ベランダ掃除は、室内に比べておろそかになりがちです。いざ掃除しようと思っても「排水口が詰まってしまっている」「何からどうやって手を付ければ良いかわからない」という方も多いでしょう。
そこで今回は、ベランダが汚れる原因や掃除方法、掃除の注意点まで解説します。ベランダ掃除を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
ベランダの掃除をしないとどうなるの?
一般的に集合住宅のベランダは共有部分とされており、あまりに汚れている場合はベランダ掃除を強制されたり、トラブルになったりすることもあります。
賃貸の場合、退去時にクリーニング代を請求される可能性もあるので、手に負えなくなる前にこまめに掃除をした方が良いでしょう。では、掃除を怠ると、ベランダが具体的にどうなってしまうのかご紹介します。
排水口が詰まる
ベランダにある排水口は雨水を流すのに役立つものですが、ベランダの汚れを放置することで詰まってしまうこともあります。そのまま放置すると、排水口周りに雑菌が湧き、悪臭を発生させる原因になります。
また、排水口が詰まって水が流れなくなると、ベランダが水浸しになり、下の階に汚水が流れ込んでトラブルになりかねません。ベランダの床材の劣化にもつながるので注意が必要です。
サビや腐食につながる
ベランダの床や手すりの汚れを放置すると、サビや腐食が発生しベランダが劣化します。手すりがサビてしまうと、寄りかかったときに壊れてケガをする可能性もあります。
特に注意したいのは築年数の古い建物や海辺の塩害が発生する地域です。他の地域に比べてベランダが劣化しやすく、より念入りに掃除をする必要があります。
ベランダが汚れる6つの原因
雨風にさらされるベランダは、少し放っておくだけで汚れが付着してしまいます。ここでは、ベランダが汚れる6つの原因を具体的にご紹介しましょう。
砂や土
ベランダの代表的な汚れに、砂や土が挙げられます。砂や土は、地上にあるものが風によって舞いあがり、ベランダの手すりや床に付着します。さらにベランダに置いている植木鉢の砂や土もベランダを汚す原因のひとつです。
ホコリ
ホコリは室内に溜まるイメージがある方が多いでしょう。実はベランダに干す洗濯物や布団から落ちるホコリや髪の毛などが、ベランダを汚す原因になるのです。特に洗濯物は頻繁に干すため、確実にホコリは溜まっていきます。
排気ガス
交通量の多い地域に住んでいる場合や、道路側にベランダがある場合は排気ガスに注意が必要です。排気ガスは油分を含んでおり、時間が経つと固まって掃除が大変になってしまいます。
さらに風で巻き上げられた砂や土が排気ガス汚れに付着し、手に負えないほど頑固な汚れになってしまいます。
鳥のフン
鳥のフンは不衛生な上に、固まると非常に落としにくくなります。鳥のフンには雑菌や病原菌が多く含まれているため、見つけ次第早めに対処するのがおすすめです。
対処方法としては、鳥のフンにお湯と中性洗剤をかけてふやかし、シートやキッチンペーパーで拭き取ります。
コケ
雨にさらされるベランダでは、日が当たらない場所はジメジメし、コケが生えることがあります。無害だからと放置するのは危険です。
コケが生えている部分はベランダの傷みが早く、そのまま掃除しないと多額の修理費がかかってしまうかもしれません。コケが増殖するまえに対処しておきましょう。
水垢
ベランダの壁に伸びる黒い縦線は水垢です。雨水が通った跡で、中性洗剤で洗っただけではきれいに落ちない頑固な汚れです。また、ベランダに鉢植えを置くと水垢が跡のように残ってしまうこともあります。
水道水の水垢は白い汚れとなってベランダの床や壁に付着するのです。長年に渡ってこびり付いた水垢は自力では完全に落とすことが難しいため、プロに依頼する必要があります。
ベランダの掃除に必要なアイテムを揃えよう!
