家庭や公共のトイレなどで一般的になってきたウォシュレット。私たちのトイレの時間を快適にしてくれるとても便利な機能ですが、ウォシュレットの掃除方法を知らない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、ウォシュレットの掃除方法や注意点などについて紹介していきます。自宅にウォシュレットがあるけれど掃除方法が分からないという方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもウォシュレットとは?
ウォシュレットとは、トイレで用を足した時にノズルから出る温水でお尻などを洗ってくれる機能です。そもそも「ウォシュレット」という言葉は、商品名であることをご存知ですか。ウォシュレットの正式名称は「温水洗浄便座」です。ウォシュレットはTOTOの商品名ですが、高いシェアを誇っていることからその名が広まり、温水洗浄便座全般をウォシュレットと呼ぶようになったのです。温水洗浄便座はTOTO以外からも発売されており、パナソニックからは「ビューティトワレ」、LIXIL(リクシル)からは「シャワートイレ」という名で発売されています。
近年では、お尻を洗う以外にもさまざまな機能があります。室内暖房や脱臭、音楽再生などさまざまな機能が付いたウォシュレットが売られており、より便利になりつつあります。
ウォシュレットの汚れの原因
お尻をきれいにする目的で作られたウォシュレットですが、意外とウォシュレット自体も汚れているのをご存知ですか。では、何が原因で汚れてしまうのでしょう。ここでは、ウォシュレットが汚れる原因を紹介していきます。
水垢
ウォシュレットにはノズルから出た水や跳ね返りの水などによって、水垢ができます。水垢は、水をよく使用する場所で発生しやすく、水に含まれているミネラルが水分の蒸発によって白く固まった状態です。一度水垢になるとこすっただけでは取れないため、厄介な汚れです。
カビ
ウォシュレットのノズルに発生する黒ずみは、カビが原因であることが多いです。ノズルは濡れたまま収納されるため、湿気が多くカビが繁殖しやすい環境といえます。カビを発生したままにしておくと、不潔な状態で使うことになる他、嫌な臭いや故障の原因にもなりかねないので、定期的な掃除が必要です。
尿石
ウォシュレットは、飛び散った尿によって尿石ができることがあります。尿石は付着した尿が固まった状態で、早い段階で取り除かないとより固くなり、除去するのが難しくなるでしょう。また、尿石を放置していると嫌な臭いや故障の原因になりかねないので、ウォシュレットを清潔に長く使うためには、こまめな掃除が大切です。
ウォシュレットの汚れを放っておくと大変なことに…
ウォシュレットの汚れを除去せずに放置しておくと、どのようなことが起こるのでしょうか。以下では、ウォシュレットを放置した際に起こり得る具体的なトラブルを紹介していきます。
ノズルが出てこない
ウォシュレットの汚れをそのままにしていると、ノズルが出てこない、または収納できないといったトラブルが発生する可能性があります。ノズルが汚れによって目詰まりを起こし、動きを阻害されるためです。
ノズルから水が出てこない
ウォシュレットに汚れが溜まり続けると、ノズルから水が出てこなくなる恐れもあります。ノズルが出てこない場合と同じで、尿石やカビなどの汚れの蓄積が原因であることが多いです。不衛生なのはもちろん、故障の原因にもなりかねないため、汚れを放置しないように心掛けましょう。
温水タンク内が汚染されることも
ウォシュレットの掃除を長い期間しないと、温水タンク内も汚染される場合があります。ウォシュレットのノズルから出る水は、温水タンク内から出るため、温水タンクが汚染されると健康を脅かすリスクもあります。定期的に汚れを確認し、掃除を怠らないようにしましょう。
ウォシュレットのノズル掃除方法
