マンションも共用部分以外であれば基本的にリフォームは可能です。どの程度の費用がかかるのか、箇所ごとや間取りごとに解説します。
また、予算内でリフォームするためのポイントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


マンションでリフォームできる範囲

戸建て住宅とは異なり、マンションはリフォーム工事を実施する際にさまざまな制限を受けます。例えばメインエントランスやエレベーターなど、ほかの住人と共同で利用する施設は個人の一存でリフォームすることはできません。
また、ほかの住人と共同で利用しない部分、自分と家族だけが使用する専有部分であっても、箇所によってはリフォームできないことがあります。
共用部分はリフォームできない
ほかの世帯の住人と共同で利用する「共用部分」は、メインエントランスやエレベーターだけではありません。利用が個人に限られている部分でも、建物構造上や所有形態の観点で共用部分に該当し、リフォームできない箇所があるため注意が必要です。
例えば、玄関ドアの外側(通路やポーチに面している側)やベランダ、窓枠、窓ガラスなども共用部分に該当します。その他、天井や床、壁(コンクリート)などの建物躯体も共用部分です。
ただし、共用部分であっても管理組合と相談したうえであれば、リフォームが可能なケースもあります。リフォームしたいときは、自己判断せず、まずは管理組合に問い合わせてみましょう。
専有部分は基本的にリフォームできる
区分所有法に基づいて、「自室の壁紙や設備などの専有部分」は自由に工事できます。例えば、壁(コンクリート)は共用部分なので壊すことはできませんが、壁に張られている壁紙はリフォームで交換できます。
同様に、玄関ドアの外側は共用部分ですが、内側であればリフォームできる場合もあります。
窓も同様で、窓枠や窓ガラスの交換は難しい一方、内窓を取り付けて断熱性を高める工事には許可が下りるケースがあります。
ただし、専有部分であってもマンション管理規約によってリフォームが制限されている場合があるため、事前確認が欠かせません。国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、マンションで発生したトラブルのうち5.2%が「専有部分の修繕等」によるものでした(複数回答)。
例えば、遮音性能の異なる床材への変更などは、下の階など他の専有部分に影響を及ぼすおそれがあるため、多くの場合規約等で制約を受けます。
また、事業者の立ち入りや工事資材の搬入、工事の騒音・振動などで共用部分や他の専有部分に影響が及ぶ可能性もあるでしょう。したがって、専有部分のリフォームであっても管理会社や管理組合に問い合わせ、許可を得てから始める必要があります。
実際にはほぼすべてのリフォーム工事で、管理組合への「工事申請書」の提出が求められます。内容精査や周知のための掲示期間なども必要になるため、そのスケジュールも考慮してリフォーム計画を立てましょう。
間取り変更はマンション構造上の制限を受ける
間取りを変更するような大がかりなリフォーム工事も、場合によっては許可が下りる可能性があります。ただしマンションの管理規約による制限があるだけでなく、マンション構造の種類によっては物理的に難しいケースもあります。
マンション構造には、材料の組み立て方によって大きく2種類があります。
- ラーメン構造(RC造/SRC造/S造)
- 壁式構造(RC造のみ)
それぞれの構造によって、リフォームの自由度や間取り変更のしやすさに違いがあります。
ラーメン構造とは
ラーメン構造は、梁や柱で建物を支える構造です。多くのマンションに採用されており、居住空間内の壁は構造体としての役割を持たないことが一般的です。そのため、間仕切り壁を撤去できるケースも多く、大規模な間取り変更やスケルトンリフォームの実現が可能です。
壁式構造とは
一方で壁式構造は、壁そのものが建物を支える構造です。そのため、壁の撤去が構造上困難で、間取りの大幅な変更やスケルトンリフォームには制約が生じます。
構造の確認方法
リフォームを検討している場合は、自宅のマンションがどちらの構造かを事前に確認することが重要です。判断が難しい場合は、管理会社や管理組合に相談してみましょう。設計図面や構造図を確認することで、構造の種類を把握できることがあります。
【箇所別】リフォーム費用の相場と時期目安、工期

リフォーム工事にかかる費用は、「どの箇所を」「どのように」リフォームするかによって大きく異なります。以下では一般的な費用と工期、リフォームの目安時期について解説します。
浴室、トイレなどの水回り
工事場所 | 費用目安 | 工期目安 | リフォーム時期の目安 | 備考(リフォーム時期の根拠) |
---|---|---|---|---|
