国民の利便性や行政の効率化を高めるマイナンバーカード。「マイナンバーカードってなに?」「マイナンバーカード申請はどうやるの?」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マイナンバーカードの基本やスマートフォンで申請をするメリット・操作手順について解説します。申請後の受け取り方やよくある疑問についても紹介しますので、まだマイナンバーカードの申請を行っていない方は、ぜひチェックしてくださいね。
1.マイナンバーカードってなに?基本をおさらい
マイナンバーカード、という言葉は知っているけれどよく分からないという方もいるでしょう。まずは、今さら聞けないマイナンバーの基本についておさらいしていきましょう。
1-1.マイナンバーってなに?
マイナンバーとは、住民票が日本にある、すべての住民に対して一人に1つ付与される12桁の個人番号です。
マイナンバー導入により、行政では個人の特定が確実に行えるだけでなく、各行政機関との情報連携が可能となり提出書類の軽減や事務処理の簡素化、作業効率の向上が図られ、行政手続きにおいて負担削減や利便性を高める効果が期待されています。
また、マイナンバーが普及すると所得やサービスの受給状況が把握しやすくなるので、公平公正な社会づくりに必要な社会基盤としての役割も担っています。
1-2.マイナンバーカードってなに?
マイナンバーカードとはマイナンバーや個人情報が記載された顔写真付きのカードです。マイナンバーカードは、マイナンバーを証明する書類や身分証明書として、そのほか自治体サービス、e-Tax等の電子証明書を利用した電子申請等、様々なサービスに利用することができます。
なお、マイナンバーカードとよく一緒に耳にする「個人番号通知書」や「通知カード」については以下のとおりです。
個人番号通知書とは?
個人番号通知書とは、住民一人一人に対してマイナンバーを通知する書類です。書面には氏名・生年月日・マイナンバーが記載されています。
ただし、この個人番号通知書は、自身のマイナンバーをお知らせするために送付しているものであり、マイナンバーを証明する書類や身分証明書として利用することはできません。
通知カードとは?
通知カードとは、住民に対してご自身のマイナンバーをお知らせする紙製のカードです。通知カードには、マイナンバー・氏名・住所・性別が記載されています。通知カードには顔写真がないため、公的な身分証明として使用するには旅券や運転免許証などの本人確認書類が別途必要です。
1-3.マイナンバーカードでできることは?
では、マイナンバーカードは1枚あるだけで下記のことに利用できます。今後も、健康保険証として利用可能な医療機関が拡大したりと、マイナンバーカードを持つメリットの充実が進んでいます。
マイナンバーカード1枚でこんなことができる!
- マイナンバー(個人番号)の証明書類に
- 行政手続きでのオンライン申請
- 本人確認で有効な公的身分証明書に
- 各種民間でのオンライン取引や口座開設の本人確認に
- 各種証明書をコンビニなどで取得できる
- 付加サービス搭載の多目的カードとして
- マイナンバーカードが健康保険証代わりに
電子証明書はなにに使うの?
電子証明書とは本人であることを認証局から電子的に証明するものです。マイナンバーカードに付いているICチップには、「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2種類の電子証明書が標準搭載されています。
「署名用電子証明書」はe-Taxなどの電子文書送信時などで使用でき、「利用者証明用電子証明書」はインターネットなどでの本人確認の証明手段として用いることが可能です。
2.マイナンバーカードはスマホ申請できる?
マイナンバーカード申請には、個人番号通知書や個人番号カードと一緒に届いた「交付申請書」が必要です。この交付申請書を使ってマイナンバーカード申請を行いますが、申請方法は4つの方法から選択できます。
ここではそれぞれの申請方法について紹介しましょう。
2-1.スマホを使った申請方法
スマートフォンを使って申請するには、交付申請書にあるQRコードを読み取り、申請用のWebサイトにアクセスして行います。オンライン申請サイトでは、メールアドレスや申請書ID、申請者情報などの必要事項を入力し顔写真を登録するだけです。
顔写真は操作中にスマートフォンで撮影した画像が利用できます。申請完了後は、登録したメールアドレス宛に登録完了を知らせるメールが届いたことを確認しておきましょう。
2-2.パソコンを使った申請方法
パソコンを使って申請するには、交付申請専用Webサイトにアクセスして行います。オンライン申請用サイトでは、スマートフォンでの申請同様メールアドレスや申請書ID、申請者情報などの入力が必要です。
パソコン申請でも顔写真の登録が必須なので、申請前にデジタルカメラなどで顔写真を撮影しデータを保存しておきましょう。申請完了後は登録したメールアドレス宛に届いた登録完了を知らせるメールを確認しておくと安心です。
2-3.証明写真機を使った申請方法
マイナンバーカード申請をするには、街中にある証明写真機を使って行うことも可能です。証明写真機にあるタッチパネルで「個人番号カード申請書」を選択し、撮影に必要な金額を投入してからバーコードリーダーに交付申請書のQRコードをかざします。
画面に表示される案内に従い必要事項の入力や顔写真の撮影を行って送信すれば完了です。送信完了後には、申請を完了した控えとなる「申請完了証」と領収証が発行されるので取り忘れないようにしましょう。
2-4.郵便による申請方法
郵便による申請方法は、通知カードに添付された「個人番号カード交付申請書」か、マイナンバー総合サイトからダウンロードした交付申請書を利用して行います。交付申請書には、氏名・住所・電話番号など必要事項を記入し、6ヵ月以内に撮影した顔写真を申請書に貼り付けましょう。
マイナンバーカードに点字表記や電子証明書の発行を希望する場合は、交付申請書の指示に従い意思表示を行ってください。記入を終えた個人番号カード交付申請書を送付用封筒に入れて郵便ポストに投函したら完了です。
3.マイナンバーカードのスマホ申請は便利!申請手順は?
