自宅の和室を洋室にしたいと思ったことはありませんか。リフォームをするなら、できるだけ費用を抑えたいと思う方も多いでしょう。
この記事では、和室を洋室にリフォームする際の費用相場や、費用を抑えるための方法、リフォーム実例などをご紹介します。和室から洋室へのリフォームを考えている方、リフォームに興味のある方はぜひご一読ください。
和室を洋室にするメリット・デメリットとは?
和室を洋室にリフォームをした後に「やっぱり和室が良かった」ということがないよう、メリットとデメリットをきちんと理解しておく必要があるでしょう。では、どのようなメリットやデメリットがあるのか、ここで確認しておきましょう。
和室を洋室にするメリット
和室を洋室にするメリットには、次のようなことが挙げられます。
畳・ふすま・障子の張り替え費用がかからない
和室は、畳やふすま、障子が劣化した場合に張り替えが必要ですが、洋室にすると、維持費がかからないメリットがあります。
畳の張り替え費用は、畳のグレードにもよりますが、6畳で50,000円ほどかかる場合もあります。また、ふすまの張り替えには、5,000円〜10,000円ほど、障子の張り替えには、1,500円〜8,000円ほどかかります。
洋室にするとこのような費用がかからないため、費用面のメリットは大きいでしょう。
家具の跡が付きにくい
フローリングにすると、家具の跡が付きにくい点もメリットのひとつです。畳の場合、タンスなどの重い家具を置いていると跡が付いてしまいます。
その跡は元に戻らないことも多いため、家具の配置替えをすると畳の見栄えが悪くなります。一方、フローリングは家具のレイアウトを変えたいときもそのような心配がありません。
バリアフリーに適している
洋室にするメリットのひとつに、和室よりもバリアフリーに適している点が挙げられます。和室では、畳への影響を考えるとベッドを置きにくく、布団を敷いて寝る方が多いでしょう。
しかし、高齢者の方には、布団から起き上がる動作が身体に大きな負担となります。また、車いすで生活する方は、畳よりもフローリングの方がスムーズに移動ができます。そのため、バリアフリーの面では洋室のほうが生活しやすいでしょう。
カビやダニが付きにくい
洋室にすると、カビやダニが付きにくくなるメリットがあります。和室では、湿度が高すぎると畳にカビが生えやすく、掃除がしにくいことからダニが付きやすくなることもあります。洋室にリフォームをしてフローリングにすると、掃除がしやすいためカビやダニの発生を防ぐことが可能です。
デメリットはある?
和室を洋室にするとメリットがある一方、次のようなデメリットもあります。
床が冷たくなりやすい
フローリングには冷えやすいデメリットがあります。畳の場合はある程度の厚みがあり、畳自体に断熱効果が期待できますが、フローリングは畳より薄く、断熱効果は期待できません。
特に、冬になると足元が冷えやすくなってしまうため、床に断熱材を入れるか、床暖房を入れるなどの対策をしたほうが良いでしょう。
防音性が低い
畳からフローリングにすると、防音性が低くなるというデメリットもあります。フローリングは足音などが響きやすく、集合住宅では気になってしまうかもしれません。
対策としては、床材を「クッションフロア」にする方法があります。クッションフロアは足音などの衝撃音をある程度吸収してくれるため、床の防音性を高めたい場合は選択肢のひとつにすると良いでしょう。
和室のリフォームの費用相場と施工期間の目安
和室を洋室にリフォームする場合、費用や施工期間はどのくらいかかるのでしょうか?畳や壁など、施工箇所別に見ていきましょう。
畳
畳からフローリングへ張り替える場合、6畳〜8畳で100,000円〜400,000円が相場です。施工期間は1日〜3日が目安です。また、フローリングには大きく2種類あり、どの素材を使うかによっても費用が変わってきます。
複合フローリング
複数の板を重ね、表面に化粧材を貼り合わせたものを「複合フローリング」といいます。複合フローリングの費用相場は、1平方メートル当たり7,000円前後です。
ただし、複合フローリングは、素材や仕様によって費用が変わってきます。特に、メンテナンスフリー仕様やコーティング加工のものは費用が高くなります。
単層フローリング
天然木を切り出したものを「単層フローリング」または「無垢フローリング」といいます。単層フローリングの費用相場は、1平方メートル当たり9,000円前後です。単層フローリングは複合フローリングよりも費用が高いため、予算と兼ね合わせて素材選びを検討すると良いでしょう。
