疲れたときやゆっくりとしたいときにくつろげるソファーは、使う頻度が高いため汚れが溜まりやすくなりがちです。溜まった汚れを放置していると、シミの原因やダニが発生する可能性があります。
そこで今回は、ご自宅でも手軽にできるソファーの掃除方法を紹介します。ソファーの汚れや掃除にお悩みの方はぜひ参考にしてください。日々のお手入れをしっかりと行い、ソファーをキレイに保ちましょう。
ソファーが汚れる原因とは?
ソファーは家族が集まるリビングに置かれることも多く、使用する頻度も多いため汚れが付きやすくなります。どのような汚れが付きやすいのか見ていきましょう。
汗や皮脂汚れ
肌で直接触れることの多い背もたれや座面などは、人の汗や皮脂汚れが付きやすい場所です。汚れたまま放っておくと汗や皮脂が蓄積され、ソファーのシミの原因や臭いの元にもなってしまいます。
ハウスダスト
布製が多いソファーは、ハウスダストが溜まりやすくなってしまう場所です。ハウスダストにはカビやダニのフンや死骸、花粉などがあり、アレルギーを引き起こしてしまう原因にもなります。
食べこぼしや飲みこぼし
ソファーの上で食べたり飲んだりすることで、ときにはこぼしてしまうこともあるでしょう。食べこぼしや飲みこぼしによって付いた汚れは、すぐにキレイに掃除しないと酸化が進み、シミの原因になってしまいます。
ペットの毛や汚れ
ペットを家の中で飼っている場合、毛や排泄物がソファーに付着してしまうことも少なくありません。蓄積された汚れで臭いが付いてしまうこともあります。
落書き
小さなお子様がクレヨンや油性マジックなどでソファーに落書きしてしまった経験はないでしょうか。ソファーの素材やペンの種類によっては、色素が染み込んでしまう可能性があります。適切な掃除方法で対処しましょう。
布製ソファーの掃除方法
布製のソファーは、ホコリが付きやすくシミなどの汚れが目立ちやすい素材です。ここでは汚れの落とし方やシミの取り方など、布製ソファーの正しい掃除方法を紹介します。
布製ソファーの汚れを落とす方法
ソファーの表面の汚れを落とすには、掃除機・粘着クリーナー・重曹を使います。まずソファー表面に付いているホコリや髪の毛などのゴミを粘着クリーナーで、軽く取り除きましょう。次に粉のままの重曹をソファー全体に振りかけます。
布地が粗いソファーは、繊維の奥に重曹の粉が入り込みやすいので気を付けましょう。3時間ほど放置した後、掃除機でゆっくりと重曹を吸っていきます。掃除機の回転ブラシの使用は、布地を傷める恐れがあるので避けた方が良いでしょう。
布製ソファーのシミ取り方法
食べ物や飲み物をこぼしてしまいシミが付いてしまった場合は、中性洗剤と重曹を使ってシミを取ることができます。重曹は、シミだけでなく臭いを取り除く効果もある役立つ洗剤です。
まずはシミ取り液を作りましょう。40℃ほどのぬるま湯100mlに対して中性洗剤と重曹を約5mlずつ入れたら完成です。液をタオルに染み込ませ、シミになった部分を上から叩きましょう。
ポイントはこすらずポンポンと上から叩くことです。外側から内に向かって円を描くように叩くと輪ジミになりません。シミを落とした後は、液がソファーに残らないようぬるま湯に浸け絞ったタオルで丁寧に拭き取りましょう。
液が残っているとまたその部分がシミになってしまいます。最後は、乾いたタオルで残った水分を拭き取れば完了です。
布製ソファーのダニ撃退方法
皮脂や汗、食べこぼしなどあらゆる汚れが蓄積したソファーは、ダニが発生しやすい環境になりがちです。ダニを撃退するには、スチームアイロンと掃除機を使った方法が効果的です。
スチームアイロンは温度を「高」にします。ソファーの生地を傷めるのを防ぐため少し浮かせてスチームを当て、ゆっくりとアイロンを動かします。または濡らして固く絞ったタオルを敷いてアイロンを当てても良いです。
高温のスチームでダニを撃退します。アレルギーを引き起こす可能性もあるので、アイロンをかけた後は、ダニの死骸やフンを掃除機でしっかりと吸い取りましょう。
ソファーカバーが外せる場合には
ご自宅にあるソファーのカバーが外せる場合は、まず洗濯表示を確認してみましょう。家で洗える表示の場合は、洗濯機で丸洗いが可能です。
家庭での洗濯処理ができない表示の場合は、素材によって縮んだり傷んだりしてしまう可能性があるので、ドライクリーニングに出すことをおすすめします。
合皮ソファーの掃除方法
さまざまなソファーの素材の中でも比較的手入れが簡単なのが合皮ソファーです。どのような掃除方法があるのか見ていきましょう。
合皮ソファーの特徴
合皮は布地に合成樹脂を貼り付け、見た目や肌触りなどを本革のように加工した素材です。合皮ソファーは、本革製ソファーよりも手頃な価格で革の質感を楽しむことができます。
