こんにちは。イラストレーターのカワグチマサミです。
好きなものはゲーム、苦手なものは家事。9歳の息子と、夫と三人で暮らしています。
【カワグチ家親子三代物語】では、長い間仲が悪かった親と向き合う話や、義理親との関係、私の息子と親とのエピソードなどを連載しています。
今回は、夫の母、義理母と向き合うまでの物語。
この優しい素敵なミセスは、私の義理の母です。
大袈裟にもなります。
私は身内から自分の夢を応援してもらったことがなかったから。
「親」から応援してもらったことが、私はとても嬉しかったのです。
義理母は、息子にも優しく接してくれます。
私も息子も、おばあちゃんが大好き。
しかし、私と義理母は、最初から「いい感じ」の関係ではありませんでした。
ー遡ること15年前ー
夫と私が結婚することを決めて、初めて義理母に会うことになった時のこと…。
義理母は、私と目も合わせてくれませんでした。
このとき、私は衝撃的なショックを受けました。
前日、初めて彼氏の親に挨拶することに緊張して寝れず、
夜明けまでゲームをしてしまっていたのです。
寝不足で顔色が悪く頭も回らない。
そんな私を気遣ってくれたのか夫(当時彼氏)は、話題を振ってくれました。
義理母は、目を逸らしながらかすかに頷きました。
これは、お義母さんとの仲が近づくチャンス!
私は、ソファーネタに食らい付きました。
私は、義理母がお気に入りのソファーを、褒め讃えました。
私と義理母の、これからの未来を握るのは、このソファーにかかってるから!
ソファーに座りながら、ちらっと義理母の方を見ると…
お義母さんの表情は、先ほどと変わってないように見えました。
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初めてご挨拶する彼氏の家で、私はやらかしてしまいました。
しかし、そのやらかしは想像を超えた盛大なものだったのです。
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その瞬間、私の世界の時間は止まりました。
そして思い出す。
まどろみの中で見た、あの二人の笑顔を。
あれは…
現実だったんかーい!!
まさかパンツ丸出しで寝てる姿を、笑われていたなんて…!
助けを求めるように、彼の方を見てみると…
表情乏しい彼が、ここまで腹の底から笑うのは珍しいことでした。
私は、恥ずかしさから、不安でいっぱいになりました。
夫の笑い声を聴きながら、床を見つめ、どれだけの速度で頭をぶつけたら記憶って飛ぶのだろう?
そんなことを考えていた時…
義理母が、大きな声で夫を叱りました。
さらにさっきいた場所から少しだけ、私の近くに来てくれていました。
お母さんは初めて私の目を見て、話してくれました。
義理母に、(かわいそうな)息子の彼女に認めてもらった瞬間でした。
私がパンツ丸出しになることで、お義母さんの心も丸出しになってくれたのです。
あれから10年以上経っても、お義母さんは、ことあるごとに私に「あったかいもの」をくれます。
ホカホカ、あったかい、お義母さんの贈り物。
目を合わせてくれるようになったお義母さん。
その瞳からは、少し、「パンツ丸出しになったかわいそうな子」という想いがが伝わらないこともないけれど。
そんなところもひっくるめて、あったかいお義母さんのことが好きです。
ー後日談ー
今になってふと思うのです。
もしかしたら夫は、私とお母さんが「いい関係」を築くために
わざと、パンツ丸出しの私を大笑いしたんじゃないかって。
私はお母さんと仲良くなる前、「いい彼女と思われなきゃいけない」と思い込んでいたのです。
でもそれは本当の自分じゃない。
そんな自分を無理して演じても、きっと綻びが出ていたと思います。
だから夫に聞いてみました。
即答でした。
だけど、それも今ではいい思い出。