壁・天井
壁や天井は、クロスを貼るか珪藻土仕上げにするかで費用や施工期間が変わります。それぞれの費用相場は次のとおりです。
クロス仕上げ
壁や天井をクロス仕上げにした場合、クロスの種類や部屋の大きさにもよりますが100,000円〜200,000円が相場です。例えば、6畳の和室の砂壁をクロス仕上げにした事例では、壁にかかった費用が100,000円、天井のリフォーム費用が40,000円でした。クロス仕上げの場合、施工期間の目安は1日〜2日で、短期間でのリフォームが可能になります。
珪藻土仕上げ
珪藻土は、優れた調湿機能を持つ注目の素材です。壁や天井を珪藻土仕上げにする場合、200,000円〜300,000円が相場です。8畳の和室の事例では、壁にかかった費用は190,000円、天井リフォームの費用は70,000円でした。なお、珪藻土仕上げの場合の施工期間は2日〜4日が目安です。
押入れ
押入れをクローゼットにリフォームすれば、今までどおり収納スペースを確保できます。例えば、押入れをクローゼットにリフォームしたときの費用相場は、150,000円〜250,000円です。施工期間の目安は1日〜2日です。
ふすま
和室から洋室にするとき、ふすまはドアにリフォームすることが可能です。費用相場は80,000円〜150,000円になります。引き戸の場合は敷居の変更だけで設置が可能ですが、開き戸の場合は段差が生じてしまうため追加工事が必要な場合もあります。施工期間は1日〜2日が目安です。
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リフォーム費用を抑える方法とは?
和室を洋室にする際のリフォーム費用は、できれば安く抑えたいものです。ここでは、リフォーム費用を抑える方法をいくつか見ていきましょう。
安い材料を使用する
リフォームをする際、安い材料を選ぶと費用を抑えることが可能です。例えば、床材には、複合フローリングを使うと費用が安くなります。また、無垢材を使いたい場合には、ヒノキやスギなどの針葉樹での節が多いもののほうが費用を抑えられます。
他に、壁や建具のリフォーム費用を抑える方法として、クロスが活用できます。ただし、クロスを選ぶ際は、デザインや機能によっては高価なものもあるため、リフォーム費用を抑えたい場合は価格に注意して選びましょう。
複数のリフォーム会社から見積もりを取る
リフォーム費用は、依頼するリフォーム会社によってかなり違いがあります。そのため、複数のリフォーム会社から見積もりを取ると良いでしょう。
リフォーム会社には、大手のリフォーム会社、地域密着型の中堅リフォーム会社、小規模工務店などがあり、設定している価格もさまざまです。それぞれの見積もりを比較してみましょう。
補助金を活用する
リフォームをしたときに要件を満たしていれば、補助金の対象になる場合があります。以下の補助金制度を覚えておくと良いでしょう。
断熱リフォーム支援事業
リフォームに断熱材を使用したケースや、断熱機能のある窓やガラスを使用したケースなどが対象です。毎年、事業予算に達するまで期間限定で公募が行われています。詳しい内容は、環境省のWEBサイト「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」の公募情報ページでご確認いただけます。
対象 | 断熱材、断熱機能のある窓・ガラス など |
補助率 | 対象経費の1/3以内 |
公募期間 | 令和4年9月12日~12月9日(次回公募予定は1月~2月) |
公式サイト | 環境省|断熱リフォーム |
次世代省エネ建材実証支援事業
次世代省エネ建材の実証支援事業では、外張り断熱、内張り断熱、窓断熱のいずれかのリフォームが対象です。こちらは事前申請制で、工事の着工後は補助金の対象外になってしまうため注意しましょう。期間限定で公募していて、詳しくは「SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ」のWEBサイトを参考にしてください。
対象 | 外張り断熱、内張り断熱、窓断熱のリフォーム |
補助率 | 対象経費の1/2以内 |
公募期間 | (三次)令和4年10月31日~11月30日(受付終了) |
公式サイト | 一般社団法人 環境共創イニシアチブ |