キッチン | 50万~150万円 | 1日~2週間 | 約20年 | 機器の耐用年数約10~20年 |
トイレ | 15万~50万円 | 1日~2日 | 約10年 | タンクの内部部品の耐用年数約10年 |
洗面所 | 10万~50万円 | 1日~3日 | 約20年 | 洗面ボウルの耐用年数10~15年排水管約20年で劣化、カビ等 |
浴室 | 50万~150万円 | 1日~1週間 | 約15~20年 | 給湯器や風呂釜の耐用年数15~20年、サビ・ヒビ割れ、排水溝の臭気 |
水回りのリフォームでは、設備をまるごと交換する形で工事を進めることが一般的です。例えば浴室では、ユニットバス全体を交換するため、浴槽や床、壁、天井もまとめて新しくなります。
キッチンや浴室など複数の水回りのリフォームする時期が重なったときは、複数箇所まとめて依頼することで、施工会社によってはセット割引が適用されることがあります。別々に工事をするよりも費用を抑えられる可能性があるため、事前に相談してみるとよいでしょう。
なお、水道設備の移動を伴う場合は、追加の配管工事が必要となるため、工事費用がさらに高額になる傾向があります。トイレや手洗い場を増設する、キッチンの位置を大きく変更するときなど、あらかじめ施工会社にどの程度の追加費用がかかるのか確認しておくことが大切です。
フローリングや壁紙の張り替え
工事場所 | 費用目安 | 工期目安 | リフォーム時期の目安 |
---|---|---|---|
フローリング張り替え | 6畳程度で6万~18万円 | 1日~3日 | 10~20年 |
壁紙張り替え | 6畳程度で3万~8万円 | 1日~2日 | 約10年 |
フローリングの張り替え時期は、一般的に10〜20年が目安とされています。ただし、日当たりが良い部屋や、日常的なメンテナンスが行き届いていない場合は、劣化が早く進むため、想定よりも早い段階でリフォームが必要になることもあります。
壁紙についても同様で、張り替えの目安はおおよそ10年とされていますが、キッチンや洗面所といった水回りや、居室内でも喫煙する場合では汚れや傷みが早く進行し、張り替えのタイミングが早まる傾向にあります。
フローリングのリフォームには、新しい床材を既存の床の上に張る「重ね張り」と、古い床材をはがしてから張り直す「張り替え」の2つの工法があります。重ね張りは工期が短く、費用も比較的抑えられますが、床の状態や段差の問題により適さない場合もあります。住まいの状況や予算、仕上がりの希望に応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。
項目 | 張り替え | 重ね張り |
---|---|---|
価格(目安) | 6畳で9~18万円 | 6畳で6~14万円 |
工期(目安) | 1部屋2~3日 | 1部屋1~2日 |
家具移動の手間 | すべて他室に移動する必要 | 家具をずらしながら施工可能 |
床の高さへの影響 | 変化なし | 床材の厚みの分だけ高くなる |
下地の確認・補修の可否 | 可能(撤去時に下地確認) | 不可 |
防音・遮音性 | 床材の性能による | 向上する可能性あり(二重になるため) |
耐久性・強度 | 高い(下地から新規施工) | 既存床次第 |
マンションでフローリングを張り替える際は、管理規約等で定められた遮音性能の基準を満たす必要があります。階下への騒音はトラブルにつながりやすいため、一定の遮音性能を持つ床材の使用が義務づけられているケースが一般的です。
遮音性能は「L値(エルち)」という等級で表され、数値が小さいほど遮音効果が高くなります。L値には「LL(軽量床衝撃音)」と「LH(重量床衝撃音)」の2種類があり、フローリングの張り替えで主に関係するのはLL値です。これは、スリッパの音や物を落としたときの音など、比較的軽い衝撃音に対する遮音性能を示します。
一般的にLL45以下であれば「小さく聞こえる」レベルとされ、多くのマンションではこれを目安に床材の使用が認められています。一方で、LH値は建物の構造(床下地など)に大きく左右されるため、フローリングの種類だけでは対応が難しいこともあります。
リフォーム時には、管理規約の遮音基準を事前に確認し、それを満たす製品を選ぶことが大切です。
和室・洋室を変更する
工事場所 | 費用目安 | 工期目安 | リフォーム時期の目安 |
---|---|---|---|
和室を洋室にする | 25万~60万円 | 2日~4週間 | ー |
畳をフローリングにする | 10万~25万円 | 2日~3日 | ー |
和室から洋室へ変更するリフォームでは、畳をフローリングに変える程度であれば、工期はおおよそ2〜3日で完了します。ただし、土壁を取り入れたり、建具や内装にこだわった造作を施す場合、あるいは間取りの変更を伴うような大掛かりなリフォームになると、工期が4週間程度かかることもあります。
