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朝起きられない原因は? 対策方法や病気の可能性を解説

朝起きられない原因は? 対策方法や病気の可能性を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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朝、起きる時間になっても、なかなか起きられないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。1日の始まりは気持ち良く目覚めたいですね。このコラムでは、朝すぐに起きられない方に向けて、考えられる原因や病気の可能性、朝すっきり起きるためにすぐ実践できる対策についてご紹介します。寝付きの改善やぐっすり眠れる対策にもつながるので、ぜひ参考にしてください。

朝起きられない場合にまず考えられる原因は?

1.朝起きられない場合にまず考えられる原因は?

朝起きられない原因はさまざまありますが、ここでは病気以外の原因について見ていきましょう。もし、朝起きられないことで対策を考えているのであれば、ご自身に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

睡眠不足

睡眠不足は朝起きられない大きな原因のひとつです。個人差もありますが、成人の理想とする睡眠時間は7〜9時間といわれていて、しっかり睡眠時間をとる必要があります。忙しい毎日で、ゆっくり寝る時間を取るのが難しいとしても、最低でも6時間は確保して欲しいところです。睡眠時間が短いと朝起きるのが辛くなり、起きても日中は頭がボーッとしてしまいます。

また、睡眠不足が続くと、日中の眠気や記憶力の低下など精神機能の減退だけではなく、自律神経機能やホルモン分泌にも影響を及ぼすため、寝起きだけではなく日中の活動パフォーマンスも左右するといえるでしょう

参照元:坂野クリニック

寝る前のテレビやスマートフォン

ついついやりがちな、寝る前のテレビやスマートフォンは、睡眠に大きな影響を与えます。睡眠には「メラトニン」という眠気を誘発させるホルモンが関係していますが、テレビやスマートフォンからの強い光によってメラトニンの分泌が抑制されてしまうのです。脳が覚醒し、眠りも浅くなる原因につながってしまうため、朝起きられなくなってしまいます。就寝時間の1時間前には強い光を発するようなテレビやスマートフォンの使用は避けましょう

睡眠時間のズレ

睡眠時間が後ろにズレると、身体のリズムも後退し、朝起きられなくなります。私たちの身体は、就寝時間と起床時間の中間となる時間を中心に、だんだんと目が覚めるように身体のリズムができているのです。

例えば、いつも夜中の3時に寝て、朝の9時に起きているような方が、急に6〜7時に起きようとしても、中間時間が6時のリズムになっているため、スムーズに起きるのは難しいでしょう。つまり就寝時間が遅くなるとリズムが後ろにズレるので、朝起きるのが辛くなってしまうのです。

睡眠の質が悪い

睡眠の質が悪いことも朝起きられない原因のひとつです。睡眠の質は、温度や湿度、音などの室内環境やストレスが影響を及ぼします。眠気は体温が効率的に下がることで促されますが、寝室が寒かったり暑かったりするとうまく体温調整できなくなり、寝付きが悪くなってしまうのです。

音環境についても、無音では些細な音が気になって緊張感が高まるといわれています。また、ストレスを抱えていると自律神経のバランスが崩れてしまい、眠ろうとしても副交感神経が優位になって、睡眠の質を下げる原因になるのです

大音量の目覚ましが聞こえない!病気の可能性は?

2.大音量の目覚ましが聞こえない!病気の可能性は?

日常的に目覚ましが聞こえず起きられない方は、病気のサインかもしれません。ここでは、朝起きられない原因として考えられる3つの病気について紹介します。もし当てはまるものがあれば、病気の可能性も考えられるため、医療機関を受診しましょう。

睡眠障害

睡眠障害とは、睡眠に関連したさまざまな病気の総称です。睡眠障害の中でも多いのが不眠症といわれています。不眠症には、寝付きが悪い「入眠障害」、途中で何度も起きてしまう「中途覚醒」、起床時間より早く起きてしまう「早朝覚醒」、熟睡した満足感を得られない「熟睡障害」の4つのタイプがあります。不眠症は、この状態が1ヵ月以上続くことで、日中の眠気や倦怠感、集中力の低下、食欲低下など身体に不調が起こる病気です。

不眠症の原因は、光や騒音による環境要因や、精神的・身体的な病気、生活リズムの乱れ、薬の副作用など多岐にわたります。約5人に1人の日本人が不眠症に悩んでいるといわれており、もはや国民病ともいえるでしょう。特に女性に多く発症し、加齢とともに生じやすくなっています。

うつ病(非定型うつ病)