長期優良住宅化リフォーム
長期優良住宅化リフォームは、住宅の性能を向上させるためのリフォームなどが対象です。こちらの申し込みはリフォーム会社が行うことになっていて、建物状況調査の実施や、リフォーム履歴作成などの要件をすべて満たしている必要があります。詳しくは、建築研究所のWEBサイトでご確認いただけます。
対象 | 性能向上リフォーム、防災性等の向上改修工事、子育て世帯向けの改修工事、三世代の同居対応工事、建物状況調査等に要する費用 |
補助率 | 補助対象リフォーム工事費等の合計の1/3 |
受付期間 | 令和4年度は予算額に達し終了 |
公式サイト | 長期優良住宅化リフォーム事業 |
こどもみらい住宅支援事業
子どもみらい住宅支援事業は、省エネやバリアフリーのリフォームをした場合に対象になります。この事業に事前登録しているリフォーム会社と工事の契約をした場合に申請できます。
本制度は予算上限到達のため申請受付は終了しましたが、新制度「こどもエコすまい支援策」が創設予定です。詳しくは国土交通省のWEBサイトを参考にしてください。
対象 | 省エネ、エコ住宅設備の設置等のリフォーム |
補助額 | 5万円~最大60万円まで |
対象期間 | 交付申請期限は令和5年3月末まで(※終了) |
公式サイト | こどもみらい住宅支援事業 |
介護保険
要支援・要介護の認定を受けている方の住宅で、バリアフリーのリフォームをした場合は介護保険が活用できます。こちらは、ケアマネジャーの方などにリフォームが必要な理由書を作成してもらい、施工前と施工後に自治体へ申請が必要です。
対象 | 段差解消、手すりの取り付け、滑り防止のための床材の変更等、バリアフリーのためのリフォーム |
補助額 | リフォーム費用の9割相当額 |
公募期間 | 通年 |
公式サイト | 厚生労働省|福祉・介護福祉用具・住宅改修 |
簡単なDIYもおすすめ
リフォーム費用を抑える方法として、DIYをする方法もあります。DIYなら費用が安く済む他、原状回復ができるためおすすめです。いくつかおすすめのDIYをご紹介します。
クッションフロアを敷く
畳の上にクッションフロアを敷く方法があります。クッションフロアはホームセンターなどで手に入り、和室に敷くだけで簡単に部屋を洋風にすることができます。なかには、ずれにくい吸着クッション性のものもあります。
壁にクロスを貼る
DIYをするなら、壁にクロスを貼る方法もおすすめです。クロスはホームセンターや通販サイトなどで手に入れることができます。クロスの裏に専用の糊を付けて壁に貼る方法や、糊付きのクロスを使う方法があります。
ただし、砂壁で傷みがひどい場合や、土壁の場合には直接クロスを貼ることが難しいため、リフォーム会社に依頼するほうが良いでしょう。
ふすまを外しておしゃれ収納に
押入れのふすまを外して収納スペースをDIYする方法もあります。ふすまを外し、押入れの内部はクロスやクッションフロアなどを貼ると、一気に部屋の雰囲気も変わります。押入れの中に収納ケースなどを並べるときは、部屋のクロスに色を合わせると統一感がありおしゃれに仕上がります。
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和室から洋室にリフォームする際の注意点
和室を洋室にリフォームするにあたり、注意したいポイントがあります。ここでは注意点について詳しく見ていきましょう。
和室と洋室の構造の違いに注意
和室を洋室にリフォームする際は、和室と洋室の構造の違いに注意が必要です。
根太(ねだ)を狭くする必要がある
床板を支えるために、床下には「根太(ねだ)」という部材が設けられています。根太は使用する床材によって設置間隔が変わります。通常、根太は畳の場合には広めの間隔で設置されています。
フローリングに変える場合は間隔を狭くすることが必要です。床下の構造にもよりますが、根太の工事が必要な場合は追加費用が発生することもあるため注意しましょう。
他の部屋との段差調整が必要
畳からフローリングに変える場合、フローリングは畳に比べて薄いことから、隣の部屋との段差が生じるため、段差を調整する工事が必要です。元々の構造にもよりますが、段差調整にも費用がかかることを覚えておきましょう。
真壁(しんかべ)を大壁(おおかべ)にする工事が必要な場合も
真壁(しんかべ)は柱や梁が見えるようにつくられているもの、大壁(おおかべ)は構造が見えないようにつくられているもののことです。
