一見、汚れていないと思っていても、カーペットの毛足の奥にはホコリや髪の毛、食べかすなどが溜まっていることもあります。皆さんはカーペットの正しい掃除方法をご存知でしょうか。
今回はカーペットの掃除方法や掃除の頻度、キレイに保つコツなどを紹介していきます。カーペットの掃除方法を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
カーペットが汚れる主な原因は?
そもそも、カーペットは何が原因で汚れるのでしょうか。カーペットの汚れの原因は主に、食べこぼしや飲みこぼし、髪の毛、ダニ、ホコリ、ペットの毛などです。
カーペットはフローリングと違って毛の奥に汚れが入り込んでしまうので、表面上は汚れていないように見えても実は汚れが溜まっている場合もあります。そのため、掃除機などで毛の奥に溜まった汚れを、こまめにかき出すことが大切です。
カーペットの掃除をする理想の頻度は?
では、どれくらいの頻度でカーペットを掃除したら良いのでしょうか。カーペットの掃除をする理想の頻度は、基本的にフローリング掃除の頻度と同じと考えて良いでしょう。
掃除機や粘着タイプのカーペットクリーナーを使用した簡単な掃除は2〜3日に1度、ブラシなどを使用した掃除は週に1度、カーペットクリーナーを使用した本格的な掃除は月に1度程度がおすすめです。
忙しくてこまめな掃除が難しい方は、無理のない範囲で掃除のルールを決めて実施しましょう。
また、食べこぼしや飲みこぼし、ダニなどの汚れは、気温の上昇に伴ってカビを発生させる恐れがあります。暖かくなる季節の前に、しっかりとキレイにしておきましょう。
基本的なカーペットの掃除方法
ここでは、掃除機を使用した基本的なカーペットの掃除方法を紹介していきます。カーペットはフローリングや畳と違い、毛足の奥に汚れが溜まっている場合があるため、掃除機をかける際は方向を意識するだけで効率が上がります。
縦と横を意識して、ゆっくり二方向からかけてみましょう。縦方向でかけた時に吸い取りきれなかった汚れが、横方向でかけた時に確実に取ることができます。
二方向から掃除機をかけるため、少々時間が掛かりますが、面倒がらず丁寧に掃除することが大切です。掃除機によってさまざまなモードがありますが、カーペットの掃除には、吸い取りモードを使用しましょう。
カーペットに掃除機をかける際の注意点
掃除機を使用したカーペットの基本的な掃除方法をご紹介しましたが、いくつか注意しなければならない点があります。
回転ブラシはやめて使用する
掃除機によっては回転ブラシが付いているものもあります。しかし、カーペットの掃除に回転ブラシが付いている掃除機を使用すると、毛足が抜けてしまう恐れがあるため注意が必要です。回転ブラシが付いている掃除機の場合は、ブラシの回転を止めて掃除するようにしましょう。
回転ブラシのないアタッチメントを使用する
掃除機の種類によっては、ブラシの回転を止められないものもあります。そのような場合は、回転ブラシのないアタッチメントに変えて使用しましょう。
どうしてもブラシの回転が止められなかったり、アタッチメントが変えられなかったりする場合は、掃除機のヘッドを強く押し当て過ぎないように短時間で使用すると、毛足を抜いてしまう心配がありません。
お掃除ロボットのタイプを確認しておく
ご自宅でお掃除ロボットをお使いの方も多いでしょう。しかし、お掃除ロボットを使用してカーペットを掃除する際は、確認すべき点が3つあります。
1つ目は「吸引タイプか水拭きタイプか」です。水拭きタイプはカーペットに使用できないため、必ず吸引タイプであることを確認してから使用しましょう。
2つ目は「乗り越えられる段差の高さ」です。製品によって乗り越えられる段差の高さが違うため、事前に確認しておいてください。
3つ目は「使用できない場所・故障する恐れのある場所」です。まれに「毛足の長いカーペット」が使用できない場所として説明書に記載されている場合があります。
毛足の長いカーペットに使用すると、毛を巻き込んでお掃除ロボットに絡まり、故障してしまう可能性があるからです。
また、高性能のセンサーによって、長い毛足をゴミだと判断し、カーペットの上をぐるぐると回ってしまう恐れもあります。
カーペットに掃除機をかける前の一手間で効率化!
