縁起が良く、特に金運アップに効果的といわれる「寅の日」。財布の新調や宝くじの購入、高額な買い物など、お金に関係することをするのに良い日とされていますが、なぜ寅の日が良いのか、詳しい意味までは分からない方も多いでしょう。
そこで今回のコラムは、寅の日の意味や由来、寅の日にすると良いことなどを解説しています。新しい財布を購入する際や、宝くじを購入する際に参考にしてみてください。
1.寅の日とは
まずは、寅の日の由来や実際にどのような効果がある日なのか解説していきます。
1-1. 12日ごとに巡ってくる吉日
暦上では、昔から方位や時刻、年月日を十二支の名前で表していました。寅の日は十二支の寅(トラ)に当たり、12日ごとに巡ってくる吉日のことをいいます。「トラは千里行って千里還る」という話から、「出て行ったものがすぐに返ってくる」とされ、以下のような効果が期待できるともいわれています。
- 寅の日に旅行に行くと安全に帰って来られる
- 寅の日にお財布を購入したり使い始めたりすると、お金を呼び戻してくれる
- 家や車の契約、ビジネスの借入、資格取得のための勉強など、投資したものが良い結果を結び還ってくる
1-2.金運を高める「金運招来日」
寅の日は、「金運招来日(きんうんしょうらいび)」といわれ、お金に関して縁起の良い日として知られています。それは、トラの最大の特徴である黄金色の美しい縞模様が、金運アップに繋がる、邪気を払う神聖な動物である、などといわれてきたことが理由です。
1-3. 願い事が叶う「寅の日詣で」
トラは財福の神様として有名な「毘沙門天」の使いとされています。毘沙門天を祀るお寺や神社は多く、有名なご利益としては金運や商売繫盛、開運です。また、健康長寿、無病息災を願うというご利益もあり古くから親しまれている神様です。
一晩で千里の道を駆けることができるトラは、人々の願い事を毘沙門天の代わりに聞いて回っていたとか。このようなことから、寅の日に毘沙門天が祀られたお寺や神社に参拝することを「寅の日詣で」と呼び、願いごとがよく叶う日であるといわれています。
2.寅の日にすると良いこと
12日に1度やってくる金運アップに効果的な寅の日。ここでは、具体的に寅の日に何をすると良いのかをご紹介しましょう。
2-1. 財布の買い替え・使い始め
寅の日は金運がアップする日なので、お金にまつわる事をするのにベストタイミングです。古くから、お財布を買い替えたり、購入したお財布を使い始めたりするのには絶好のチャンスとされています。
なぜなら、お財布を寅の日に買うと、トラの習性になぞらえて「使用したお金がすぐに戻ってくる、お金を連れて帰ってくる」といわれているからです。
寅の日は12日ごとに巡ってくるので、月に2〜3日あります。寅の日にお財布の購入や使い始めるのも良いでしょう。
2-2. 宝くじの購入
お金が戻ってくるといわれる寅の日は、当然宝くじを購入するのにもピッタリな日といわれています。寅の日に宝くじを買うと、お金が大きくなって返ってくると考えられています。
宝くじ売り場によっては、縁起の良い寅の日をのぼり旗などでアピールする売り場や、寅の日を記載したカレンダーを貼っている売り場もあるのです。
2-3. 高額な買い物
寅の日はお金を使うことにも、相性が良い日です。「使ったお金がすぐに戻る」「借りたお金をすぐに返せる」などといわれているため、大きな買い物を決断するのにも向いています。
車の購入や住宅ローンの契約など、高額な買い物をする際には、寅の日を選ぶと良いでしょう。
2-4. 開業・開店
さらに、寅の日は新たに何かを始めるのも絶好の吉日ともされているので、新たに事業を立ち上げる際や、お店の開業や開店などにも適しています。事業を立ち上げる際の、銀行口座開設にもピッタリな日です。
2-5. 口座の開設
寅の日は金運アップが期待できる日なので、銀行口座の開設にもおすすめです。寅の日に開設した口座には、多くのお金が戻ってくるともいわれているため、新しく口座を作る場合は寅の日を選ぶと良いでしょう。
2-6. 引っ越し
新しいことを始めるのにピッタリな寅の日は、新しい場所へ向けて旅立つ引っ越しをする際にも縁起が良いともいわれています。引っ越し日をいつにしようか悩んだときは、寅の日にすると良いスタートがきれるかもしれません。
2-7. 旅行
千里を行っても無事に帰ってくるトラの習性から、寅の日は旅行にも縁起が良い日とされています。少し遠くて不安な海外旅行の出発日にもおすすめの日です。