掃除を始める前にまずは必要なアイテムを揃えましょう。通常の掃除に必要不可欠なほうきやちりとり、雑巾のような家にあるもので基本的なベランダ掃除は可能です。
加えて新聞紙やデッキブラシがあると、さまざまな汚れに対応できます。掃除をしながら「あれがない!」とならないよう、以下の項目を参考に準備をしてみてください。
ほうき・ちりとり
ベランダに落ちている大きなゴミを取り除くために、ほうきとちりとりを使用します。室内用とは別に、ベランダ専用で置いておけば、気がついたときにサッと掃除ができるのでおすすめです。
デッキブラシ
ひどい汚れを落としたい場合は、デッキブラシを使用しましょう。おすすめはお手入れのしやすいナイロン製ですが、ベランダの材質によっては傷を付けてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
新聞紙
新聞紙はゴミやホコリ取りに役立つお掃除グッズです。集合住宅の場合、外で掃除機を使用すると騒音が気になりますが、新聞紙なら大きな音も出ないので掃除がしやすいのがポイントです。掃除後にそのまま捨てられるのもメリットです。
雑巾
手すりを掃除するために必要なのが雑巾です。久しぶりに掃除する時は雑巾が真っ黒に汚れる可能性もあるので、不要になった衣類やタオルなど使い捨てできる布を使用するのがおすすめです。
ベランダ掃除のついでに窓も掃除できるよう、雑巾は多めに用意しておくと良いでしょう。
重曹・クエン酸・セスキ炭酸ソーダ
重曹・クエン酸・セスキ炭酸ソーダは環境に配慮したナチュラル素材です。汚れによって相性の良いものが異なります。
例えば、皮脂汚れや手垢は重曹・セスキ炭酸ソーダがおすすめ。雨だれや水垢はクエン酸を使用すると良いでしょう。
中性洗剤
ナチュラル素材では落ちない場合は、中性洗剤を使用してみましょう。室内のお掃除用洗剤としても利用できる「ウタマロクリーナー」がおすすめです。中性なので、ベランダの床や壁、窓のアルミサッシにも使えます。
ベランダを念入りに掃除する方法
長い間放置したベランダにはさまざまな汚れが付着しています。まずは鳥のフンを掃除したあとに、壁・窓、さらに床や排水口といった流れで、上から下に向けて掃除を進めましょう。排水口が詰まって水が流れない場合は、排水口から掃除してください。
ベランダに付いた鳥のフンの掃除
まずベランダ掃除で取りかかりたいのは鳥のフンです。鳥のフンには病原菌が多く潜んでいるので、掃除中に触らないよう気を付けましょう。
【鳥のフンの掃除方法】
- マスクと手袋を着用する
- 除菌用のアルコールをかけて、キッチンペーパーで拭き取る
- 落ちない場合は、約50度のお湯をかけてふやかしたり、重曹やセスキ炭酸ソーダをかけて歯ブラシでこすったりすると効果的
- 頑固な汚れは、塩素系洗剤をかけて5分放置し歯ブラシでこする
- 洗剤をしっかり拭き取るか、水で流す
ベランダのコケの掃除
コケはベランダの壁や床が傷む原因になるので、見つけ次第対処してください。コケ掃除にはいくつか方法があります。
【お湯を使用したコケの掃除方法】
- 約50度のお湯をかける
- ブラシでこする
【コケ取りスプレーorカビ取り剤を使用したコケの掃除方法】
- コケの生えている部分に散布する
- そのまま放置
【オキシクリーンを使用したコケの掃除方法】
- オキシクリーンとお湯を混ぜる
- 少し放置する
- ブラシでこする
ベランダの床掃除
砂や土、植木鉢を置いた跡などの汚れが付いたベランダの床を掃除する方法を紹介します。
ベランダによっては、水を多く使えない場合もあると思いますので、水を使った掃除方法と水を極力使わない掃除方法の2種類をそれぞれ解説しましょう。
水を使った掃除方法
水と重曹を使った掃除方法をご紹介します。
【手順】
- 重曹小さじ1杯、水100mlの割合で作った重曹水をスプレーボトルとバケツに入れる
- 手すりに重曹水を吹きかけ5分放置し、水で濡らして絞った雑巾で拭く
- ほうきで床のゴミを掃いて捨てる
- バケツ内の重曹水を床にまき、数分放置してデッキブラシでこする
- 排水口を使用済みの歯ブラシでこすって汚れをかき出す
- バケツやホースで水をかけて汚れを流す
水をあまり使わない掃除方法
水を流せないベランダにおすすめの、水を大量に使わない掃除方法をご紹介します。この方法は外壁に付いた水垢にも応用できます。外壁に付いてしまった黒い筋の汚れも床と一緒に掃除しておきましょう。
【手順】
- ベランダの床・壁にウタマロクリーナーを吹きかける
- デッキブラシやブラシを水に濡らし、こする
- 水に濡らして絞った雑巾でウタマロクリーナーを拭き取る
ベランダの手すり掃除
手すりに付着しているのは排気ガスの汚れです。排気ガス汚れにぴったりなのが重曹とウタマロクリーナー。自宅にある方を使用して手すりもキレイにしましょう。
【手順】
- 重曹スプレーまたはウタマロクリーナーを手すりにかける
- デッキブラシまたはブラシでこする
- 下の階に飛び散らないよう、水ですすぐ
ベランダの排水口掃除
排水口が詰まって水があふれてしまうと、せっかく掃除したベランダが汚れてしまうかもしれません。ベランダ掃除がある程度終わったら、仕上げに排水口もキレイにしておきましょう。
