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更年期のゆらぎを美しく元気に乗り切るセルフケア術

更年期のゆらぎを美しく元気に乗り切るセルフケア術
山口 明美 日本初の膣プランナー

執筆者

日本初の膣プランナー

山口 明美

株式会社3FACE代表取締役。子宮内膜症、子宮筋腫、チョコレート嚢胞、出産後に14針を縫う会陰切開など、あらゆる婦人科系の不調に悩まされるも、膣ケアと膣トレに出会ったのを機に、不調が回復。さらに体重が26kg減、肌のシミが消えてノーファンデ歴12年。「美容寿命も健康寿命も延ばす」をモットーに、学校や家庭では学べない「膣」についての教育、商品開発、コンサル、セミナーなど幅広く活動。

暑くもないのに汗をかいてほてる、なんとなくイライラする‥‥‥。そのような悩みはありませんか?

それはもしかしたら、「更年期」かもしれません。更年期というとなんだか急に老けた気がして落ち込みそうになりますが、実はどんな女性にも訪れる当たり前のもの。更年期をもうすぐ迎える方も、今悩んでいる方も、これからの人生をもっと楽しく健康に、そしてキレイで過ごすためにセルフケアしていきましょう。

そもそも更年期とは?

そもそも更年期とは?

女性の美や健康を守るホルモン「エストロゲン」は40代後半からガクンと減少し、誰もが閉経を迎えます。閉経とは1年間生理がこない状態のこと。特に閉経前はエストロゲンの分泌量が大きく変動し、やがて分泌されなくなります。この閉経前後5年を合わせた10年間を更年期と呼び、ホルモンバランスが乱れることでさまざまな症状が起こります。ちなみに日本人の平均閉経年齢は50.5歳。近年では30代で閉経してしまうなど、若年化が進んでいるといわれています。

更年期=肌、身体、心がゆらぐ世代

ホルモンバランスの乱れから、更年期は身体のあらゆるところで“ゆらぎ”を感じるようになります。私も47歳になり、排卵時にお腹が痛くなったり雨が降る前に調子が悪くなったりと、今までなかった不調を感じるようになりました。血流が悪くなるから肌がくすみ、肌荒れもひどくなります。さらにこの世代は子どもが成長し、手が離れる頃。母親としての育児生活が終わり、不安と孤独を感じやすくなることも。こうして肌や身体、心がゆらぎ、幅広い意味でのエイジングケアが必要な世代でもあります。

ゆらいで縦長に開いた”たるみ毛穴”を撃退!

まずは肌のゆらぎから起こる毛穴悩みについて。30代後半くらいから、毛穴に悩んでいるという声を多く聞きます。実際私もそうでした。毛穴悩みといっても若い頃悩んでいたTゾーンではなく、目の下から頬につながる三角ゾーンの毛穴が目立つように。さらに年齢を重ねるにつれ、もっと広範囲の毛穴が気になりだします。実はその毛穴、いわゆる「たるみ毛穴」なんです。本来毛穴とは丸い形をしているもの。それが加齢とともに皮膚が下がり、丸かった毛穴が縦長に。その毛穴の伸びこそが、毛穴が開いてきたように見える原因です。他にも血流の悪化からくるくすみや、肌が敏感に傾くなどさまざまな肌悩みを抱えるようになりました。

ゆらいで縦長に開いた”たるみ毛穴”を撃退!

その対策として有効なのは、とにかく顔の筋肉を動かすことです。なかでもほうれい線にもつながる口輪筋という、口の周りを輪のように囲んでいる筋肉をほぐして鍛えましょう。それには「あいうえお体操」が有効。口を大きく動かして、「あーいーうーえーおー」と10回程度繰り返します。そのとき右手を鎖骨の下にあてて、胸の上あたりの筋肉を下に引っ張りながら、あごを少し上にあげるようにすると効果的。私は話すときに顔の筋肉をできるだけ使うように、顔全体を使って話すように意識しています。高いエステに行かなくても、毎日少しずつ顔を動かすことを意識するだけで大きく変化するのでぜひ試してくださいね。

頭皮の脂汚れを徹底的に落とすことが美髪への近道

頭皮の脂汚れを徹底的に落とすことが美髪への近道

年齢を重ねると、抜け毛や白髪に誰もが悩まされますよね。私も2年前から頭皮の状態が気になりだしました。高いヘアケアアイテムを使うことよりも効果的な方法は、シャワーのお湯で頭皮の脂汚れをお湯でしっかりと落とすことです。私はシャンプー後2分間、ひたすら洗い流しています。頭皮ってすごく脂がでているのに、見えないから状態がわかりにくい。いくら良い育毛剤を使っても、頭皮の毛穴が詰まっていては入っていきません。まずは毛穴に詰まった脂汚れをしっかりと落として、清潔な状態を保ちましょう。トリートメントは頭皮にはあまりつけず、毛先にもみ込むくらいを意識して。髪がキレイじゃないと、どんなに肌をきれいにしても老け見えしてしまいます。正しい頭皮ケアこそが美髪に導いてくれます。

滞った血流を促すには「湯船に浸かる」のが一番!

滞った血流を促すには「湯船に浸かる」のが一番!