ウォシュレットはどのように掃除すれば良いのでしょうか。以下では、意外と知られていないウォシュレットの掃除の仕方について、ノズル掃除機能付きの場合とノズル掃除機能がない場合、しつこい汚れの場合に分けて見ていきましょう。
ノズル掃除機能付きの場合
ノズル掃除機能付きの場合は、スイッチを入れてノズルを出します。軽い汚れの場合は、柔らかい布などで水拭きすれば落ちるでしょう。頑固な汚れの場合は、台所用中性洗剤を薄めた水に布を浸して水拭きします。このとき、ノズルの先を無理矢理引っ張ったり回したりしないように注意しながら優しく汚れを拭き取りましょう。さらにしつこい汚れの場合は、ノズルに直接中性洗剤をかけて10分ほど放置し、使い古した歯ブラシや綿棒、お掃除シートなどで磨くと効果的です。掃除が終わったらボタンを押して、ノズルを元に戻します。
ノズル掃除機能がない場合
ノズル掃除機能がない場合のノズルの出し方は、ノズルの先端部分の突起を手前に引っ張るだけです。不安な方は、取扱説明書を見ながら作業を行うようにしてください。ノズルが出てきたら、使い古した歯ブラシや綿棒、お掃除シートなどでこすります。それでも落ちない頑固な汚れには、ノズル掃除機能付きの場合と同様に、ノズルに中性洗剤をかけて10分ほど放置してからこするようにしてみてください。あまり力を入れてこすると故障の原因にもなりかねないため、取り扱いには充分注意しましょう。掃除が終わったら、ノズルを元の場所に戻します。
しつこい汚れには専用クリーナー
前述した方法できれいにならないしつこい汚れには、専用クリーナーが効果的です。特に泡タイプのクリーナーをノズルにスプレーすると、洗浄成分を含んだモコモコの泡が汚れにしっかりと密着してきれいにしてくれます。直接ノズルに触れて掃除するのに抵抗がある方はこのようなスプレータイプがおすすめです。
アルカリ性のしつこい水垢に対処したい場合は、酸性のクエン酸を使用してみましょう。人体や素材に対して安全でありながら、除菌効果も高いのでおすすめです。200ccの水に小さじ1/2のクエン酸を混ぜ、スプレーボトルに入れてノズルに吹きかけます。
ウォシュレット全体の掃除方法
ウォシュレット機能付きのトイレは、どうしても水が飛び散る傾向にあるため、ウォシュレット全体の定期的な掃除が必要です。ここでは、ウォシュレット全体の掃除方法について紹介していきます。
手軽にできる拭き掃除
まずは、手軽にできる拭き掃除から紹介していきましょう。電子部品が入っているウォシュレットに水をかけるのは厳禁ですが、乾いた布で拭くと静電気が発生するため、柔らかい布を水で濡らしてしっかり絞ってから使用します。また、酸性やアルカリ性の洗剤でプラスチック部分を拭くと割れる可能性があるので、台所用洗剤を薄めた水に先程の布を浸して水拭きに使用しましょう。便座の表面・蓋の表裏・便座の裏側・便器との境目などを拭いていきます。全体的に拭いたら、仕上げに水拭きをしましょう。このとき、洗剤が残っていると故障の原因になりかねないため、最初に拭いた場所をなぞるようにしっかりと拭き取ることが大切です。便座の蓋と便座は、水気がなくなったら下ろしてください。
さらに簡単にトイレの拭き掃除をしたい方は、市販のトイレ掃除用シートを使ってみましょう。厚手のシートや臭いを予防する成分が入ったシートもあるためおすすめです。
便座や蓋を取り外した丁寧な掃除
次に、便座や蓋を取り外した丁寧な掃除方法について紹介していきます。トイレには便座と蓋が外せるタイプがあり、そのようなタイプは取扱説明書を見ながら掃除を行いましょう。
まずはホコリが溜まりやすい便座・蓋と本体の間、蓋の縁を、水で濡らして固く絞った布に薄めた台所用洗剤を付けて拭きます。細かい部分は、綿棒や割り箸に布を巻いて掃除するのがおすすめです。最後に水拭きをして、便座や蓋を元に戻しましょう。
便座や蓋を外すと、思わぬところに尿の跳ね返りによる黄ばみが付着している場合があります。トイレによっては、お掃除リフト機能やワンタッチ着脱機能など、掃除しやすい機能が備わっているタイプもあるため、自宅のトイレがどのようなタイプか調べてみるのもおすすめです。便器や蓋を外せるトイレの場合は、定期的に掃除すると見えないところまで徹底的にきれいにできるでしょう。