また水や汚れに強いのが特徴です。簡単な水拭きや乾拭きで汚れを落とせるので、本革よりも手入れしやすい素材だといえるでしょう。
生地にハリがあることで、座った時に身体が沈み込み過ぎず、安定した座り心地を感じられます。本革製のソファーに比べると寿命が3~5年と短めですが、お手入れしやすくリーズナブルな価格の合皮ソファーは人気です。
合皮ソファーの汚れを落とす方法
合皮ソファーは、傷付きやすい素材のため掃除機の使用は避けましょう。汚れを落とすには、柔らかい素材の雑巾やタオルを固く絞って水拭きします。
頑固な汚れの場合は、布製のソファーと同じようにぬるま湯で薄めた中性洗剤を使用すると良いでしょう。
洗剤を染み込ませたタオルで汚れを落とし、水拭きでしっかりと洗剤を落とします。洗剤を使う時は、事前に色落ちや変色などをしないか目立たない部分で確認してください。
水拭きした後は、乾いたタオルなどでしっかりと水分を残さないよう乾拭きします。
合皮ソファーは劣化しやすい?経年劣化を防ぐポイント
お手入れしやすく汚れも落としやすい合皮ソファーですが、日々のお手入れを怠ると経年劣化により表面のひび割れやべた付きが生じてきます。合皮ソファーの経年劣化を防ぐための方法を紹介します。
カバーやクッションを活用する
本革製よりも水に強い合皮ソファーですが、「加水分解」が劣化を早める原因になってしまいます。「加水分解」とは、合成樹脂などの化合物が空気中の水とくっ付いてバラバラになる現象のことです。
合皮がひび割れたりベタベタしたりするのも、この「加水分解」が原因です。水分が付いたときはできるだけすぐ拭き取り、湿気の少ない場所に設置することが大切です。
ソファーカバーやクッションを活用すれば、皮脂や水分などが直接当たるのを防げるので劣化を遅らせることができます。
直射日光を避ける
合皮ソファーを置く場所は、直射日光が当たらない場所を選びましょう。合皮は直射日光に弱く、変色の原因にもなってしまいます。どうしても紫外線を避けられない場所に置く場合は、カーテンを利用するなど工夫することで劣化を防げます。
普段からお手入れをする
水分や汚れが付いたときはすぐに拭き取り、ゴミやホコリなどは取り除きましょう。こうした日々のお手入れをきちんと行うことで、経年劣化を防ぐことができます。
合皮ソファーの日々のお手入れ方法
合皮ソファーの日々のお手入れは乾いたタオルでの乾拭きが基本です。またブラシがある場合は、さっと掃いてホコリやゴミを取り除くのでも良いでしょう。
乾拭きの後は、合皮用のクリームなどで仕上げれば長くきれいに保てます。また汚れを落とすために水拭きした場合も、最後は乾拭きで水分を残さないようにしましょう。
日々のお手入れに役立つ便利なグッズを紹介します。
- ブラシクリーナー
適度な毛の長さで、細かい溝なども掃除しやすいブラシです。生地を傷めにくい素材でサッとホコリを取ったり、ゴミを払ったりするのに役立ちます。
- 合成皮革用クリーム
合成皮革用のクリームは、傷や汚れを防ぎツヤを出す効果があります。合皮ソファーを長持ちさせるためにも、日々のお手入れに加えてみてはいかがでしょうか。
クリームの種類によっては合皮ソファーには適さないものもあるため、あらかじめ合皮に使用できるかを確認し、目立たないところで試してから使用すると安心です。
本革製ソファーの掃除方法
合皮のソファーとはまた一味違った風合いを出すのが本革製ソファーです。本革と聞くとお手入れも大変なイメージがあるのではないでしょうか。ここからは本革製ソファーの正しい掃除方法を紹介します。
本革製ソファーの特徴
本革は、動物の皮を使って作られています。傷や汚れが付きやすいとてもデリケートな素材で、掃除に洗剤や水を使用するのは厳禁です。本革製ソファーは高級感があり長く使えば使うほど、味わいを感じられます。
また寿命も10年程度と合皮よりも長持ちするので、良いものを長く使いたい方にはおすすめです。
一方、合成ソファーに比べて手入れが難しいというデメリットもあります。日ごろのお手入れはもちろん、本革専用のクリームなどで定期的なメンテナンスが必要です。
本革製ソファーの汚れを落とす方法
本革はデリケートな素材なため、専用のクリーナーを使って汚れを落としましょう。
まずソファーの表面を軽く掃除機で吸い、乾いたタオルで全体を拭きます。掃除機は強くかけ過ぎないよう注意しましょう。その後、専用クリーナーを付け、汚れた部分を優しく拭き取ります。
最後に、革専用クリームを塗って革を保護しましょう。専用クリームは、革を保護するだけでなく汚れにも効果的です。専用クリーナーやクリームを使用する際は、目立たないところでテストしてから使うことをおすすめします。
本革製ソファーの日々のお手入れ
