片づけ大賞受賞 ・食品衛生責任者である筆者が 冷蔵庫片づけのポイントをご紹介します。片づけの基本は、「すぐに使えるように元に戻すこと」です。さらに冷蔵庫片づけのポイントは、「カフェ」をイメージすることが大切です。
「スーパーなどで購入したら、すぐに冷蔵庫へ」ではなく、「カフェの仕込み」のように、洗ったり、切ったり、調理して、冷蔵庫に収めることがポイントです。
冷蔵庫に入っている物は消費期限や賞味期限が記載されていますので、不要なものは一目で判断できます。 また冷蔵庫を整理整頓していると、調理をする際にスムーズに進むでしょう。
頻繁に使うものは探さなくても取り出せるように、「仕組み」を作っておくと家事が楽になります。筆者は以前朝食とお弁当作りに一時間半かかっていましたが、今では 30分程で完了します。そのおかげで朝の時間に余裕ができました。冷蔵庫に入っている物は「いる?いらない?」で悩まずにすみますし、棚の中の量を減らせば掃除も楽になります。また在庫管理が容易にできることにより、「二重買い」が減り食費の節約にもつながります。食品を使い切れば食品ロス削減にもつながり、エコといえるでしょう。
冷蔵庫をスッキリ片づけていると冷気が循環しやすくなり、電気代の節約にもつながりますので、是非お試しください。
筆者は、冷蔵庫の片づけセミナーを行うことがありますが、冷蔵庫のお悩みで「冷蔵した食材が行方不明になるのはどうしたら良いでしょうか?」というご質問をされることがあります。それは、「購入した商品をトレーやパックのままで、冷蔵したり冷凍すること」に原因があるようです。
「お肉を食品トレイのまま、とりあえず冷凍する!」という方も多いのではないでしょうか?しかし、食品トレイのまま冷凍することによって、料理する前の解凍が面倒で食材を使わなくなり冷凍庫が食品でいっぱいになってしまうことがあります。
カフェはお客様から注文が入ってから野菜を洗ったり、切ったり、調理したりしませんよね。しかし家庭では食事をする直前に料理を始めて、「時間がないのであせったり、やることが多くてイライラしがち」といえるでしょう。家庭も食事の直前に料理を始めるのではなく、カフェの仕込みのように事前に準備することから始めましょう。
1.冷蔵庫片付けのポイント【カフェをイメージ】
①「冷蔵庫に入れる前に洗う」
食品を購入して、冷蔵庫に入れる前のひと手間で時間のゆとりが生まれます。例えば、レタスなどサラダ野菜を冷蔵庫に入れる前に、まとめて洗って食べやすい大きさに切り、ボウルに入れて冷蔵保存します。
プチトマトも洗ってヘタを取り保存容器に入れて冷蔵庫へ。この時点でサラダビュッフェの完成です。
食事の前に器に盛りつけるだけでサラダが食べられます。いたみやすい野菜も食べきることができますし、毎食野菜を食べることができるので、健康的です。
②「まとめて切る」
「冷蔵庫に入れる前に洗う」に慣れたら、次は「まとめて切る」です。調理をするたびに切るのではなく、まとめて切ると時短になりますし、切ってあるとすぐ食べることができます。しかもすぐに調理できるので便利です。
例えば、油揚げは油抜きして食べやすい大きさに切り保存容器に入れ冷凍庫に入れます。冷凍すると保存期間が1カ月と長くなり、切っていることですぐにお味噌汁や煮物に使うことができます。
しいたけなど、きのこ類は切って冷凍保存しましょう。きのこは、そのまま料理するよりも、冷凍保存したほうが旨味や栄養価が上がるといわれています。
まとめて切る習慣をつけて、簡単時短料理を目指しましょう!