これまでマイナンバーカード申請を行う4つの方法を紹介してきましたが、より簡単に申請を完了したいならスマートフォンで行うのがおすすめです。スマートフォンでの申請はスマートフォン1台で自宅にいながら簡単に申請が完結します。
しかし、他の方法より申請が短時間でできても、交付までにかかる時間は変わらないので注意しましょう。以下では、そんな便利なスマートフォンでの申請手順について詳しく紹介していきます。
3-1.メールアドレスの登録
スマートフォンでの申請は「マイナンバー交付申請書」に表示されたQRコードを読み取ることから始まります。表示されたアドレスをタップするとオンライン申請サイトにつながるため、利用規約や個人情報の取り扱い、年齢確認などに同意すると表示されるのがメールアドレスの登録画面です。
自動入力されている申請書IDの下にある「メール連絡用氏名」に本名と、連絡用の「メールアドレス」を入力します。画像認証の欄に表示されている英数字を正確に入力し、入力情報に間違いがなければ登録をタップして完了です。
登録したメールアドレス宛に「申請情報登録URLのご案内」が届き、メール内のURLをタップすれば次のステップに進むことができます。
3-2.顔写真の登録
メールアドレス登録の次は顔写真の登録です。顔写真はご自身のスマートフォンで撮影した写真をアップロードして申請に使うことができます。顔写真登録画面にあるアップロードをタップして写真を選択すると登録が完了します。
申請に使用する顔写真は、6ヵ月以内に撮影したものを使用し、白黒とカラーどちらでも可能です。
- 顔が横を向いている写真
- 無背景でない写真
- 手振れやピンボケで不鮮明な写真
- サングラスや帽子を着用している写真
- 画像編集ソフトを使用するなど加工した写真
など、受付できない写真もあるため撮影時には注意しましょう。
3-3.申請情報の登録
顔写真の登録が完了し、最後に入力するのが申請情報の登録です。ここでは、申請者の生年月日を入力するほかに、氏名の点字表記や電子証明書の発行希望の有無を確認できます。
電子証明書については、今後e-Taxなど電子申請を行うときや交付サービスをコンビニで利用するときに便利なので、特別な理由がなければ変更せずそのままにしておきましょう。
入力が完了したら下部にある「上記の申請内容に、誤りはありません」のボックスにチェックを入れて確認をタップします。最後に申請情報登録の確認画面が表示されますので、内容に間違いなければ登録をタップして申請完了です。
4.マイナンバーカードの受け取り方法
「スマートフォンでマイナンバーカード申請は完了したけど、受け取りまでどれくらいかかるの?」そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。
マイナンバーカードの受け取りには、申請が完了してから大体1ヵ月くらいで自宅に届く「交付通知書」が必要です。マイナンバーカードを実際に受け取るには、届いた交付通知書に記載された交付場所に申請者本人が出向いて手続きを行います。
では、受け取り手続きに必要な持ち物や受け取り期限などについて説明しましょう。
4-1.受け取り時に必要な持ち物
マイナンバーカード受け取りには以下の持ち物が必要です。
- 交付通知書
- 本人確認書類
- 住民基本台帳カード(持っている方のみ)
本人確認書類とは、運転免許証や旅券、身体障害者手帳などの顔写真付きの身分証明書1点か、健康保険証や学生証、社員証など氏名・住所または氏名・生年月日が記載された証明書2点を指します。
お住まいの市区町村によっては、受け取り日時の予約が必要な場合もあるので事前に確認すると良いでしょう。予約不要な場合は、待ち時間が少なくスムーズに受け取れるよう窓口が混雑する月曜の午前10時〜12時を避けて来庁するのがおすすめです。
また、マイナンバーカードを交付する際には、本人確認以外にご自身で暗証番号の設定が必要なので、受け取り前に考えておくと時間短縮・混雑緩和につながります。
「交付通知書が届いたけれど忙しくて取りに行けない」という方もいらっしゃるでしょう。しかし、マイナンバーカードの受け取りには期限があります。自治体により異なりますが、なるべく早く、3ヵ月以内に受け取りに行くようにしましょう。
4-2.代理人による受け取りはできる?
