仕事のキャリアアップや趣味のステップアップなど、いくつになっても向上心は持ち続けたいと思う方も多いでしょう。仕事や家事などの合間をぬって資格勉強に取り組む方も多いでしょう。忙しい中での勉強法は、いかに効率良く取り組めるかがポイントです。このコラムでは、忙しい方でも効率良く勉強するためのテクニックや勉強しやすい環境について解説しています。これから資格勉強を始める方、効率の良い勉強方法を模索している方は参考にしてください。
1.実は簡単!大人のための効率の良い勉強法・テクニック7選
仕事や家事など忙しい合間で勉強するのはなかなか大変なものです。隙間時間に正しい知識を身に付けるためには、効率の良い勉強法で進めることが重要です。ここでは、効率良く勉強するためのテクニックをご紹介します。思うように勉強が進まないという方は、このコラムを参考にしてご自身に最適な勉強法を見つけてみてください。
1-1.勉強の全体像を掴んで計画を立てる
資格の勉強を始めるときは、まずは全体像を把握することが重要です。全体像を把握していない状態で参考書や問題集などに取り組んでも、理解するだけで時間がかかってしまい無駄骨となってしまう場合もあります。最初に全体像を把握し予備知識を持った状態で勉強に取り組めば、内容を理解しやすくなり、効率良く知識を身に付けることができます。
さらに、全体像を把握したら明確な勉強計画を立てていきましょう。資格勉強の場合、「資格の取得」が最終目標ではありますが、漠然としすぎてモチベーションの維持が難しい場合もあります。最終目標を達成するためには、具体的な目標を設定することが重要です。例えば、試験までの日数を逆算して1日にどのくらい進めればいいか計算し、1日ごとの目標を立てます。ここでポイントとなるのは、具体的な目標は達成可能な範囲で設定すること。達成できる目標を立てて勉強することで、ひとつクリアするごとに達成感を味わえ、モチベーションを保ったまま勉強を継続できます。
勉強の全体像を把握することは、勉強内容が理解しやすい・明確な目標を立てやすいというメリットがあるのです。
1-2.目標時間や時間帯を決めて取り組む
集中して勉強するためには、目標時間を決めて取り組むことが大切です。「○時までにここまで終わらせる」「30分で○ページやる」など明確な時間を決めて取り組んだほうが集中力を維持しやすいでしょう。とくに忙しい合間をぬっての資格勉強の場合、貴重な時間を無駄にしないためにも、目標時間を決めるのがおすすめです。
また、脳の状態や働きは時間帯によって異なることをご存じでしょうか?脳の仕組みを理解し、それに合わせて勉強することで、効率の良い勉強につなげることができます。朝は、睡眠によって脳がリセットされ記憶する容量が大きい時間帯です。集中力や思考力を発揮しやすく、起床後の約3時間は勉強のゴールデンタイムともいわれています。苦手な問題や思考力が問われる問題は朝取り組むと良いでしょう。就寝の1〜2時間前は、暗記に適した時間帯です。脳は睡眠中に情報を整理し記憶として定着させます。専門用語など記憶力の必要な勉強は就寝前がおすすめです。
1-3.すきま学習やルーティーン化で無理なく続ける
勉強は毎日継続することが重要です。しかし、無理やり勉強時間を確保しようとするとストレスを感じたり、モチベーションを保てなくなったりする可能性があります。無理なく続けるには、日常生活の中に勉強時間を取り入れルーティーン化し、生活の一部とすることがポイントです。通勤時間、寝る前の時間などご自身のライフスタイルに合わせてベストな勉強時間を作りましょう。
また、待ち合わせや移動などで急にできた隙間時間も勉強できる貴重な時間です。5分や10分という短時間でも積み重ねれば、自身の力にすることができるため、無駄にせず有効活用しましょう。