③調理して冷凍
「まとめて切る」ができたら、「調理して冷凍」です。生のまま冷凍すると解凍が面倒なので、調理して冷凍がオススメです。食事の前にレンジで加熱するだけで食べられるので、食事の準備がラクになります。
例えば焼き魚は、まとめて焼いて冷凍します。豚の生姜焼きも加熱後冷凍できます。ジャガイモやこんにゃくなど加熱後冷凍に向かない食材もありますが、それ以外はほとんどの食材で冷凍保存できます。
驚かれるかもしれませんが、お味噌汁も冷凍できます。加熱調理後の冷凍保存を上手に活用して、食品ロスを減らしましょう。
2.冷蔵庫片づけのポイント 【食材1つで簡単料理】
献立を何にしようと迷っていると時間ばかり過ぎてしまいます。また購入した食材を使いきれないこともよくありますよね。冷蔵庫の中にある食材だけで料理を作ると、献立にも迷いませんし、冷蔵庫の中の食材を使い切ることができます。
ここでご紹介したいのが、ニンジンの粒マスタードソテーです。
- ニンジンを千切りにして、サラダ油で炒めます。
- そこに粒マスタードを加え混ぜるだけででき上がりです。
とても簡単で、おいしいのでおすすめです。
ニンジンはどの家庭にでもある野菜室にある野菜ですよね。粒マスタードもドアポケットに眠っていませんか?
食材1つで簡単料理を作るように心がけて、ぜひ実践してください。そうすることで献立に悩むことが少なくなります。
3.冷蔵庫片づけのポイント【冷凍お弁当】
お弁当は一食ずつ詰めて冷凍すると、朝の準備がとてもラクになります。お弁当を冷凍するのは意外だと思われるかもしれませんが、お弁当用の冷凍食品にヒントを得て、自宅で作ったおかずを冷凍してみたところ、解凍しても美味しいことを発見しました。
ひじきの煮物など、お弁当カップに入れて同じ種類でまとめて冷凍されている方も多いと思いますが、一人分のお弁当として冷凍すると便利です。写真のメニューは、一口トンカツ・ニンジンの粒マスタードソテー・ガーリックシュリンプ・ブロッコリー・サーモンソテーです。
みなさんのご家庭でよく作る料理、肉じゃがや野菜炒め、きんぴらごぼうなども少しずつお弁当用に取り分けて冷凍してみてはいかがでしょうか?いつものランチが外食派の方も、お弁当デビューする機会となるかもしれません。
4.冷蔵庫収納のポイント【使いやすさを重視】
①トレイに収納する
トレイを使って収納すると、奥の物まで一度に取り出すことができて便利です。通常、食材別に収納することが多いのですが、使うタイミングで分けて収納すると大変便利です。
例えば、朝食・夕食・弁当・常備菜など、使うタイミングで分けると探す時間が省けます。さらにトレイに収納すると掃除がラクになります。トレイを洗うだけで掃除が終了します!
トレイは100均などでいろんなサイズが売っているので、ご自宅にピッタリなものを見つけてみてください。
②同じ大きさのケースに収納
残り物をお皿のまま冷蔵庫に入れてしまうと、サイズが異なるのでかさばってしまい、入りきらないこともあるでしょう。また何を入れたか忘れてしまい、行方不明になりやすいでしょう。できるだけ冷蔵庫のスペースを最大限使えるように、タッパーなどに入れて保管すると良いでしょう。
同じ大きさのケースに収納すると、収納スペースを有効に使うことができます。お皿に入れたまま冷蔵庫に収めると重ねられないのでスペースがもったいない上に、行方不明になりやすいです。
③8割収納
冷蔵庫の食材は8割を目標に収納しましょう。2割はスペースを空けるのが理想的です。スイカやケーキ、鍋やボウルなど大きい物を収納できるスペースを確保しておきましょう。
夏場はもちろんのこと、冬場でも暖房などを使用していることも多く、料理済みのものはキッチンに置いたままにせずに冷蔵庫で保管する方が良いでしょう。
5.冷蔵庫片づけのポイント【使用期限】
冷蔵庫の生鮮食品は1週間を目安に 冷凍庫は1~ 2ヵ月を目安にしてください。夏場の場合は、冷蔵庫のなかでも2~3日でダメになってしまうこともありますので、ご注意ください。
また冷凍庫で保管していると、「使用期限が長い」と思っている方もいますが、必ず使用期限を守り、新しく買ったものを奥にしまい、古いものから使いましょう。
おわりに
冷蔵庫片づけのポイントは、「カフェをイメージ」することです。購入した物をとりあえず冷蔵庫に入れるのではなく、入れる前に「カフェの仕込み」のように下処理や調理して冷蔵・冷凍しましょう。おうちカフェを目指せばモチベーションも上がります。
短時間で料理ができれば、時間のゆとりにもつながり、心の余裕もできます。毎日の家事を少しでもラクにしませんか?冷蔵庫がスッキリ片づいると、冷気が循環して電気代の節約になります。メリットがたくさんの冷蔵庫片付けを始めてみませんか?