犬を飼う上で欠かせないのが日々の散歩です。しかし、仕事や家庭の都合などによって、散歩の時間を確保するのが難しい方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、運動量が少なく、飼い主にとって散歩の負担が少ない犬種をご紹介します。散歩の時間が多くとれない、体力的に自信がないという方はぜひご覧ください。
運動量が少ない犬の特徴
散歩の負担が少ない=適切な運動量が少なめの犬、ということになりますが、そういった犬種にはどのような特徴があるでしょうか。
小型である
体が大きな大型犬に比べると、食べる量が少なく筋肉量も小さい小型犬には、必要運動量が少ない犬種が多いでしょう。小型犬には、チワワやヨークシャーテリアなど、愛玩犬として親しまれている犬が多いです。
小型犬は、散歩に要する時間が少なくて済むだけでなく、歩幅もせまく力もそれほど強くないので、体力的な負担も少ないでしょう。
とはいえ、ジャックラッセルテリアやミニチュアピンシャーのように小型犬でありながらも運動量の多いパワフルな犬種もいます。
小型犬のなかには、パグなどマズル(鼻先から口の開く部分全体)の長さが短い短頭種も多く存在します。彼らは鼻が短いことで呼吸がしづらく、激しい運動を継続することができません。また、あまりに暑い場所にいると熱中症にかかるリスクが大きくなります。
愛玩犬として生まれた
前述したように、小型犬には愛玩犬として愛されてきた犬種が数多く存在します。狩猟犬や牧羊犬としてのルーツをもつ犬種と違い、愛玩犬は体力や持久力を必要とされてこなかったため、そこまで多くの運動を要さないケースが多いです。
ただし愛玩犬として生まれた犬種であっても、トイプードルのようにもともと活動的な犬種(プードル)の血を引いている場合は、運動量を必要とするケースもあります。
犬の散歩時間の目安
愛犬にとってどれくらいの散歩時間が適切なのか、判断するのは難しいものです。最初は犬種ごとに違う、散歩時間の目安を参考にするといいでしょう。愛犬の反応や体調を気にしながら、犬に合わせた適度な散歩時間を見つけていきましょう。
散歩しなくてもいい犬はいる?
残念ながら、散歩をまったくしなくてもいい犬はいません。短い時間でも毎日外に連れ出すことは、犬の心身の健康維持に不可欠です。また飼い主と犬との信頼関係の構築にも役立ちます。
台風や大雪など悪天候の場合などでは、散歩に連れて行ってあげられないこともあるでしょう。そういう場合は、ボール遊びやひもを使った引っ張り合いを行うなど、室内でできる遊びを取り入れてあげましょう。運動にもなりますし、飼い主に構ってもらえる喜びを感じることができ、ストレス解消にも役立ちます。
犬種による違いはどれくらい?
小型犬に比べて、中型犬や大型犬は比較的運動量が必要な犬種が多く存在します。牧羊犬・牧畜犬としてのルーツをもつボーダーコリーやジャーマンシェパードといった犬種は、1回1時間~2時間程度の散歩が1日2回必要といわれています。
共働きをしている世帯や体力的に難しいと感じる家族には不向きとなる犬種もいます。犬種それぞれの特徴を考えて、飼う犬を選ぶようにしましょう。
特に運動量が多い犬種 ボーダーコリー、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ジャックラッセルテリア、サルーキ、アフガンハウンド、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー など
運動量の少ない犬種 12種
運動量が少なくてすむ犬種をご紹介します。個体差がありますし、年齢によってもかわりますので、散歩時間などは目安として考えましょう。
ペキニーズ 【散歩ラク度★★★★★】
ペキニーズは運動量をあまり多く必要としていません。1回10~15分程度の散歩を1日に1度、散歩好きな場合は朝夕の2度連れていくといいでしょう。
日光浴をさせるぐらいの心づもりで連れていくとちょうどいいかもしれません。
狆 【散歩ラク度★★★★★】
散歩時間は10~15分程度、朝夕の2回連れて行ってあげましょう。
散歩よりも室内遊びが好きな狆もいるかもしれません。また、暑さ・寒さが苦手なため、夏や冬の散歩時間には気をつけてあげましょう。
チワワ 【散歩ラク度★★★★】
活発な犬ですが、体が小さい分1回の運動量は少なめです。1日2回、1回10~20分程度の散歩をしてあげましょう。
好奇心旺盛なため、散歩が好きなチワワは多いです。体が小さく地面からの距離が近いので、暑さや寒さの厳しくない時間帯を選んであげましょう。
マルチーズ 【散歩ラク度★★★★】
毎日10分~20分程度の散歩を2~3回行うのが理想的です。
ほかの犬と遊んだり、遊具を使って遊んだりするのも好きなので、散歩だけでなく遊びの時間を混ぜてあげてもいいでしょう。
ポメラニアン【散歩ラク度★★★★】
ふわふわとした毛並みのポメラニアンは、1日2回、それぞれ15~20分程度の散歩に連れ出してあげるといいでしょう。
ポメラニアンは足が小さいため、段差や溝には注意しましょう。また激しい運動をすると、関節炎などを生じるケースもあります。疲れていないか様子を見ながら連れていきましょう。
