犬が後ろ足をあげてあちこちにおしっこをかける行為を見たことがありますか?これは「マーキング」と呼ばれる犬の習性です。 今回は犬がマーキングする理由と対処法、そして用意しておくと便利なアイテムについても詳しく紹介します。 なかにはストレスや病気の可能性をありますので、これから犬を飼う予定のある方はぜひご覧ください。
マーキングと排尿の違いは? 家の中でもするの?
一般的な排尿とは異なり、マーキングは少しずつ、室内外問わずさまざまな場所で行うものです。ただし、家の中で行う場合と家の外で行う場合では、マーキングの意味や理由が異なる場合もありますので、なぜマーキングをしているのかを正確に判断しましょう。
なぜ犬はマーキングするの?
犬がマーキングする理由を3つ紹介します。慌てて対処しようと考えるのではなく、犬の気持ちを理解することからはじめましょう。
縄張り意識によるもの
犬は尿のにおいを嗅いだだけで性別や年齢、大きさなどを理解する能力を備えているので、自己紹介代わりにマーキングを行います。自らの行動範囲をマーキングで示し、その場所が自分の縄張りであることをアピールしているのです。屋外でのマーキングは、他の犬へのアピールがほとんどで、基本的に尿意を催して行っているわけではありません。縄張り意識の場合は、少量ずつ行うという特徴が見受けられます。
ストレスによるもの
屋内でマーキングをする場合、環境の変化などによるストレスでマーキングをしている可能性があります。引越し直後などにマーキングをはじめた場合は、ストレスが原因である可能性が高いです。また、嫌なことがあったり、欲求不満だったりする場合にも、マーキングが増える場合があります。なるべく遊ぶ時間を取ったり、しっかり散歩をしたりしながら、犬のストレスを減らすことを重視しましょう。
病気の可能性
環境の変化がないにも関わらず、突然マーキングを行うようになった場合、なんらかの病気が潜んでいることもあります。膀胱炎を患っている場合は、マーキングのような少量の粗相が増えるので、こういったケースは病院で検査を受けることをおすすめします。
マーキングはいつからはじまる?女の子もマーキングするって本当?
マーキングは生後6ヵ月から見られることが多い
個体差がありますが、生後6~8ヵ月にはじまるケースが多いようです。とはいえ、全くしない子もいますし、4~5ヵ月からはじまる子もいます。いままできちんとトイレができていたのに、突然家のなかでマーキングをはじめると飼い主さんもうろたえてしまいますよね。でも過剰な反応は禁物です。「しつけでマーキングをやめさせた」という事例も聞きますが、厳しく叱責することはあまりおすすめしません。
女の子もマーキングする
縄張りを主張する目的が主であるため、マーキングをするのはオスだけだと思われがちですが、実はメスもマーキングを行います。メスも縄張り主張としてマーキングする場合もありますが、メスの場合はそれ以上に子孫を残すための本能でマーキングすることが多い様子です。尿にはメス特有のフェロモンも含まれているので、発情期にマーキングするメスもいます。
マーキングにはトイレの再トレーニングが必要
マーキング対策のしつけとしては、トイレを再トレーニングする気持ちで取り組まなくてはなりません。トイレができたら子犬期のころのようにしっかりと褒める、マーキングや粗相をしたら、素早く拭き取り知らんぷりする、という方法を根気強く続けましょう。
散歩時のマナーに気をつけよう
「マーキングも外でやる分にはいいか」と考える飼い主さんもいますが、犬を飼っていない方にとって、自分の家の塀や門扉に排尿されるのはいい気がしないでしょう。
しかも散歩のたびに同じ場所にされていたら、ご近所トラブルにもなりかねません。マーキングしてほしくない場所に近づこうとしたときはリードを引いてその場を離れるようにします。また道路や電柱といった、公共の物や場所であってもマナーに気をつけたいものです。散歩の際には水を入れたペットボトルなどを持ち歩き、愛犬が排尿したあとをきれいに水で流すようにしましょう。
先輩飼い主に聞いた!愛犬のマーキングと対策
実際に、マーキングをする犬はどれくらいいるのでしょうか?「みんなのブリーダー」で子犬をお迎えした先輩飼い主にアンケートを実施しました。子犬の性別を問わず、304名に回答いただきました。
愛犬はマーキングをする?