非定型うつ病とは、普通のうつ病(定型うつ病)のようにずっと気分が落ち込み続けている状態とは異なり、良いことがあると気分が良くなるなど、出来事に応じて気分が変わるのが特徴です。非定型うつ病は、1日10時間以上の睡眠時間になる傾向があり、長く寝たにも関わらず日中は眠気を感じ、寝足りないように感じる症状があります。その結果、朝起きられない状態が続いてしまうのです。

また、日中は比較的穏やかに過ごせたものの、夕方から夜にかけて気持ちが不安定になりやすくなる特徴もあります。非定型うつ病になりやすい方には特徴があり、子どもの頃から物わかりの良い真面目な子であったり、責任感が強過ぎたり、自己主張することが苦手で何でも抱えてしまったり、という方が発症しやすいといわれています

起立性調節障害

起立性調節障害は、自律神経のバランスが崩れることで起きる病気です。朝起きられない症状の他に、めまい、立ちくらみ、頭痛、動悸・息切れ、疲れや食欲低下などがあります。一般的には思春期に起こりやすいといわれていますが、環境の変化や精神的ストレスがきっかけで大人でも発症することがあります。起立性調節障害は、午前中に症状が強く出て、午後から徐々に回復する傾向があります

そのため、周囲から怠けていると誤解されやすく、職場や家庭に影響が出てしまったり、ご自身でも症状に気付かなかったりといった特徴もあります。原因はさまざま考えられますが、低血圧の方、ストレスの多い環境にいる方、天気や気圧の影響で体調が左右される方が発症することが多いです。

むずむず脚症候群

むずむず脚症候群は、夜になると下肢を中心に違和感が出てきて、それによって不眠や過眠を引き起こす病気です。レストレスレッグス症候群とも呼ばれます。「痛かゆい」「ムズムズする」「じっとしているのが不快」といった異常な感覚が下肢中心にあらわられ、足を動かすと違和感が消えるのに、じっとしていると再び現れるのが特徴です。

この病気を発症すると、なかなか寝付けず、何とか寝たとしても睡眠が浅いため熟睡できません。そのため朝起きられない原因になります。むずむず脚症候群は中年以降の女性に多い病気で、鉄欠乏性貧血や人工透析を受けている方にも多いことがわかっています。

朝すっきりと起きたい!今日からできる対策方法は?

3.朝すっきりと起きたい!今日からできる対策方法は?

最後に、朝すっきり起きられる対策をご紹介します。すぐに実践できる方法なので、ぜひ試してみてください

毎日同じ時間に起床する

毎日同じ時間に起床しましょう。休日くらいはゆっくり寝たいと考える方も多いと思いますが、実は平日の疲れを倍増させてしまうのです。毎日起きる時間を一定にすると、体内時計のリズムが整い、眠気を誘うホルモンが分泌され快眠にもつながります。休日もなるべく同じ時間帯に起きてリズムを崩さない方が、平日の疲れを取ることにつながります。慣れるまでは大変かもしれませんが、習慣化すれば平日の疲れが減って、休日もすっきり朝起きられるようになるでしょう。

睡眠時間を確保する

朝起きられない方は、睡眠時間をしっかり確保し、きちんと寝るようにしましょう。たまに遅い時間に寝る程度は問題ありませんが、普段はご自身に適した睡眠時間を取るよう意識することが大切です。睡眠時間が短過ぎると朝起きられなくなりますが、長過ぎても睡眠の質が低下するため、良くありません。最適な睡眠時間はその方によって異なります。そのため、ご自身に適した睡眠時間は、朝起きたときのすっきり感が得られたかどうかを基準に測ると良いでしょう。

1日3回規則正しく食事を取る

食事は1日3回規則正しく摂りましょう。朝食には胃腸を活発化し、体内時計のリズムを整える働きがあります。遅い時間の食事は胃腸が休まらず、消化活動が滞り睡眠の質を低下させるので控えましょう。食事の量は偏りがないように3食ほぼ均等にするか、夕飯を少なめにすると良いといわれています。また、夕飯では刺激物や消化の悪い食べ物も避けましょう。体内時計を整えて、朝にすっきり起きられるように、規則正しい食事を心掛けることが大切です。

快適な睡眠環境を整える

部屋の温湿度や明るさ、寝具で快適な睡眠環境を整えることも対策のひとつです。理想的な部屋の温度は16〜26℃、湿度は50〜60%とされています。暑過ぎたり寒過ぎたりすると、体温調節がうまくいかなくなり寝付きに影響するので、エアコンなどを活用して設定しましょう。また、寝具の使用感も睡眠の質に影響します。肌触りが気持ち良い寝具は眠りやすくなりますが、身体に合っていないとぐっすり眠れない原因にもなります。熟睡できない方は、睡眠環境を見直してみましょう。