こだわりの内容が増えるほど費用も高額になる傾向にあるため、前もって予算を立ててから施工会社相談することが大切です。
間取り変更
工事内容 | 費用目安 | 工期目安 | リフォーム時期の目安 |
---|---|---|---|
間仕切り壁の撤去 | 1箇所あたり7万~23万円 | 3日~5日 | ー |
間仕切り壁の設置 | 1箇所あたり8万~25万円 | 4日~6日 | ー |
リビングの拡張 | 40万~90万円 | 3日~5日 | ー |
ラーメン構造のマンションであれば、構造上の制約が少ないため、壁の撤去や新たな間仕切り壁の設置を含む間取り変更が比較的自由に行えます。たとえば、お子さまの個室を設けたいときや、書斎・仕事部屋を増やしたいときなどに適しています。
ただし、工事によっては大きな音や振動が発生することもあるため、施工前には管理組合に相談し、必要な手続きを済ませておくことが重要です。
予算内でリフォームするためのポイント

リフォームは、工事範囲が広がったり資材のグレードを上げたりするほど費用がかさみます。事前に計画を立てずに進めると、次々に要望が増え、当初の予算を大きく上回ることも少なくありません。予算内で無理なくリフォームを進めるためには、次のようなポイントを押さえておくことが大切です。
- いくつかの施工会社から見積もりを取る
- リフォームの優先順位を決めておく
- 大がかりな工事のときは仮住まい費用を予定する
- 補助金・助成金を活用する
それぞれ詳しく解説します。
いくつかの施工会社から見積もりを取る
リフォーム費用は施工会社によって差が出ることがあります。1社のみの見積もりでは相場感がわからず、割高なまま契約してしまう恐れもあるため、必ず複数社から見積もりを取りましょう。
費用だけでなく、施工実績やデザインの傾向も確認し、自分の希望と合致する会社を選ぶことが大切です。
リフォームの優先順位を決めておく
すべてを一度にリフォームするのが難しい場合は、以下のような観点で優先順位を明確にしておきましょう。
- 不具合があり、早急な対応が必要な箇所
- デザインにはこだわらないが、機能的に改善したい箇所
- 素材や仕上がりにこだわりたい箇所
また、リフォームの優先順位を決めるに当たっては、騒音や機材の搬入による近所への影響にも配慮が必要です。在宅勤務の方や乳幼児がいる家庭では、生活への影響も加味して実施するかも含めて慎重に検討しましょう。
仮住まい費用も見込んでおく
スケルトンリフォームや水回り全体のリフォームなど、日常生活に大きく影響する工事を行う場合は、仮住まいが必要になることがあります。ウィークリーマンションやホテルなどの費用をあらかじめ予算に含めておくと安心です。
一方、数日で終わる浴室の交換工事などであれば、銭湯を利用することで費用が抑えられます。工事の規模や期間、家族の状況に応じて判断しましょう。
補助金・助成金を活用する
国や自治体では、特定の目的を持ったリフォームに対して補助金・助成金を提供しています。
代表的な対象リフォームには以下のようなものがあります。
- 省エネ改修(工事内容によってはマンション管理組合または所有者が申請)
- 長期優良住宅化(既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォーム、マンション管理組合が主体となり、施工業者が申請)
- 耐震補強(マンション所有者か所有予定者、またはマンション管理組合が申請)
- 子育て支援を目的とした改修
- 介護保険法に基づく住宅改修(バリアフリー)
注意点として、補助金制度には申請期間や条件があり、補助金の決定前に着工してしまうと対象外になることがあります。また、施工業者が登録事業者である必要がある場合も多いため、早めに情報収集しておきましょう。
減税制度の利用

住宅に一定のリフォームを施した場合、所得税の税額控除や固定資産税の減額措置など、各種の減額措置が利用できる可能性があります。これらの制度は、確定申告や固定資産税の申告を通じて適用を受ける仕組みであり、要件が複雑なため、リフォーム内容が該当しそうな場合は事前に確認しておくことが重要です。
主な減税制度としては、以下のようなものがあります。
住宅ローン減税(増改築)
償還期間10年以上のローンを利用してリフォームを行った場合に適用されます。
リフォーム税制
ローンの利用有無に関係なく、一定の条件を満たすリフォームであれば適用可能な制度です。
これらの制度については国土交通省の公式サイト「住宅リフォームにおける減税制度について」に詳しくまとめられています。制度の適用を検討している方は、下記の参考リンクを活用し、詳細を確認するとよいでしょう。以下、概要を解説します。