【手順】
- 割りばしやトングを使用してできるかぎりゴミを取り除く
- 重曹とクエン酸を排水口に振りかける
- お湯を注いで発泡させる
- 汚れが浮かんでくるまで、10~20分放置する
- ブラシで汚れを落とす
- ペットボトルなどに入れた水で少しずつ汚れを流す。
水道なしでもOK!簡単なベランダの掃除方法
念入りに掃除をしたあとは、定期的に簡単な掃除を行うことでキレイなベランダを保つことができます。日ごろのお掃除ついでにできる簡単な掃除方法をご紹介するので、ぜひ日々の掃除に取り入れてみてください。
掃除機を使ったベランダの掃除
こまめに掃除をしていれば、いつもの掃除機かけのついでにベランダのホコリ取りができます。まず、水に濡らして絞った雑巾で手すりを拭き、床のホコリを掃除機で吸い取ります。
掃除機に付属している細いノズルに付け替えれば、細かい部分のホコリも吸い取りやすく丸洗いも可能なのでおすすめです。ベランダ掃除で掃除機が汚れないか心配な方は、次の新聞紙を使った方法も試してみてください。
新聞紙を使ったベランダの掃除
マンションのような集合住宅で騒音が気になる場合にもおすすめの掃除方法です。まず新聞紙をちぎって軽く丸めて、水に濡らして床に撒きます。
撒いた新聞紙をほうきで掃くことで、ホコリや髪の毛も一緒に絡めとることが可能です。床全体を掃いたら、新聞紙を集めてそのまま破棄して完了です。
ベランダを掃除する注意点
ベランダ掃除に取りかかる前に注意したい点をご紹介します。
鳥の巣を見つけたら駆除会社に依頼する
鳥の巣はご自身で撤去できそうな気がしますが、地域によっては鳥獣保護法に違反する場合もあるので注意が必要です。
違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。ただし、作りはじめたばかりの巣やヒナが旅立ったあとの巣であれば、法的に問題はありません。
ですが、叩き落すと菌をまき散らすことになり、消毒やダニ対策も行わなければならないため、どちらにせよ駆除会社に依頼することをおすすめします。
隣近所が洗濯物を干していないか確認する
空気が乾燥している晴れた日にベランダ掃除を行うと、ホコリが舞いやすくなります。隣近所で洗濯物を干している時は、ホコリが飛びトラブルになる可能性もあります。
周囲に洗濯物が干されていないか確認してから、ベランダ掃除を行うようにしましょう。
マンション・アパートにおけるベランダの掃除
ベランダはシャワーで水を大量に流しながら掃除するイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは戸建て住宅の話。
マンション・アパートなどの集合住宅では、隣や下の階に誰かが住んでいる場合もあるので、掃除する際も配慮が必要です。
集合住宅におけるベランダ掃除ではどのようなことに気をつけて、どのように掃除すれば良いのでしょうか。
マンション・アパートでは水の使い方に注意
マンション・アパートでは、戸建てと違って水を大量に使うことができません。
ベランダは雨水を防ぐ程度の防水加工がしてあるのが一般的ですが、大量に水を流すことは想定していないことがほとんどです。
一度に大量に水を流すと、下の階や隣の部屋に漏れてしまう可能性があるため、少量の水での掃除を心掛けましょう。
重曹水を使ったベランダの掃除
集合住宅のベランダは、重曹水や新聞紙を使って少ない水で掃除しましょう。
【手順】
- 丸めた新聞紙を濡らして床に敷き詰める
- ほうきで新聞紙を掃き、床の汚れを吸着させる
- 新聞紙をまとめて破棄する
- 汚れた部分に重曹水をかけ、デッキブラシや雑巾でこする
- 汚れを水で流すか、雑巾で拭きとる
ベランダを掃除する頻度はどれくらいがベスト?
ベランダは室内の掃除ついでに、月2~3回簡単に掃除するのがおすすめです。
頻繁に掃除していてもゴミや汚れは溜まるので、少し頑張る掃除を3ヵ月に1回ほど、年1回は念入りに掃除をするようにしましょう。
こまめに掃除することで、1回の掃除の負担も軽くなります。
ベランダの掃除に向いている日は?
ベランダ掃除で注意したいのは、砂やホコリが舞い上がってしまうことです。乾燥した晴れの日や、風が強い日は砂やホコリが舞いやすいので避けましょう。一方湿度が高くなる曇りの日や小雨、夕立のあとはベランダ掃除に向いているといえます。
プロに頼んでベランダ全体をキレイにしよう
こまめにベランダ掃除をした方が良いのはわかったけれど「他に掃除したい部分があってベランダ掃除まで手が回らない!」という方も多いでしょう。
そんなときはくらしのセゾンのハウスクリーニングがおすすめです。仕事や家事などで忙しいときにはプロの手を借りることを検討してみてください。
おわりに
今回は、ベランダが汚れる原因や掃除方法、掃除の注意点などをご紹介しました。ベランダの汚れは放っておくとどんどん溜まってしまいます。
手が付けられなくなる前に汚れを落としてしまいましょう。
ベランダ掃除はこまめに行うことで、楽にキレイにすることができます。掃除をする時は、湿度の高さや隣近所の様子を確認してから行うようにしてください。