特に、一戸建ては和室に真壁を採用していることが多く、洋室にする際は大壁に変える工事が必要です。真壁を大壁にするには、下地をつくって壁に厚さを出す必要があるため、費用がかかる点に注意しましょう。
一方、真壁を残して和モダンな洋室にリフォームする方法もあります。どのような部屋にしたいか、よく検討をして決めると良いでしょう。
床・壁・ふすまのリフォームの優先順位を決めておく
和室を洋室にリフォームする際、床をフローリングにするだけで雰囲気が大きく変わります。一方、壁やふすまはデザインによってはそのままでも洋室にマッチする場合があるため、床のリフォームを優先したほうが良いでしょう。
床、壁、ふすまの順でリフォームを行うと、部屋のデザインのバランスを考えやすいためおすすめです。また、床だけのリフォームで済んだ場合は、費用も抑えられます。
フローリングの強度・防音性が大切
フローリングは畳よりも音が響きやすいとお伝えしました。特に集合住宅の場合は、防音性や遮音性に気を付けなければなりません。マンションの場合は、階下にどのくらい音が伝わるかを示す「遮音等級」が決められていて、その基準を満たしたフローリング材を使うことが義務付けられています。
遮音等級についてはマンションの管理規約に記載されていることが多いため、床材を選ぶ際は管理規約を確認してみましょう。
リフォーム後の生活をシミュレーションしておく
和室を洋室にすることで、今までとは勝手が変わる部分もあります。例えば、押入れをクローゼットにすると、手前に引く折れ戸になったことにより少し窮屈に感じてしまうかもしれません。リフォームを検討する際は、実際の生活をシミュレーションしておくと安心でしょう。
和室を洋室にチェンジしたリフォーム例
実際に、和室を洋室にしたリフォーム事例をご紹介します。それぞれの快適ポイントや費用も参考にしてみましょう。
和室を老後の寝室に
【リフォーム内容と費用】
- リビング横の小上がり和室を洋室に
- 費用:約120万円
リビング横にある小上がりの和室を洋室にし、床をバリアフリーにするケースです。老後の生活には、ベッドのほうが起き上がるのも楽になります。リビング横を寝室にしたところも生活しやすいポイントです。
和室のときはリビングとの間に段差がありますが、リフォームで段差を解消しバリアフリーにしたことでより生活しやすくなります。
和室をリビングに取り込んで広いLDKに
【リフォーム内容と費用】
- 和室をリビングに組み込んで一体の空間に
- 費用:約500万円(キッチン設備、配管工事費を含む)
和室を洋風リビングダイニングルームに取り込む大規模リフォームのケースです。それぞれ個室だったリビングダイニングと和室ですが、ひとつにすれば広々と開放感のあるリビングダイニングルームとして生まれ変わります。
6畳の和室を子ども部屋に
【リフォーム内容と費用】
- リビング横の和室を子ども部屋に
- 費用:約110万円
リビング横の和室を洋室にリフォームし、2人の子ども部屋にするケースです。子ども部屋を個室にすることでプライベートを大切にしつつ、リビング横で家族からの目も届きやすくなっています。
和室をワークスペースに
【リフォーム内容と費用】
- リビング横の和室をワークスペースに
- 費用450万(キッチン設備、配管工事費を含む)
リビング横の和室をワークスペースとしてリフォームするケースもあります。リビングとの間に引き戸を設けることで、集中できる空間の確保が可能です。普段は引き戸を開けて広々としたLDKの一部としても使えます。
リフォーム費用の支払いにはセゾンのリフォームローンがおすすめ
リフォームする範囲が広い場合や配管工事を行う場合には、大きく費用がかかることが分かりました。
リフォーム費用の支払いには、最長25年、最高500万円まで借り入れが可能なセゾンのリフォームローンがおすすめです。担保や保証人は不要で、最短2営業日で審査結果が出ることもポイントです。
セゾンのリフォームローンについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
和室を洋室にするリフォームには大きな費用がかかります。建材や必要な工事によっては費用が高くなってしまうこともあるため、予算と兼ね合わせたリフォームの内容を検討しましょう。また、費用を抑える方法として、ぜひ今回ご紹介した補助金制度の活用などもご検討ください。