住宅ローン減税(増改築)
償還期間10年以上の住宅ローンを利用して一定の増改築を行う場合、毎年の住宅ローン残高の0.7%相当額が最大10年間、所得税額から控除されます。
減税の対象は、以下のいずれかに限られます。
- 増築、改築、建築基準法に規定された大規模な修繕または模様替え
- マンションの専有部分で、床または階段・間仕切り壁・主要構造部である壁のいずれかの過半について行う修繕または模様替え
- 居室・キッチン・浴室・トイレ・その他の部屋のいずれかの床または壁の全部についての修繕または模様替え
- 一定の耐震基準に適合させるための修繕または模様替え
- バリアフリー改修工事(通路または出入り口の拡幅、手すりの取り付けなど8種類)
- 省エネ改修工事(改修した部分の省エネ性能が2016年基準以上となる工事)
この制度による控除を受ける初年度には確定申告が必須です。その際に必要となる主な書類と入手先は以下のとおりです。
必要書類 | 入手先 |
---|---|
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 税務署から入手し記入 |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 金融機関が交付 |
家屋の「登記事項証明書」など、面積を明らかにする書類または不動産番号 | 法務局(登記所) |
「請負契約書」の写しなど増改築等の費用を明らかにする書類 | リフォーム事業者 |
補助金等の交付を受けた場合「補助金決定通知書」等補助金額のわかる書類 | 市区町村など |
「増改築等工事証明書」 | 建築士等が発行 |
表中の「増改築等工事証明書」を発行できる「建築士等」とは、登録された建築士事務所に所属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関および住宅瑕疵担保責任保険法人をいいます。
リフォームを依頼した事業者が同証明書を発行できない場合は、別の機関等に依頼することになるため、事業者選定の際に気にかけておくとよいでしょう。
増改築等工事証明書の発行には、登記事項証明書や工事請負契約書またはそのコピーなどのほかに、設計に関する書類も必要です。
同制度の適用要件は、工事費用から補助金等を差し引いた額が税込みで100万円を超えていることなど多岐にわたります。詳細は国税庁のホームページで確認できます。
参考:国税庁「No.1211-4 増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
リフォーム減税(所得税)
ローンの有無に関わらず、一定の条件を満たす住宅リフォームについては、所得税額控除を受けられる場合があります。対象となるのは、主に以下のようなリフォームです。
- 耐震改修
- 省エネ改修
- バリアフリー改修 など
共通の適用要件として、その年の合計所得金額が2,000万円以下であることが求められます。また、控除を受けるには、「増改築等工事証明書」などの証明書類を取得する必要があります。
この制度は、「住宅ローン減税」とは異なり、ローンを利用していなくても適用できる点が特徴です。該当するリフォームを検討している場合は、事前に制度の詳細を確認しておくと安心です。
要件は細かく規定されていますが、例えば以下のような工事内容が該当します。
耐震 | 旧耐震基準(1981年5月31日以前建築)の住宅を現行の耐震基準に適合するようリフォーム |
バリアフリー | 通路の拡幅、浴室の改良、段差の解消、手すりの取り付けなど |
省エネ | 窓の断熱改修を必須工事とし、その他高効率給湯器の設置、高効率エアコンの設置など |
同居対応 | 調理室の増設、浴室の増設、玄関の増設など |
長期優良住宅化 | 増改築による長期優良住宅の認定を受けている 一定の耐震改修または省エネ改修と併せて行う耐久性向上改修 (外壁軸組への防腐または防蟻処理、床下の防湿性向上など) |
子育て対応 | 19歳未満の扶養親族を有するか、ご自身または配偶者のいずれかが40歳未満である家庭の住宅の工事 子どもの事故防止、開口部の防犯性向上など |
リフォーム減税(固定資産税)
固定資産税にも、住宅リフォームに対する減額措置が設けられています。主に以下のようなリフォーム工事が対象となります。
- 耐震改修
- 省エネ改修
- バリアフリー改修 など
対象となるには、工事内容や費用に関する要件を満たす必要があります。たとえば、一定額以上の工事費用がかかるケースや、築年数に関する条件が設けられていることもあります。
