50代は多くの人にとって変化の多い時期。「子どもの成長」「親や実家の心配」「健康や老後への不安」など、前もって考えなくてはならないことがたくさんあります。でも、日常生活に流され、なかなかじっくり考えられない、できれば考えたくない現実。
しかし、なんとなく過ごしていると、なんとなくの後半人生を迎えることになってしまいます。気力も体力もある今こそ、まずは人生の棚卸しをして、「これからどのように過ごすか」という課題に真剣に向き合い、快適な毎日を手に入れていただきたいと思います。そのためにはまず家全体のお片付けがおすすめ。とはいえ、家全体ともなると膨大すぎて何から始めたらいいのか分からない。では、プロに依頼するとしたらどうなるの?という方のために、『美的収納』という片付け術に出会ったことで、人生をより一層輝かせた方々に登場していただきます。
今回は美的収納のお片付け講座で理想の暮らしを手に入れ、美的収納プランナーになった佐坂のりほさんと対談しながら、家を片付けたらどのような変化があったのかをインタビューしました。
1. 「我が家が世界で一番愛おしい場所になる」に惹かれて
湯淺―美的収納のお片付け講座を受講されたきっかけを教えて下さい。
佐坂―我が家では息子の小学校入学時から、ホームスクーリングというスタイルを取っておりまして、週に3日ほどフリースクールに通う以外は、息子が常に家にいる状態です。
湯淺―今は学齢でいうと中学2年生のお子さんだそうですね。
佐坂―はい。ですので、私は、「息子にとって学びやすい家とは」「家族にとって過ごしやすい家とは」と、常に自分に問いかけ、「家の在り方」を考えて過ごしておりました。
湯淺―素敵な問いかけですね。家の散らかりについての悩みをお持ちの方にはたくさんお会いしてきましたが、「家の在り方」まで考えていらっしゃるとは。
佐坂―そんなある日、ホメオパシー健康相談会でお世話になっている佐々木美紀(美的収納プランナー)さんから、美的収納の存在を教えていただきました。
湯淺―「我が家が世界で一番愛おしい場所になる」という言葉に響いたとお聞きしました。
佐坂―はい。衝撃を受けました。世間とはちょっと違う我が家の在り方に、ピリッとスパイスの効いたアイデアをたくさんいただける予感がしました。
湯淺―そのようなイメージを持たれたのですね。
佐坂―ぜひ知りたい!学びたい!愛おしい空間にしたい!という思いでベーシック講座を受講しました。
2. たんす4竿が不要になった
湯淺―ベーシック講座はキッチンに特化した講座ですが、その後家全体を片付けるアドバンス講座も受講なさったのですよね。劇的に変化したことはありますか?
佐坂―クローゼットです。我が家はファミリークローゼットとして4畳ほどの部屋に4竿のたんすを納めていました。私と息子が1竿ずつ、夫が2竿です。
湯淺―ファミリークローゼットはとても使い勝手が良さそうですね。
佐坂―はい。一箇所にあるのは便利ですが、衣類を畳むのが面倒でした。講座で学んだ通り、衣類をハンガー収納にしてみたら、さらに便利になりました。
湯淺―美的収納は家事全般が劇的にラクになりますが、中でも洗濯にまつわる一連の作業が驚くほどラクになります。厳選には苦労しませんでしたか?
佐坂―最終的には全てのたんすが空になってしまったのですが、実は夫がたんすを処分するかどうかでかなり悩んでいました。夫はもともと片付けが苦手で、捨てられることに恐怖を覚えるタイプです。
湯淺―私の夫もそうでした。(笑)
佐坂―美的収納を学んでからは、私も捨てて欲しいとは思わなくなりました。「もったいない」という夫の気持ちを尊重したいと思っていたのですが、2ヵ月後に夫が「置いておいても仕方ないよね。手放そう」と決断しました。
湯淺―じっくり考えられたのですね。
佐坂―たんすを全て撤去してできた空間が意外に広く、家族みんなでびっくりしました。元々ファミリークローゼットとして設計したのですが、ベッドを置いて夫の寝室として使えるようになり、息子も「自分の部屋にしてもいいかも」と思っているようです。
湯淺―お部屋の用途を変えたのですね!
佐坂―私の寝室も整いました。目覚まし時計などの小物や布団を押し入れにキチンと収める習慣がつきました。それまでは、押し入れには収納用品ばかりで、肝心の寝具は外に出したまま、掛け布団などは階段の手摺に干していました。シーツや布団が丁寧にたたまれて収められた様は、旅館のような佇まいで新鮮な気持ちになりました。四角い部屋を四角いままキープすると、本当にスッキリするのだと分かりました。
湯淺―特に寝室は余計なものがないと、睡眠の質も上がりますよね。
佐坂―そうなのです!丁寧に収め、収納用品などを撤去することで押入れに空間ができ、ロフトに置いていた家電とスーツケースなどの大きなバッグ類を収めることもできました。
湯淺―大移動ですね!