2-8. 投資
トラの「千里を行っても無事に帰ってくる」習性は、投資やビジネスにおいても有効と考えられ、「投資したものが良い結果となって戻る」とされています。
そのため、投資やビジネスの借入だけではなく、スキルアップや資格取得のための勉強は自己投資と捉えて、寅の日に始めるのがおすすめです。
3.寅の日にやってはいけないこと
基本的には縁起の良い寅の日には、禁止されていることはありません。しかし、トラには「すぐに帰ってくる」という習性があることから、結婚式や葬儀など冠婚葬祭を避ける地域も一部あります。寅の日を気にする方もいらっしゃるので、事前に調べておくことが必要です。
3-1. 入籍・結婚式
寅の日は、出たものが戻ってくるなどといわれている日のため、プロポーズや入籍、結婚式などは適していません。結婚した人が、元の家に戻る=離婚しやすいとも解釈できるためです。大安であっても、避けたほうが良いでしょう。
3-2. 葬儀
寅の日に葬式を行ってしまうと、亡くなった方がこの世に戻ってきて成仏することができなくなる、などと考えられているため、気になる方は避けたほうが良いでしょう。
香典を渡す際も、香典を出しても返ってくる、すなわち身内に死者が出るとも解釈されるため、なるべく避けたほうが無難です。ただし、通夜に関しては死者を偲ぶ日のため、行っても良いとされています。
4.2022年11月~2023年の寅の日はいつ?
ここでは、2022年11月~2023年の寅の日をご紹介しましょう。財布の買い替えや、引っ越しの日取りなどを決める際に参考にしてみてくださいね。
4-1. 2022年11月~2023年の寅の日一覧
2022年11月~2023年12月までの寅の日は以下のとおりです。
2022年11月 | 9日(水)・21日(月※) |
12月 | 3日(土)・15日(木)・27日(火) |
2023年1月 | 8日(日)・20日(金) |
2月 | 1日(水※)・13日(月)・25日(土) |
3月 | 9日(木※)・21日(火・祝) |
4月 | 2日(日)・14日(金)・26日(水) |
5月 | 8日(月)・20日(土) |
6月 | 1日(木)・13日(火)・25日(日) |
7月 | 7日(金)・19日(水)・31日(月※) |
8月 | 12日(土)・24日(木) |
9月 | 5日(火)・17日(日)・29日(金) |
10月 | 11日(水)・23日(月※) |
11月 | 4日(土)・16日(木※)・28日(火) |
12月 | 10日(日※)・22日(金) |
※印をした日は「不成就日」です。
4-2. 「不成就日」に要注意
暦の中には縁起が良い吉日だけではなく、何事も成就しないといわれる日があり、それが「不成就日」です。吉日と不成就日が一緒になった場合は、「吉日の効果が半減してしまう」「吉日と相殺されてプラスマイナスゼロになる」といった考え方があります。
どうしても避けなければならない日ではありませんが、寅の日の効果を得たい結婚や入籍などのお祝いごと、子どもや孫の命名、契約などを行う際には、別の寅の日や他の吉日に変更するほうが良いでしょう。
5.寅の日以外の縁起が良い吉日
寅の日以外にも縁起が良い吉日は他にもあります。ここでは、最強の開運日として有名な「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」と「天赦日(てんしゃび・てんしゃにち)」について解説していきましょう。それぞれに由来は異なるので、知っておくと活用しやすくなります。
5-1. 一粒万倍日
一粒万倍日は、古くから日本の暦にある吉日のひとつです。「一粒の種籾から一本の稲ができ、その稲から万倍の数の米が収穫できる」という意味があり、そのため、一粒万倍日は「何を始めるにも良い日」といわれています。
- 会社や事業の業績を大きく発展させたい方
- お金を増やしたい方
- 結婚生活を長く幸せに送りたい方
などに選ばれる吉日です。
一粒万倍日には、特に、財布を買い替えたり使い始めたりすると、「金運がアップしてお金を何倍にも増える」効果が得られるといわれています。月に4~6日程度あるので、生活の中で取り入れやすいのもポイントです。
逆に一粒万倍日に避けたほうが良いことは、借金や人から物を借りることをはじめ、他人とのトラブルや夫婦喧嘩などです。一粒万倍日に始まると事が大きくなってしまうともいわれています。小さな嘘も大きくなってしまいやすいので、会話には気を付けましょう。