マイナンバーカードの受け取りは代理人に委任することもできます。ただし、申請者本人が病気、身体に障害を抱えているなど、やむを得ない事情があり交付場所に行くことが難しい場合のみ可能です。代理人が受け取りに行く場合は以下の書類提出が求められます。
- 交付通知書
- 本人確認書類
- 代理人の本人確認書類
- 代理権者の確認書類
- 通知カード
- 住民基本台帳カード(持っている方のみ)
- 本人が受け取り困難な状況を証明する書類
本人確認書類は3通りあり、申請者本人が行く場合と異なり顔写真付きの身分証明書2点か、氏名・住所または氏名・生年月日が記載された証明書3点、またはそれぞれ1点ずつ必要です。
代理人の本人確認書類についても同様に、顔写真付きの身分証明書2点または、顔写真付き身分証明書と氏名・住所または氏名・生年月日が記載された証明書をそれぞれ1点持参しなければいけません。
5.マイナンバーカードでよくある質問
最後に、マイナンバーカード申請においてよくある疑問や質問について解説していきます。
5-1.交付申請書を無くしてしまった!申請はどうすれば良い?
23桁の申請IDが分かる場合は、スマートフォンやパソコンを使ってマイナンバーカード申請が可能です。ご自身のマイナンバーが分かる方は、交付申請書をダウンロードして郵便で申請できます。
どちらも分からないときは、市区町村の窓口で発行可能なマイナンバーカード交付申請書を利用できるので、オンラインか郵便にて申請を行いましょう。
5-2.オンライン申請写真の条件は?
マイナンバーカード申請をスマートフォンやパソコンで行うオンライン申請では、登録する顔写真に関して一定の条件が設けられています。撮影環境や被写体である人物が明瞭であることなどチェックポイントが詳細に規定されているのが特徴です。
スマートフォンやパソコンでオンライン申請する場合は、アップロードする顔写真データについて以下の制限があります。
- ファイル形式はjpeg
- カラーモードはRGBカラー
- ファイルサイズは20KB~7MB
- ピクセルサイズの高さと幅は480~6000ピクセル
関連記事:マイナンバーカードの写真サイズに決まりはある?知っておきたい基礎知識をおさらい
5-3.子どものマイナンバーカードの申請はできる?
未成年である子どももマイナンバーカード申請ができますが、実際申請を行うのは法定代理人である親権者です。申請は大人と同じ方法が用いられ、スマートフォンを使えばオンライン申請で簡単に完了します。
マイナンバーカード申請には、子どもが乳幼児であっても顔写真が必要です。
乳幼児の場合は、白い布の上に寝かせるか、白い布を被った方が抱きあげながら撮影を行い、他の方が映り込まないよう注意しましょう。また、15歳未満である子どものマイナンバーカードの受け取りに関しては、子ども本人と法定代理人の同行が必要です。
5-4.マイナンバーカードの申請はいつまでできる?
マイナンバーカード申請自体には期限がありませんが、マイナポイントがもらえるお得なキャンペーンを利用する場合は期限があるため注意しましょう。マイナンバーカード申請は必ずしなければならない義務ではありません。
しかし、保持することで各種手続きではマイナンバーや本人確認として活用でき、電子証明書を使ったコンビニでの交付サービスが利用できるなど生活での利便性が向上します。
マイナンバーカード申請は、当面の間は交付手数料が無料です。まだ申請を行っていない方は、このキャンペーン期間を利用するのも良いでしょう。
おわりに
マイナンバーカード申請は、スマートフォンを使って登録すれば手軽に短時間で完了します。申請に必要な顔写真も自撮り可能なので、外出することなく一人で手続きが完結できるのもポイントです。
4つの申請方法では、ポストに投函する手間や証明写真機でかかる料金、顔写真を事前に準備することなどを考えると、スマートフォンでオンライン申請を行う方が便利でメリットを感じられるでしょう。
マイナンバーカード申請をまだ行っていない方は、ぜひこのコラムを参考にスマートフォンで申請手続きをしてみてくださいね。
参照:マイナンバーカード