い物件が見つかったときは手付金を放棄することで購入をキャンセルすることが可能です。
4,000万円の新築マンションであれば手付金は200万~400万円程度になります。いくつか物件を比較して、購入の意思を固めてから手付金を支払うようにしましょう。反対に、売主側の事情で手付金支払い後に契約がキャンセルされた場合は、買主は手付金を全額返還してもらえるだけでなく、手付金の同額の慰謝料も受け取れます。
住宅ローン申し込み~物件引き渡し
住宅ローンを利用する場合は、住宅購入の申し込みの段階で事前審査を受け、住宅購入契約後に本審査となります。住宅ローンの審査に通過した後は、住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を締結し、新築マンションの抵当権設定登記を行います。オプションなどを決める内覧会、残余金の支払いを経て物件引き渡しです。
なお、住宅がすでに完成している場合は1ヵ月~3ヵ月で入居となりますが、まだ物件が完成していないときは1年くらいかかることもあります。住宅ローン審査に通過していても、実際に融資を受けるのは引き渡し時になるため、住宅ローンは引き渡し時点の金利が適用されることに注意しておきましょう。
セゾンの住宅ローンでは、借入期間中に金利が変わらない全期間固定金利のフラット35を取り扱っています。融資率(マンション購入資金におけるローン借入額の割合)で適用金利が決まるシンプルな仕組みが特徴です。また、途中で繰り上げ返済していただくときも手数料はかかりません。新築マンションの資金計画のひとつとして、ぜひご検討ください。
新築マンション購入における3つの注意点
新築マンションを購入する際に注意したいポイントとしては、次の3つが挙げられます。
- 住宅ローン特約を付ける
- 頭金や諸費用を考える
- リセールバリューを考える
それぞれのポイントを意識することで、新築マンションを購入する際の資金面でのリスクを回避することができます。何に注意すべきか詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
住宅ローン特約を付ける
手付金は物件の5%~10%程度と決して安い金額ではありません。大切な資金を有効に活用するためにも、手付金を支払うときはマンション購入をキャンセルしないことを前提にしておく必要があります。比較対象物件をしっかりと内覧し、購入の意思を固めてから手付金を支払いましょう。
ただし、予想外の事情でマンション購入ができなくなることがあります。しばしば見られるのが、住宅ローン審査に落ちたために資金が借りられないという理由でのキャンセルです。住宅ローン審査は金融機関が行うため、売主にとっては購入を約束していたにもかかわらずに破棄されたことになり、手付金を手放すことにもなりかねません。
住宅ローン審査に落ちたことが理由で手付金を手放すリスクを回避するためには、「住宅ローン特約」を住宅購入契約に付けておくことが必要です。住宅ローン特約を付けておくと、住宅ローンの審査に通らないときは手付金を放棄せず、契約をキャンセルできます。
頭金や諸費用を考える
頭金の割合が多いと借入額が減るため、一般的に住宅ローン審査に通りやすくなります。また、金融機関によっては頭金の割合が多いと低い金利が適用されるため、利息を減らす効果も期待できるでしょう。しかし、手持ち資金を全て頭金として使うと、新居のために家具や家電製品を購入する資金や生活費に余裕がなくなってしまいます。また、急な支出に対応できなくなることも不安要素といえるでしょう。
また、マンション購入時には諸費用(不動産取得税、住宅ローンの事務手数料、保証料、抵当権設定費用、所有権保存(移転)登記費用、火災保険料など)がマンション価格の3%~5%程度かかります。諸費用は現金で支払うことが多いため、頭金の金額を決めるときも考慮するようにしましょう。
リセールバリューを考える
長く暮らすつもりで新築マンションを購入する場合でも、何らかの事情が生じて早期に売却する可能性もあるでしょう。
例えば、通勤が難しいところに転勤することになった、子どもの進学先が遠いので学校の近くに家族で引っ越したい、親の住宅で同居することになったなど、マンションの売却が必要になる状況はさまざまです。
新築マンションを購入するときは、売却することを想定し、駅近や標準的な間取りなどリセールバリューの高い売れやすい物件を選ぶようにしましょう。特に駅からの距離はリセールバリューに大きな影響を与えるポイントです。
一般的に駅からの距離が近いと、築年数がある程度経っていても資産価値は落ちにくく、高額売却しやすいとされています。リセールバリューがある物件は、早く売れるのもメリットです。
急に引っ越しが決まったときなどは、できるだけ早く売却することで、引っ越し先の住宅を購入する資金を用意しやすくなります。売れない期間が長引くと値下げを余儀なくされる可能性もあるため、資金計画に影響を及ぼしかねません。
納得できるマンション購入を実現しよう
新築マンションを購入するときは、家族でしっかりと話し合い、住宅に対する希望と資金計画を立ててからアクションを起こすようにしましょう。
また、条件に合う物件が見つかったときも、安易に購入契約を結ぶのはリスクがあります。何らかの事情が生じて購入を止める場合には、手付金を手放す必要が生じるかもしれません。
住宅ローンを利用して新築マンションを購入するときは、ローンの返済計画をしっかりと立てておくことが必要です。どの程度の金額を借りるのか、毎月の返済額はどの程度にするのかを決めておくと、無理なく返済を続けていけます。
固定金利の住宅ローンであれば最初に利息額や月々の返済額、総返済額が計算できるため、返済計画を立てやすいでしょう。また、繰り上げ返済の手数料がかかるかどうかもチェックしておくこともポイントです。無理のない範囲で住宅ローンを借り、満足度の高いマンションを購入しましょう。
既に住宅ローンを組んでいて、借り換えを検討している場合は、お客様の希望やニーズに合わせた最適な住宅ローンを提案できる住宅ローンの相談窓口へ相談してみてはいかがでしょうか。