佐坂―加齢に伴い、高所の荷物を降ろす作業が年々苦痛になってきていたので、ちょうど良かったです。押入れなどの大きな「器」の中が整うと清々しく、いかに混沌としていたか分かりました。
湯淺―器といえば、箱やカゴもほとんどなくなり、テレビの棚までも不要になったのですね。
佐坂―「器のない収納なんてあり得ない」と信じていましたが、適材適所にものを収めたら、器が不要になりました。器自体が場所を取ることや、扉を開けてさらに引き出す手間など、器のデメリットにも気が付きました。
3. 家族が自分のことは自分でするようになった
湯淺―ほかにもラクになったと感じることはありますか。
佐坂―キッチンを整えた後、家族がそれぞれ自分の食器を自分で洗うようになりました。
湯淺―それは嬉しいですね!!!
佐坂―それから、衣類をハンガー収納にしたので、洗濯物は各自がしまうようになりました。
湯淺―ますます嬉しい!
佐坂―できることは各自でしてくれるようになっただけでなく、息子が掃除機を掛けるなど、家事に参加するようになって…ただでさえ家事がラクになったのに、本当にびっくりです。
湯淺―「家族にとって過ごしやすい家」を考え続けた結果!ですね。
佐坂―おかげで、美的収納プランナーになるための養成講座を受講することができました。講座で一日中家を空けることに不安があったのですが、外出から帰ってきても家は乱れていないし、食事を作れない時にはお弁当を買って待っていてくれたこともありました。
湯淺―ラクで楽しいと、家事をしたくなるのでしょうか。日本中の女性にラクで楽しく暮らしていただきたいと思ってこの仕事をしているので、私も嬉しいです。
佐坂―無事に半年の受講期間を経て、美的収納プランナーの資格を取得できました。受講前は、できるかどうか悩んでいましたが、今考えるとできない理由を並べて、できない未来を描く癖があったのだと思います。今は、どうやったら叶えられるのか、できる未来を考えて、できる限りの手を尽くすようになったと自負しています。
湯淺―ご自身にもそのような変化が!!!家が整うことで、考え方も変わるのですね。
4. グータラ息子が進んで勉強するようになった
湯淺―ご自宅が愛おしいと思える空間になりましたか?
佐坂―はい。特にリビングのワークスペースがお気に入りです。
湯淺―これはまた便利そうなスペースですね。
佐坂―私のパソコン・本・文房具・書類・メイク道具などを集め、手を伸ばせば取れる便利な場所になりました。
湯淺―それは機能的ですね。
佐坂―パソコン作業をしながら、窓の外に浮かぶ雲を眺めてボーッとできるところも気に入っています。その並びにある息子の「勤しむコーナー」では、息子が辞書・参考書・ノートをキッチリ前揃えで並べて美的エッセンスを楽しんでいます。
湯淺―美的に楽しんでいただいているなんて!嬉しい限りです。
佐坂―それだけじゃないのです。彼がほとんどの時間を過ごすその場所を整えたら、「勉強がはかどる」「落ち着いて学べる」と言うようになって…言われないと始めないグータラ息子だと思っていた子が、自ら進んで勉強するようになったのです。
湯淺―それは聞き捨てなりませんね!
佐坂―はい。その変わりようには本当に驚いています。
湯淺―ご自宅全体が本当に愛おしい場所になりましたね。ところで、今後はどんなプランナーになりたいですか?
佐坂―私は、美的収納のおかげで生まれたゆとりの時間で好きな事ができるようになりました。家の居心地が良くなり、片付けなくても片付く家になりました。そして、家事が楽しく毎日の生活に活気が生まれました。このような幸せな気持ちにさせてくれる収納メソッドを一人でも多くの方にお伝えして、ご自宅をご自身のエネルギーを生み出す場所にしていただきたい。そのサポートができるような美的収納プランナーになりたいと思っています。
湯淺―素敵ですね。「捨てなくてもいい」美的収納。どんな方にも安心してご依頼いただけるプランナーになってください。魅力的なお話をありがとうございました。
(聞き手:美的収納プランナー 湯淺真理子)
5.今回の美的収納 3つのポイント
① 「捨てなくてもいい」という安心感が、冷静な判断への条件となる
② 美的収納で家を整えると思考も整理され、仕事や学びへの意欲が増す
③ 美的収納で家を片付けると、ご自宅が世界で一番愛おしい場所になる
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