また、固定資産税は市町村(東京23区内は都)が課す税金のため、申請に必要な書類や手続きの詳細は自治体によって異なります。制度の適用にあたっては、お住まいの自治体に事前に確認することをおすすめします。
耐震 | 1982年1月1日以前からある住宅に現行の耐震基準に適合するようリフォーム 費用が税込み50万円を超える |
バリアフリー | 次のうちいずれかの方が居住する住宅 ・65歳以上の方 ・障がいをお持ちの方 ・要介護認定または要支援認定を受けている方 新築から10年以上経過している 総工事費が税込み50万円を超える対象事業(通路の拡幅、手すりの取り付け等)である |
省エネ | 2014年4月1日以前から所在する家屋 費用が税込み60万円を超える |
長期優良住宅化 | 増改築による長期優良住宅の認定を受けている 耐震改修、省エネ改修のどちらか、または両方を行っている |
リフォームローンなどによる資金調達

リフォームが必要になったとき、必ずしも十分な自己資金があるとは限りません。その際に活用できるのが「リフォームローン」です。
リフォームローンには無担保のものと有担保のものがありますが、有担保のリフォームローンを住宅ローンとして取り扱う金融機関は多く見られます。
ここでは、無担保のものをリフォームローン、有担保のものを住宅ローンと呼び、どういう場合にどちらを選ぶべきか解説します。
リフォームローンと住宅ローンの特徴
- リフォームローン(無担保)
保証人や担保が不要で手続きが比較的簡単ですが、金利は高めで借入可能額が少なく、返済期間も短めです。 - 住宅ローン(有担保)
担保設定が必要となるため、登記費用や審査に時間がかかるものの、金利が低く、より高額で長期の借り入れが可能です。金融機関によっては、有担保型のリフォームローンを「住宅ローン」として取り扱っている場合もあります。
一般的には、小規模なリフォームで少額の借り入れならリフォームローン、大規模で多額の資金が必要な場合は住宅ローンを検討するのが合理的です。
住宅ローン借り換えによるリフォーム資金調達
すでに住宅ローンを返済中でも、別途リフォームローンを申し込むことは可能です。ただし、ローンが2本立てになると毎月の返済額が増え、家計に負担がかかるおそれがあります。
そこで検討したいのが、住宅ローンの借り換え時にリフォーム資金を上乗せする方法です。現在の住宅ローンの残高にリフォーム費用を加えて、別の金融機関で一括借り換えを行えば、ローンを1本化できるため返済管理がしやすくなります。
この方法には、審査や手数料、登記費用などの諸費用がかかる点や、同じ金融機関での借り換えができないケースがあるといった注意点もあります。まずは、現在契約中の住宅ローンを取り扱う金融機関や、借り換えを検討している他行に相談し、対応可能か確認してみるとよいでしょう。
クレディセゾンのリフォームローン
クレディセゾンでもリフォームローンを取り扱っています。セゾンのリフォームローンは、原則として担保と保証人が不要で、申し込みから最短2営業日で審査結果が返ってきます。
セゾンのリフォームローンの特徴は、申込者本人の住宅だけでなく、2親等以内の親族が所有する住宅、投資用住宅、セカンドハウス等にも利用できる点です。安定した収入がある方で、約定完済時年齢が満80歳未満であればお借り入れできます。
お申し込みには本人確認書類と所得証明書のほか、見積書や請負契約書などの資金使途確認書類、そしてリフォーム前後の物件の写真などが必要です。審査によりお借り入れが決定したら、工事完了後に「工事完了証明書」を提出いただき、その後融資実行となります。
WEBでの申し込みが可能なので、店舗に行くお時間がない方も、ぜひご検討ください。


おわりに

マンションをリフォームするときは、原則として専有部分のみ工事が可能です。しかし、共用部分であっても管理組合が了承すれば工事が可能になる箇所もあります。反対に専有部分であっても許可が得られない場合もあるため、リフォームするときは大まかな計画を立てて管理組合に相談し、許可を得ることが大前提となります。そして、工事費用を予算内に抑えるためには、事業者数社から見積もりを取って相場を確認し、納得してから契約することと、そしてリフォームの優先順位を決めておくことが大切です。補助金や減税制度の利用も考えてみましょう。
マンションリフォームの主な手順は、以下のようになります。
- 管理組合への届出
- 相見積もりを取得
- 場所やこだわりたい箇所の優先度を検討
- 補助金・減税制度が適用できるかを確認
- 不足する資金の用意
- 着工
資金不足の際にはリフォームローンが頼りになります。セゾンのリフォームローンは、実家や投資用物件にも利用可能です。リフォームの際にぜひご検討ください。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。