見落としがちな掃除場所
ウォシュレット付きのトイレにはさまざまなパーツが集まっているため、見落としがちな掃除場所がいくつかあります。そこで以下では、見落としが多い、リモコンと脱臭フィルターの掃除方法について解説していきましょう。
リモコン
ウォシュレットの掃除で見落としがちなのが、リモコンです。意外とホコリが溜まりやすいことをご存知ですか。リモコンには電子部品が使用されているため、汚れが気になった際は台所用の中性洗剤は使わずに軽く水拭きをしましょう。その際にスイッチが正常に動くかもチェックして、動かない場合は電池を交換し再度動くか確認してみましょう。
脱臭フィルター
脱臭機能が備わっているトイレには、脱臭フィルターが付いています。見たことがない方も多いでしょう。しかしこのフィルターも、掃除を怠るとスムーズな脱臭ができなくなる恐れがあります。
まずは、説明書を見ながら、便座裏に付いている脱臭フィルターを外してください。フィルター部分の汚れを使い古した歯ブラシなどでこすって落とします。このとき、あまり力を入れ過ぎるとフィルターが破れてしまう可能性もあるため、優しくこすって汚れを落としましょう。あまりにも汚れがひどい場合は、先に水洗いをして乾拭きすると効果的です。ただし、フィルターに水分が残ったまま取り付けてしまうと、余計にホコリが付きやすくなってしまうため、しっかりと乾燥させた状態で元の状態に戻すようにしましょう。
ウォシュレット掃除の注意点
これまでウォシュレットの掃除について紹介してきましたが、掃除の際に気をつけたい、いくつかの注意点があります。以下で詳しく紹介していきましょう。
カビキラーの使用はNG
ウォシュレットにひどい汚れを発見しても、カビキラーの使用は避けましょう。カビキラーは、塩素系の次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウム界面活性剤が主な成分です。もし、カビキラーがウォシュレットの中に残ってそのまま使用してしまった場合、肌や粘膜にカビキラーの成分が付いてしまう恐れがあります。そのため、ウォシュレットの掃除にはカビキラーを使用しないように注意しましょう。
クエン酸と塩素系洗剤は混ぜない
ウォシュレットは、クエン酸を使用してきれいに掃除できますが、クエン酸と同時進行で塩素系の漂白剤を使用しないようにしましょう。酸性のクエン酸と塩素系の漂白剤が混ざると、人体に有毒なガスが発生するため、混ぜて使用してはいけません。
ウォシュレットの掃除頻度は?
ウォシュレットはどれくらいの頻度で掃除を行えば良いのでしょうか。普段の簡単な掃除は週に1回、ノズルの掃除と便座・蓋を外した掃除は年に1~2回の掃除がおすすめです。目安の回数なので、汚れに気づいた際に掃除しておくと、1回の掃除の負担が少なくて済むでしょう。
ウォシュレットのしつこい汚れはプロにお任せ
トイレは毎日使用するため、なるべくきれいな状態をキープして清潔に使いたいものですが、非常に汚れやすい場所です。ご自身で掃除してもなかなか汚れが取れない、壊してしまいそうで掃除ができないという方は、プロにクリーニングを任せてみましょう。
くらしのセゾンではプロに技術による「トイレクリーニング」をご提供しています。頑固な尿石や黒ずみ、黄ばみなどを除去し、さらに床や壁、換気扇までもきれいにしてくれます。事前にお見積もり金額をご提示し、当日の追加料金はないため、安心してご利用いただけます。お気軽に問い合わせください。
おわりに
便器内や便座は掃除しても、便座や蓋を外して掃除をしたり、ノズルやリモコンを掃除したりしている方は少ないのではないでしょうか。ウォシュレットの掃除をしないと、故障や不衛生な状態になりかねません。一度きれいにしても、また掃除を怠ると汚れが蓄積してしまうので、日頃の掃除を心掛けることが大切です。