1-4.資格試験の勉強は早いうちに過去問を解く
資格試験の勉強は、早いうちに過去問を解くことがおすすめです。過去問には、取得したい資格の重要な部分が凝縮されているため、効率良く勉強することができます。さらに、過去問を解くことで、資格試験の難易度や自分の今の実力、弱点、どこを重点的に勉強すれば良いかなど、合格するために必要な要素も明らかになります。テキストを読み込むよりも過去を問解くほうが合格への近道となる場合もあるのです。
新しい分野の資格に挑戦する場合など、過去問を解くのが難しいと感じるときには、答えを見ながら確認しても良いでしょう。過去問に繰り返し取り組むことで、問題の傾向がつかめ、知識をより深く理解することにもつなげられます。
1-5.集中力は90分以上続かない!適度な休憩
勉強時間を長時間確保できたときには、なるべく多くのことを学習したいと考える方も多いでしょう。しかし、集中力の持続には限界があり、長時間続けて勉強することはあまり好ましい勉強方法ではありません。集中力を持続させたまま長時間勉強するには、集中力が切れてしまう前に、意識的に適度な休憩を取ることが重要です。集中力の持続時間は90分程度が限界だといわれています。30〜90分ごとに5〜10分程度の休憩を挟むと良いでしょう。
1-6.時間をおいて復習効果UP!分散学習
分散学習とは、一定の期間を空けて復習する勉強方法です。間違えた問題など、忘れないために直後に復習する方も多いはず。しかし、勉強した直後よりもあえて日数をおいて復習したほうが効率良く記憶を定着させることができるのです。忙しい中でしっかりと知識を身に付けるためには、分散学習のような効率の良い勉強テクニックを用いることが重要です。
1-7.BGMで集中モードに切り替え
人によっては、静かな空間ではなかなか勉強がはかどらず、音楽などBGMを聞くことで集中力が上がるという方もいるでしょう。音楽には、気分転換やリラックスという効果があります。一見、気分転換やリラックスは集中力に関係なさそうですが、適度なリラックス状態は集中力維持に役立つとされています。
また前述したとおり、勉強には休憩など気分転換が欠かせません。勉強の合間の休憩に音楽を聞き、脳を休ませる時間を作るのも良いでしょう。音楽を聞く際には、歌詞がないものを選ぶのがポイント。人によっては、かえって気が散ってしまったり、最初は集中できてもだんだん耳障りになってきたりするかもしれないので、適度に活用することが大切です。
2.知らずにやっているかも?!効率の悪い勉強法3選
自身では効率が良いと感じてやっている勉強法も実は効率の悪いやり方だったということもあります。ここでは、やってしまいがちな効率の悪い勉強法を紹介するので、ご自身がこのような勉強法を採用していないか、チェックしてください。
2-1.ノートにまとめる作業=勉強?
テキストや問題集を解く際に、ノートにまとめる・マーカーを引くという勉強法をしている方も多いはずです。これらの作業は、時間を要するため勉強した気になりがちで、実際は知識がほとんどインプットされていない可能性があります。もちろん、ノートにまとめることでしっかりインプットできる人もいるでしょう。
気を付けたいのは、これらの作業が目的になっていないかという点です。ノートまとめやマーカー引きに時間をかけて勉強した気になってしまうと、内容が身に付かず知識も定着しづらいのです。これらの作業は勉強の準備に過ぎません。こうした作業は簡単にすませ、問題を繰り返し解いて知識を身に付けることが大切です。
2-2.問題を解いたら点数に満足していないか?