「マーキングをする」と回答したのは、全体の35%。なかには、「(マーキング自体はするが)室内のみ(柴犬/4ヵ月/メス)」「メスは(マーキングを)しないがオスはしている(トイプードル/2歳/メス、トイプードル/3ヵ月/オス)」といった意見も寄せられました。マーキングをする場所や性別などによって、状況はさまざまなようですね。さらにマーキングをする状況や対策についても聞いてみました。
どんな状況でマーキングするの?
- 幸い家の中ではしないが、散歩のコースに決まった場所がある(マルチーズ/2歳/メス)
- 去勢前はリビングで自由に遊ばせているときに、ソファーでしてしまっていた。今は去勢したので、マーキングしない(パグ/1歳/オス)
- いつもいるリビングではしないが、廊下や見慣れない部屋に行くとマーキングする。去勢後はしなくなった(チワワ/2歳/オス)
- 女の子なのに片足をあげて小分けにしておしっこをしていた。家の中でなければよしとしていたが、シニア期になってからはなくなった(柴犬/8歳/メス)
どんなマーキング対策をしていた?
- マーキングしそうな場所に障害物を置いた(パグ/1歳/オス)
- すぐに除菌スプレーを吹きかけ、ていねいに拭いていた(ポメラニアン/12歳/メス)
- 獣医師に相談したところ、去勢手術をすればなくなると言われた。手術のメリットが他にもあることを知り、手術をすることにした。術後はぴたりとなくなった(チワワ/2歳/オス)
- 成長するに従い、散歩中にトイレをするようになり、自然と家の中ではトイレもマーキングもしなくなった(柴犬/8歳/メス)
マーキングを防ぐ方法
マーキングをやめさせたい場合、どんな手段を取ると効果的なのでしょうか。これから紹介する4つの方法で改善できる場合が多いので、できることから取り組んでみましょう。
去勢・避妊手術を行う
縄張り意識は子孫を残す本能から生まれることが多く、去勢・避妊手術を行えば必然的にマーキングの意欲も下がります。完全になくすことができなかったとしても、回数が減ったという飼い主からの報告は多いため、状況に応じて試してみると良いでしょう。去勢・避妊手術には、子宮蓄膿症や前立腺肥大といった性別特有の疾患の発症リスクを減らす効果もあります。はじめて発情期を迎える前(生後6ヵ月~1歳)に済ませると、乳腺腫瘍の発症率が下がるという報告もあります。
マーキングした場所はしっかり消臭する
自分のマーキング臭が残っていると、その場所に繰り返しマーキングする確率が高くなります。もしもマーキングが見られたら、なるべく早く掃除をして、きちんと消臭することが防止策として効果的です。
マナーベルトを着用する
最終手段としては、腰に巻き付けてマーキングや粗相を防止するマナーベルトの着用で対処しましょう。マナーウェア、マナーパンツとも呼ばれています。使い捨てのものや布製のものがあります。ドッグカフェや犬と泊まれる宿などにお出かけする際、行き先で迷惑をかけることもなくなるので便利です。「犬用おむつ」と表示し、吸収力の高い商品もありますが、マーキング防止用に少量の吸収力しかもたない商品もありますので、用途にあった商品を選ぶ必要があります。また、大きすぎると外れてしまい、小さすぎると漏れてしまったり、かぶれの原因になります。愛犬に合うサイズをよく見て購入しましょう。
マーキング後の掃除に便利なアイテム
マーキングには即座の対応が重要です。掃除や消臭に使えるグッズをあらかじめ用意しておきましょう。
消臭剤
マーキングには即座の対応が重要です。掃除や消臭に使える消臭剤をあらかじめ用意しておきましょう。犬が舐めても影響のない成分でできているものがおすすめです。
クエン酸
アンモニア臭はアルカリ性であり、そこに反対の性質である酸性のクエン酸をあてると、中和反応による消臭が期待できます。また、犬への害がない成分なので、安心して掃除できるのも嬉しいポイント。ただし、錆びが発生しやすいため、鉄製品への使用は避けましょう。
まとめ
マーキングは縄張り意識の表れであることが多いですが、ストレスや病気が原因になっている場合もあります。また、オスだけがするものだと思われがちですが、メスもマーキングをします。対処法としては去勢・避妊手術のほか、マーキング後の掃除・消臭が効果的です。あらかじめ掃除アイテムを用意し、緊急時にはマナーベルトやマナーウェアの着用も視野に入れて対応しましょう。
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