カーペットに掃除機をかける前、ある一手間で掃除が効率化するのをご存知ですか。ある一手間とは、ヘアブラシ・ゴム手袋・コロコロを使用した方法です。
ヘアブラシは、カーペットの毛足の奥に溜まった汚れをかき出してくれます。掃除機をかける前に行うと、毛足の奥に隠れていた汚れも吸い取ることができるでしょう。
ゴム手袋は、髪の毛やペットの毛を取るのに効果的です。ゴム手袋をはめて円を描くようにくるくるとカーペットをなでてみましょう。すると、髪の毛やペットの毛が毛玉のように丸まってきます。そのままゴミ箱に捨てましょう。
粘着カーペットクリーナーのコロコロも、カーペット掃除の効率化に欠かせないアイテムです。掃除機をかけるのが面倒な時でも、コロコロするだけで表面の汚れを取ることができ、毛足の奥に汚れが溜まるのを防いでくれます。
ヘアブラシ・ゴム手袋・コロコロは、100円ショップなどで手に入るアイテムなので、揃えておくと便利でしょう。
汚れ別!カーペットの掃除方法
カーペットについた水性・油性・どちらか判断できない汚れの種類によって掃除方法が異なります。以下では、汚れ別の掃除方法を見ていきましょう。
水性の汚れの場合
果汁や水性ペンのインクなど、水性の汚れを取る方法を紹介していきます。
用意するもの
- ヘアブラシ
- 掃除機
- スプレー容器
- 白いタオル
- 雑巾
- ゴム手袋
- カーペット用洗剤
- ヘラ
掃除方法
- まずは、窓を開けて風通しを良くします。
- ゴム手袋を装着し、液垂れ防止のために端を折り返します。
- 白いタオルにカーペット用洗剤を染み込ませ、カーペットの隅などで色落ちしないかどうか確認します。もし白いタオルにカーペットの色が移ったらこの方法での掃除をやめてください。
- ヘアブラシを使用してカーペットの奥の汚れをかき出し、掃除機を使って吸い取ります。
- スプレー容器に水を入れて汚れの周りに吹きかけてよく湿らせたら、その上からカーペット用洗剤を吹きかけます。
- カーペット用洗剤をかけた部分の上に白いタオルをかけ、ヘラなどを使用して汚れと一緒に洗剤を絞り出し、タオルに染み込ませます。この時、こするのではなく、汚れをすくうようにしてかき出すのがおすすめです。
- カーペットの汚れが落ちたら、水に濡らして固く絞った雑巾で拭き取ります。
油性の汚れの場合
次は、食用油やバター、食べこぼしなど、油性の汚れを取る方法を見ていきます。
用意するもの
- ヘアブラシ
- 掃除機
- スプレー容器
- 白いタオル
- 雑巾
- ゴム手袋
- マニキュアの除光液またはベンジン
掃除方法
- まずは、窓を開けて風通しを良くします。
- マニキュアの除光液またはベンジンを白いタオルに染み込ませ、カーペットの隅などで色移りしないかどうか確認します。この時点で色移りしてしまった場合は、この方法での汚れ取りをやめましょう。
- ブラシを使って、毛足の奥に溜まった汚れをかき出し、掃除機で吸い取ります。
- スプレー容器に入れた水をシミ周りに吹きかけて、洗剤の輪ジミ予防をします。
- 再度、マニキュアの除光液またはベンジンを白いタオルに染み込ませ、カーペットの汚れに押し付けます。
- 汚れの色が完全に白いタオルに移るまで続けます。
- 最後に、固く絞った雑巾で、マニキュアの除光液やベンジンが残らないように拭き取ります。
カーペットの汚れが水性か油性かわからない場合
いつの間にかカーペットに汚れが付いていて、水性か油性かわからない汚れがある場合、まず油性汚れの掃除方法から試しましょう。
水性汚れの掃除方法から試すと、油性の汚れだった場合に取れない可能性があります。
用意するもの
- ヘアブラシ
- 掃除機
- スプレー容器
- 白いタオル
- 雑巾
- ヘラ
- ゴム手袋
- カーペット用洗剤またはマニキュア除光液・ベンジン
掃除方法
- まずは、窓を開けて風通しを良くします。
- ゴム手袋を装着し、液垂れしないように端を折ります。
- 薬液を使用してカーペットが色落ちしないかどうかを確認します。カーペット用洗剤を白いタオルに含ませ、カーペットの隅などで色移りしないか確認してください。
- 汚れている場所を手でなぞり、色が濃くなる方向に向けてブラシをかけます。
- 汚れが浮き出てきたら、ブラシと同じ方向に掃除機をかけて汚れを吸い取ります。
- スプレー容器に水を入れ、汚れの周りに吹きかけて輪ジミ防止をします。
- マニキュア除光液またはベンジンを白いタオルに染み込ませ、汚れに押し付けます。
- 白いタオルに汚れが完全に移るまで続けて、仕上げに固く絞った雑巾で拭き取ります。