過去問や問題集を解いた後、採点するだけで終わっていませんか?問題を解きっぱなしにしていると、理解できていない部分や知識が身に付いていない部分がそのままになってしまい、いつも同じ部分で間違えることになります。必要な知識が身に付かず結果的に効率が悪くなってしまうのです。
間違えた問題や分からなかった問題は、なぜ間違えたのか、どこが理解できていなかったのかを確認することが重要です。間違えた部分や理解できていない部分を把握し、その問題を繰り返し解くことで知識が定着していきます。問題点を解決できたら、他の問題よりも多くこなして苦手を克服しましょう。問題集や過去問は、採点が目的ではなく、自身の間違えやすい部分や理解できていない部分を明らかにすることが目的です。自身の得意分野や苦手分野を理解することで、苦手な問題には注意して取り組むことができ、得意な分野は時間をかけずに早めに解くなど試験の時間配分にも役立ちます。
2-3.睡眠時間を削ってまで勉強時間に充てている
忙しい日々のなかで資格勉強をする際、睡眠を削って勉強時間にあてる方もいらっしゃるでしょう。夜間は静かで環境的には勉強に適しているといえます。しかし、人間には体内リズムがあり朝から午前中の時間帯がもっとも脳が活性化するといわれ、午後から夜になるにつれて脳の機能は低下し、夜間になると脳を休ませようと眠たくなってくるのです。眠気が襲う中での勉強は集中力が持たず、かえって非効率になってしまいます。
また、睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があるのはご存じの方も多いでしょう。脳はレム睡眠中に起きている間に得た情報の整理を行うといわれています。睡眠時間を削ると、レム睡眠の時間が減り記憶をインプットできなくなってしまうため、効率良く勉強するためにはレム睡眠をしっかり確保することが重要です。勉強をする上でベストな睡眠時間は6〜7時間半程度といわれています。これは、ノンレム睡眠とレム睡眠が約90分サイクルで繰り返しているためです。理想の睡眠サイクルは、ノンレム睡眠とレム睡眠を4〜5回繰り返すこと。最低でも6時間睡眠を確保できれば、理想の睡眠サイクルを実現できます。
忙しくて勉強時間を確保することが難しいこともあるかもしれませんが、極端に睡眠時間を減らして寝不足になるよりも、身体の仕組みを考慮しながら勉強をすることが重要です。
3.勉強する前に見直しておきたい周囲の環境
効率良く勉強するには、モチベーションと集中力を高めることが重要です。勉強法を見直すことも大切ですが、周囲の環境を整えることでモチベーションと集中力アップにつなげることができます。効率の良い勉強法を実行しているのになかなか成果が上がらないという方は、まわりの環境が整っているか確認してみてください。
3-1.集中できる空間かチェック
いつも勉強している場所は、集中できる空間となっているかチェックしましょう。集中できる場所はひとそれぞれです。自宅以外にも、図書館やカフェのほうが集中力を発揮できる方もいるでしょう。図書館内は常に静寂な雰囲気で周囲の人も勉強や読書をしているため、自然とやる気が引き出され集中して勉強に取り組むことができる場所です。
カフェは、一見集中して勉強するには不向きのようですが、さまざまな環境音を脳がシャットアウトしようとして集中力が高まる効果があるとされています。気分転換にときどき場所を変えてみるのもおすすめです。
3-2.デスクまわりをきれいに
勉強を行うデスクのまわりは、気が散らないように整理整頓して集中できる環境にしましょう。マンガやゲームなど、つい手を伸ばしたくなるような勉強に関係ないものは視界に入らないようにしておくことが重要です。デスク周りには勉強に必要な最低限のものだけ置くようにしましょう。
3-3.スマートフォンはサイレントモードでしまっておく
集中して勉強するときには一切スマートフォンは触らないと決めて、サイレントモードにして目の届かないところに置いておくことがポイントです。スマートフォンを持っているとさまざまな通知が来たり、SNSやネットなどで情報を見たり、勉強の妨げとなる要素がたくさんあります。せっかく集中して勉強していても通知音で集中力がプツリと切れた経験がある方も少なくないはず。勉強中はスマートフォンを手元から遠ざけておくことがベストです。どうしても手元に置いておく必要がある方は、少なくともサイレントモードやマナーモードにして通知音が気にならない状態にしておきましょう。
3-4.部屋の温度設定は少し低く
集中したいときには、温度設定は少し低いほうが適しているといわれています。体感温度は人によって異なりますが、室温25℃以下、湿度50%以下が目安です。自宅など室温を調整できる場合はなるべく低めに設定しましょう。外出先では、上着などで調整できるようにしておくと安心です。
3-5.照明の色は青系をチョイスして
照明の色は大きく分けると、青白い色味の昼光色、自然な白色味の昼白色、オレンジがかった暖かみのある色味の電球色の3種類あります。青白い色は集中力アップ、暖かい色はリラックスなどそれぞれ効果が異なります。勉強部屋の照明には、青系の昼光色か昼白色がおすすめ。青系の照明は、予備校やオフィスなどにも採用されており、効率良く勉強をするならぜひ取り入れておきたいポイントです。
おわりに
さまざまな勉強法がありますが、自身にあったベストな方法は人それぞれです。まずは、ご自身に最適な勉強法を見つけることが重要です。ベストな勉強法を見つけられれば、さらに集中力がアップし、モチベーション維持にもつなげることができるはず。効率良く勉強して、目標とする資格取得を目指しましょう。