シーズー 【散歩ラク度★★★】
シーズーの散歩は1回20~30分を1日1~2回行うのが理想的です。
犬によって個体差があるため、愛犬が疲れていると感じたら距離を短くしたり、コースを変えたり工夫しましょう。シーズーは意外と頑固な性格をしているため、どうしても散歩を嫌がる日は、抱っこして散歩したり、おやつを与えたりして外に連れ出してあげましょう。
パグ 【散歩ラク度★★★】
1日20~30分のお散歩を1日に2回程度連れて行ってあげましょう。
短頭種であるパグは暑さに弱い犬種です。夏の散歩ではアスファルトの地面から照り返しの熱を浴び、熱中症にかかるリスクも高くなります。時間や水分補給に気をつけてあげましょう。
キャバリア 【散歩ラク度★★★】
小型犬としては大きめのキャバリアですが、それほど長時間の運動は必要としないといわれています。ただし運動好き・遊び好きではあるので、個体差が大きいと考えてください。
朝夕の2回、20分~30分ほどの散歩が理想的です。
肥満になるとヘルニアになるリスクが高まるので、運動不足には気をつけましょう。
ヨークシャーテリア 【散歩ラク度★★★】
朝夕の2回、10~20分程度散歩に連れて行くといいでしょう。
ただ、体の大きさに個体差があるため、少しの散歩で疲れてしまうケースや、30分程度歩いても平気なケースがあります。愛犬に合わせた散歩時間を少しずつ見極めていきましょう。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグ 【散歩ラク度★★★】
10分~20分程度の散歩を1日2回程度連れて行ってあげましょう。
ただ被毛が少ない犬種なので、冬には衣服を着せるなどの寒さ対策が必要です。また、紫外線や皮膚の乾燥にも弱いので、獣医師と相談して皮膚の保護クリームや服などで皮膚のケアをしてあげるといいでしょう。
フレンチブルドッグ 【散歩ラク度★★】
1日に2回、30分程度の散歩がいいでしょう。
太りやすい体質のため、運動不足には気をつけましょう。歩く速度にメリハリをつけ、短いダッシュなどを入れると適度な運動になります。
暑さ・寒さの両方とも苦手なため、夏の暑い日は朝や夕方の涼しい時間に、冬の寒い日は日の照っている時間に散歩をするのが理想です。「寒いけれど平日の日中の散歩は難しい」という場合は、防寒服を着せるのもいいでしょう。
トイマンチェスターテリア 【散歩ラク度★★】
30分程度の散歩を朝夕の2回連れて行ってあげるようにしましょう。
もともと狩猟犬だったため、ウサギなどの小動物を見かけると追いかける場合があります。ロングリードなどを使った散歩では注意しましょう。
運動量の少ない犬種を飼う際の注意点
散歩時間が短くていいとはいえ、注意すべき点がいくつかあります。見ていきましょう。
気分転換・社会化のためにも散歩は必要
小型犬であれば散歩は必要ないという考え方を示されることがありますが、犬にとって散歩は気分転換にもなり、太陽の光を浴びる大切な時間です。
散歩は、他の犬や人と出会い、においや音の刺激を受けることで社会化トレーニングにも役立ちます。天候不良などでどうしても外出ができない場合を除き、愛犬のためにも散歩は連れて行くようにしましょう。
運動不足・肥満には注意しましょう
あまり散歩に連れていかないと、運動不足や肥満などに陥るケースがあります。
ただし、小型犬は関節が弱いなど、あまり運動をたくさんするのに適していない体の場合もあります。犬種による適切な運動量を学び、愛犬の疲れ方を見ながら決めていくといいでしょう。
暑さ、寒さに弱い犬種も多い
アスファルトの照り返しをまともに浴びてしまう小型犬は、暑さや寒さに注意した散歩を心がけましょう。
とくにシングルコートの犬、短毛、南国原産などの犬は、寒さに弱い傾向にあります。対策をきちんとしてから出かけましょう。
パグや、チワワ、フレンチブルドッグ、チャイニーズ・クレステッド・ドッグなどが該当します。
また、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種は熱中症になるリスクが高い犬種です。暑い時間を避けて散歩に行き、水分補給をこまめにとれるよう、ペットボトルなどで水を準備するようにしましょう。
こんなときは疲れすぎかも
ハアハアと息を荒くして舌を出し、よだれを垂らしているときは散歩に疲れてきたのかもしれません。
時には犬自ら木陰などで横になり、一休みしようとすることも。歩いているときにペースが落ちてきたと感じた場合は、「そろそろ散歩の終了時間かな」と少し早めに切り上げてもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか? 犬にとって、散歩はとても大切な時間です。きっと、犬を飼い始めたら楽しそうに歩く姿に、癒されることでしょう。
とはいえ、飼い主の生活スタイルや体力を考えながら、運動量の少ない犬種のほうがいいのか、今一度検討してみることは大切です。私たちよりも生きる時間が凝縮されている犬だからこそ、毎日の散歩を楽しいものと感じられるように努めていきましょう。
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