一粒万倍日は良いことだけではなく、トラブルなども万倍に膨らんでしまうとされているので、注意が必要です。
5-2. 天赦日
全ての神が天に昇って、天が万物の罪を許す日とされる天赦日は、日本の暦の中でも最高の吉日といわれ、年に5~6回程度しかない貴重な日です。
天赦日は今まで始められなかったことがスムーズにスタートを切れる日ともいわれています。金運にかかわることやビジネス、財布の新調、結婚、入籍、結納などをする際にピッタリな日です。
寅の日や一粒万倍日とは異なる点は、やりたかったことや諦めていたことなどに再チャレンジすること、欲しかったけれど我慢していたものを購入するのに適しているということでしょう。
ただ、転職や開業にもピッタリな日ではありますが、退職や閉店にはあまり向いていません。新しくスタートを切るために退職や閉店をするという場合もあるでしょうが、「最後・終わり」という意味合いのほうが強くなるため、避けたほうが良いでしょう。
さらに「天が全てを許す日」とは言っても、何をしても良いわけではありません。犯罪はもちろんですが、借金やギャンブル、浮気など、ご自身で罪悪感が生まれる行為は慎みましょう。
もしも天赦日に悪いことが起きたら、「新しいスタートを切るために、厄が落ちた」と思って行動をすると、前向きに進めるでしょう。
6.寅の日との組み合わせも!財布の買い替えにおすすめの時期
普段使用する財布は、お金と密接な関係にあります。そのため、財布を買い替えるときは、縁起の良い日にしたいものですよね。財布を買い替える時期を、寅の日と組み合わせることでさらなる運気アップにも繋がるともいわれています。では、おすすめの財布の買い替え時期はいつなのでしょうか。
6-1. 春財布
財布を新調するなら、春財布が良いと聞いたことはありませんか?春は厳しい寒さの冬を越えて、花や草木がたくさん芽吹きます。その様子にあやかって、春に財布を新調することや、使い始めると、財布の中身がお金でパンパンに「張る=春」という意味が込められています。期間については諸説ありますが、主に以下の期間が「春財布」の新調に適した時期です。
- 冬至(12/22頃)~雨水(2/19頃)
- 立春(2/4頃)~啓蟄(3/8頃)
年末年始から本格的に暖かくなる春前までに買うのがおすすめです。
寅の日と組み合わせるなら、2022年は12/27。
2023年は、1/8、1/20、2/13、2/25に買い替えましょう。
6-2. 秋財布
続いてご紹介するのは「秋財布」。秋は米や果物などの植物が実る様子はエネルギーに満ちており、秋に財布を新調すると「財布が実る」ともいわれ、秋財布は金運アップにも良いとされています。
秋財布の時期にも諸説ありますが、以下の期間が「秋財布」です。
- 立秋(8/7頃)~立冬(11/6頃)
- 秋分(9/23頃)~新嘗祭(にいなめさい・11/23)
秋財布のご利益を得たいときには、収穫を祝う新嘗祭までに新調しておくと良いでしょう。
また寅の日と組み合わせるなら、2023年の8/12、8/24、9/5、9/17、9/29、10/11、11/4。忘れそうな方は、来年のスケジュール帳やカレンダーに寅の日をメモしておくのがおすすめです。
6-3. 締め財布
秋財布の期間に財布の買い替えを忘れた場合は、年末までに買い替える「締め財布」があります。春財布や秋財布とは違い、初めて聞いた方もいるかもしれません。12月に財布を買い替えることを「締め財布」と呼びます。
年末で「締まる」ことに由来し、財布が締まって余計な出費がなくなり、お金が貯まりやすくなることから、この名がついたようです。年末に購入する締め財布も、金運がアップするご利益を期待できます。
2022年と2023年の12月の寅の日は以下のとおりです。
- 2022年:12/3、15、27
- 2023年:12/22
なお、2023年の12月の寅の日には12/10もありますが、こちらは不成就日に当たるため注意しましょう。2023年は秋財布の時期までに買い替えておくと余裕を持って過ごせるでしょう。
おわりに
寅の日は、財布を買い替える際や宝くじ購入、投資、開業などお金に関することだけでなく、旅行や引っ越しにもピッタリな日だということはお分かりいただけたでしょうか。
寅の日や一粒万倍日、天赦日など、物事を始める際に縁起の良い日はいろいろとありますが、あまりとらわれすぎず楽しみながら活用していただければと思います。