血流が悪くなると「冷え」の原因になります。子宮が冷えると生理周期が乱れたり、生理痛がひどくなったりとさまざまな悪影響を及ぼします。とはいえいきなり子宮の温度を1℃あげることは難しいものです。そこで一番簡単に冷えや血流を改善する方法として、「湯船にゆっくりと浸かる」ことをおすすめします。私たちの親世代は生理中に湯船に浸かることを良しとしなかった方も多いですが、むしろ生理中こそ湯船に浸かるべきです。ぬるめのお湯に15分~20分ほど浸かるだけでかなり血流は改善され、リラックス効果も高まります。夏でもシャワーで済まさず、5分でも10分でも湯船に浸かる習慣をつけましょう。

ホルモンの乱れや冷えを改善してくれる食材とは

ホルモンの乱れや冷えを改善してくれる食材とは

若い頃はラーメンやポテトチップスを夜中に食べても平気だったのに、35歳超えてからはダイレクトに肌に出るようになりました。それから食べ物の重要性を痛感するようになりました。漢方薬にも多く含まれる生姜は血行促進効果がありますし、血液をサラサラにするにんにくもおすすめ。ちなみに私はにんにくまるごとのホイル焼きが大好きです。ホルモンに関していえば、ビタミン類やタンパク質が大事です。とくにビタミンCが不足すると抗ストレスホルモンが充分につくられなくなるため、みかんなどの柑橘系のフルーツを積極的に摂りましょう。ビタミンDには女性ホルモンの減少を補う働きがあるほか、免疫力の向上やアレルギー緩和にも効果があるといわれています。

また、痩せたいからといって過度なダイエットは禁物です。多少の脂肪がないとホルモンが上手くつくられなくなるため、良質な脂は必要です。肌のハリを保ちながら痩せるというのは至難の業ですね。痩せすぎは肌のしわを増やす大きな原因になります。私はオメガ3のオイルを毎日スプーンで少しずつ飲むようにしています。

周期の方を巻き込んだメンタルケアを

周期の人を巻き込んだメンタルケアを

ゆらぐ時期で一番怖いのはメンタルにくることです。更年期症状として鬱になってしまう方もいます。もちろん女性ホルモンの乱れからくるものもありますが、ライフスタイルの変化も大きな原因です。「子どもが手を離れて何をすれば良いかわからなくなった」「このままこの仕事を続けるのは違うかも。でも今やめたら私どうするの?」という声をよく聞きます。家族のために頑張ってきた女性は、自分のことは二の次で生きてきました。だからこそ、子どもたちが大きくなって自立した今、嬉しい反面取り残されたような感覚に陥り、「自分はなんのために生きているんだろう」と、不安で色々なことを考えてしまうように。

そんな不安な気持ちは自分も友達も同じ。みんな一緒なんです。必ず何かしらのSOSを発信しているはずだから、周りの方が気付いてあげて欲しい。人と会うのが億劫になるほど家にこもるようになる前に、家族や旦那さんこそ気付いて欲しい。奥さんのちょっとした変化に気付き、やさしく声をかけるのは薬以上の効果があります。もちろん自分自身を褒めてあげるのもすごく大切。毎日の夜のスキンケアのときに鏡を見て「自分、偉い!」と微笑み自画自賛することで、自己肯定感が高まり幸せホルモンが分泌されます。

“ゆらぎ”は自分と向き合うきっかけに

家事や育児、仕事をひたむきに頑張ってきた私たち更年期世代は、やっと色々なことを考える時間ができました。今まで考えてこなかったことを考えるようになるからこそ、不安でゆらいでしまいます。でも逆に考えれば、ゆらいだからこそ一度立ち止まって自分のことを考えられるようになったということ。私自身、ゆらぎがなかったらストップしていなかったし、初めて「ゆっくり歩こうかな」と思うことができました。これからの生き方を考えられるという意味では、ゆらぎは良い時期なのかもしれません。肌や髪は衰えていくものです。でも衰えなければ向き合わなかったし、衰えて初めて「どうしよう」と向き合うことができる。老化が始まった今、美容というものを楽しめるときが来ました。ゆっくり鏡を見て毛穴と向き合うことや、美容室だって家族に構わず好きな時間にゆっくりといけるようになりました。色々な意味で自由になるのがゆらぎ世代なんです。

 更年期は、人生の第2ステージのボタンを押すスタートの時期!

更年期は、人生の第2ステージのボタンを押すスタートの時期!

人生100年時代。そう考えると、更年期はまだ人生の半分であり折り返し地点。ホルモンバランスの影響でさまざまな不調はあるものの、今一度、ちょっと気合を入れてみませんか?顔の体操にしても入浴習慣にしても、できることを毎日少しずつ続けていけば必ず不調の改善につながります。「本当のエイジングケアってなんだろう?」「若々しくいるってなんだろう?」の答えは自分自身にあるはず。不安だけどここからが人生のリスタートです。全力で走ってきた方もゆっくりとマイペースで歩いてきた方も、ゆらぎがあったからこそ、ここからの人生は同じ歩調に。新しい靴にはきかえたつもりで、みんなでゆっくりと歩いていきましょう!

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