少子高齢化や核家族化が進む中、先祖代々のお墓を継承し、守っていくことが難しくなってきています。こうした社会構造の変化の中で、「お墓の跡継ぎがいない」という問題に対応可能な永代供養墓、樹木葬、海洋散骨といった新しい埋葬の方法が人気を集めています。
納骨堂もそのひとつです。お客様からお問い合わせをいただく機会も増えてきました。「百聞は一見にしかず」ということで、東京・池袋にある松栄山仙行寺沙羅浄苑(経営主体:宗教法人仙行寺、販売代行:株式会社はせがわ)を見学させていただきました。その模様をお伝えしながら、納骨堂について考えてみたいと思います。
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そもそも納骨堂とは?
見学に出かける前に、まずは納骨堂についての基礎知識の整理からしましょう。最近の納骨堂の主な特徴として、以下の6つが挙げられます。
- 駅から近くアクセスの良い場所に立地
- 屋内施設のため、天候を気にせずお参りできる
- 常に生花が手向けられ、お香の用意もされているため、手ぶらでお参りできる
- 管理事務所による清掃が行き届いており、参拝者による掃除不要
- 承継者がいなくなっても永代供養してもらえる場合が多い
- 管理主体がお寺である場合でも宗旨宗派不問であることが多い
なお、納骨堂は、固定式(仏壇式・ロッカー式など)と自動搬送式の2つのタイプに分けられ、自動搬送式では、ICカードで呼び出すと、遺骨を収蔵した「厨子(ずし)」が、参拝ブースまで自動的に運ばれてきます。
都会に現れた癒しの山寺!池袋大仏がお出迎え
東京屈指のターミナル駅・池袋駅東口から歩くこと約5分。木々の緑をまとった斬新な外観の建物が見えてきました!
この8階建ての建物は、日蓮宗のお寺・松栄山仙行寺の本堂ビル。山寺を意識してデザインされており、麓にあたる低層階から高層階にいくに従って細くなっていくフォルムは、山の稜線を感じさせます。
本堂ビルは、3~6階が宗旨宗派国籍不問で利用できる屋内墓苑(納骨堂)で、7階が本堂になっています。建物の1階から2階にかけて、高さ約5mの「池袋大仏」が、まるで宙に浮かぶかのように鎮座!この池袋大仏、屋内墓苑(納骨堂)利用者以外の方も自由に参拝することができます(拝観時間:10:00~18:00)。
また、雑司ヶ谷七福神のうち、「華の福禄寿」も祀られており、大仏ともども、多くの方たちが手を合わせていきます。
実体験!納骨堂でのお墓参り
2階のロビーで待ち合わせた株式会社はせがわ東京本社聖石推進部の佐藤城司副部長に、早速参拝室をご案内いただきます。まずは、3~5階の一般参拝室から。各階には複数の参拝ブースがありますが、契約している階の参拝受付機で空いているブースを選んで参拝します。
参拝ブースには、屋外のお墓と同様の墓石が設置されています。故人の遺骨を納めた厨子は、建物内の納骨庫に安置されていますが、参拝カードを参拝受付機にかざすと、参拝ブースまで自動搬送で運ばれ、墓石と一体化するようにセットされる仕組みです。墓石の家名・家紋が刻まれた部分が、厨子の先頭の銘板部分です。
ちなみに、厨子の内部はこんな感じです。
7寸の骨壺2つが入る大きさが一家族専用で、骨壺を小さくしたり、専用の納骨袋に納めたりすることで、収蔵する遺骨の数を増やすことができます。
墓石に手を合わせるお参りの仕方は、通常のお墓と変わりません。消防法の関係上、線香を手向けることはできませんが、お焼香を行うことができます。
生花が常に手向けられており、線香や着火器具のほか、掃除用具の持参も不要。手ぶらで気軽にお参りすることができます。お参りが終わると参拝ブースの扉が閉じ、遺骨を納めた厨子はもとの納骨庫に戻っていきます。
6階の特別参拝室も見学させていただきました。墓石の中でも最高峰と言われる庵治石が使われ、大名墓と呼ばれる重厚なつくりになっています。
お墓の承継者が途絶えても安心な仕組み
沙羅浄苑の販売価格(一般参拝室:90万円、特別参拝室:130万円)の中には、永代使用料(承継者が続く限り、永代にわたり利用可能)、永代供養料(承継者不在となった場合は、永代供養施設に遺骨を移し、永代にわたり供養)、遺骨収蔵厨子の料金、銘板の料金と銘板彫刻料、参拝カードの料金などが含まれます。承継者が続く間は、子や孫が名義変更を行うことにより継続して使用し、承継者が途絶えた後は、遺骨は池袋大仏の足元の合祀(ごうし)墓に移され、永代にわたり供養してもらえます。お寺による供養だけでなく、一般の参拝客にも手を合わせてもらえる環境。何だかちょっとうれしいですね。
また、沙羅浄苑では、お墓の購入費用の他に、年間18,000円の護持費が必要になります。年度払いの他に、17年、33年、50年分の護持費を一括して納める護持費前納制度があり、「承継者となる子や孫に負担をかけたくない」という皆さんに好評とのことです。
建物の老朽化リスクは?
納骨堂は、屋内に遺骨を受け入れて供養する施設ですので、通常のマンションなどと同様、建物の老朽化リスクは避けて通れません。実際、「建て替えが必要になった場合、費用は大丈夫なの?」「建て替えを行っている間、遺骨はどこに引っ越すの?」といった質問もあるそうです。
沙羅浄苑では、建て替え費用の資金計画、建て替え時のオペレーションなどを考慮に入れ、経営主体である仙行寺によって計画的に運営されているため、購入者が追加的に建て替え費用を負担する心配はないとのことですが、納骨堂を見学する際には、お参りの快適さや承継者が途絶えた場合の対応などに加え、施設の永続性についても納得いくまで質問してみたらいいと思います。
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