グリシンを含む食品を摂取する

グリシンは体内に存在するアミノ酸のひとつで、脳の体内時計に働きかけて睡眠リズムを調整するといわれている成分です。主にエビやホタテ、カニ、イカ、カジキマグロなどの魚介類に多く含まれています。睡眠問題を抱えている患者が、就寝前のタイミングで3gのグリシンを摂取したところ、朝すっきりと起きることができ、寝付きや睡眠時間、日中の眠気といった問題に改善が見られたという研究結果が報告されています。グリシンを含む食品を摂取することで、深い眠りが期待できるかもしれません。

参照元:公益社団法人 福岡県薬剤師会

眠る前や起きる時間の明るさを調節する

寝る前に強い光を浴びると入眠の妨げとなります。寝る1〜2時間前からは、少し暗めの白熱灯の下で活動するようにしましょう。睡眠中は4ルクス以下が理想的で、暗いほど良く眠れます。真っ暗な状態が苦手な方は、フットライトの明るさがおすすめです。

朝起きたときは、2,500ルクス以上の強い光を浴びると目覚めやすくなります。朝起きたら、カーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。寝室の照明のタイマーなどを使って、起きる時間に合わせて少しずつ明るくしていくのもおすすめです。

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15時以降のカフェイン摂取を控える

コーヒーや緑茶、チョコレートなどに含まれるカフェインには、覚醒作用があります。カフェインが体内で半分に代謝される時間は4〜6時間といわれているため、15時以降に摂取すると半減するのは21時頃です。早く寝ようとしても脳が覚醒して寝付きが悪くなり、浅い眠りになってしまいます。そのため15時以降にカフェインを摂取するのは控えましょう。

また、カフェインには利尿作用もあり、トイレに行く回数も増えてしまうので、睡眠時間が短くなり翌日の眠気の原因になります。15時以降はノンカフェインの飲み物がおすすめです。

参照元:阪野クリニック

入眠する90分前に入浴する

スムーズな眠りに入るためには、入眠90分前の入浴がおすすめです。私たちの身体は、日中活動しているときに脳や心臓などの身体の深部体温が上がり、就寝時は深部体温が下がるように体温サイクルが作られています。そのため体温を上げて、寝る前に徐々に体温が下がっていくベストなタイミングが入眠90分前なのです。

入浴時のポイントは、38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かることです。手足の血管がしっかり開き、その後の体温調節が順調に進むといわれています。熱いお湯や寝る直前の入浴は、目が覚めてしまうので避けましょう。

適度な有酸素運動を取り入れる

適度な有酸素運動は快眠につながるため積極的に取り入れましょう。効果的なタイミングは、夕方から夜にかけての就寝3時間前といわれています。理由は入浴の場合と同じで、就寝の数時間前に身体の温度を上げることで、就寝のタイミングで温度が低下し眠くなるからです。ただし、就寝直前の運動は身体を興奮させてしまうため避けましょう。

また、激しい運動も睡眠の妨げとなるので、負担が少ない軽いランニングや早足の散歩がおすすめです。

ストレスを溜めず、発散する

ストレスがきっかけで自律神経のバランスが乱れると、どうしても寝付きが悪くなり、睡眠の質が低下してしまいます。日頃からなるべくストレスを溜めないよう発散しましょう。ストレスの発散方法は「趣味に没頭する」「好きなものを食べる」「友人とおしゃべりをする」「ストレッチする」など、その方によってさまざまです。

ご自身に合ったストレス発散方法を見つけておくと良いでしょう。ストレスはできるだけ溜めず発散するように意識することがポイントです。

おわりに 

朝起きられない原因はさまざまありますが、いずれにしても質の良い睡眠が必要不可欠になります。忙しい毎日を過ごしていると、つい寝る時間が遅くなったり、睡眠時間を確保できなかったりするでしょう。しかし、規則正しい生活を意識して送ることで体内時計のリズムが整い、朝起きられるようになるだけではなく、疲れにくい身体にもなります

まずは「寝る前にテレビやスマートフォンを見ない」「1日10分でも早く寝る」など、すぐに実践できることから少しずつ意識してみることが大切です。今回ご紹介した対策を参考に、快適な睡眠と朝のすっきりとした目覚めを目指しましょう。

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