- 前述した方法で汚れが取りきれなかった場合は、汚れにカーペット用洗剤を吹きかけます。
- 洗剤を吹きかけた汚れの上に白いタオルを乗せ、ヘラなどを使用して汚れを絞り出すようにかき出して、タオルに吸収させます。
- 汚れの色がなくなってきたら、水に浸し固く絞った雑巾で洗剤を拭き取って完了です。
カーペットから嫌なニオイがする時の掃除方法
長い間同じカーペットを使用していると嫌なニオイがしてくることがあります。洗えるものであれば洗って解決できますが、洗えないものは困ってしまいますね。
市販の消臭スプレーも有効ですが、根本的なニオイの解消にはならないため、あまりおすすめできません。
そんな時は、ぬるま湯に重曹を溶いた5%程の溶液をタオルに含ませて固く絞り、拭くのがおすすめです。重曹水でカーペットを拭くと、ニオイの根本的な解消になります。仕上げに、水に浸して固く絞ったタオルで拭き取りましょう。
カーペットにダニがいる場合の掃除方法
家の中にはさまざまなダニが生息しているため、カーペットにも潜んでいる可能性があります。カーペットにダニがいる場合は、ダニの餌となるホコリなどをこまめに掃除機で吸い取って、清潔に保つことが大切です。
さらに、ダニは紫外線や乾燥に弱いため、定期的に天日干しをしたりカーペットをめくって風通しを良くしたりしましょう。
また、スチームアイロンを使用してダニを対処するのもおすすめです。しかし、スチームがカーペットに近過ぎると、素材によっては溶ける可能性もあるので注意しましょう。
カーペットを除菌する方法は?
カーペットを除菌するには、市販のエタノールがおすすめです。エタノールをスプレー容器に入れて、カーペットに吹きかけましょう。エタノールはすぐに乾くため、乾かす必要もありません。
毛が長いカーペットの掃除を行う際のポイント
保温性やインテリア性に優れた毛が長いカーペットですが、掃除が大変という難点があります。そこで以下では、毛が長いカーペットの掃除を行う際のポイントを紹介していきましょう。
掃除機はさまざまな方向からかける
毛が長いカーペットも掃除機での掃除がおすすめです。しかし、長い毛の奥にある汚れが取りにくいため、さまざまな方向から掃除機をかけましょう。毛の流れに沿ったり逆らったりして、ゆっくり丁寧に掃除機を動かすのがポイントです。
毛の間のゴミはゴム手袋を活用する
長い毛の間に汚れが入り込み、掃除機でも吸い取れない場合はゴム手袋がおすすめです。ゴム手袋を装着し、カーペットをなぞってみましょう。掃除機で吸い取りきれなかった細かいゴミが集まってきます。
最後にコームなどで毛の絡みをほぐす
長い間同じカーペットを使っていると、毛が絡まってへたってしまう場合があります。そのような時は、ペット用のコームなどが有効です。カーペットの毛をとかして絡みをほぐせば、へたった毛が元に戻り、ふんわりとした状態に戻すことができます。
カーペットのキレイを保つポイントは?
次は、カーペットをキレイな状態に保つポイントについて見ていきましょう。
定期的に陰干しする
カーペットからダニを排除するために、定期的な陰干しがおすすめです。週に1度くらいの頻度でカーペットの下を掃除し、その間の時間に外へ出して陰干ししましょう。カーペットの湿度が下がることで、ダニに対処しやすくなります。
月に1回水拭きする
月に1回は固く絞った布などで水拭きするのがおすすめです。カーペットを水拭きすると表面上の汚れを落とすことができます。
その際、汚れを広めてしまわないように、ポンポンと叩くようにして優しく拭きましょう。水拭きした後は、カビが発生しないように陰干しして乾燥させるのがおすすめです。
ハウスクリーニングを利用してみる
どうしても落とせない汚れや、大切なカーペットをキレイに保ちたい場合は、ハウスクリーニングの利用を検討してみましょう。
くらしのセゾンの「フローリング・カーペットクリーニング」では、プロが汚れに合わせた専用洗剤・機材を使い、気になる箇所を徹底的にキレイにします。
事前にお見積もり金額をご提示し、当日の追加料金はないため、安心してご利用いただけます。ぜひ一度お試しください。
おわりに
表面上はキレイに見えるカーペットも、実は毛の奥に汚れが溜まっている場合があります。そのような場合は、ブラシなどで奥の汚れをかき出して掃除機で吸い取りましょう。
こまめな掃除は大変ですが、横方向と縦方向から掃除機をかけることで、効率的に掃除ができます。
また、水性・油性・どちらか分からない汚れはそれぞれ掃除方法が異なるため、今回紹介した方法を参考にしてぜひ実践してみてください。キレイにしたカーペットは、定期的な陰干しや水拭きなどをして清潔に保ちましょう。