本革製ソファーの日常的なお手入れは乾拭きを行います。乾いたタオルなどで、ソファー全体を優しく拭きましょう。乾拭きすることで、ホコリや汚れだけでなく水分も一緒に拭き取ることができます。
柔らかい素材のタオルなどで、優しく拭くと表面を傷めずに拭き取れます。また月に1~2回は、専用のクリーナーやクリームを使って丁寧なメンテナンスを行いましょう。
【素材別】掃除が簡単なソファーを選ぼう
家族構成や使用するシーンによってソファーの素材を選ぶと、掃除が楽になることもあります。素材別に掃除が楽なポイントを紹介しましょう。
汚れても安心!布製のカバーリングソファー
ソファー全体にカバーをかけて使用する布製のカバーリングソファー。カバーを取り外して洗うことができるので、小さなお子様がいるご家庭にピッタリのソファーです。
食べこぼしなどで汚れた時、ハウスダストが気になる時、カバーを買い替えたい時などあらゆるシチュエーションで洗濯や取り換えが可能な点も魅力です。
またカバーに落ちない汚れや傷が付いたときでも、カバーを替えるだけで済むので本体を買い替える必要もありません。季節や部屋の雰囲気に合わせて、カバーのデザインを替えられるのも嬉しいポイントです。
ペットがいる家庭におすすめ!合皮ソファー
合皮ソファーは、ペットを飼っているご家庭におすすめです。ペットを飼っていると排泄物の付着やひっかき傷が気になる方も多いのではないでしょうか。
合皮はペットのよだれや排泄物が染み込みにくく、布製に比べてひっかき傷が付きにくいのが特長です。
また汚れても洗剤でサッと拭き取るだけで汚れを落とすことができ、お手入れが簡単な点も合皮の良い所です。合皮ソファーは比較的手ごろな価格のものが多いので、ペットによる傷や汚れが気になった場合でも買い替えやすいというメリットもあります。
長く使える!本革製ソファー
本革製ソファーの魅力は、高級感はもちろん「経年変化」を楽しめる点でしょう。こまめなお手入れは必要ですが、長く使うことができ、時間の経過とともに色合いの変化も楽しめます。
また本革は静電気が発生しにくく、ハウスダストが付きにくい素材なので、日々のお手入れも乾拭きで充分です。長くソファーを愛用したい方におすすめです。
ソファーをキレイに保つためのポイント
ソファーは日々のお手入れやメンテナンスをしっかりとすることで、長くキレイに使うことができます。キレイに保つためにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。キレイに保つコツを紹介します。
日頃からこまめなお手入れをする
素材別に日頃のお手入れのポイントを解説します。汚れた場合はすぐに拭き取るようにし、定期的に掃除を行いましょう。
- 布製ソファー
布製のソファーには重曹を使ったお手入れがおすすめです。重曹は布製ソファーに付いた臭いや皮脂汚れを落としてくれます。
粘着クリーナーなどで大まかなゴミを取り、重曹を振りかけてしばらく置いた後、掃除機で吸うと汗や皮脂汚れもスッキリします。
- 合皮ソファー
日々のお手入れは、乾いたタオルで乾拭きします。柔らかいブラシを使うとソファーを傷付けず、ホコリやゴミが取れるのでおすすめです。
汚れが気になる場合は、ぬるま湯で薄めた衣類用の中性洗剤を使うと汚れを落とすことができます。ぬるま湯で薄めた衣類用の中性洗剤をタオルに染み込ませ、固く絞ってソファーを拭きます。
水分を残さないよう、仕上げに乾いたタオルで乾拭きするのを忘れないようにしましょう。
- 本革製のソファー
普段は乾拭きを行います。汚れた場合は、革専用のクリーナーを使って掃除すると良いでしょう。革専用クリーナーは、汚れを落とすだけでなく、防カビやツヤ出しにも効果的です。汚れが落ちた後は、専用クリームで保護します。
カバーを付ける
ソファーにカバーを付けることで、汚れを防ぎソファーをキレイに保てます。またカバーには上からかけるだけのタイプや全体をピッタリと覆うタイプがあるので、ソファーの種類や好みに合わせて選びましょう。
ソファーの上で飲食をしない
ソファーをキレイに保つため、ソファーの上での飲食は避けた方が良いでしょう。食べこぼしや飲みこぼしはシミや汚れの元になってしまいます。
どうしてもソファーで食べたい場合は、近くにテーブルを置いて飲食物を乗せるかこぼしにくいものだけを食べるなどの工夫が必要です。
おわりに
本記事ではソファーの正しい掃除方法を素材別に紹介しました。知らない間にソファーの汚れは蓄積されています。しかし、どの素材のソファーでも日々のお手入れをすることで、長くキレイに保つことが可能です。
さらに小さなお子様やペットがいるご家庭など、家族の構成やシーンに合わせてソファーを選ぶと掃除もグッと楽になります。お手入れを習慣付けて、快適なソファーのある生活を楽しみましょう。